立憲民主党、日本維新の会、国民民主党がガソリン価格値下げバラマキ法案を提出
恐ろしいものであります。減税による年間1兆円を越えるバラマキをする法案を提出したというのです。
立憲民主党 12月7日発表 日本維新の会 法案提出のお知らせ 12月6日
日本維新の会の発表に国民民主党共同でとあるので、2党の内容は同一です。3党同一かというと、立憲民主党案は「別に法律で決める日までの間、適用を停止」としており、維新と国民は完全に削除としている点が違いである。
1)何を適用停止し、削除するのか
次の「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」の44条です。
第四十四条 租税特別措置法第八十九条の規定は、東日本大震災の復旧及び復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間、その適用を停止する。
そこで、租税特別措置法第89条を読む必要が出てくる。
第89条 前条の規定の適用がある場合において、平成22年1月以後の連続する3月における各月の揮発油の平均小売価格がいずれも一リットルにつき160円を超えることとなつたときは、財務大臣は、速やかに、その旨を告示するものとし、当該告示の日の属する月の翌月の初日以後に揮発油の製造場から移出され、又は保税地域から引き取られる揮発油に係る揮発油税及び地方揮発油税については、同条の規定の適用を停止する。
前条の規定とは、
2 前項の規定により前条の規定の適用が停止されている場合において、平成二十二年四月以後の連続する三月における各月の揮発油の平均小売価格がいずれも一リットルにつき百三十円を下回ることとなつたときは、財務大臣は、速やかに、その旨を告示するものとし、当該告示の日の属する月の翌月の初日以後に揮発油の製造場から移出され、又は保税地域から引き取られる揮発油に係る揮発油税及び地方揮発油税については、同項の規定にかかわらず、同条の規定を適用する。
極めて読み辛いのですが、トリガー条項と呼ばれており、ガソリンの平均小売り価格が3カ月連続で 160 円/ℓ を超えた場合、揮発油税を 53.8円/ℓ から 25.1 円/ℓを下げ、そして、停止後に3カ月連続でガソリンの平均価格が130円/ℓを下回った場合には、この措置を解除するというもの。
揮発油税の税収は年間2兆円強であり、3党は減収見込み1兆690億円と述べている。
2)税金を使ってガソリン価格を引き下げる意味があるのか
ガソリン価格が上がっているのは、原油価格が上がっているからです。下にある上のチャートは2017年1月以降の原油価格で、その下のチャートは11月10日以降の原油価格です。ニューヨークWTI Crudeですが、80ドルを超えていた価格も、70ドル強になっている。将来のことは、よく分からないが、マーケットに対してLong-Shortのビジネスをするのは、政府としてはしてはならないことである。まして、国民の税金でばくちをするのは、許されないことです。
さて、国内のガソリン価格はというと、次の通り。2019年1月からのレギュラーガソリンの小売価格全国平均です。
車に関しては、政策として取り組むべき課題が多い。例えば、道路や橋、トンネル等の老朽化対策がある。災害強靱化と言う取り組みも重要である。或いは、過疎化地域、地方においても一定のインフラ整備は必要である。例えば、地方においてガソリンスタンドが減少しており、車の給油に苦労する。或いは、暖房用の燃料確保も苦労するようになってきている。また、CO2排出削減を達成するには、ガソリンの消費削減が重要である。これに対する全く逆の政策であり、本来ならEVの為の急速充電ステーション整備のための調査や計画そして補助金が検討されるべきと思うが、逆行も甚だしい。
日本にはバカ政党がいるのだと思った。なお、OECD諸国のガソリン税の比較がこの財務省のサイト にあるが、日本のガソリン税は安いのである。
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