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2015年4月15日 (水)

医療に関するマスコミ報道

医療関係のことを続けて書きます。

東京女子医大と群馬大の付属病院の特定機能病院の承認が取り消される見通しとなったとの報道がある。

朝日 4月15日 東京女子医大と群馬大、特定機能病院取り消しへ 厚労省

安全管理体制が不十分であったとの判断のようです。誤解をしてはいけないのは、鎮静剤のプロポフォールの使用は正しくなかったと理解することです。薬の添付文書を読むと、副作用や危険性のことが、メーカのプロテクションのためでもあるのかも知れないですが、どの薬にも沢山書かれています。薬とは、効果と副作用が同時に存在し、その出方は個人差が大きいのです。幼児に対してプロポフォールに代わる鎮静剤としては何が有効で安全なのかを考えなくてはなりません。実は、幼児に対しては安全な鎮静剤など存在しないとも聞きます。

腹腔鏡については直前のこのブログで書いたとおりです。腹腔鏡手術は危険だと考えるべきではないのです。

もう一つ、神戸国際フロンティアメディカルセンターにおける生体肝移植手術による8例中4人の手術後1月以内の死亡という報道があります。

朝日 4月15日 生体肝移植で4人死亡、病院「医療ミスではない」 神戸

次の読売新聞の報道によると、日本人2人、インドネシア人2人で、4人のうち2人は15歳未満だったとのことです。

読売 4月14日 生体肝移植、患者7人中4人死亡…神戸の新病院

読売の記事には、4人は胆道閉鎖症であったとも書かれています。ここに日本小児外科学会の胆道閉鎖症に関する説明があります。その中に「手術後も黄疸がなくならない場合や黄疸がなくなっても肝臓が徐々に硬くなるような場合には,やがて肝硬変となり,さらに 肝不全 に進みます.このような場合は腹水が溜ったり,栄養状態が悪くなって成長できなくなったりしますので,残念ながら現段階では肝臓移植以外には治療の方法がありません」との説明もあります。果たして、神戸国際フロンティアメディカルセンターの4人の胆道閉鎖症が、どの程度の病状であったか、報道はないのですが、重大な症状であり、肝移植以外に選択の余地もなく、リスクも承知の上での手術であったかも知れないのです。

マスコミは時として医療パッシングに走ります。本当に真実を突いて批判しているなら良いのですが、そうではなく、スクープ合戦の結果のマスゴミ報道が多い気がしてならないのです。最先端医療とはリスクとのおつきあいである面があります。マスコミ報道が正確さにおいて十分ではない場合、医療者・病院はリスクを取らずに、安易な治療を選択する方向に向かってしまいます。そうなると医療の発展は望めません。豊かな社会を目指していくべきと思います。医療もたくさんの選択の余地がある。しかし、残念ながらパーフェクトはありません。どれも、なにがしかのリスクが存在する。昔だったら、万病に効く「がまの油」がありました。もう少し最近は、この病気にはこれと治療方法も固定されていたように思います。選択の幅が広がることは、同時リスクも広がる可能性はあるものの、良いことだと私は思っています。

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