2017年12月14日 (木)

ティラーソン国務長官の北朝鮮発言

ティラーソン米国務長官が12日に、前提条件なしで北朝鮮との対話についての可能性を言及したとのニュースがある。

日経 12月13日 対北朝鮮「最初の対話は前提条件なし」 米国務長官

もっとも、すぐその直後にあったニュースは次である。

日経 12月14日 米政府高官「今は対話の時ではない」 対北朝鮮、国務長官の発言否定

北朝鮮問題が、どうなるか、容易に片付く問題とは、思わない。しかし、仮に米朝間で戦闘が始まったなら、朝鮮半島は戦場となり、多くの死者が出るだろう。そうなった場合、日本が、この戦闘に巻き込まれる可能性は高い。平和憲法も専守防衛も集団的自衛権も自衛隊も、日本が米朝戦争に巻き込まれないことに対しての抑止・防止には役に立たない。日本の意向や意思で戦争が始まるのではないからである。日本政府は、前提なしの対話でも何でも良いから、米朝間で戦争防止について合意が成立するよう努力すべきと考える。

一方、米国にとっての北朝鮮脅威とは何であろうか?ICBMが米本土に届いたところで、命中精度は極めて悪く、被害規模はそれほどでもないだろうと思う。むしろ、そうなると北朝鮮消滅となるが、その際の米軍の北朝鮮報復攻撃の結果による北朝鮮の反撃が日本にも及び、日本の被害の方が、米国より大きいだろうと思う。

米国にとっての北朝鮮問題とは何であるのか。これは、米国だけの問題ではないが、核拡散リスクであり、破綻国家やテロリストに核兵器がミサイルと共に渡るリスクであると思う。経済制裁下で、北朝鮮が手っ取り早く金を手にする方法は、ブラックマーケットで核兵器を売る事である。これを防ぐには、対話しかない。

この12月12日のガーディアンの記事の次の部分を読んでそう思いました。

On Tuesday, the secretary of state made clear that full North Korean nuclear disarmament would be the ultimate goal of substantive negotiations. He argued that containment was not an option, as an impoverished North Korea would seek to earn money by selling its nuclear weapons on the black market.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月30日 (木)

北朝鮮ミサイル(2)

11月29日に発射したミサイルの写真を公開したとのこと。

日経 11月30日 北朝鮮、新型ICBMの写真を公開

タイヤが9軸ある車両(トラック)に搭載されており、その可能性はあると思ったものの、やはり驚きました。

車両搭載ミサイルであれば、通常はトンネルの中の駐車スペースに駐車しておけば良く、米国が巡航ミサイルで攻めようが、車両搭載ミサイルは無事である。米国の攻撃が止んだところを見計らって米本土に向けて発車する。そんなことが可能になったと思うのです。

全文を読むには、登録が必要ですが、11月29日の朝日新聞に掲載されたどうする北朝鮮問題 元米国防長官、ウィリアム・ペリーさんのインタビュー記事での同氏の指摘はその通りと思いました。例えば、次のような発言です。

――現在の北朝鮮危機を、94年と比較してどう見ますか。  

「はるかに深刻です。いまや北朝鮮は核兵器を保有し、その核を使用するかもしれないのです。犠牲は甚大で、94年と桁違いの被害をもたらします。北朝鮮への先制攻撃は実行可能とは思えません」

「日本の指導者は、外交の失敗がもたらす帰結を理解する必要があります。外交の不在や見境のない発言は、戦争に、非常に壊滅的な核戦争に突入する条件を醸成してしまいます。実行可能な軍事オプションがあるなら、私もそれを薦めるかもしれませんが、(実際のところ)そんな解決策はないのです。私が驚くのは、実に多くの人が戦争がもたらす甚大な結果に目を向けていないことです。戦争は日本にも波及し、核(戦争)になれば、その被害は(韓国にとって)朝鮮戦争の10倍に、(日本にとって)第2次世界大戦での犠牲者数に匹敵する大きさになります。我々は外交を真剣に検討すべきです。私は安倍首相に、トランプ大統領との議論で、こうしたことを促すことを期待しています」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

