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2013年6月19日 (水)

子宮頸がんワクチンについて

子宮頸がんワクチン接種の副作用について、以下のような気になる報道がなされているが、本質が伝っていないと思いました。

読売 長野 6月18日 子宮頸がんワクチン推奨中止で波紋

NHK 6月17日 子宮頸がんワクチン 方針転換波紋広がる

2011年9月3日に、私は、このブログを書きました。当時も今も、私は考え方に差はありません。読んでいただくと、ほぼ理解できると思います。もし、現在の報道に関して申し上げるなら、あらゆる医薬品や医療について期待できる効果と同時に副作用があります。当時から子宮頸がんウイルス・ワクチン(HPVワクチン:Full Nameは、Human Papillomavirus Vaccineです。)を接種した場合に、低くはあるが副作用があることは知られていました。副作用があるが、なぜ接種するのかは、効果が大きいからです。すなわち、リスクとリターンの関係です。

この6月14日の厚生労働省の各都道府県知事宛勧告を読むと、どう感じられますか?特に、勧告に添付されているこの説明を読むと、私には、報道とは全く逆に読めてしまいます。重い副反応は、ワクチン接種と関係がない事例を含めて96万回に1回や30万回に1回とか書いてあります。

WHOのこのHPVについての説明にも、子宮頸がんは女性が罹患するがんの中で2番目に多いと書いてあります。日本は、どうであるのか、国立がん研究センターがん対策情報センターの罹患データ(全国推計値)を使ってグラフを書きました。

Cervical_cancer2013a

子宮頸がんは赤色で示しましたが、第5位でした。一方、この罹患率は、国際比較を可能とするための世界人口モデルをベースにしており、日本人口モデルをベースにすると高齢化が進んでいることから罹患率は少し高くなり図表2のようになります。

Cervical_cancer2013b

なお、この先が重要なのですが、年齢別に見ると、様子が変わってしまうのです。子宮頸がんの罹患率は若い年齢に高いのです。図表3は、上皮内がん含まない場合であり、図表4は上皮内がんを含む場合です。上皮内がんとは、上皮細胞と間質細胞(組織)を隔てる基底膜を破って浸潤していないがんで、切除により治ります。上皮内癌が最もよく観察されているのが子宮頸がんとのことです。また、罹患率とは、新たに診断されたがんの率です。

Cervical_cancer2013c

Cervical_cancer2013d

子宮頸がんは100種類以上あるHPVの幾つかの種類(15種類が高リスク型とされています。)が原因であると考えられています。HPVワクチンはHPVの全てに有効である訳ではないが、相当の効果が期待できます。但し、HPVに既に感染している場合には、発症していなくても、ワクチンの効果はありません。またHPVの感染原因は、ほとんどが性交渉です。それ故に、日本政府は13歳から16歳のワクチン接種を助成することとしたのです。

今回の騒動でワクチンを接種したがまだ3回目が終わっていない方がおられたら、必ず3回終わらせてください。そうしないと意味がありません。またHPVワクチンを接種したとしても、子宮頸がんに罹患するリスクは低くなったものの、ゼロになったわけではないので、がん検診は必ず受けて下さい。図表3や図表4のように若くても子宮頸がんの罹患リスクは、それなりに高いのです。なお、最後に女性のがんによる死亡率を図表5として掲げます。子宮頸がんと子宮体がんが区別されていないが、死亡原因になりえます。データは厚生労働省の人口動態統計からです。

Cervical_cancer2013e

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コメント

免疫力をつけて身体がウイルスに感染することを何とか避けたい。
同時にパソコンがウイルスに感染することも避けたい。
gooブログにアクセスすると、ウイルスに感染することがあるから、近寄らないことが望ましい。
URLがblog.gooで始まっている。また角の中にgが入った赤いマークが付いている。
ウイルス対策ソフトがパソコンに入っておれば問題ないと思われるが、念のため。
君子危うきに近寄らず。

投稿: うなぎ | 2013年6月19日 (水) 10時58分

本来、ウイルス増殖の過程で、細胞はがん化しない。なぜなら、ウイルス増殖の過程で、侵入された細胞は死滅するからで、ではなぜ逆転写を起こすのかであるか?。そのウイルスにとってそれが宿主でないから。HPVもHBV,HCV,HIVも逆転写を起こす。HPVの暴露に関しては、子宮頚部露出年齢から考えると15歳前後と言うことです。子宮体がん患部からも、16型、18型含むHPVが検出されている事も、咽頭がんからも、16型、18型含むHPVが関与している事も付け加えておきます。亜急性硬化性全脳炎は、野生株の麻疹ウイルスのM領域遺伝子の欠落で起こる事が解明されています。M 蛋白が麻疹ウイルスの増殖様式を制御しているからで。
http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/infolib/user_contents/kiyo/DB00011700.pdf

投稿: omizo | 2013年6月19日 (水) 20時18分

子宮頸がんが、死亡例だけでなく、円錐切除術適用外の進行度なら全摘です。HPVが睾丸がんを引き起こすとなれば、どうですか?。

投稿: omizo | 2013年6月19日 (水) 21時01分

それと、今緊急問題は、MRワクチン。
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/30db90f5f957c4c56b35f518656ca7c3

http://georgebest1969.typepad.jp/blog/2013/06/%E4%B8%80%E8%B2%AB%E6%80%A7%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%84%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E8%A1%8C%E6%94%BF%E9%A2%A8%E7%96%B9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B.html

HPVワクチンの岩田先生の意見
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/2013/06/hpv%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E7%A9%8D%E6%A5%B5%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%8B%A7%E5%A5%A8%E4%B8%80%E6%99%82%E4%B8%AD%E6%AD%A2%E3%82%92%E8%A9%95%E4%BE%A1%E3%81%99%E3%82%8B.html

任意ワクチンは、厚生省は積極的な進言はするなと、以前から医者に言っていますから。 今に始まった事でもないです。

投稿: omizo | 2013年6月19日 (水) 21時35分

今回の風疹は2004年の再来です。当時予見もされていましたが(で、2006年のMR 定期へです、これを決断した時の厚生大臣は評価されるべき存在です。で、2回接種定期へとつながる)。 風疹にしても、麻疹にしても、こちらは定期ですが。HPVにしても、公衆衛生から見た位置ではなく、自腹はいやだが、助成があるなら、打っておくか。です。MRは自腹なら1ショットが1万前後しますから、10年持つと思えばそれほど高いとも思えませんが。それと、破傷風抗体は現在の40歳以上にはほぼ無い。3回の接種後に10年毎づつ接種すれば。

投稿: omizo | 2013年6月19日 (水) 22時18分

omizo さん

数多くのコメントをありがとうございます。

子宮頸がんに罹患したとして、円錐切除や全摘があり得るのであり、リスクをどう評価するのか、難しいと思います。

HPVは風疹等と違って、セックスでしか感染しないんですよね。Heavy Sexをしなければまずは大きな問題はないとの説もあるようです。HPVにコンドームも有効だと私は思います。また、20歳を過ぎたら毎年検診を受けていれば、HPVワクチンがどうしても必要なのかについても、厚生労働省は見解を出すべきだと私は思います。

セックスのことを伝えずして、子宮頸がんを厚生労働省が述べることは、私は最低の役所のように思えます。マスコミも同罪ですが。

投稿: ある経営コンサルタント | 2013年6月19日 (水) 22時57分

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