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2018年8月 6日 (月)

ふるさと納税亡国論

やはり、これはふるさと納税亡国論だと思います。

Yahooニュース 8月4日 ふるさと納税で税収41億円減、世田谷・保坂区長「愚策中の愚策」「究極の垂れ流し」東京富裕論に猛反論

1) ふるさと納税の額

先ずは、事実を押さえねばと、総務省 ふるさと納税に関する現況調査結果(平成29年度実績)を見ました。

平成29年度の実績は、3653億円で前年度比28%増とのこと。件数は1730万件とあるので、平均すると1件あたり2万1千円となる。

2) ふるさと納税をした場合

2-1) ふるさと納税をする個人

所得税法で、地方公共団体(自治体)に対する寄付は寄附金控除の対象となり、2,000円を超えた金額が課税所得金額より控除となり、(ふるさと納税額-2,000円)X税率として計算した金額が所得税が少なくて済む。寄附金額が合計所得金額の40%までが限度。

住民税では、ふるさと納税額より2,000円を差引いて、更に所得税が少なくなる相当額を引いた分の全額が住民税より控除される。但し、所得割額の20%が限度。

整理すると、2,000円を超えた金額が所得税と住民税の合計で安くなる。その上、ふるさと納税をした自治体からは返礼品なる物が受け取れる。

所得割額とは、均等割額以外の住民税なので、ほとんどの人にとっては、住民税の額=所得割額と思って良いし、正確な金額は自分の住んでいる自治体あるいは勤務先から受領した住民税の内訳に書いてある。ほぼ、各種控除を引いた残額の所得金額のほぼ10%である。

2-2) ふるさと納税を受けた自治体

当然だが収入増となる。ほとんどの自治体が返礼品を送付している模様であるが、全自治体合計で1406億円なのでふるさと納税として受け入れた金額の38.4%になる。広報費用、発送費用、決済費用、事務経費の合計が621億円であり、総費用合計は2027億円となり、なんと、ふるさと納税総額の55.5%である。

「バカ言ってんじゃないよ」と思う。自分の支出したふるさと納税額が、その自治体の収入になっていると思ったら、半分以上は経費に使われる。(返礼品を出していない自治体も含めての平均で55.5%です。)

もう一つ考えなくてはいけないのが、地方交付税の扱いである。調べ切れていないが、ふるさと納税の多くは、この活用事例のような分野が多く、例えば道路整備や学校の整備なんて見られない。その理由は、地方交付税を受けられる分野にふるさと納税を使うと、地方交付税の減額となることを恐れているように思われる。本当に必要とする分野ではなく、口当たりの良い処方箋でごまかしているように思える。

実は、ふるさと納税を受けた自治体でふるさと納税が基準財政収入に参入された自治体はなく、地方交付税が減額された自治体は存在しないと聞く。

2-3) ふるさと納税をする人が住んでいる自治体

1)で「2,000円を超えた金額が所得税と住民税で安くなる。」と書いたわけで、20万円をふるさと納税して、その人の所得税率を20%とすると、4万円弱が所得税減額で16万円弱が住民税減額となる。

さて、都道府県や市町村は、この16万円が税収減になるかというと、実は16万円のうち75%すなわち12万円が地方交付税で補填される。

3) 頭が狂いそうになる地方交付税

政治家の地元利益誘導のツールが地方交付税でありますが、やはりふるさと納税でも使われています。

但し、この75%の地方交付税補填ですが、地方交付税不交付団体には補填摘要がなく、その結果が、冒頭の世田谷区長の嘆きとなっている。

4) ふるさと納税の廃止

こんなバカな制度は、廃止すべきです。廃止の方向に向かうべきです。どうすべきかと言うと、NPO法人を育成するのです。何故ならNPO法人で、ふるさと納税の使途として書いてある事は、NPO法人が実施するのが適切かも知れないと思うからです。そして、寄附金税制を改正する。今の寄附金税制では、自治体に対する寄付は、自分の住んでいる自治体しか認めないのが、ほとんどの自治体です。これは、自分の住んでいる市町村役場の条例を調べねばならず、めんどくさいですが。

初めから、国内の地方公共団体は寄附金控除や寄付金税額控除の対象とすればよく、所得税はそうなっているが、地方税はそうなっていないというバカな話です。

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