北朝鮮ミサイル

北朝鮮は11月29日午前3時18分ごろ、東方向に1発の弾道ミサイルを発射した。950km飛行し、青森県西方約250kmの日本海に落下した。最高高度は4475kmと推定される。北朝鮮は新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功したと発表した。

日経 11月29日 北朝鮮ミサイル、米首都射程か 最長1万キロ超も

1) 高度4475km

高いです。国際宇宙船が地球の周りを回っているが、その高度は約400kmですから、その10倍以上です。

2) 北朝鮮ICBMの射程

高度の3倍程度が到達可能距離と言われたりもしている。そうなると13,000km以上となる。日経は、日本政府関係者からの情報として1万kmを超える可能性があると述べている。BBCは、この記事で”An analysis by the US-based Union of Concerned Scientists concludes that the missile could have travelled more than 13,000km on a standard trajectory, thus reaching "any part of the continental United States.”と13,000kmの可能性を述べている。北朝鮮からの距離として10,000kmとは次図を参照下さい。(このBLOGSの2017年07月29日記事からです。)

Nkoreaicbm2017a

赤円が北朝鮮から10,000kmの範囲です。この10,000kmの範囲内に米国西海岸、ヨーロッパのほぼ全域、中東・アジアの全域とオーストラリアが入る。もし、13,000kmなら、米国東海岸も射程内に入る。

3) 大気圏再突入

国際宇宙船の10倍の高さから大気圏再突入をするわけで、ミサイル弾頭は高温に耐えねばらならない。「はやぶさ」の大気圏突入についてJAXAはこのページで、「大気との摩擦で、カプセルは1万度以上の高温にさらされます。すると、カプセルの表面温度は最高で摂氏3,000度にまで達します。」と書いている。

ミサイル弾頭の耐熱についても北朝鮮は技術を確立したのだと思う。

4) これから先は

米本土へのミサイル攻撃力を持ったのだから、もう怖い者知らずでしょう。甘く見ると大変です。おそらくミサイル弾頭は地下貯蔵をして、巡航ミサイルでは破壊されないようにしているでしょう。仮に米軍がやって来て、地上ミサイルを破壊されたとしても、報復手段は残る。そらは潜水艦からのミサイル水中発射である。米本土付近まで潜行してたどり着けば、攻撃可能である。もしかしたら、西海岸近くから東海岸まで飛ばす。4,000kmとして20分で横断可能です。

ここまで来れば、「あらゆる選択肢がある。」ではなく「武力という選択肢はない。」であることを認識すべきと考える。交渉で打開していく事。それができないという政治リーダーは首にすべきと考える。どうだろうか?中国がアジアの指導者として動き、これから先、アジアと世界のリーダーとなっていく可能性は。それは日本だと考えるなら、日本人のリーダーが北朝鮮との交渉により和平を構築しなければならない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月22日 (日)

日本提出の核兵器廃絶決議案が一歩後退だそうですが

次の中国新聞の記事です。

中国新聞 10月20日 核の非人道性が大幅後退 日本の廃絶決議案、「あらゆる使用」削除

昨年の核兵器廃絶決議については、日本が提出した決議案が、10月27日に167か国の賛成を得て採択された。外務大臣談話 我が国核兵器廃絶決議案の国連総会第一委員会での採択について

中国新聞とは広島の新聞であり、核兵器廃絶について多くの報道がなされていると理解する。記事には、米国に配慮して、核廃絶を目指す被爆国の訴えが骨抜きになっていると表現している。

水面下で協議してきた同盟国米国の支持を獲得するための変更だが、早期発効を最優先する日本の従来方針からの大きな逸脱だ。 CTBT発効には米国や北朝鮮、中国を含む8カ国の批准が不可欠だが、トランプ政権を支える議会共和党は批准に反対している。

