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2018年2月28日 (水)

裁量労働制をJILPT報告書から分析する

裁量労働制については、2月26日のこのブログで、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の2014年5月の報告書に触れたのですが、この報告書を分析して、もう少し裁量労働制に関して考える事とする。当該報告書はここからダウンロード可能です。

1) JILPTの調査内容

アンケート調査であり、2013中旬から12月中旬に実施している。アンケートの方法は、裁量労働制の届け出を労働基準局に提出した事業場の中から無作為抽出した5,414 事業場の労働者に対して実施した。回収したアンケートは10,023票(うち専門業務型裁量労働制2,741票、企画業務型裁量労働制1,167票、裁量労働制以外6,115)である。(裁量労働制の届け出を提出していても、その事業場全員が裁量労働制とはなっていない。)

アンケート対象として、2013年10月時点で民間調査会社のデータベースに登録されている事業場の中から7,586事業場を無作為抽出した。こちらの方は、12,983票が回収された。

本ブログ内においても、裁量労働制の届け出からの抽出分を厚労省分と呼び、民間データベースからの抽出分を民間DB分と呼ぶ。

アンケートの回収票そのものの写し等は、報告書にないので、断言はできないが、民間DB分は、裁量労働制を抽出の基準に採用していないので、裁量労働制を全く採用していない事業場も含まれている。どのような労働時間制の労働となっているかは、次のグラフの通りである。

Workhours20182aa

Workhours20182b

2) 裁量労働制で従事している業務

専門業務型に関するアンケートの回収票に記入されていた業務は次の通りである。なお、回答はアンケート用紙に記入された中から選ぶ方式であったので、これらの業務名はアンケート用紙に記載されていた業務である。

Workhours20182cc

新商品・新技術の研究開発業務、情報処理システム関係、大学における教授研究の業務が多く、これらで68%を占める。

企画業務型専門業務型に関するアンケートの回収票に記入されていた業務は次の通りである。

Workhours20182d_2

3) 労働時間

労働時間を見てみる。これは、「今年(2013年)10月1 ヶ月間に実際に働いた労働時間の合計は何時間でしたか?」という全員に対する質問の答えです。質問相手には、裁量労働制でない人を含んでおり、本部長や部長という労働時間規制の適用除外の管理監督者も含んでいる。カテゴリー別の2013年10月の労働時間に対する回答は次の通りでした。

Workhours20182e

緑と紫の境界が200時間であり、企画業務型で働く人の場合は55%の人が200時間以内の労働であり、通常の1日8時間制で働く人の場合は70%の人が200時間以内で、一方専門業務型の場合は200時間以内は45%に止まっている。

裁量労働制の場合に、労働時間が短いという事は、このデータからは、まったく言えません。

4) 収入

労働時間を見たからには、収入が気になります。質問は2012年1年間の税込み年収を尋ねるものでした。(グラフでは、1000万円から1500万円の間は500万円幅になっているので、それ以下の収入帯とのビジュアルでの比較を目的として5で割った数字としている。)

Workhours20182f

このグラフからすると裁量型労働の方(特に企画業務型)が、年収は多いと言える。但し、3)の労働時間からすると、裁量型労働の方が労働時間が長いのであり、年収は多くて当然とも言える。

しかし、この程度の収入ではなく、もっと高収入が得られる仕事をつくり出していくべきと考えます。勿論、長時間労働ではなく、家族や友人と人間らしく過ごせる時間が持てなければ意味がありません。だからこそ、働き方改革であり、それは政府が主導するものではなく、働く人たちが切り開いていくものであるべきです。

このブログが何らかの参考になればと嬉しいです。

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