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2012年10月20日 (土)

停止中の原子力発電のコスト

2011年4月に有価証券報告書からみる原子力発電コストを書いたのですが、当時は東日本大震災が発生した2011年3月11日から日も浅く、2009年度の有価証券報告書が最新の事業年度の発電原価の明細を記載した報告書であった。2011年度(2011年4月から2012年3月までの1年間)の有価証券報告書は6月末に電力各社から発表されており、原子力発電の停止と発電原価の関係を有価証券報告書から読み取り、ブログで書きたいと思っていた。遅ればせながら、今回やっとブログにアップすることができるまで作業をすることができた。

1) 過去4年間の原子力発電コストの比較

次のグラフをご覧ください。2008年度から2011年度までの4年間であるが、原子力の発電量は過去3年間の40%以下になっているにも拘わらず、コストは90%を少し下回っただけです。原子力発電とは、運転していなくとも、コストが発生してしまうのである。

Genecost201210a

固定費が多いのであるが、内訳を見ると次の表の通りです。

Genecost201210b
決して、有価証券報告書のコスト・データが唯一の絶対的真実ではないが、他のコスト・データより信頼性は高いと考える。また、どのような考え方でどのような方法で算出されているかを調べて、チェックすることも可能である。

会計上のコストとはある前提で成立するが、特に原子力発電はその性格が大きい。電気事業法、電気事業会計規則、原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律等に基づきコスト算出をしているが、核燃料再処理も、高レベル放射性廃棄物も、実際にどのようになるかは不明である。高レベルの放射性物質を含んだ廃棄物をどう処理すればよいか決まらない以上は、廃棄物処理費用も廃炉費用も不明である。しかし、無視するより、前提をおいてでもコスト計算をした方が、良いと言える。

2) 火力発電との比較

火力発電と比較しつつ考えた方が、より分かりやすいはずである。そこで、発電量とコストのグラフに火力発電を追加した。原子力発電の場合は、原発を保有している一般電気事業者9社(沖縄電力を除く)と日本原子力発電の10社の合計を日本の原子力発電のコストとした。比較する火力発電コストは、同じようなベースとし、一般電気事業者9社と電源開発の火力発電とする。沖縄電力のコストは合算対象としなかった。

Genecost201210c

2010年度と2011年度を比較すると、原子力発電で180,000GWh程度発電が減少し、火力発電は120,000GWh程度増加した。コストでは、原子力は14%減少に対し、火力は48%増加である。この理由は、次の原子力発電のコスト内訳と火力発電のコスト内訳を見れば、一目瞭然で分かると思う。火力発電とは、燃料費がほとんどだから、コストは発電量に大きく比例することになる。

Genecost201210d

Genecost201210e_3

どうですか、上の2つのグラフを比べるとよく分かると思うのです。なお、数字で記載した表も付けておきます。(火力は燃料費の内訳も記載しました。原子力は、上の表と同じです。)

Genecost201210f
Genecost201210g


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