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2015年3月29日 (日)

原発再稼働にあたっては政府のBCPが必要と考える

原発の再稼働が近づいているようで、様々なニュースがある。例えば、次のようなニュースである。

日経 3月27日 九電、川内原発の安全対策を公開 7月再稼働へ準備

原発保有電力会社としては、設備稼働に向けて尽力するのは当然のことである。何故なら、原発とは保有には多大のコストを要するが、運転費用は安いというコスト構造だからである。(2014年11月25日ブログ2012年10月20日ブログで原子力発電の発電コスト分析を書いたが、2013年4月から2014年3月の1年間の原子力発電のコストは発電量8,501GWh(関西電力大飯が稼働)に対して日本原電を含めた10社の原子力発電コストは1兆3915億円であった。

原発の運転は、現状において、法で禁止されている行為ではない。法で定められた一定の条件下において許されている正当な行為である。今後について、法改正を行い、ルールを変更していくことは、あり得るのであり、中長期的な課題として国民一人一人が考えコンセンサスを作り出すべきである。再稼働反対論には、中長期的な課題が多く含まれていると思うのであり、国民の多くが賛成できるルールを対話を通じて作り上げていくべきと考える。その中には、コンセンサスを作り上げていくスケジュールやそのための必要アクションが含まれていなければならない。

当面の再稼働に関しては、稼働するなら政府のBCP(Business Continuity Plan)が必要であるとするのが私の考えである。政府のまずい対応の結果として多くの帰宅困難、住居制限、避難指示解除準備地域が存在することになっているのではないかと思うからである。即ち、大量の放射性物質の飛散は、政府対応が適切であれば、避けられていたか、或いはもっと少量の飛散に押さえることができた可能性があると思うのである。事故調査報告書は、事故そのものについては焦点を当てているが、政府の対応の適切さについてもっと分析をし、将来に活かすべきと考えるのである。

東日本大震災に関する福島第一原発事故の政府の不適切な対応としての代表例は当時首相であった菅直人氏の言動である。BCPがあったなら、あそこまでの不適切さは防げ、政府による適切な支援や行動が期待できたのではと思うのである。菅氏に言わせれば、誰も全く考えていないことが起こったのであり、自分としては最善を尽くしたとの反論になると思う。しかし、そのような弁明は首相としてはしてはならない弁明と考える。一方、BCPがなかったことは、大いに反省すべきことと考える。原発事故の対策として地方自治体の避難計画策定も必要であろうが、政府のBCP作成も極めて重要と考えるのである。

BCPとは、事故や災害が起こった際の対応・行動等について予め検討・研究しておき、マニュアルとして準備しておく災害対応計画である。企業のみが作成すべき対象ではなく、消防、地方自治体、病院のみならず、政府もBCPを作成する必要がある。そして、常に見直しを行い、不備や不都合は修正していく必要がある。BCPと災害復旧計画との違いは、BCPは災害復旧のみならず必要な機能を維持し活動を継続することも視野に入れることである。

政府の場合、各省ごとに作成するのではなく、やはり全ての省府庁を網羅して、イベント毎に作成するのが有効かつ効果的な又意味のあるBCPとなると考える。東日本大震災を例に取れば、同時に多くの災害・事故が発生したのである。現状把握だけで、膨大な仕事量である。その対策や必要な機能の維持に関しては、現状把握より遙かに多い2桁以上の膨大な仕事量になり、それを通常機能が失われている中で短時間に効率よくこなしていく必要があった。総理大臣の仕事は、適切な人間を適切に配備することであるが、イラ菅とも呼ばれた当時の首相は自らは能力もないのに福島原発にヘリコプターで行ったり、無茶苦茶した。政治主導として役人の意見はほとんど聞かなかったと思う。官房長官も損害賠償責任は東京電力にあるとの発言をしていた。これも間違いとは言わないが、それで何?である。現実には3月12日のブログに書いたが、東京電力が支払った賠償金の累計は4兆7千億円で更に今後も増えていく。資金源は国債である。それは誰が最終的に負担するのかと言えば、税金であるか電気料金であるか不明であるが、国民が負担することに違いはない。「損害賠償責任は東京電力にある」と言う発言は弁護士的発想の内閣の責任逃れであり、必要な政府のアクションがおろそかになってしまった可能性はないのだろうかと思うのである。

カナダ政府の公共安全省がBCPが考慮すべきリスク・イベントとしては次が含まれると書いており、参考として掲げる。

- Natural disasters such as tornadoes, floods, blizzards, earthquakes and fire
- Accidents
- Sabotage
- Power and energy disruptions
- Communications, transportation, safety and service sector failure
- Environmental disasters such as pollution and hazardous materials spills
- Cyber attacks and hacker activity.

ちなみに、BCPを作成する必要がある組織としては、次のように書いており、政府を含めあらゆる組織(all orgainizations)としている。なお、当該BCPの説明はここにある。

While governments, not-for-profit institutions, and non-governmental organizations also deliver critical services, private organizations must continuously deliver products and services to satisfy shareholders and to survive. Although they differ in goals and functions, BCP can be applied by all organizations.

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