北朝鮮問題を提起するなら、核廃絶を推進する事こそ、被爆国日本の使命と考えるが、めちゃくちゃな頭をした政権与党の人たちだと思う。唯一の被爆国なら、相手が誰であれ、こちらの言う事を聞かなくても、貫かねばならない主張は存在するはずである。

ICANのノーベル平和賞受賞決定の際にこのブログを書いた。結局、選挙戦では全く触れられることはなかったと思う。核兵器廃絶は、容易ではない。しかし、国際社会への働きかけなくして、平和記念式典をしていればよいと言うのは、ノーテンキ過ぎると思うのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月15日 (日)

IMF統計から見るアベノミクスの評価

IMFがWorld Ecomomic Outlookを10月10日に発表したので、国際比較を見てみた。比較対象としては、米国、ドイツ、フランス、英国、中国、インド、ロシアを選び、リーマンショックがあった2008年以降の実質GDP成長率(年率)の推移を比べてみた。

Imfweo201710a

リーマンショックにより、どの国も2009年は落ち込んだ。しかし、急激な成長をとげる中国とインドは別格であったし、今も別格である。

そこで、比較対象国を米国、ドイツ、フランス、英国に絞って見ると次のようになった。

Imfweo201710b

民主党への政権交代があった翌年の2010年と民主党政権最後の年2013年が日本は5カ国中トップであったが、それ以外は低迷であり、更に2020年に向けてお先が暗い状態にある。

安倍政権が発足した2012年を比較のベース年として毎年のGDP実質成長率を乗じて推移を計算した結果をチャート化としてのが次である。

Imfweo201710c

やはり日本の経済は真っ暗のようであります。この真っ暗の中から抜け出るためには、マイナス金利政策を中止して正常な金融市場に誘導し、かつ赤字政府財政から抜け出すための増税をする。選挙で誰も言わないのは、国民がバカだと思われているからでしょうか。このまま行けば、2020年以降は、どこを見ても貧困者・生活苦の人ばかりとなるのは、あまりにも恐ろしいのですが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 7日 (土)

ノーベル平和賞と衆院選

ノーベル平和賞がInternational Campaign to Abolish Nuclear Weapons (ICAN) に決定した。

The Nobel Peace Prize 2017 International Campaign to Abolish Nuclear Weapons (ICAN)

日経 10月6日 ノーベル平和賞にNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」

受賞理由は、2017年7月7日の核兵器禁止条約の国連における採択に向けたICANの活動に対する評価である。日経記事にも、同条約の採択に向けて市民団体として主導的な役割を果たしたと評価したとある。122の国が賛成したが、核保有国は参加せず、米国の「核の傘」に依存する日本も不参加。

さあ、衆院選が始まるが、各党や候補者は、どうするだろうか?「日本も核兵器禁止条約に参加する。」との公約を出すか、あるいは「ノーベル賞と日本は異なる見解である。」とするのか。

本当は、そんな単純な事ではなく、多分2つに分かれると思うので、この際、徹底討論を戦わせて欲しい。本当に、平和な世界と日本を生み出すのは、核兵器禁止条約を推進する事であるのかどうか。実は、うやむやな政府与党説明で終わっているからである。

なお、核兵器禁止条約第1条の禁止(Prohibitions)の部分を紹介しておきたい。いい事が書いてあると思うのだが。

Article 1

Prohibitions 1.

