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2013年11月20日 (水)

秘密保護法と国民の関係

特定秘密保護法案の衆議院での採決は来週(11月25日の週)以降となったようである。

日経 11月20日 秘密保護法案、自公維の協議続く 衆院通過は来週

よく理解できない法案である。保護の対象となる秘密には特定の公務員しか接することができない。日本の公務員は秘密保持を含め職務履行に関しては厳正に対処しており、「堅いお役所仕事」を厳格に実行しておられると思っている。10月24日に特定秘密保護法の不可思議で書いたが、国家公務員法第109条の一年以下の懲役が不十分であるなら、この部分を検討すればよいはずである。

まして、一般国民にとっては、特定秘密以外の秘密だって、知る方法はないのである。しかし、一般国民に関係がないかと言えば、決してそうではない。例えば、次の信州毎日の報道である。

信州毎日 11月15日 秘密保護法 衆院審議 食い違うことの危うさ

あれこれ、言うことが異なるとなると、恐ろしいことである。何時一般国民も特定秘密保護法違反だとして、最長10年の懲役刑が問われることになりかねない。その根拠は、次の特定秘密保護法案の23条です。長いかも知れないが、全文を掲げる。

第23条 人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若しくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為により、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪の未遂は、罰する。

3 前二項の規定は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用を妨げない。

第22条が、特定秘密の取扱いの業務に従事する者が・・・という特定秘密を扱う公務員に対する罰則であり、上記の第23条は、一般国民を含むそれ以外の人に対する罰則である。ネットで入手してしまったらどうなるのだろう。その情報が特定秘密かどうか分からないのである。第2項の条文も未遂も罰するは恐ろしい。試みたら、罰せられるのだから。不正アクセスを問題にするなら、不正アクセス禁止法で対処し、それ以前の問題として、セキュリティーを上げることである。

特定秘密保護法案とは、良くない法案だと思う。反対する人は、全面反対であるが、修正するなら、第23条を全文削除することと、10月30日のこれで書いたように第21条を訂正することである。マスコミは、このような案を報道することは、一切ないが、来週賛成多数で採決するなら、これが妥協案としたい。もし、第23条がスパイ対策だというなら、有能なスパイに対して罰則など意味がなく、国民が苦しめられるだけになる可能性が高いと言いたい。

本日20日、東京高裁と広島高裁の2つの選挙無効請求事件の上告に対して最高裁が判決を出した(判決文はこれこれ)。どちらも、選挙を無効とは認めず、上告棄却であった。最高裁大法廷で裁判官14名のうち、3名が反対意見を述べた。双方上告事件の判決文を読み比べていないが、鬼丸裁判官の意見で、投票価値について「憲法は,衆議院議員の選挙について,国民の投票価値をできる限り1対1に近い平等なものとすること を基本的に保障しているものというべきである。」があり(東京高裁上告判決では18ページ)、全く同感である。国会議員は、自分の利益・権益のために働き、国民のために働いていないと思う。私は、小選挙区制を廃止すべきとの意見であるが、なかなか実現は困難に思える。なお、比例代表制については、政党に入っていなくても立候補できるようにすべきである。特定秘密保護法案も国民の事など、議員達は考えないだろうなと思う。

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コメント

 特定秘密保護法案の危険性は、法案自体が語っています。
即ち、第二十一条第一項では、「この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。」と。
 第一に、法案は、国民の基本的人権を侵害するものであり、第二に、国民の知る権利に資する報道の自由を侵害するもの、と法案自体が示している訳です。
 更に、こうした治安立法の常として、一度制定されてしまえば、法案自体に書かれているように「拡張して解釈されて」適用されることになるのは明白です。 
 国民は、何が「秘密」であるかを知る由も無く、行政庁が恣意的に「秘密」と指定した事項関連に触れれば刑罰に処される危険性を常に意識しなければならなくなります。 治安立法による威嚇効果です。 云わば、行政庁の不可侵性が出来上がる訳です。 
 今、盛んな原発反対運動もこの法案成立と共に鎮圧が容易になるでしょうし、沖縄の米軍基地反対運動等も、鎮圧されることでしょう。 「オスプレイ」関連の事実は軍事機密なのですから。 

投稿: とら猫イーチ | 2013年11月22日 (金) 10時48分

とら猫イーチ さん コメントをありがとうございます。

そもそも、根本的な矛盾を抱えているのですよね。秘密となったら、それは開示できない。違反したとして裁判をしても、証拠が出せない。裁判所が正しい判断ができないにも拘わらず、刑事罰を与えることは、基本的人権に反すると考えます。

一般市民に対する問題も大きいですね。次の東京新聞の記事は、横須賀のクリーニング業者の人が「不当な方法で、探知し、または収集した」として有罪になった事件について書いています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112102000145.html

投稿: ある経営コンサルタント | 2013年11月22日 (金) 12時16分

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