« 2016年参議院選で与党得票率は過半数に達っせず | トップページ | オプジーボについて »

2016年7月12日 (火)

リニア新幹線の開業を前倒しを首相が指示なんてあるの?

驚くような事態と思います。

日経 7月12日 リニア全線開業を前倒し 安倍首相、経済対策指示へ

リニア中央新幹線は、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の事業である。2016年3月末の最大株主はみずほ銀行であり、4.75%を保有している。JR東海は完全な民間会社であり、株主でもない政府が企業の事業計画を早めるというようなことをして良いのか問題ありすぎと考える。法的にはできないと考える。

そもそも、国鉄民営化とは完全に相反している。何故開業を早めねばならないのか、理由がない。工期短縮を追加費用を支払って行えば、工事費は高くなる。その結果、運賃は高くなる。そして、人手不足や工事費・人件費の高騰が他の分野で悪影響を及ばさないかの危険性もある。介護、保育の人手不足は更に増すのではないかとも思われる。

記事には全線開業を最大8年前倒しとあるので、東京・大阪間のことと了解するが、JR東海の有価証券報告書には建設に要する概算額は9兆300億円と書かれている。JR東海の鉄道収入の90%以上は東海道新幹線であり、2014年度は1兆1434億円が東海道新幹線の旅客収入であった(参考:このJR東海のWeb)。2015年度の旅客収入は1兆2947億円であり、そもそも営業収入は1兆3497億円の会社なので、ほぼ全てが東海道新幹線のような会社である。

JR東海は、東海道新幹線を含め鉄道設備を5兆957億円で購入して、1991年にスタートした。それ以上の負債を背負い込んで9兆300億円もの投資をして、果たして、この会社大丈夫なのだろうかと思うのである。現在の東海道新幹線は、リニア中央新幹線開業後も、運転本数は減少するであろうが、存続するのである。経営的には、コストとして現状に加えてリニア新幹線分が追加となるはずである。運転本数が減少しても、コストはほとんど変わらない。リニア中央新幹線を現在の倍の運賃にしたら誰も乗らない。現在の東海道新幹線の運賃だって格安ジェットの運賃より高い。でも東海道新幹線は便利だから、利用者は多い。

JR東海の将来性は暗いと思ってしまう。しかし、世の中には、もっと暗い地域がある。北海道である。2015年度におけるJR北海道の収支は営業収入768億円に対して費用が1251億円であり、483億円の営業損失であった。経営安定化基金からの支援を受けて成り立っているが、その最大の資金源は東海道新幹線である。

複雑な構造であるが、政治家が絡むと、いよいよ解決から遠ざかり、魔物が生まれてしまう。そして、その最終的な負担は将来の国民となる。

|

« 2016年参議院選で与党得票率は過半数に達っせず | トップページ | オプジーボについて »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/200131/63907522

この記事へのトラックバック一覧です: リニア新幹線の開業を前倒しを首相が指示なんてあるの?:

« 2016年参議院選で与党得票率は過半数に達っせず | トップページ | オプジーボについて »