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2015年3月12日 (木)

電力自由化と原子力発電

いっそうの電力自由化に向けての法案が3月3日に閣議決定されたことから、電力自由化についてマスコミ他さまざまな所で取り上げられている。閣議決定された法案(電力のみならずガスと熱供給の自由化についても)は、次の経済産業省のWebからダウンロードできる。

経済産業所 電気事業法等の一部を改正する等の法律案が閣議決定されました

電力自由化については、2013年11月20日に電気事業法等の一部を改正する法律が公布され、更にその後2014年6月18日に改正がなされ、今回は最終版ともなる改正の案である。基本的には、自由化により電力料金の値上がりが予想される過疎地と島嶼地域に対しても不利益が生じることないように電力システムの供給安定が確保されれば反対する理由はない。

現在の日本の電力システムは供給源の電力品質が悪くても、消費者には規格通りの電力が届くという電力システムであり、品質維持サービスの対価や商品化をすることが更に合理的な制度とするための課題であると思う。

一方、電力自由化と表裏一体として考えなくてはいけない課題が原子力問題である。そもそも、電力自由化の下で原発を保有・運転する馬鹿はいないはずである。リスクが高すぎるのである。

東京電力は、4年前の地震・津波の結果どうなったかである。次の表1が2011年3月期移行の決算において東日本大震災による特別損失として計上した金額ならびにそのなかで福島第一原発に関連して計上した特別損失である。

Tepco1f20153a

福島第一原発の被災資産の損失としている金額は累計で約1兆4千億円である。但し、2014年3月末で計上している災害損失引当金が5950億円であり、実際に支出した金額は約7800億円である。引当金で特別損失を計上しているのであり、将来更に増加する可能性はあるし、安全な廃炉を実施するための費用は莫大と思います。福島事故の結果、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下「機構」と略す。)から1兆円の増資を受けた。

なお、会計上で損失として計上していない支出がある。(正確には、同額の収入と支出を計上している。)それが、原子力災害賠償金の支出である。こちらは、表1より更に大きな金額であり、表2の通りである。(なお、現金支出で記載しており、見込み計上額は除いている。)

Tepco1f20153b

4兆7千億円が支払われている。一方、被害を受けた人達にとって十分とは言えない金額のはずである。

表2の金額は、機構から受領した金額と同一である。機構が行っているのは、資金援助であり、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法により原子力事業者から一般負担金そして東京電力からは特別負担金の支払いを受ける。2014年3月20日に平成25年度負担金額として機構が発表した金額はここにあるが、一般負担金総額1630億円と東京電力の特別負担金271億円である。

原子力発電とは、お荷物である。費用に関する見通しが分からない。通常の経営感覚で扱える対象ではないし、市場競争にはマッチしない代物である。自由化を機会に、原発保有会社を統合し、市場競争原理ではない国民の管理・監視下の会社にすべきと考える。

安全な原発から再稼働なんて言っても、その先をどうするのかの方針もなく、市場原理に任せとするのは、余りにも無責任と考える。

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