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2013年12月27日 (金)

安倍首相靖国参拝の景気への影響

安倍首相が靖国神社へ参拝したことが、長期的には、景気・経済に対して悪い影響を与えることを心配します。中国・韓国以外でも多くの国で快く思わない人がいると思うからです。その結果、日本品の不買運動までは起こらないだろうが、起こっても短期的なはず。しかし、長期的には、日本への不信感が幾分か残ったとするなら、ほんのわずかであれ、日本企業との取引より他の国との取引を、同条件であれば選択することになることを懸念するのです。

米国の反応について報道があるが、手っ取り早いのは、米国の新聞報道を知ることであり、NY TimesとWashington Postの記事を掲げます。

NY Times December 26, 2013 With Shrine Visit, Leader Asserts Japan’s Track From Pacifism

Washington Post December 26 Japanese prime minister’s visit to Yasukuni war shrine adds to tensions in Asia

Washington Postが書いている米国大使館の声明”Japan is a valued ally and friend, Nevertheless, the United States is dis­appointed that Japan’s leadership has taken an action that will exacerbate tensions”は、私の冒頭の懸念とほぼ同じと思います。

Washington Postの記事には”Japan’s emperors have quietly boycotted it since 1978, when the war criminals were enshrined.”との文章もある。富田メモのみならず幾つかの史料で、昭和天皇はA級戦犯が靖国神社に合祀されたことに強い不満を持っていたことを保坂正康氏は「昭和史の深層」で書いておられる。

 

村山談話が、この外務省のWebにあり、「遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことが述べられている。A級戦犯とは、戦争の指導者・首謀者であった人達である。東京裁判を受け入れ、東京裁判の結果、判決に基づき刑の執行がなされたことにより、終了した。民主国家となった。そのことで、日本は国際社会に復帰したと考える。ドイツは、ナチスによる行為を否定することにより、近隣諸国とつきあい国際社会に入り成功した。

戦前の大東亜共栄圏とは、一等国としてピラミッドの頂点に日本が存在する構造であり、それ故、アジアの国々で反発を招いた。A級戦犯を合祀する靖国神社に首相が参拝することで、反発を招くのはほぼ同じ構造と思う。その結果は、したたかな欧米企業によるアジア進出を容易にし、実はほくそ笑んでいるのは欧米企業だろうと思う。同じ投資をして、進出してくるなら、欧米の方が好まれるとしたなら、どうなるだろうか?戦略として何が正しいか、心に訴えかけることも重要なのである。

日本の技術が進んでいるなんて事は、私は信じない。日本企業が優位とされる分野でも、他の先進企業とほとんど差はないと思う。もしかしたら、ガラパゴス化し、日本で有効な技術もグローバルな競争では役に立たない、競争力がない状態になっていることが多いと思う。グローバル競争の時代に狭い視野に立って考えては負けるのである。

余談ながら、首相談話には「靖国神社に合祀されない国内、及び諸外国の人々を慰霊する鎮霊社にも、参拝いたしました。」とあるが、鎮霊社とは何だろうかと調べるとこの靖国神社のWebにある靖国神社境内の中にある慰霊の社である。やはり、説得力を持たないなと思った。

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コメント

不買運動が実効性を持つならば、全世界で戦争をしてひんしゅくを買うアメリカや各民族を弾圧する中国はとっくに貿易などできなくなっているはずですね。

投稿: こい | 2014年1月 4日 (土) 00時14分

日独伊三国同盟成立時、当時は陸軍参謀総長と海軍軍令部総長は皇族だったのですが、このまま戦争になれば戦争責任が天皇に及ぶことになると言って、軍人の杉山元と永野修身に代えました.
太平洋戦争開戦時、国民の民意統一のために皇族に依る挙国一致内閣を作る必要があると言う意見があったのですが、負けたら天皇に戦争責任が及ぶと言うことで、東条英機になりました.
サンフランシスコ講和条約の時、吉田茂は少しでも日本の有利な条件になるよう、時間をかけて交渉しようとしたのですが、ソ連がまた天皇の戦争責任を追及する動きを見せたため、天皇は吉田茂に条約締結を急がせました.
富田メモの意味は、昭和天皇が自分の戦争責任を全て負わせたA級戦犯合祀に依り、自分への戦争責任追求が再び起こることを怖れたに過ぎません.
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靖国神社が純粋な宗教施設と言えるかどうか?
戦争を批判する施設ではなく、戦争を賛美する施設である.
少なくとも、外国人が見ればそう思うのではないか?.

投稿: rumichan | 2014年5月 1日 (木) 06時55分

rumichanさん コメントをありがとうございます。

東条英機が戦争の責任を取り、天皇に罪が及ばないようにしたとの解釈に立ってもそれでよいと思います。

その場合、最後まで、それを貫き、東条英機他A級戦犯に罪があり、国民にはないとすることだと思います。本当のところは、神のみぞ知る。例え、靖国に祀られていなくとも、神は正しい裁きをする。東条英機を支持する人が、どのように参拝しようと構わない。但し、政府の責任者となった人物が外国人も注目する中での行動は慎む必要があると考えます。

投稿: ある経営コンサルタント | 2014年5月 1日 (木) 23時22分

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