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2012年5月22日 (火)

薬事行政 朝日新聞と小宮山洋子厚労相

5月22日の次の朝日の記事であるが、違和感を感じた。

5月22日 朝日 薬事行政監視進まず 政府、第三者機関設置の法案断念へ

1) 問題大臣?or 報道能力問題?

今国会に政府として提出するのを断念する方針を固めた」とあり、そうであれば、断念する理由があるはずである。ところで「小宮山洋子厚労相は21日夜、朝日新聞社の取材に対し、「政府案として今国会の提出は無理。議員立法で成立させてもらいたい」と述べた。」 となっている。

小宮山厚労相が、どう発言したかは、朝日の取材に対してなので、検証方法がないが、大臣として必要であると考えるなら、厚生労働省の内部で議論・説得すべきであり、それができないからと言って、政府の人間が安易に議員立法で成立させてもらいたいと発言すべきではない。

しかし、もしも「どうしても、それを望む人がいるなら、議員立法を、その人達が働きかけることに反対しない」とのニュアンスであれば、厚労相発言は理解できる。本当に朝日新聞の報道通りであり、失格大臣であるのか、朝日の報道能力に問題があるのか、判断がつかない。

2) 薬害肝炎検証・検討委員会「最終提言」

4月22日に、薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会より「最終提言」が出されており、この厚生労働省のWebからダウンロードすることができる。

最終提言において、概要版の最終ページや全体版の74~77ページに、第三者監視・評価組織の創設について書かれている。概要版では、立法の必要性までは記載されておらず、全体版では国家行政組織法第三条の三条委員会あるいは一歩後退するが八条委員会とすることについての検討が書かれている。

私は、原子力については三条委員会であるべきと書いた。しかし、薬事行政について三条委員会が適切かと問われれば、やはり返答に躊躇する。医療や薬事は、難しすぎるからである。時間をかけて慎重に対処すべきこともあるが、緊急な対応が必要な場合もある。

例をあげれば、日本では治験に時間を要し、ドラッグラグがあると言われている。これについて、早く承認すべきとの患者の要望があり、一方で薬害防止に万全を期す必要がある。この解決は、1つの製薬について具体的に医学・薬学的見地から検討することによってのみ得られると思う。

3) 私の提言

第三者委員会が、医療・製薬について医学・薬学的な見地で検討するのではなく、薬事行政の仕組みや審査体制等の問題を厚生労働省ではない外部の人達で構成された委員会が監視・評価することで、薬事行政の実効性をあげようとすることと言える。

しかし、私が第三者監視・評価組織を創設しても、改善や解決につながる可能性は、不明な部分が多いと思う。逆に、三条委員会として大きな権限を付与するなら、薬事行政に固定するのではなく、政府の行政行為のあらゆる部分について、例外対象を極力少なくして、そのような第三者監視・評価組織を創設すべきと思う。

しかし、少しでも前進させようとするなら、患者代表を含んだ薬事行政の監視・評価を実施する委員会を厚生労働省の中に設置すればよいと思うし、それなら、立法措置なしで創設可能と思うのである。その委員会をどのように発展させることができるかは、関係者と国民の問題と思う。

ITの利用を推進すべきと思う。それは、一言で言えば、電子カルテである。ほとんどの病院では電子カルテを導入している。しかし、その一番の利用目的が、診療報酬の保険請求であったりする。本当は、患者の病気治療・健康維持であるべきである。患者は、どの病院・診療所を受診し、治療を受けても、全ての記録が保管されることとする。あらゆる薬には、副作用があるのであり、薬効と副作用について患者ごとに管理できる。結果は、患者個人にとっても、医療・薬事行政にとっても有効に利用できる。

国民は全員がカードと自分で設定したパスワードを持てばよい。医療機関で受診する際には、カードを入れて、パスワードを入力する。データは政府が管理するクラウド・コンピューターにあるので、医療機関はその患者の全データが得られる。個人も自分のPCから、自分のデータが入手できる。日本の現在の制度では公務員の守秘義務が最も大きいのである。

それ以外にも考えられることは多いと思う。私は、朝日新聞のような単細胞的発想にはついて行けない。単純に決めつけて批判することしかできず、本質を見ることができないとなると、誤った方向に行ってしまう可能性が大きいと思う。

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コメント

保険病名があるから。保険適応のための病名という意味。

投稿: omizo | 2012年5月24日 (木) 23時54分

omizo さん
コメントありがとうございます。

薬害肝炎と言っても、保険病名としてはC型肝炎ウイルス感染症になると私は理解しているのですが。

私の理解は、間違いなのでしょうか?

投稿: ある経営コンサルタント | 2012年5月25日 (金) 21時55分

保険病名としてはC型肝炎ウイルス感染症になると私は理解しているのですが。

肝炎訴訟についてはそのとおりです。


 電カル、セセコンの保険病名に関しての話です。、

c型肝炎については、アンチモン製剤静注時代からの噂をありますから。 薬害と言えるかどうかもです。 無過失補償としての医療救済の方が。 

 ドラッグラグは、ワクチンで如実ですから、輸入新型インフルワクチンの殆どを廃棄ですから。 ドラッグラグは、保険適用の問題になり、自由診療では可能ということですし。
混合診療を認めるかとも関わりますね。 

投稿: omizo | 2012年5月27日 (日) 22時22分

omizoさん

コメントをありがとうございます。

無過失補償としての医療救済は、確かに検討すべきですね。因果関係のみで対処するとなると、矛盾する様々な要素があるなかを、時間をかけて、最後は裁判によらざるを得ない。確かに、裁判も一つの方法であり、否定しない。しかし、それが全てかと言えば、人間社会としては、もっと賢い仕組みを作ることもできるはず。

被害者救済とは、自分自身がもしかしたら被害者になるかもしれない、しかし同時に被害者にはならないこともある。最善の解決を冷静に考えるべきですね。

投稿: ある経営コンサルタント | 2012年5月27日 (日) 23時13分

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