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2015年4月29日 (水)

東洋ゴムの免震ゴム問題に思う

4回たて続けに書いてしまうようで、すこしタイトルを変えました。

4月25日にネパールで大地震があり、深刻な被害が生じている。東洋ゴムの免震ゴム問題は、単に企業犯罪として片付けてはならない将来の為の課題・教訓として考えねばならない点があると考える。

1) 信頼しうる検査機関

東洋ゴムの免震ゴムは国土交通省から建築材料として認定を受ける申請書に社内検査のデータを書き込むことで認定が受けられることから発生したと考える。全製品の出荷前に実施する検査項目には含まれないような検査であったのだと思う。だからこそ、東洋ゴムは2015年2月、3月までは、社外への公表をせずに隠し通そうとしたと考える。

重要な検査は、4月23日のブログに書いたような国営試験所あるいは信頼できる検査機関による検査を受けることを建築基準法で義務付けるべきと思う。建築物の場合は、完成後は破壊検査は不可能であり、建築中でも破壊検査は制限が大きいと考えるからである。建築関係者の方々には、検討いただけないかと思う。なお、私に誤解がある場合は、申し訳ないですが、コメント欄への書き込みでご指摘をお願いします。

2) 証明書

建築基準法に建築確認申請、中間検査や完了検査、検査済証の交付がある。しかし、建築基準法は、第1条に最低の基準を定めるとあり、更に高い基準の建築物を建設することは、より望ましいことであると考える。

耐震性のみならず断熱性能、遮音性能も過度に高性能である必要はないと考えるが、考慮すべき事項である。また、例え設計が高性能な水準を目指していても、工事に手抜きがあったり不良品・欠陥品が使われていれば問題である。しかし、一般住宅(高層住宅を含め)の場合、自らチェックすることは、知識と暇がない限り不可能である。

そこで、建築物性能証明書のような制度がないかと調べてみると、ここここのような会社・法人は存在する。現状についてはどう評価できるのか、分からないが、制度が発展していけばよいと思う。

昨年8月に広島で住宅を襲った豪雨による土砂崩れがあった。建築物性能証明書は単に対象とする建築物のみならず、その建物に関する豪雨、土砂崩れ等の危険性、津波の恐れ等の評価についても記載に含めて欲しいと思う。

3) 地震保険・損害保険

リスクと保険料が完全に見合っている保険市場であれば、保険市場が耐震性や安全性をリードすると考える。例えば、阪神淡路大震災の時には、倒壊した建物も多かったが、無事であった建物はそれ以上に多かった。何が、分かれ目であったのか、保険会社・技術者・研究者は調査・分析・研究している。その結果に基づき保険会社は保険料を決めていく。

しかし、どうもそうではない気がする。保険会社のWebからだと保険料はもっと単純であると思える。耐震性が低くても地震保険を提供せざるを得ない面もある。現状が妥当なのかも知れない。一方、東洋ゴムの免震ゴムを採用している建物の地震保険は、どうなるのだろうか?

建築基準法違反の建築であるが、地震保険は引き続きそのまま存続するとするのだろうか?4月27日のブログで触れた仙台市の3棟の建物が東日本大震災で地震保険の支払い対象となっていないなら、他の多くの建物で地震保険事故を認定したであろうから、保険としては奇妙な状態になるように思う。

本当は、保険の仕組みと防災は車の両輪の関係のようになって発展し、保険が耐震性や安全性の向上に貢献するのがよいと考えるのである。

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