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2015年4月23日 (木)

東洋ゴム免震ゴム問題

東洋ゴムの基準に適合しない免震装置が使われた建物が多くあることが問題となっている。次の日経ニュースは、全部で145棟と報道している。

日経 4月21日 東洋ゴム、免震不適合新たに90棟 計145棟に 検査担当4人が改ざん関与の疑い

このページに東洋ゴムHRB-35シリーズの建築免震ゴムの商品紹介があり、外径が600mm~1500mmで高さが300mm~450mm程度の円柱形の製品で建物の下部にこの免震ゴム(20製品以上が普通と思う)が建物を支え地震の揺れが多少は緩和されることを期待するものである。一つの製品の支持荷重が1トンから20トン程度で、例えばこの長野市の報告では、市庁舎とホールが同一の建物となっている大建築と思われるが90基の免震装置が使用されているる。東洋ゴムは154 棟(全3,673 基)と言っているので、1つの建物で平均23・4製品が使用されているようである。

免震装置とは、ここに経済産業省産業技術環境局の「建築免震用積層ゴム支承のJIS を制定」という発表があり、その5ページに免震効果の例が記載されている。霞ヶ関の免震構造の建物(中央合同庁舎3号館)、耐震構造(中央合同庁舎6号館)と制震構造(中央合同庁舎2号館)を比較して、2011年3月11日の地震の際の揺れ加速度が、3つの建物において階数は多少異なるが、免震構造12階94Gal、耐震構造20階208Gal、制震構造21階121Galであり、免震構造の場合に揺れの低減があったことが書かれている。免震構造とは、固有振動周期を地震波より長くして特に上の階の揺れ幅を小さくしようとする考え方である。免震だから揺れない訳ではないし、設計が適切でないと効果が生まれないし、危険な場合もあり得ると考える。

さて、問題の東洋ゴムの免震装置であるが、ここに東洋ゴムの発表 2015年4月21日がある。原因として「免震ゴム製品の性能検査時に、測定した実測データに対し、技術的根拠のない補正や恣意的なデータ操作を行ない、所要の性能を有する製品として販売していた事実が認められました。」と書かれている。

ここに横浜市の市庁舎耐震補強工事に関する書類があるが、そこには「免震装置は、製造工場において、部材メーカー・工事監理者・施工会社立会いのもとで製品検査を行い、合格したものだけを工事現場へ納品します。」と書かれている。これは、横浜市が特に採用した措置であるのか、不明であるが、建物を支える基礎であり、全量検査して不合格品は直ちに破砕するのが常識と思える。何故なら、検査には特別の検査装置が必要であり、出荷してしまえば、検査ができない。しかも、外観や重量、寸法からは欠陥品かどうか判別がつかないのである。実測データに対し、技術的根拠のない補正や恣意的なデータ操作を行なうとは、不合格品を誤魔化して合格品にしてしまうことである。これをやられたら、どうしようもない。

国営免震装置試験所という機関を国土交通省が設置し、ここが全量検査をして、合格品しか使えない制度にでもしなければならないような気もする。その分、免震構造の建物は価格が高くなる。しかし、誰も困らない。何故なら、免震にせずとも、耐震、制震で問題はないからである。逆に危険な免震建物が建てられるより良いように思う。

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