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2020年5月 5日 (火)

「永寿の患者」というだけで拒否なんて本当?

このような記事を見ると、悲しく思います。

毎日 5月4日 国内最大級クラスター、東京・永寿総合病院(その1) 陰性でも出られず 82歳、感染死恐れ1カ月

記事には「PCR検査で陰性が確認されながら病院から出られない患者が4月末時点で少なくとも10人以上いる。「永寿の患者」というだけで多くの病院が受け入れを拒否するためだ。」とあります。

でも、本当にそうなのか?永寿総合病院の入院患者というだけなら、問題が大きいと思うからです。他の病院や患者が希望する病院には(定義に問題はありますが、医療崩壊に近く)病床の余裕がなく直ちには転院を受け入れることができないとの理由なら理解できます。毎日の記事が、どこまで正しいのか、私には残念ながら確認できずにいます。正しいのなら、事態を是正すべきだし、間違っているなら、デマを振りまく毎日新聞であります。

信頼できる情報としては、厚生労働省クラスター班の4月15日付報告書がこの栄寿総合病院のWeb にあります。4月13日までに入院・退院患者107名、医療従事者等73名が感染し、うち患者20人が死亡と理解します。

報告書の中に次の図があり、3月14日頃から集団発生は始まったようです。

Eiju202005

3月14日頃はと言うと、3月9日ではこの厚労省の見解 のように「日本の状況は爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度、持ちこたえているのではないかと考えられる」、3月17日時点ではこの状況分析・提言のように「帰国者および訪日外国人対応を至急開始する必要があると考える」ということでした。

報告書には「3月上旬に発症したと考えられる2症例はいずれもA病棟の入院患者である。原疾患の影響もあって発症日の判断が難しいものの、この2例が起点となり、病棟内で他の患者や医療従事者を介する形で集団発生につながった可能性が示唆される。A病棟とB病棟は同一フロアで隣接しており、構造的に一体となっている。そのためA病棟からB病棟への拡散は容易と考えられた。」とある。そして「院内での拡大要因として以下が推定された。」と下の記載があり、病院に於けるクラスター感染に関する貴重な警告を与えた事例と考える。

1 全体に共通する要因
・密に過ごす空間(病棟休憩室、仮眠室、職員食堂、職員ロッカーなど)での医療従事者間での感染拡大の可能性
・原疾患やその治療に伴う症状もあり、COVID-19を疑うタイミングが遅れた可能性
2 病棟内の感染拡大の要因
・基本的な感染予防策(手指衛生など)が不十分になる場面があったこと
・認知症などで動き回る患者が存在したこと
・化学療法中など易感染性患者が存在したこと
3 病棟間の感染拡大の要因
・病棟の構造上の問題(隣接病棟と一体化した構造だった)
・患者の転棟による拡大
・病棟間を移動する医療従事者が媒介した可能性

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