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2013年7月16日 (火)

相続に関する消極的トラブル

相続に関するトラブルは、少なくないのですが、消極的トラブルと書いたのは、気が進まない相続やトラブルがやがて発生する相続です。

1) 不動産の相続

バブル時代にはあるゆる土地に価値があったのかも知れないが、今や簡単には買い手がつかずという土地が結構多いようです。そして、人口減の日本では、その傾向が増加すると予想されます。

また、不動産の相続登記をするには、相続人全員による相続財産分与合意書のような、誰がその不動産の相続人であるかの書面を登記に際して提出せねばならず、かつ、相続人全員が合意していることを証明するには、全相続人とは誰になるかを確認するために、被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの全ての戸籍謄本(閉鎖謄本を含め)を提出する必要があります。

不動産の相続とは、手続きだけでもめんどうくさいのです。勿論、司法書士等に依頼して、戸籍謄本の入手も可能ですが、抵当権の設定もなく、売却もしないならば、費用も節約できるので、相続登記が放置されることがあります。固定資産税は、死亡した人あてに納付書の送付が続くが、誰かが納付をしていれば、特に問題にされないと理解します。

2) 開発と相続

東日本大震災の結果、道路の移転、拡幅、堤防の増強等で地方自治体が津波に強い地域を作る目的で土地購入をしようとしたところ、登記上の所有者は既に相当前に死亡しており、相続人は非常に多く中には海外に移住してしまった人もいるとの話を聞いたことがあります。この場合でも、地方自治体は全ての相続人から同意を取る必要があり、あるいは土地収用法による収用をすることを迫られると理解します。いずれにせよ、工事は予定通りには進まず、開発は中断し、遅延あるいは計画変更になると理解します。

高価格で買い取られる開発であれば、地上げ屋が活躍して、動くのでしょうが、そのような開発ばかりではない。東日本大震災後の復旧や開発のみならず、1970年頃以前に建設されたアパートや住宅においても都市部で空き家が増加しているようです。あるいは、古いマンションは、どうなのでしょうか?空き家となり、誰も借りてくれない。立て替えをするにも、総会決議を集めることも容易ではない。

権利義務関係が複雑になると、大変なのですが、管理費・修繕積立金は発生し、不払いとなっている人も存在するマンションの場合は、ますます大変だと思います。

収入は期待できず費用が継続して発生する相続財産の場合は、相続人の間で押し付け合いが始まるのではと思います。あるいは、相続登記はせずに、年数が経過し、あの時の約束は○年間ということであったとして、トラブル発生もあるのではと思います。そして、そのトラブルは相続人の間に止まらず、その不動産に係わる利害関係者にも及ぶことになります。

3) 山林の相続

昔は、山林保有者とは大金持ちの代名詞みたいでした。しかし、今やトラブル資産になっている山林もあるようです。山も手入れをしなければ、災害を引き起こす元凶になる可能性がある。手入れをし、山林を生育し、伐採、搬出による収益が期待できるのであれば良いが、そうでなければ、保有したくない資産となる。山林の隣地所有者との境界線も明確になっていない場合も多いようである。ある時点では明確であっても、時が経過し、当時の関係者は死亡してしまっている場合は、大変である。

山林が放置されることは、望ましいことではない。しかし、現実には、相続登記はなされず、なかば責任者不明状態も多いのではと思います。山林は、長期にわたる継続した手入れが必要であり、荒れ始めると、荒れが加速され、同時に関係者も遠ざかりたくなるし、相続人を決めることができない場合は、誰も手入れをしないようになると思います。

ヨーロッパは平らな農地の多い所と感じるのですが、日本は山が多く、しかもその山は緑で美しいと感じます。その山が危機に瀕しているとすれば、悲しいことです。

4) 相続放棄による国有財産化はどうだろうか

民法959条を使っての国有化です。地方自治体や政府に対して寄付をすることは可能なのですが、寄付とは相手があっての行為であり、相手は拒否をすることが可能です。そこで、民法959条の「前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。」と言うのを使うのです。

前条の規定とあるように、手続きは必要であり、要は相続人が全く存在しない状態になった場合です。相続人とは、配偶者と被相続人の子であり、相続前に死亡していればその者の子による代襲相続ですが、相続放棄をすると、民法939条に「初めから相続人とならなかったものとみなす。」とあり、存命であれば親や兄弟姉妹が相続人となり、更に代襲相続も適用されるので、該当者全員が相続放棄をしなければ、相続放棄をしなかった人が相続をすることになり、国有財産化はできないことになります。

そして、もう一つ重要なことは、初めから相続人とならなかったのであり、全ての財産の権利を失います。山林だけやトラブル資産だけを相続放棄することはできません。

5) どうすべきか

なかなかうまくは行かないとも言えます。悩まざるを得ないのかも知れません。悩んで良いのだと思います。エンディングノートに関する話題を新聞で読んだり、TVで聞いたりしますが、トラブルが発生する可能性がある資産をどうするかも、遺言に残したり、あるいは自分の財産として生存中に自分のやりたいように処分することも対処方法だと思います。

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