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2015年4月24日 (金)

東洋ゴム免震ゴム問題(続)

一つ前のブログで東洋ゴムの免震ゴム問題を書いたのですが、にわかには信じられないような内容の報道があり、混乱します。

1) 狂った会社の東洋ゴム

この産経の4月24日の報道昨秋に「出荷停止」決定も直後に撤回 中間調査報告、25年夏に不正の兆候認識かには、何年も前から不正を会社は把握していたことが書いてある。

東洋ゴムの「社外調査チームによる中間調査報告書の概要」(以下報告書と略す。)はここにあり、読んでみたら、報道以上の狂った会社の実態が書かれていた。

A) 不正の内容

問題の製品(SHRB-E4:報告書ではG0.39と書かれている)を開発したのは、東洋ゴム化工品株式会社(報告書ではCI)のA氏であり、A氏が国土交通大臣への建築材料としての認定を受けるための申請書を作成した。その際に虚偽のテストデータを書き込むという恐ろしいことをした。振動試験は実施していないにも拘わらず、数字を記入する。姉歯事件以上の恐ろしいことが行われたとも言える。建築材料の認定を受けてしまえば、1商品に止まらず、全てに及ぶのであるから。

そして、A氏は大臣認定の性能試験合格品であるとして社内の生産管理部や品心保証部の人達を欺して、製造・出荷を行った。

誤魔化した部分は、報告書の表3が水平等価剛性と等価粘性減衰定数の比較になっていることから、水平剛性と粘性減衰定数であると思うが、免震ゴムの性能において最も重要な点である。まさに犯罪である。

B) 不正の発覚、頰被りの決定から公表へ

報告書から不正の発覚時期を読み解くと、A氏が異動となりC氏が引き継いだのが、2013年1月である。C氏は不正に気づき、東洋ゴム化工品の開発技術部長E氏に2013年夏頃報告をする。その後同社の代表取締役D氏に報告が上がるのは2014年2月である。

報告書からはC氏他が問題の重要性を認識していたのは確かと思う。一方で、頰被りを決め込む人が大半であったようで、発覚から1年経過したはずの2014年9月14日の会議で問題なしとして出荷の継続を決定する。この会議には当時の東洋ゴム社長(現会長)も出席していた。

事態は、東洋ゴム法務部の人達も把握。弁護士に相談。2015年2月2日に弁護士から今後の立会検査・出荷はすべきではないとの助言を受ける。

2015年2月6日、東洋ゴム社長も出荷停止に合意。2月9日国交省に本件を報告する。

2015年3月13日、ついにこの発表を東洋ゴムは行った。

2) 立会検査とは何?

一つ前のブログで横浜市は、部材メーカー・工事監理者・施工会社立会いのもとで製品検査を行い、合格したものだけを工事現場へ納品する体制であると報告していることを書いた。しかし、どうやら立会検査では実施対象外の検査項目があるように思える。東洋ゴムは、この盲点を見事に突いたのである。

でも考えれば、簡単な盲点である。自分が白と言ってしまえば、検査がない以上は、誰も黒とか赤とか言えないのである。黒であっても、役所に白と言って認定を受け、その後は白であると言い続け、検査は自分しか実施しないから、していなくても問題はなく、白と言い続ける。

免震装置など、信用しない方が良いのかも知れない。

3) 3.11大地震

報告書によれば、2004年7月から2015年2月までの間に、合計55 件の物件に対して問題の免震装置が出荷されている。2011年3月11日の東日本大地震で揺れがあった建物にも東洋ゴムの免震装置を採用してる物件があったようである。問題発生の報告はない。

設計強度以下の強度しかなくても、荷重が弱ければ問題は生じない。免震構造なんて、建物が加速度計を設置して、地震の揺れを計測できるようになっていないと免震になったのかどうかすら分からないし、どの程度免震されたかなんて測定できない。

免震装置は不正の温床となりうる。結果、東洋ゴムに対しては、不正が内部で判明していても、頰被りを決め込む力が働いた。

4) 企業犯罪

不正の実行者A氏も、良心が痛んだとしても、完全犯罪に近い以上は、会社内部のプレッシャーには打ち勝てなかった。問題をA氏個人の犯罪としてしまっては、トカゲのしっぽ切りで終わってしまう。企業犯罪を分析しないと真相に突き当たれない。

有効な対策を考えねばならないと思う。

かつて日本には多度津工学試験所の15m x 15m大型高性能振動台が存在しました。このような振動台で、試験をして、判定をするようにでもしないと不正は防ぎようがないようにも思う。なお、多度津の振動台は、小泉政権当時の無駄の廃止とやらで2005年9月に撤去されてしまって今はない。

横道にそれるが、再度、大型高性能振動台を建設すべきではないだろうか。原子力発電所再稼働を進めるなら、政府は地震対策を実施するべきである。地震対策とは、実際に揺らしてみて、安全であるかを確認することで可能なはずである。セウォル号転覆角度のように計算のみでは判断がつかない。MRJ飛行機も飛行させて認定が受けられるのである。

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