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2012年4月25日 (水)

関西電力2012年夏の電力需給

関西電力の今年の夏の電力不足18.4%について、根拠を示すべきと私は述べていた。最近ではあるが、関西電力は、4月23日にこのプレスリリース「今夏の電力需給に係る報告について」で、見通しを発表していた。これについて、分析を書いてみることとする。

1) 2011年度電力需給実績

資源エネルギー庁電力調査統計のデータから、関西電力の2011年4月から2012年2月までの毎月の電力総供給量のグラフを書いた。

Kepco20124
関西電力の場合は、8月が最大であり、冬よりも夏の電力需要が大きい。

2) 関西電力の需要予測

電力需給の見通しは、プレスリリースに添付のpdfの13頁に書いてあるが、電力量ではなく、瞬間値の供給力をベースにしており、2010年度並の猛暑で30,300MWと想定し、一方供給力は、25,350MWに止まり、4,950MW (16.3%)不足するとしている。

実績では、2011年8月の最大電力は27,844MWであった。30,300MWは、8.8%の増を見込んでおり、あり得るかも知れないが、猛暑の場合であり、また何日続くのかの疑問もある。

3) 関西電力の供給力予測

13頁に、火力19,230MW、水力2,540MW、揚水2,320MW、地熱等50MW、融通等1,210MWの合計25,350MWと記載されている。少し分かりつらいのは、2頁目で他社と表現している設備を自社設備の火力と合計している点である。

資源エネルギー庁電力調査統計で見ると、2011年8月の最大電力は水力5,240MW、火力13,922MW、原子力3,426MW、他社受電5,255MWで合計27,844MWとなっている。なお、2012年1月は、水力2,536MW、火力14,230MW、原子力928MW、他社受電6,773MWの合計24,467MWであった。もし、この2012年1月の数字の水力を水力2,540MW、揚水2,320MW、地熱等50MWの合計4,910MWで置き換え、原子力をゼロにすると、25,913MWとなる。

関西電力の供給力予測は、無理をしていない余力ある数値と思える。

従い、猛暑かどうかと、自社設備はもちろんのこと、他社からの受電を含め、最大限供給力を伸ばせば、この状態より改善すると思う。現実的かを、さておくと、例えば、関西電力の水力の認可出力合計は8,197MWである。

もう一つは、節電とピークシフトで、どれだけ改善するかの点と思う。そして、万一猛暑になった場合、最終的には、計画停電を実施することも、関西地方の需要家が選択すればあり得ることである。その場合は、病院・医療機関、鉄道、交通信号、水のような社会的インフラは停電の対象外にすべきと考える。政府に任せず、自分たちの問題として、取り組むのが必要と思う。

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コメント

コレを言うと、回し者(工作員?)扱いされる事が多いですけど、まぁ敢えてこういう考え方をする者もいるということで。

認可された最大出力は8197MWですけど、常時出力は概ねその半分弱(4000MW前後)のはずです。
豊水・渇水・揚げるための電力の供給量に影響されるとはいえ、関西電力さんの水力の想定が然程に無茶なものとは思えないというのがワタクシの感想です。

水力は保守的に見積もるのが吉だと思ってますので。

投稿: 秘匿希望。 | 2012年4月25日 (水) 09時00分

秘匿希望さん

コメントありがとうございます。

私も、関西電力の予想は、保守的な慎重な予想ではあるが、間違ってはいないと思います。マスコミ他の少しでも間違いがあり、許さないと言ったパッシング的な風潮が多いことを考えれば、会社・企業としては、このあたりが妥当な発表ではと思います。

むしろ重要なのは、関西地方の人が、今夏は原発再稼働を見送り、その代わりとして計画停電を受け入れるか、計画停電を受け入れる場合は、どのような優先順位の計画停電とするのかを議論すべきなのではと思います。こんなことを言うと、関西地方の人達に怒られそうですが、勿論そうならないかもしれない。しかしリスクがあることは、その通りであり、リスクの度合いについて、関西電力にもっと問いただしてもよいと思うのです。

私の結論は、政治(家)任せにするのではなく、自分の問題としてとらえないと、解決しないと思うのです。

投稿: ある経営コンサルタント | 2012年4月25日 (水) 22時15分

計画停電での医療機関への優先的電力供給となると、かなり困難では、透析などは個人機関も多々ですし。産科も個人機関も多くですし。 清く諦めると言う事もですが。 まぁ、救急車最多の出動を誇る大阪人のですかるからね。 新型インフルの時に、ゴールデンウイークの診療休み中に、大騒ぎですから。 大規模停電で電気の重要性から、福井に土下座で要請を心に決めるまで、追い込まれないとでしょう。

  夏場に長時間停電は、冷蔵庫の中の物が腐敗しますから、 食中毒の問題を身近に体験出来るとも。

投稿: omizo | 2012年4月28日 (土) 22時27分

omizo さん

コメントをありがとうございます。

供給不足になるかどうかの議論と同時に、やはり、そうなった時の対応について議論しておくべきだと思います。

関西電力の予測は需要30,300MWで、供給力は25,350MW故、不足が4,950MWである。一方、大飯3、4号機は各1,180MWなので、合計2,360MWである。そうなると、まだ2,590MW不足する。このあたりも、関西電力や政府に説明を求めるべきと思います。私は、大飯3、4号機は原発なので、揚水発電を稼働させる余力が増加し、相当程度は埋まるだろうと思います。しかし、それでも不足分の2,590MWに十分かは、分かりません。また、ピーク時間帯に事故があることもあり得ます。その場合は、停電でしのぐという方針なのか?

なお、計画停電は、うまくやれば、影響を最小限に抑えられます。現実に、昨年3月の東京電力計画停電でも、対象地域内であるにも拘わらず、供給を継続した範囲が現実にありました。上水道のポンプがあったからか、鉄道の駅があったからか、理由はよく知りません。医療機関に24時間電力供給をすることは可能です。何故なら、突発対応の停電ではなく、計画停電だからです。

投稿: ある経営コンサルタント | 2012年4月29日 (日) 11時51分

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