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2013年3月26日 (火)

震災復旧に関する財産権と公共の福祉

進んでいない震災復興の理由の一つに、用地に関する権利関係の複雑さがあるとする釜石市嶋田副市長の文章がDianmond Onlineにあった。

Dianmond Online 3月25日 複雑な権利関係が住宅再建の障害 一方、多様な形の復興参画が力に

1) 強すぎる土地所有者の権利

憲法29条は、次のようになっている。

第29条  財産権は、これを侵してはならない。
2  財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3  私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

土地に関する財産権とは何であろうか?土地の権利とは土地を利用する権利である。憲法第29条第2項の「公共の福祉に適合するやうに」と個人の権利の制限をする場合として、一番最初に頭に浮かぶ財産は、土地や地下資源あるいは水や森林のような個人が保有しているとしても、社会が保有している共有財産である性格を持つ財産と考える。

2年前の政権は復興庁のようなあまり役に立たない組織を作ることには熱心であったし、25年間の増税をする復興増税は実施したが、実質災害復興にどれだけ役立っているのかと思える。災害復興のための土地の私権の制限に関する特別措置法でも立法し、その運用に際しての問題点・改善すべき事項等をフィードバックし、すべてに渡って適用される法の立法に向けて動くべきであったと思う。

2) 土地と公共の福祉

問題は災害復旧だけではない。所有者が死亡しても、相続登記はおろか、相続に関する取り決めすらされていないことがある。都市において誰も住まなくなった住宅が存在し、近隣に迷惑になっていることがある。山林の多くは相続人が誰か不明で、境界もよく分からない状態になっていることが多いと聞く。一方で、外国人の土地保有の制限はないことから、どのようなことが生じるのかもよく分からない。

少なくとも、土地と公共の福祉のあり方に関する検討がなされる必要性を感じる。土地収用は、政府や地方公共団体により行われることが多いが、もっと適用範囲を広げ、公共の福祉目的(この福祉とは狭い範囲の福祉ではなく、憲法で述べている福祉のこと)であれば、強制土地収用を認めて良いように思うのだが。なお、公共の福祉とは狭い範囲の福祉ではなく、憲法で述べている公共の福祉のことであり、強制土地収用がなされるべき範疇に入るかどうかは、住民参加を得た委員会で決定すべきであり、正当な補償はなされなければならない。例えば、都市再開発の高層化なんて、変な地上げ屋が暗躍するより、計画が関係者に公開され、議論され、住民と関係者の参加で決定される方が、良いように思う。

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