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2014年12月 2日 (火)

大阪市のオスカードリームとオーク200

いやはやすごいことだとでと思います。

毎日 12月1日 土地信託事業:大阪市の無策指摘 外部監察が報告書

大阪市が信託銀行に対して919億円を支払うに至った事に関する外部監査チームの報告書が公表されたとのニュースです。

その報告書はこの大阪市交通局のWebからダウンロードできます。

オスカードリームについて282億円の支払いに応じる意向を大阪市が示した時のニュースは日経 2014年1月9日 オスカードリーム訴訟、大阪市が和解受諾へ 財源は不透明 であり、オークへの支払い637億円に関しては日経 2014年10月28日 オーク200訴訟 大阪市、3銀と和解成立であった。

外部監査チームの報告書を読むとやはり無茶苦茶やっているんですね。

1) 地方自治体の役目

地方自治体は、都道府県民・市町村民に地方自治体でなければ果たすことができない又は果たすべきである事業・サービスを提供することがその役割である。ところがオスカードリームとオーク200では、どうどうと不動産ディベロパーの仕事をした。結果、見込みが外れて大損失となった。しかし、その結果は不動産ディベロパーでないから、誰も責任を取ることができない。即ち、事業をすることのガバナンスが今も昔もないから、損失は継続するだけ。何故オスカードリームとオークは事業を中止に至ったかは、信託銀行から支払いについて裁判を提起されたからと言う普通では考えられないようなお話である。

オーク200は、Wikiがここにあるが、1番街から4番街まであり、50階と51階のビルも含まれている。建設中利息や経費を含めてプロジェクトコストは1027億円であった。賃貸収入は年32-33億円だったから投資額の3%なので、借入金644億円の利払いと管理費でほとんど消滅し、大規模修繕なんてのには回す金はほとんどなく、不動産価値はどんどん下がっていっていたのではと想像する。

オスカードリームのWikiはここで、元は大阪市営バスのバス駐車場兼ターミナルだった土地です。1989年12月に有効利用提案競技が発表され、4者が提案を提出し、1900年6月に安田信託銀行に決定した。総事業費188億円なるも、予想配当263億円で、他の三菱信託47億円、住友信託・三井信託・大和銀行45億円、東洋信託・中央信託50億円と安田信託銀行の予想配当よりはるかに高かった。しかし、事業は賃貸収入約5億円程度に対して5億円以上の欠損金というのが実態で、当初の借入金218億円が膨らんでいった。

2) 信託の利用

不動産ディベロパーの事業を何故地方自治体が可能であったかは、信託という仕組みを利用したからだと考える。信託とは、委託者との信託契約に基づき受託者(信託銀行等)が財産の管理又は処分及びその他必要な行為をすることです。土地の所有権は受託者に移転しているかも知れないが、ビジネスに係わる全ての収益・費用・リスクは委託者に帰属する状態です。

委託者(大阪市)は、借り入れ名義人にならないので、議会承認等も簡単であったと思う。信託銀行は信託契約に基づく受託者の管理義務を果たしていれば、信託報酬が受領できた。

信託を利用すれば、本体から切り離す事ができる。それ故に信託財産は、倒産しても一般資産とは切り離され信託契約は継続する。悪知恵を働かせれば、市民にこっそりと事業を手がける方法となる。

3) 他の地方自治体

オスカードリームやオーク200は、氷山の一角なのだろうと思う。所有地は普通に売却すればよいのだが、それでは市民のための開発としては適さない利用をされかねない。一方、条件付きだと価格のみでの決定でないから、その時の市長は反対勢力にけちを付け兼ねられないというようなこともあるのでしょうか。ショッピングセンター、ホテル、一般住宅なんて地方自治体が開発するモノではないですよ。

地方自治体は、税金で市民サービスを提供するのが役割なので、事業という概念に馴染みにくい。従い、再開発のために市有地を利用するというような基本方針が一旦決定すると、その基本方針を変更することはほとんどなく、事業が具体化していっても、採算性やリスク評価よりは基本方針との整合性が重要視されたりする。事業が赤字であっても、オスカードリームやオーク200のように信託銀行が立て替えを行い、地方自治体からの現金支出がない場合は、そのまま損失拡大が継続する。そもそも、地方自治体には一般事業はその役目・役割に含まれていないのだから、撤退についても内部で議論すらすることが困難である。

決して、大阪市のことだけではない。自分の住んでいる都道府県・市町村は大丈夫かチェックしてみる必要がある。しかし、個別事業の事業報告書と財務諸表が全て簡単にWebからダウンロード可能なようになっているのだろうか?

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