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2015年7月28日 (火)

やはり認知症でしたか、しかし・・・

7月9日に阪急京都線を乗用車が走行すれば損害賠償額はいくらか?なんてことを書きました。やはり、この時乗用車を運転していた73歳無職の男性は認知症であったとのことです。

日経 7月28日 阪急線に車進入、不起訴 認知症理由に大阪地検

逮捕された後の診断結果が認知症との結論となり、刑法39条1項の「心神喪失者の行為は、罰しない。」により大阪地検は起訴を見送ったと理解します。

この73歳の男性は、愛知県安城市から自分で車を運転して大阪まで来たのであるが、当然安城市を出発する前から認知症であったはず。家族は、何故運転を止めなかったのかと思う。刑法の39条1項に相当するのが民法では713条であるが、民法には714条があり、責任無能力者の監督義務者等の責任が問われる。

今回の阪急京都線の線路走行に関しては阪急は振替輸送を実施しておらず、民事賠償額は不明であるが、それほどの金額でもなく、7月9日のブログのように20万円弱で済むのかも知れない。認知症の人が、車を運転して万一大事故を起こしたらと思うと、恐ろしく思う。考えれば、逆走なる報道はよく耳にするし、高速道路において逆走事故が多発しています!なんて掲示板を見たこともある。

本当の対処は、認知症の人には、運転をさせないことである。運転しても、誰にも損害を与えなければ、民法714条による監督義務者等の責任は問われない。しかし、事故をおこし、他人の生命を奪い、人を傷つけ、物を壊しとなると、恐ろしいこととなる。高齢化社会とは認知症割合が高い社会である。否が応でも、高齢化社会に対応して行かざるを得ないのである。事故は、運転していなくても引き起こす可能性はあり、JR東海共和駅事件のように2時間以上も列車を止めることさえあるのである。

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コメント

運転を止めるというのは意外に難しいものです。
自信過剰ですが認知症のない父親から免許を取り上げたくて、数年前から努力してますが果たせていません。理性が残っていてもこれですから。

免許証を取り上げたって運転できれば乗ってしまいますし。

投稿: 山口(産婦人科) | 2015年7月29日 (水) 16時16分

山口(産婦人科) 先生

コメントをありがとうございます。

対応は、容易ではありませんよね。私も、そのように思います。

しかし、やり過ごしてよいのだろうかと思う気持ちがあります。

例えば、医師が診断結果として「自動車運転に危険を伴う認知症である。」との通知を本人・家族・警察に行う制度を作ったとします。そうなると、運転したい人は、受診を控えるかも知れない。認知症の人は、車があれば、免許証なしでも運転してしまう可能性もあると思う。

地方では、車がないと、生活が大変という事情もある。又、老老介護の状態では、対応も困難である。あるいは、一人暮らしの場合、免許証を取り上げてくれる家族もいないので大変です。
皆で、対応策を考える必要があると思います。

しかし、原点に立ち戻ると、認知症になると運転をさせない。その一方で、タクシーを含め公共交通機関を充実させる必要があると思います。

投稿: ある経営コンサルタント | 2015年7月29日 (水) 17時13分

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