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2016年4月21日 (木)

三菱自動車工業は、どうなるのだろうか

三菱自動車工業の自動車走行燃料費のごまかしは恐ろしい話だと思った。

日経ビジネス 4月21日 三菱自動車、燃費不正で3度目の危機へ

1) 燃費ごまかしの方法

この日経記事が参考になる。

燃費の審査は同省所管の独立行政法人、交通安全環境研究所(東京都調布市)で車体を台上に固定して調べる。

この際、タイヤの抵抗や空気抵抗の数値は機器では測定できないため、メーカー側が申告する数字を入力する。今回の不正では、この数字が改ざんされていた。

すなわち、台上試験装置(シャシーダイナモメーター)に走行抵抗値をセットしてクルマの燃費と排ガスを測定するのである。そこで、この走行抵抗値を実際より低い値でセットすれば、燃費は実際より良くなる。

日経テクノロジー 4月21日 三菱自動車の燃費不正、低燃費競争で劣勢の焦りか 「スズキとダイハツに負けていた」と副社長が証言

しかし、こんなデタラメが三菱自動車工業で可能だなんて、常識では考えられないのだが、日経テクノロジーの記事には、次の指摘があった。

設計者は空気抵抗を把握しているものの、転がり抵抗が分からないため、走行抵抗値を求められないという。

2) 経営者責任

一人でできることとは思わない。組織ぐるみでやっちゃたのだろう。従い、不正防止のための組織を作り、問題発生を防ぐようにするのも経営者の責任であると考えている私にとっては、この問題は完全に経営者の問題である。

すなわち、他にも恐ろしい話があるので。

ビジネスジャーナル 201511月27日 三菱自動車、新車開発の遅れを理由に管理職を「クビ」 異例事態に業界内で波紋広がる

開発部門の管理職2人が、新型車開発の遅れを理由として諭旨退職となっていたと報じられている。

自動車製造のような仕事は、会社単位で取り組まないと、競争に勝てない。新車の性能を決定するのは経営者である。その失敗を管理職に押しつけるなんて、言語道断である。

3) 三菱自動車工業の今後

この不正事件を一番気にしているのは、三菱重工だと思う。元々は三菱重工であり、1970年に三菱重工の乗用車部門が三菱自動車工業になった。株式上場を開始したのは1988年である。現在の三菱重工の持ち株は12.6%であり最大株主で、第2位は三菱商事の10.1%である。

三菱重工の強みは技術競争力である。今回の事件は、三菱重工の技術競争力の信用を大きく下落させたと思う。何故なら、技術競争力とは信用であるから。ジェット機MRJも、ロケットH-IIも安心できるのは三菱重工だからと言う面があると思う。

今回の事件は、車の安全性には関係がない。性能的にも5~10%のごまかしのようで、それほどのことでもないのかも知れない。現実には、走り方により、燃費は相当異なるし、年数が古くなると悪くなる傾向がある。実際のユーザーにとってはカタログ値よりも実走行燃費の方が重要である。それでも、この不正により、セールス・販売活動を不正行為により実施し、不当な販売をしたのである。

今後三菱自動車工業の車は売れるだろうか。不信感に陥り、今後は三菱車を敬遠する人が多くなるような気もする。それより、三菱重工の事業に対する影響はどうなのだろうか。三菱重工が最後まで支え続けるのか、シャープのようにどこかに身売りすることになるのだろうか。

タイヤ走行抵抗の数値を細工するなんてちょっとしたことだった。しかし、それが会社の行方を左右するようなことにつながる。本当に恐ろしいことと思います。

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コメント

rumichanさん

こちらのブログへのコメントをお書き頂いた理解します。

三菱自動車工業の様子は、もう少しすれば、更に詳細が発表されることと期待します。

「部下に責任を押し付けると、どうなるかということです」とお書きいただきましたが、下手をすると、被害者は従業員になってしまいます。ユーザーは、不十分でしょうが、何とか救われることになると思うのです。

可愛そうなのは、不正に係わっていなかった社員ですよね。ボーナス減額、給料減額やリストラもあるかも知れないし、最悪三菱自動車工業はどうなるのでしょうね。最も、従業員にとって沈む泥船にいつまでものっかている義理はありませんが。

投稿: ある経営コンサルタント | 2016年4月24日 (日) 22時03分

三菱自動車グループの1次・2次仕入先は国内6,122社
東京商工リサーチ 4月26日(火)15時10分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160426-00010001-biz_shoko-bus_all

今回の問題はお金だけで済むので、わりと簡単に収束するのではと想っていたのだけど、問題は拡大して行きそうな雰囲気.
派遣労働者は、現在なら次の状況なら仕事はすぐに見つかると思うけど、下請けはそうは行かない.

中国の自動車メーカーのエンジンは、
大型トラック、産業用は、カミンズ.
中型トラックは、いすゞ.
乗用車は、三菱なので、会社自体は無くなることはないけれど、中国企業に買収される可能性が高いのでしょうか.

投稿: rumichan | 2016年4月27日 (水) 05時13分

rumichanさん

コメントをありがとうございます。紹介いただいた東京商工リサーチの記事は詳細ですね。

「従業員数が50人未満(不明除く)の1次仕入先は808社(構成比59.5%)」とありますが、このような企業は、おやじも従業員も大変ですよね。

三菱自動車工業の問題の深刻さに、この企業がなくなっても、下請けは大変だが、なんとかなるという変な状態だと思います。JALのように政治家がメンツをかけて生かすということも生じない。存続させるなら、三菱グループなんとかしろよで終わっちゃうと思うのです。三菱グループだからこそ、無理矢理倒産を避けるような政治力学も働かない。ユーザーにとって、三菱自動車が選択肢の中から消え去っても、大きな問題にならない。

投稿: ある経営コンサルタント | 2016年4月27日 (水) 13時56分

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