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2012年5月31日 (木)

高齢者・低所得者の医療と負担

NHKクローズアップ現代が不思議な番組を放映していた。

5月29日 もう病院で死ねない ~医療費抑制の波紋~

1) 病院で死ぬことが正常なのか?

人の生き方は、様々であり、例えば役者にとって、死に場所は舞台だと発言されている方もいると聞いたことがある。極端な例であったが、ごく普通の場合でも、延命治療より人間としての尊厳を保ちQaulity of Life(QOL)を最後まで追求し、人間として生き続けたいと考えておられる方もいるはず。

在宅医療、訪問看護、理学療法、介護サービス、食事サービス、家事サービス等を受けつつ、家族とともに最後まで暮らしたいと思っておられる方もおられるはずである。そのような方にとっては、在宅医療関係のサービス充実の方が重要と考えるはずである。

2) 医療費は誰が払うべきか

NHKの番組は、「この病院では、入院直後から患者を早く退院させることを検討します。そこまで力を入れる背景にあるのが、国の医療制度改革です。」と伝える。本質をあえてはずして、表面の一部を上滑りさせているように思える。その結果が、番組への書き込みコメント(スタッフの部屋にある)である。ほとんどは放送内容に対する同調。

医療資源は無尽蔵にあるのか?有限であるなら、どう需要と供給をバランスさせるべきなのか?国の医療制度ではなく、我々の医療制度である。医療を必要としない人に、病院を提供できる余裕は全くないはずである。医療スタッフも人なら、患者も人である。

医療ではない分野を医療に押しつけては、本末転倒である。

このような番組の結果として、恐ろしいことは、日本の医療崩壊が更に加速することである。

3) 後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度をどう改革するかであるが、一つは患者自己負担を全員同一の30%とすることと考える。現在は、現役並み所得者は30%負担で、それ以外は10%負担である。その結果は、5月25日の消費税増税を考えるに書いた協会けんぽの保険料率10%につながっている。後期高齢者医療制度とは、初めから、破綻を前提に設計されていると思う。破綻を避けるには、やはり自己負担を他の制度と同様とし、前期高齢者も30%負担とするのである。

老人ホームと病院とどちらの滞在が現状で安くつくかといえば、圧倒的に病院なのである。現役並み所得者以外の70歳以上の高齢者の世帯あたり高額医療費負担最高額は、一般で月に44,400円であり、住民税非課税だと月に24,600円とか15,000円です。これだけの医療費で済むのです。

しかし、衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で、次のようなやりとりがあり、消費税以上に困難が予想される。

時事ドットコム 5月29日 窓口負担、3割が上限=現役世代の医療費-岡田氏

高齢者が医療費を払わず、高額の年金を受領し、それを若い人達が負担する社会に未来があるのかと思う。互いに応分の負担をし、万一の場合は、助け合う社会が望む社会だと考える。

一方で、日本で金融資産を保有しているのは、高齢者である。全てが、根本的に狂っていないだろうか?これを放置してよいのだろうか?有価証券税制や相続税制も併せて考える必要がありそうだ。

4) 生活保護者医療扶助

生活保護者医療扶助は、医療保険ではなく、生活保護法による政府と地方自治体負担になっているので、少し土俵が異なる。しかし、医療という面からは同じである。

一方、本当に重大な医療問題が存在するのは、高齢者の病院問題ではなく、低所得者の健康保険料滞納問題だと思う。国民健康保険減免制度もあるが、生活保護費程度の収入があれば、減免を受けられないこともある。これも変な話であるが、生活保護を受けていれば、保険料を払う必要がなく、生活保護を受けていなければ、保険料を払い、かつ医療費の自己負担額を負担する。

低所得故に医療機関での受診を回避し、結果的に病気が悪化する。それが、働くことを困難とし、低所得状態から抜け出れないという悪循環になる。あるいは、生活保護を受けざるを得なくなる。そのような状態の改善が、社会として取り組むべきより重要な問題と思う。

生活保護者医療扶助制度を廃止し、生活保護者は保険料全額免除とするのがスッキリすると思う。30%自己負担願うが、高額医療費制度の限度が適用される。

特定の側面のみをとらえて考えるのではなく、様々な角度から分析して考えていきたいと思う。

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