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2016年6月18日 (土)

福島第1原子力発電所炉心溶融

6月17日の日経社説は次でした。

なお謎が残る「炉心溶融」 

第三者検証委員会の報告書をダウンロードすることができる東京電力のプレスリリースは次の所です。

東京電力プレスリリース 2016年6月16日 第三者検証委員会からの「検証結果報告書」の受領について (当初、リンクが張れておらずご迷惑をお掛けしました。修正しました。)

1) 検証委員会報告書を読んで

検証委員会報告書(以下「報告書」という)を読んだ結果は、日経社説やその他の報道とは少し違った印象を私は受けました。

報告書19ページから25ページにかけて時刻、通報内容、通報の対象とした事象と区分した表が掲載されている。表の対象とした事象の部分には社内テレビ会議の内容も書かれている。通報内容の通報とは、首相官邸、経産省、保安院あての通報しか考えられないので、そう解釈する。

そうすると、3月14日1号機と思うが、4時42分には炉心損傷率25%と判断し、午前5時3分に政府に報告をしている。更に7:03には、1号機炉心損傷割合55%と推定。7:18 政府に1号機炉心損傷割合55%を通報。7:20 3号機炉心損傷割合30%と判定し、7:35その旨政府に報告。3月15日には政府に1号機炉心損傷割合70%、2号機33%と通報。

但し、それ以前から炉心溶融については認識していた。報告書28ページに3月12日東電の記者会見で小森常務は炉心熔融の可能性がある旨の回答をしていたとある。更に、報告書29ページには、3月12日の17時50分まで、保安院の記者会見の主たる説明者であり、炉心熔融を認めるかの発言をしていたA審議官が同日の18時以降の記者会見から説明者の役割から外れ・・・とある。

ところで、東京電力福島第1原子力発電所からのプレスリリースをチェックしたが、炉心損傷率の報告は見つけることができなかった。政府には、伝えても、国民には秘密にしたのかと思う。

炉心熔融との言葉が曖昧でというなら、炉心損傷率を国民に発表すべきであった。

2) 全ては予定通りであった

原発とは原子炉とは物理の法則が支配する。だからこそ、ある条件では安全に運転し、利用することができる。逆に津波が来て、ある部分が損傷し、全電源を喪失したなら、その結果は、物理の法則通りの現象が単純に現れる。

全電源喪失の時からシナリオは決まっていた。唯一、このシナリオを変えることができたのは、電源復活であった。何故、自衛隊を投入しなかったのか?自衛隊に電源復旧資材を輸送させなかったのか、残念でならない。

4月9日に書いた福島第一原発メルトダウンの原因で、Diamond Onlineの記事に中に烏賀陽弘道氏がTVカメラが入っていないからと3月11日の緊急災害対策本部会議をやり直したと書いていると紹介した。烏賀陽弘道氏のその本が、次です。

この福島第一原発メルトダウンまでの50年の第5章に事故予測シミュレーションが存在したことが書いてある。事故予測シミュレーションは、あって当然であり、このような全電源喪失のようなシビアアクシデントの時こそ役に立つ。

原子炉は、核分裂の熱を利用し、同時に放射性崩壊が生じているが、いずれも酸素を必要としない。福島第一原発のメルトダウンを起こした放射性崩壊はコントロール不可能な物理現象である。だから事故がどのように展開するかは、完全に予定通りであった。必要なことは、電源復旧につきたのである。

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コメント

電源が失われたのは5号機、6号機も同じです.
5号機、6号機が無事ですんだのは、1から4号機よりもいくらか高台にあるので、その分津波の被害が少なかったのか、あるいは1、2号機よりも建設が新しいので、地震の被害が少なかったのか、それらの理由によるものと思われます.

投稿: rumichan | 2016年6月19日 (日) 08時29分

rumichanさん

コメントをありがとうございます。

福島第一原発の事故に関して、第三者検証委員会の報告書にもあるのですが(例えば、5ページ、6ページ)、外部電源は1号から6号まで全て失われた。6号機の関係は無事であったことから6号機から5号と6号に電源供給ができ、5号と6号は停止中であったため放熱量も少なく原子力災害に至らなかった。

電気設備で、津波の被害を免れたのが、5号機のディーゼル発電機(D/G)、6号機D/G、2号機と4号機D/Gの各2基のうち各1基、そして6号機の非常用配電盤(M/C)でした。(畑村氏が委員長を務めた事故調査・検証委員会の平成23年12月26日中間報告の資料Ⅱ-22(81ページ)による。)

投稿: ある経営コンサルタント | 2016年6月19日 (日) 13時27分

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