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2016年3月 4日 (金)

認知症損害賠償の最高裁判決を受けての民法改正

3月1日の最高裁判決の結果、民法714条の責任無能力者の監督義務者が必ずしも存在しないケースが多くなってしまったと思う。

その結果として、民法713条の「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。」の条文改正を考える必要性が出てきたと考える。民法713条の状態に認知症が含まれる以上は、該当者は多いし、今後益々増加する。

即ち、認知症であっても賠償責任の義務を有することにするのである。そして、責任無能力者が加害者となった場合の監督義務者による損害賠償責任については監督義務者の責任はないことにする。もし、監督義務者に過失がある場合は、無責任能力者(認知症の人)と共に、賠償責任を負う。

成年後見制度は、認知症のように判断能力が不十分になった場合でも、法的な権利義務を正しく行使できるようにしようとする制度である。認知症になっても、法的な賠償責任義務を履行することは可能である。法的な権利義務を有していると考えるなら、その中で賠償責任義務について、ないと考えることは不都合なことが多くなると考える。

私の親が認知症であるとして、他人に損害を与えた時は、認知症の親にその損害賠償をさせる。もし、その賠償金額が巨額であり、親の財産を超えるなら、親に自己破産をさせる。

今回の最高裁判決が浮かび上がらせたもう一つの問題が保険である。賠償義務がない場合に、賠償保険が機能するか疑問が出てくる。そして、保険を付保するインセンティブがでるかの疑問である。賠償金を支払うリスクがないなら、保険を付保し保険料を支払う意味はなくなる。

それと、やはり大問題は、損害を受けても賠償を得られないリスクである。この社会的問題を解決するには、認知症の人も損害賠償責任を負うように民法改正をしないと社会の不安が消えないと考える。

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