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2018年12月24日 (月)

老人ホームの前払金に注意

次の朝日の記事で思った。こんなデタラメな老人ホームがあるのだ。

朝日 12月23日 老人ホームの入居一時金、26億円消える 買収で発覚

26億円の特別背任なんて、すごい金額である。はれのひ株式会社だって、1600名に対して負債総額は6億5千万円だったのだから。

株式会社未来設計のホームページを探すとここにあった。その会社概要には、代表取締役洞寛二とあり、朝日が記事で書いている特別背任の実行犯とおぼしき人物は、創業者の女性(70)とあり、主犯格は代表者ではないようだ。(現在の未来設計代表者は伊東鐘賛)

ところで、買収をした株式会社創生事業団のホームページはここである。創生事業団が未来設計を買収した時の記事が、高齢者住宅新聞の7月25日号にあり、ここで読める。でも、買収前にデューデリをしなかったのかしらと思う。普通だったら、銀行預金は全て残高証明を取り寄せるし、キャッシュの動きは全てチェックするはず。朝日の記事からすれば、7月15日の買収後だと思うが、2018年7月に財務部長が内部告発とある。

さて、どんな事件か概要を見ると、ここに未来設計の未来倶楽部・宮前の案内がある。そこには、前払金552万円、372万円、0円の3通りのプランが書いてある。違いは、家賃相当額の金額であり、0円、68,000円、130,000円となっており、償却期間5年となっているから、13万円x60月=780万円と比べ、552万円コースだったら、228万円お得となる計算である。単純に計算しても年8.2%の利回りである。これじゃ、甘いセールストークでつられる人もいるなである。そこで私の思った注意事項を以下に書く。

1) 有料老人ホームの契約で前払金を支払う際は、検討時に財務諸表を入手する

相手が株式会社であれば、財務諸表を要求し、入手ください。財務諸表はある程度知識がないと分析できないかも知れないが、数百万円を払うのだから、税理士事務所でも、知人にでも見てもらって大丈夫か意見を聞いてください。なお、株式会社は会社法442条3項で、株主と債権者に対して財務諸表の閲覧やコピー交付の義務があります。前払金の支払者は債権者です。

2) 都道県に問い合わせる

市町村役場に最初は問い合わせることになるかも知れませんが、老人福祉法29条で都道府県の有料老人ホームの調査・検査や措置の公示等についても定めている。

前金を受領する場合は、29条7項で「前払金について返還債務を負うこととなる場合に備えて厚生労働省令で定めるところにより必要な保全措置を講じなければならない。」と定め、厚生労働省令である老人福祉法施行規則20条の10では「有料老人ホームの設置者は、法第二十九条第七項の規定により、一時金に係る銀行の債務の保証その他の厚生労働大臣が定める措置を講じなければならない。」としている。

さあ、未来設計の老人ホームに対して所在地の都道府県は然るべく調査・検査をしていたのでしょうか?

有料老人ホームの需要は大きいし、ますます拡大していくと思う。都道府県は、人員を増加してでも、有料老人ホームに対する必要な調査・検査を正しく実施し、情報をどしどし発表して欲しいと思う。

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