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2012年1月22日 (日)

伊客船転覆は主電源喪失か?

私の考えであるが、イタリアのクルーズ船「コスタ・コンコルディア(Costa Concordia」が転覆したのは、主電源喪失によるコントロール不能が直接の原因ではないかと思う。「電源喪失により・・・」というのが、福島事故で、あったが、・・・。

詳細は、事故報告書を待つべきであり、現時点での情報は限られており、推測を書くべきではない。しかし、思うことを、少し書いてみる。

1) 停電と船内では当初発表

乗客の話として、当初は電気系統の事故発生であり、短時間に復旧すると船内アナウンスがあったとの報道がある。このことから想像すると、岩礁との衝突時のショックはそれほど大きくはなく、電源が喪失し、電気系統のどこかの事故である疑いが持たれたとしても、不自然ではなかったのであろうと思う。

但し、不自然ではなかったということは、岩礁との衝突時、又はそれから余り時間が経過しない短時間のうちに、主電源が喪失していたと考えるべきと思う。ここで、全電源と考えないのは、船上・船内で衝突後に撮影された写真では、照明が点灯しており、ある程度の電源は確保できていたのだと思う。

2) 主電源喪失の結果

Costa Concordiaは、ディーゼルエンジンで発電機を駆動し、発生した電力でプロペラを回す電気推進動力の船であった。Wiki(英語))によれば、ディーゼルエンジンが6基あり、左右のプロペラはそれぞれ21MWの電動機で駆動する。そして、横たわった現在の写真からして、船首にバウスラスターと船腹に横揺れ減少フィンがあると思える。これらは、すべて電力駆動である。

主電源を喪失すると、自らのコントロールを失い、流されるままになる。ニュースによれば、12ノット(6m/秒)の風があったようである。他の客船も同様であるが、客船は水面から船底までの水に沈んでいる部分が小さく、逆に水面上の構造物が非常に大きい。ちなみに、Costa Concordiaでは、水面下の喫水がWikiには8.2mとあり、水面上はこのパンフレットを見ても15階以上あったのである。風が吹くと、流されていく。そのような流されていく中を、風に抵抗して、操縦するのが、Costa Concordiaの航海であったと思う。

3) 転覆地点

転覆している場所は、Giglio島の東海岸であり、写真からして右舷を下側にしている。参考として、次のYahoo地図では、左上のジーリオ島がGiglio島で、右下のチヴィダヴェッキアを出航し、Giglio島とイタリア本土との間を航行しようとしていた。

4) 座礁地点と座礁による破損箇所

右舷が水没しているが、破損箇所は左舷と思える。次の写真から判断してである。(大きな写真はここの6番を見てください。)

Costaconcordiaa
手前が、船首であり、上になっている左舷の後方に大きな裂け目が見え、これが岩礁との衝突により発生したと想像する。Costa Concordiaのエンジンと電動機は、多分この船尾近くに据え付けられており、海水進入によりエンジンや電気系統が使えなくなり、コントロール不能に陥ったのではないかと思う。Costa Concordiaはイタリアの
Ficantieriが建造した。イタリアの船舶推進研究CETENAのこの資料によれば、Costa Concordiaは7ページのTraditional Diesel Electric Propulsionとなっており、19ページのイラストレーションの下ではなく、上の構造になっていたはず。すなわち、エンジン・電動機は、この亀裂が発生した箇所の近くにあったはずである。

ちなみに、この航跡図これの502)は、可能性が高いように思う。そうだとすれば、完全にコントロール不能の結果が事故原因として大きい。

5) 本当の事故原因

主電源喪失が原因としても、主電源完全喪失はあってはならないことである。岩礁に衝突したぐらいでも発生してはならない。船の方も、主電源喪失はあり得ないとして、乗客の避難のことを考えずにいたのではと思う。

常に一定条件で航走するなら、電力を間に挟むことによる効率低下がある。しかし、風の影響や操船の容易さから、Costa Concordiaのような大型旅客船は電気推進を採用していると考える。当然、何重もの安全性が考えられていたはず。しかし、見事にそれが破られたケースの様に思う。福島事故と、似ている点がある。

ある推測を書いたまでであるが、今後のために、事故の究明をして欲しいと思う。その結果は、客船のみならず、多くのことに共通してあてはまるように思う。

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