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2015年8月 2日 (日)

原発停止中の電力消費

原発に関する様々な情報発信が重要であることを原発再稼働に思うでも書いたのですが、原子力発電所の停止中とは、どのような状態であるのか、・・・・・。余りにも多くの事項に渡ると思うので、今回は原発の発電をしていない時の電力消費についてです。

資源エネルギー庁は電力調査統計をWebで公表しており、多くの統計データが入手できる。この電力調査統計の原子力発電に関する発電量と発電所内電力消費を2008年度以降に各社毎にまとめたのが次の図表1です。(クリックすると別タブで拡大)

Nuclear20157a

2014年度(2014年4月~2015年3月)は、原子力発電はゼロであった。図表1の上表が発電量であり、2014年度はゼロとなっている。図表1の下表が発電所内で消費した電力です。発電をしていなくても所内電力消費があることが分かる。

図表2は、東京電力、九州電力と関西電力の原発について発電量と所内電力消費量の関係をグラフ化したものです。

Nuclear20157b

図表2は横軸を発電量、縦軸を所内電力消費量としており、発電量と所内電力消費量は直線的な比例関係がほぼ存在することが分かる。しかし、発電量ゼロの時でも、所内電力消費はある値になることも分かる。なお、日本原電も同様であるはずが、電力調査統計の数字は、そうはなっておらず、その原因は究明できていない。

次の図表3は、停止中の原発の電力消費を一覧にした表である。

Nuclear20157c

図表1の10社合計2,510GWhの電力消費は相当大きいのである。変動のない消費であったとして30万kWに近い消費です。いったい何にかというと、一つは使用済み核燃料の冷却のための海水ポンプ等です。原発とは核分裂による熱を利用する発電であり、ウランが核分裂をおこすと核分裂生成物が生まれる。核分裂生成物は次々とベータ崩壊を起こしてベーター線やガンマ線を放出すると共に熱を発生する。従い、冷却を相当長期間継続する必要がある。酸素を必要としないベータ崩壊なので、人がコントロールすることができない。ただ、冷やすことだけです。

最後に、各社の原発発電コストとしては幾ら計上しているかを図表4として作成した。

Nuclear20157d

10社合計で1兆5千億円です。発電していないのに何故コストが発生するのだと言いたくなるところですが、本当にやっかいな設備です。原発を保有する電気事業者は、稼働させてもさせなくてもコストが発生し、その金額もほとんど変わらないのが実態です。経営者なら何が何でも動かしたいとのインセンティブが働きます。国民にとっては、どうなのでしょうか?原発とは、国民にとって、経営者以上の難しい判断を必要とする設備です。

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