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2015年12月17日 (木)

最高裁夫婦同姓損害賠償棄却判決

最高裁は、民法750条の「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」について合憲であるとする判決を下した。

もしかしたら、夫婦別姓を認めないことは、基本的人権の侵害であるとして、違憲判決を出してくれるのではと期待していた私にとっては残念なことである。しかし、未来永劫この状態が継続するわけではなく、近い将来には夫婦別姓も認められるようになると期待したい。

判決文はこの裁判所Webにあり、補足意見、反対意見の記載も含め31ページあり、ある程度の長さであるが、読むことをお奨めしたい。

21ページ目から27ページ目にかけて記載がある木内道祥裁判官の意見は、私なんかは、同調したくなる。例えば、

・ 婚姻の際に,例外なく,夫婦の片方が従来の氏を維持し,片方が従来の氏を改めるとするものであり,これは,憲法24条1項にいう婚姻における夫婦の権利の平等を害するものである。

・ 問題となる合理性とは,夫婦が同氏であることの合理性ではなく,夫婦同氏に例外を許さないことの合理性であり,立法裁量の合理性という場 合,単に,夫婦同氏となることに合理性があるということだけでは足りず,夫婦同氏に例外を許さないことに合理性があるといえなければならないことである。

・ 夫婦同氏であることの合理性ではなく,夫婦同氏に例外を許さないことの合理性なのである。

立法不作為であり、国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものであるとの反対意見を出されたのが山浦善樹裁判官である。

山浦氏が述べておられるように、民法750条の夫婦同姓制度は、どちらの姓を選択しても良いのであるが、実際には夫の姓を選択することが多く、実質は女性の職業活動・社会活動に不利益・不都合をもたらしているとの指摘は事実である。また海外でも日本と同様に同様に夫婦同氏制を採っていたとされるドイツ,タイ,スイス等の多くの国々でも近時別氏制を導入しており,現時点において,例外を許さない夫婦同氏制を採っているのは,我が国以外にほとんど見当たらないとの指摘は考慮すべきと考える。

12月17日の朝日新聞の耕論(ここ)は、3人の人から聴取した意見を掲載していた。その中で、私は次の部分に共感を覚えました。

泉徳治氏

国会議員は多数派によって選ばれますから、政治家が常に多数意見の方を強く意識するのは当然のことです。・・・少数者の人権を守ることができるのは裁判所しかないのです。

山田昌弘氏

女性や若い人も含めだれもが活躍するには、多様性を認め、いろいろな選択肢を用意することです。その少なさ、社会の寛容性のなさが、日本経済の停滞感につながっているのではないでしょうか

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