« 集団的自衛権を考える | トップページ | 東京電力福島原発問題 »

2013年8月19日 (月)

変な議論が舞い起こる消費税論議

これは変だと思う主張を紹介します。

MSN産経 本田内閣官房参与「景気は強くない」 消費税1%刻み、重ねて主張

消費税(本日のブログでは地方消費税を含めて消費税とします。)を1%刻みで上げていくなんてとんでもないことです。消費税は、負担者は一般国民が大部分になる最終消費者であるが、納税義務者は事業者である。納税義務者は消費税申告をしなければならず、その納税に関する経費をどう考えているのかと言いたくなる。

所得税では本年1月1日から、法人税では確定申告ベースで早い法人では本年5月31日から、復興特別税が始まった。法人税の場合は、法人税の申告書とは別に、復興特別税の申告書を作成・提出しなければならない。所得税については、給与のみならず当然全ての所得に渡るわけであり預金利息の利息の所得税15%の2.1%相当になる利息額の0.315%の復興特別税が課せられている。従い、預金利息の場合は、昨年までは地方税を含め20%の税率が現在は20.315%であり、これが2037年12月末まで続く。

きちがいと思える税金である。納税経費、徴税経費、調査経費が莫大で意味のない税金と思う。

消費税を1%刻みで上げていくと、同様な事態が発生する。毎年4月1日に税率が上がるなら3月末頃に消費は増加し、4月にはモノは売れなくなる。このような心理を馬鹿は理解できない。勿論、4月1日からは消費税アップ分吸収セールも予想される。この場合、価格の抑制・値引きを求められて苦しむのは、弱小業者である。失われた20年で、報いられることが全くなかったのが、弱小業者である。力の強い企業は、円高であれ、円安であれ、法人税率変更であれ、ほとんどの事象を自らの利益拡大に結びつけて行こうとし、かつ多くの場合成功もしている。

なお、1%刻みの毎年アップをすると、実は事業者の消費税事務も大変になる。税率アップ前の仕入れとアップ後の仕入れは厳密に区別をしなければならなくなる。結果、税務調査も大変になるはずである。何故なら、ごまかして、数千万円-数億円を脱税するなんて簡単になるからである。3月末消費税アップ前の大セールを述べたが、3月末に売れ残った場合は、仕入れ元に返品し、4月に再度仕入れたことにするのである。卸業者が不正をするのか、消費者販売業者が不正をするのか分からないが、3月と4月の1%の税率差を操作して不正が行われる可能性はある。日本の消費税は付加価値税のように伝票が無く、付加価値税より不正は容易であるはず。

税制は、簡単で誰でも申告・納税ができる制度であるべきであり、不正は容易にばれる制度でなければならない。復興税制も「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」なんて長たらしい名称の変な法律を作らず、単純に租税特別措置法の改正でやれば対応できたと考える。馬鹿な政権与党であったと思うから、現政権にはまじめに取り組んで欲しい。

7月28日の消費税8%・10%への増税にまじめに取り組むべきで書いたことであるが、番号法の税金面での実施を早め、2015年10月からの消費税率10%となる時には、給付付き税額控除の実施を検討すべきである。2015年10月までには後2年と少ししかなく、直ちに検討を始めないと実施ができなくなると予想する。実施ができなければ、貧困層の増大や社会不安の増大にならないかと懸念する。かといって、消費税率を上げずに法人税や所得税を上げられる見通しもなく、その場合は、医療と年金が破綻し、長期金利上昇に伴う住宅関連の大不況と国債償還問題も起こりうるのではと懸念する。

|

« 集団的自衛権を考える | トップページ | 東京電力福島原発問題 »

コメント

流石に御専門からの諸種の御指摘は、首肯せざるを得ません。
 中でも、「税制は、簡単で誰でも申告・納税ができる制度であるべきであり、不正は容易にばれる制度でなければならない。」は、税制の範とすべきでしょう。
 「こども手当」の制度化の裏面で、「扶養控除」の改悪が為されて、結果的には、地方自治体の事務経費が増大するだけであった事例に学ぶことが大事ですのに。 
 私は、消費税が導入された折に、外勤業務で出張の際に、ある駅前の小さい個人経営の喫茶店のレジで「消費税」分として請求されて驚いた経験がありますが、時間が無くてそのまま支払いました。 こんな事例が多くあり、実際に納税されている割合は、如何ほどであるのかに興味があります。 
 その昔、一徴税事務吏員であった経験から、当該行政部門職員の努力だけでは、とても、公平・公正な税制度として運用出来ない事実を理解しています。 10.5.3.1(とうごうさんぴん)の悪弊は是正出来ないままですし。 

投稿: とら猫イーチ | 2013年8月19日 (月) 12時07分

とら猫イーチ さん ご返事が遅くなってしましましたが、コメントをありがとうございます。

徴税は、大変な苦労を伴う仕事であると思います。税の公平性が保たれているのは、徴税に携わる方がその任務を果たしておられるからであり、脱税しほうだいの脱税者天国になってしまうと、いくら理想的な制度をつくっても意味がなくなる。また、その時、利益を享受するのは、納税額が大きい富裕層となる。

投稿: ある経営コンサルタント | 2013年8月23日 (金) 11時30分

富裕層に対して、所得税を累進課税で90%とるのがよいか、消費税1000%(900%)がよいか?
極端な言い方になりますが、所得税を0%にして、高額商品に対する消費税を1000%にしろというのが私の意見です.
一億円の車が11億円になっても、高額所得者は買うことが出来ます.脱税は出来ません.

一例を上げれば、残存使用年数が10年の新車と、5年の中古車が同じ税率では不公平です.お金の無い人が半額の中古車を買ったにしても、使用期間が半分しかないので、新車を買った人と比べれば2回税金を払うことになり、税金は同じ金額を払うことになります.
と言うことで、物品ごとに考えた税率にして消費税を導入すべきだと思います.

消費税1000%で、相続税100%が、必要と考えます.
11億円を相続したならば、一度国に全額を供託します.国はそのお金で国債を償却します.相続者は国に申請して、11億円のお金を返してもらいます.ただしこのお金は、例えば1億円の車のような、高額商品で消費しなければなりません.
極端な例ですが、このような決まりにすれば、国には消費税として10億円が入り、残りの1億円は生産消費の経済の中で循環します.
納税者からみれば、相続税は0%で、国から見れば相続税が100%に等しくなります.

投稿: ルミちゃん | 2013年9月24日 (火) 05時23分

ルミちゃん

コメントをありがとうございます。

私は、消費税1000%で、相続税100%が機能できるか、不安であり、また、そうなると不正・脱税が多発するような気がするのです。

富裕層ほど税金逃れをするのが社会の仕組みだろうと思います。富裕層は、お金があるので、専門家を高額報酬で起用し、税の仕組みの抜け穴をかいくぐってでも、納付税額を小さくしようとします。時には、現住所を海外に移転する事なんて、何のためらいもありません。何しろ、富裕層とは、実は、金に最も汚い人です。(中には、そうでない、立派な人もいらっしゃいます。)

富裕層をねらい打ちすることは、武器を持ったプロと正面から戦うようなことに近いと思います。だから、本当にうまく機能する国民全員が支持する制度を作り上げる必要があり、ルミちゃんのように意見を出していただくことは、貴重だと思います。

投稿: ある経営コンサルタント | 2013年9月24日 (火) 15時09分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 変な議論が舞い起こる消費税論議:

« 集団的自衛権を考える | トップページ | 東京電力福島原発問題 »