Each State Party undertakes never under any circumstances to:

(a) Develop, test, produce, manufacture, otherwise acquire, possess or stockpile nuclear weapons or other nuclear explosive devices;

(b) Transfer to any recipient whatsoever nuclear weapons or other nuclear explosive devices or control over such weapons or explosive devices directly or indirectly;

(c) Receive the transfer of or control over nuclear weapons or other nuclear explosive devices directly or indirectly;

(d) Use or threaten to use nuclear weapons or other nuclear explosive devices;

(e) Assist, encourage or induce, in any way, anyone to engage in any activity prohibited to a State Party under this Treaty;

(f) Seek or receive any assistance, in any way, from anyone to engage in any activity prohibited to a State Party under this Treaty;

(g) Allow any stationing, installation or deployment of any nuclear weapons or other nuclear explosive devices in its territory or at any place under its jurisdiction or control.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月10日 (日)

北朝鮮の核とミサイル

9月9日の北朝鮮建国記念日(1948年の独立を宣言した日)に、核実験あるいはミサイル発射実験を強行する可能性があると考えられていたが、9月9日は実験実施なく無事過ぎ去った。

日経 9月9日 北朝鮮、沈黙の建国記念日 国連制裁を見極めか

1) J-アラート

北朝鮮は8月29日午前5時58分頃弾道ミサイルを発射、6時6分頃北海道襟裳岬上空を通過し、6時12分頃、襟裳岬の東約1180kmの太平洋上に落下した。J-アラートで情報発信がされたのは、6時2分頃。このミサイルの発射地点から落下地点までの距離は約2,700kmだったそうなので、平均分速192km。200kmと考えて良いのだろう。襟裳岬から1180km先に飛ぶのに6分間だったので、やはり分速196kmと計算できる。J-アラートが6時2分なので、その時には襟裳岬に到着する4分前、すなわち襟裳岬に800kmの地点である。

分速200kmとは時速にすると12,000kmである。こんな速度でやってくるミサイルから避難なんて可能だろうかと思う。J-アラート出された発射から4分後は丁度日本海の真ん中あたり。高度や飛行方向も日本政府は把握していたと思う。そうなると、落下時間や落下地点も相当の制度で把握していたように思う。

2) 学校休校や避難訓練

この8月29日の時事ドットコムは、休校とした学校が4校あり、登校時間を変更した学校が34校あったことを報じている。いくつの学校で避難訓練が行われているか知らないが、東京都千代田区の学校で避難訓練があったことをこの9月8日のNHKニュースは伝えている。

このような訓練が、意味があるのかと思う。ミサイルが東京に来る場合、一番遠い北朝鮮の北西の端からで距離は1,400km故、7分で到達する。

3) 原子力発電所

万一、原子力発電所がミサイル攻撃されたら、どうなるのだろうか?もし核攻撃であったなら、炉心も破壊され、放射性物質の飛散は、福島の比ではなくなる。仮に、運転中でなく、燃料棒が取り出されていたとしても、核物質は存在するのであり、大差はないと思う。燃料再処理施設でも同じである。

重大な被害を引き起こす事から、北朝鮮も核施設の攻撃は簡単にはしないだろう。しかし、最後の交渉駆け引き手段として用いるかも知れず、交渉不調で現実となるなんてことがあるかも知れない。

原子力発電所の恐ろしさは、ミサイル攻撃ではなく、海上からボートで接近し、占拠をされたら、どうなるかである。万一そのようなことがあっても、一旦占拠されれば、自衛隊は武器を使えない。何故なら、原子炉等の損傷となり、放射性物質飛散のリスクが高いからである。占拠したら、施設に爆薬を仕掛けて脅すだろうから、恐ろしい事態である。

日本の原子力発電所は全て海に面している。日本海に面している原発もある。

こんなことを考えると、北朝鮮核とミサイル問題は、交渉による解決しかないと思う。

4) 朝鮮戦争休戦協定

1953年7月23日に休戦協定が結ばれたままで、64年間そのままになっていることを忘れてはならない。

朝鮮戦争休戦協定とは、休戦協定であり、通常の条約ではなく、サインしているのも国連軍を代表しての米陸軍中将と朝鮮人民軍と中国人民軍を代表しての北朝鮮の大将である。休戦交渉が行われ、その結果として結ばれた協定である。

双方が相手側を協定違反をしていると非難し、米ソ冷戦下では解決の見通しはなかったが、今ならあると思う。最早、休戦協定通りの解決は不可能であるが、米朝(中)が交渉に入る事は可能である。早期交渉開始を望むのである。

