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2014年6月 7日 (土)

原子力発電問題

原子力発電問題に関する最近の出来事として、関西電力大飯原発3、4号機の運転をしてはならないとした5月21日の福井地裁判決があった。

この福井地裁判決文が裁判所Webで公開されている。

平成26年05月21日 福井地方裁判所  民事第2部  大飯原発3,4号機運転差止請求事件 (判決文全文はここ

判決文は68ページあり、読むのも結構大変であった。その内容をよく表しているのが、次の日経記事だと思う。

日経 5月22日 規制委の審査と次元異なる判断 大飯原発差し止め

日経記事には「判決が重要視したのは、個人の生命や平穏な生活を保障する憲法上の人格権だった。」とあり、判決文では64ページ目(ページはふっていないが)に次のようにある。

7 本件原発の現在の安全性と差止めの必要性について
以上にみたように,国民の生存を基礎とする人格権を放射性物質の危険から守るという観点からみると,本件原発に係る安全技術及び設備は,万全ではな いのではないかという疑いが残るというにとどまらず,むしろ,確たる根拠の ない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆弱なものであると認めざる を得ない。

そして67ページ目に「以上の次第であり,原告らのうち,大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者(別紙原告目録1記載の各原告)は,本件原発の運転によって直接 的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められるから,これらの原告らの請求を認容すべきである。」とある。

関西電力大飯原発3、4号機とは、関西電力が保有する全11基のうち最も新しい原発で1991年12月と1993年2月に運転を開始した原発である。日本にある他の原発(もんじゅを含め全49基なので大飯原発3、4号機を除くと47基)について、この法廷で争いになっていないが、同じ論理を構成すれば、250km圏内に住んでいる人が運転しないことを求めれば運転できないことになる。

それで良いのだろうかなと思ってしまう。原発の放射性物質拡散汚染リスクは人間が作った設備である以上はゼロではない。本当は、その程度を評価して判断するのだと思うのである。或いは、開業前の大間原発も廃棄して、これ以上の原発依存は中止するというのは分かるのだが。2011年5月に菅直人首相が中部電力に運転停止を要請した。(参考:中部電力 2011年5月9日 プレスリリース )この頃から論理的な思考がなくなっていると思う。

朝日新聞が「吉田調書」という特集を次のWebに掲載している。無料会員登録すると読めました。(エピローグの部分は6月9日公開で本日現在は未だである。)

朝日新聞 吉田調書

この朝日新聞の「吉田調書」を読んで一番思ったことは、何故自衛隊を3月11日夜の早い時点で派遣をしなかったのかである。夜間でもヘリコプターを飛ばし、福島第一原発にバッテリーや小型発電機や人員を輸送できた。福島第一原発1号機が爆発したのは地震・津波翌日の12日15時36分ですから。この危険性を関係者は予測していたはずと思うのです。吉田所長他現場の人は、必死になって対策を講じていた。何故、それを応援してやらなかったのかと思うのである。

ちなみに、福島第一原発は事故により管理責任者は当時内閣総理大臣に代わっている。この平成23年3月11日(金)午後 官房長官記者発表 原子力緊急事態宣言についてに、原子力災害対策特別措置法第15条1項2号の規定に該当する事象が発生し、原子力緊急事態宣言が発せられたことが書いてある。政府は自衛隊を派遣することが可能になったのであり、国民の安全・安心のために自衛隊が存在しているのであり、直ちに原発の被害を最小限にするように派遣すべきである。自衛隊以外に、この役割を担える組織は存在していなかったと考える。

東京電力他の電源車等は福島に向かった。しかし、渋滞に巻き込まれるし、地震により道路陥没もあり、福島第一原発にたどり着けない。問題なくたどり着け、放射性物質が原発から飛散するという事態を防ぐことができた可能性を持つのが自衛隊派遣であると思う。

今後の事故検証の中に、自衛隊派遣についても、加えて欲しいと思う。

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