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2017年8月20日 (日)

論点がずれていると思う相続問題の記事

私は、重要点に焦点をあてない変な記事だと思いました。

朝日 8月20日 相続人70人の土地、納税は私だけ 代表者に重い負担

この記事の後半部分は有料記事なのですが、有料部分の最後の部分も「相続税を安くすればよい」といったような表現で安易であり、重要点を考えていないと思う。

1) 問題なのは名義書換の義務はなく死人名義で放置可能な事

死人は売買契約を締結できないから死人名義のままでは売却できない。しかし、本来土地は利用する物であり、売買を必ずしも伴う必要ない。登記がされていないと第三者対抗要件が確保できず、登記の一番の理由は第三者対抗要件であると考える。しかし、義務がなければ、価値がない、あるいは低価値の土地に費用をかけてまで積極的に登記をする人はいない。相続財産に土地が含まれていても、現金・預金・有価証券のように換金価値が高ければ積極的になるが、相続人同士で争いまで起こして低価値の不動産を相続する意欲は生まれない。

山林を含め多くの不動産の価値は下がっているし、今後とも下がる。下がらないの大きな需要がある都市部等のみの状態。現状に対応した政策を考える事が重要である。個人と法人には全てマイナンバーが付いている。死亡したら、把握可能な仕組みがある。死亡しても1年以上相続登記が為されない場合は、当該不動産は国庫に帰属するというような法律を制定するとどうなるだろうか?

2) 土地の強制収用・取得

土地の強制収用には、成田空港建設反対運動が頭に浮かび、良いイメージは浮かんでこないのだが、逆に民主的な手続きと所有権者の保護管理を盛り込んだ強制収用・取得の仕組みを考えるべきと思う。

現在の土地収用法では、取得者は必ずしも政府に限られないが、目的は法に記載の事業のような公共の利益目的とされている。利用されていない土地が利用されることは良い事である。強制収用・取得が悪用されたり、濫用されたり、関係者の権利を不当に制限する事になってはならず、十分な検討が必要であるが、検討をしなければ結論を出せず、検討すべきである。

逆な面では、所有者が複雑であるが故に、不正な土地利用が為されていても、取り締まりや賠償に困難が発生する事もあるはず。勝手に産業廃棄物処理場とされたり、ゴミ捨て場となってしまうことも防がねばならない。水源地における汚染や手入れされない山の土砂崩れのような問題もあると思う。

3) 固定資産税

朝日の記事って、どうして固定資産税を悪者にするのだろうと思う。例にあげている我孫子市の固定資産税は36万円と言うが、700m3なら安いと思う。売れない状態にしてしまったのは、その所有者に起因する。自分の親ではあるが、自業自得とも思える。そして、固定資産税を全額自分が負担する事が不当であると思うなら、70人の他の相続人に対して訴訟を提起すればよいと考える。

逆に、固定資産税の徴収が困難となり、あるいは徴収のための費用が大きくて困っている地方自治体も多いと思う。これも、マイナンバーを使用して、合理的に徴収できるように制度を考えるべきである。

固定資産税が高すぎるのか、どうかは政府と地方公共団体の財政を十分検討して考えるべきである。安易に下げるべきなんてバカな事を新聞は言うべきではない。(そのような同調者に言わせるなんて、もっと姑息であるが)

4) 現在の日本にふさわしい制度の検討

最も重要な事は、現在の日本にふさわしい制度を考えるべきである。憲法29条には「財産権は、これを侵してはならない。」とある。但し、第2項に「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」とある。また第12条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」というのを考えても、不動産の所有権を含む権利のあり方を、現在及び近未来の日本に即するような制度を検討すべきと考える。

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