なお、休戦協定第4条には次のように書いてある。(この資料より)

Article IV Recommendations to the Governments Concerned on Both Sides

60. In order to insure the peaceful settlement of the Korean question, the military Commanders of both sides hereby recommend to the governments of the countries concerned on both sides that, within three (3) months after the Armistice Agreement is signed and becomes effective, a political conference of a higher level of both sides be held by representatives appointed respectively to settle through negotiation the questions of the withdrawal of all foreign forces from Korea, the peaceful settlement of the Korean question, etc.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 6日 (水)

北朝鮮問題

北朝鮮のミサイルや核に関する恐ろしい報道が連日続いている。

国際社会の制裁と言っても、北朝鮮は全く気にとめる様子はない。

太平洋戦争勃発前のことであるが、1941年8月1日に米国は日本に対する石油輸出全面禁止措置を実施した。直接の原因は、1941年7月28日の日本軍の南部仏印侵攻であった。1940年8月には航空燃料、鉄・屑鉄の輸出禁止措置が取られていたのであり、戦争不可能な状態に日本は追いやられていた。しかし、1941年12月8日の開戦となった。

現在の北朝鮮と戦前の日本が二重写しになってくるのである。勿論、そんな単純な比較は適当とは思わない。当時の日本では欧州戦争がドイツの勝利に終わると信じていた人が大勢いた。しかし、日米の経済力についての情報を把握していた人には、日米戦争は無謀な戦いと分析をしていた人もいたはずである。当時の日本が南部仏印まで行った時、引き返すに引き返せないような状況になっていた部分もある。今の北朝鮮も北朝鮮側からは妥協するにも妥協点がないと思える。

やっかいなのは、米国がアフガニスタン、イラク、シリアで採用したような空と陸からの侵攻は北朝鮮には使えない事である。そんなことをしたら、北朝鮮は南へ地上兵力を侵攻させる。朝鮮戦争が始まるのみならず、北朝鮮が不利になれば、奥の手である核ミサイル攻撃を仕掛ける。そんな戦争になったら、北朝鮮は破滅する。しかし、同時に南の韓国も消滅する可能性がある。

もう一つ、北朝鮮の核兵器に関して思うのは、核の拡散なんてたやすいことと思う。もし、どこかの国かテロリスト集団かが核兵器を開発する。地下実験をする。ミサイルを洋上に向けて飛ばす。そんな事態が、世界の多くの所で、発生したら、どうなるのだろうか?北朝鮮問題は、将来の核兵器拡散問題への対処を含めて考える必要があると思う。

日本は、どうなのか?もし、日本が日本政府が先頭を切って解決に尽力するとすると、どうなるのだろうか。その場合は、憲法9条であると思う。憲法9条により他国を攻めることを放棄して国作りをしてきた。北朝鮮の人たちよ、”米に更なる贈り物”なんてバカな事を言わずに朝鮮半島の平和と発展に力を注ぐようにと、憲法9条を持つ国だからこそ、説得できる可能性はないだろうかと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月20日 (土)

共謀罪法案を衆院委で与党強行採決なんて 

国民を小馬鹿にした政治と思えてしまうのだ。

日経 5月19日 「共謀罪」法案、衆院委で可決 与党が強行採決

安倍首相や政府は「『共謀罪』が一般国民を捜査対象としていない」と述べているが、これで国民は納得できるわけがない。法律は、制定時の法案作成者の説明で運用されるのではなく、その法律に書いてある文章により施行・運用されるのである。従い、政府が、一般国民は捜査対象とならないなら、何故そうなるかを国民に対して法案を採決する前に、法文の説明をして、国民の納得を得るのが筋と考える。

法務省の法案資料Q&Aでは『テロリズム集団による組織的なテロ事案,暴力団による組織的な殺傷事案などの,組織的犯罪集団が関与する重大な犯罪の計画とそれに基づく実行準備行為が行われた場合に限り処罰することとされている。従い、国民の一般的な社会生活上の行為がテロ等準備罪に当たることはない』と説明している。

法案(正式名称は超長く「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」である。その別表第三の団体を「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と定義しているが、別表第三には1号から90号まであり、このうち2号は刑法関係でありイからムまである。こんなのテロリズム集団として処罰する対象ではなく、現行法を正しく運用すれば良いではないかと思う事項も多い、例えば、52号は次であり、こんなのが共謀罪に必要かと思う。

所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百三十八条第一項若しくは第三項若しくは第二百三十九条第一項(偽りにより所得税を免れる行為等)又は第二百四十条第一項(所得税の不納付)の罪

もう一つの点は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結することができるとの説明である。これに対する反対論は、日本弁護士連合会が発表している。

日弁連は共謀罪に反対します(共謀罪法案対策本部)

日弁連の主張は「現行法で国際組織犯罪防止条約の批准は可能である。」です。私も、日弁連と同じように、批准は可能と考えます。そもそも、条約と国内法に矛盾がないかは、外国や国際機関が厳密にチェックをし、問題があれば批准を認めないなんてことをしない。日本が、条約の義務を果たせるなら、それで問題は生じない。新たな立法が必要かどうかを判断するのは日本です。

もう少し、議論を進めるなら、批准をするのは国会であり、国会が批准のために新たな立法が必要かを議論すべきで、国民に問いかけるべきです。国際組織犯罪防止条約は、これこれしかじかの理由で重要であり、そのため国内法のこの部分で問題が生じる恐れあり、それ故、最低限この新規立法が必要であると。

このようなことがなされずに強行採決とは、国民を無視した国会議員達(こう言うと、反対した議員が怒るかな)悲しい限りです。

これから参議院でも同じような流れが予想される。今の国会議員は、やくざと思う。親分の言う事を聞くか、抜け出すか、誰と繋がっておくかとか、国民の事など頭にはない。小選挙区制の結果だと思っている。政権交代をしても、何も変わらない。国民の事を考えるより、次の選挙で勝つことが頭の中では先にあり、相手党の攻撃に特化する。

政権交代より、立法府の議員が国民のために活動することにインセンティブが働く仕組みを作ろうではありませんか。小選挙区制は最もふさわしくない制度と考えます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月19日 (金)

1~3月期GDP、年率2.2%増 個人消費がけん引と言うけれど

「1~3月期GDP、年率2.2%増 個人消費がけん引」と言うのは、次の5月18日の日経記事です。

日経 5月18日 1~3月期GDP、年率2.2%増 個人消費がけん引

OECDが同日の5月18日に発表したContinued slowdown in productivity growth weighs down on living standards 生産性の低下が生活水準の引き下げとなっていると述べ、次のグラフが掲げられている。

1q2016gdpa

グラフを見ると、日本の労働生産性は比較7カ国で最低。しかも、OECD平均より低い。これじゃ駄目じゃんと思う。

次のOECDの労働生産性のグラフなんかは、更に嫌になってしまう。立てよ!日本の労働者!とインターナショナルを歌いたくなる。

1995年を100として労働時間あたりのGVA(GDPとほぼ同じ)の赤線、時間賃金をGVAデフレーターで調整した緑線と時間賃金を消費者物価指数で調整した青線の3種類の折れ線グラフである。日本は、GVA(GDP)は1995年の1.3倍になっているが、時間あたりの賃金はあわれ98である。一方、米国の場合は、GVA(GDP)は1.37倍で時間あたり賃金は1.25倍である。ドイツは日本と米国の中間であるが、GVA(GDP)は1.31倍で時間あたり賃金は1.13倍である。日本ではGVA(GDP)が成長しても、労働者の賃金には反映がなされない。

日経の記事タイトルが間違っているのか、OECDの統計が間違っているのか、よく考える必要がある。

Oecd20175j_2Oecd20175uOecd20162g

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