2017年3月 8日 (水)

金正男殺害の目的

ぶっそうなブログタイトルを付けて、我ながら嫌な気分になる。次のニュースに接すると悲しくなる。

日経 3月8日 正男氏息子か ネットに動画 「父が殺された」 

投稿されたネット動画は簡単には発見できなかったが、その動画をニュースの中で再生しているYou Tubeサイトは多く見つかった。例えば、次のYou Tubeサイトである。(日経のWebにも動画が張られている。)

2017 - Intl' - South Korea's Intelligency Agency Confirms Kim Han Sol is Safe after Dad's Murder -

恐ろしい事件である。顔にVXを発生させる物質を塗りつけて、殺害する。塗られた瞬間は何が起こったか分からず、しかも10分以上経過してVXが体に回り死んでいく。北朝鮮政府あるいは政府機関が関与している事件と考えられる。

1) 2人の女をして金正男に何を塗りつけたのか

VXとマレーシア政府は発表したが、VXは常温では気体であり、このWikiによれば液体になるのは零下50度Cである。(最も、この英語のWikiには零下3.9度Cとある。)使われたのは、おそらく、VXの化合物であり、VXが少しすると発生し、塗りつけた相手にのみに作用するという化学物質と思われる。それでも、2人の女やあるいは金正男が駆け込んだ空港救護所の人たちには、大きな被害を与えなかったようであり、狙った相手を確実に殺せる化学物質を使ったと思う。

2) 北朝鮮犯行グループの狙い

金正男の殺害はVX化合物のデモンストレーションであり、殺害に使用したこのVX化合物を販売し、金を得る計画による犯行の可能性が高いと私は思うのである。誰に売るかと言えば、例えばISIS(イスラム国)やテロリスト、反政府武闘勢力等である。このVX化合物の威力は、多分ほんの少量で狙った相手を殺害可能であり、警備をかいくぐりやすい。その相手のみを殺す事ができる。クアラルンプール空港での殺害は、VX化合物の威力を誇示する目的で実施した。金正男という邪魔者を殺す事もあっただろうが、兵器の宣伝効果に、より期待したのかも知れないと思う。

犯行グループと書いたが、金正恩まで巻き込んでの政府全体が実行しているのか、あるいは特定の幾つかの北朝鮮政府機関のみなのか、北朝鮮の制度や仕組みが分かっておらず、何とも言いようがない。普通であれば、政府機関の中にも、牽制をする機関もあるし、トップまで巻き込んだ政府全体による意志決定であるなら、情報のリークはあると思える。現状よく分からない。

2001年12月に九州南西海域不審船事件というのがあり、海上保安庁の巡視船による銃撃結果、自爆沈没した。不審船は2002年9月に引き上げられ、横浜の海上保安資料館にて展示されている(ここ)。見学に訪れた事があるが、すごい船である。30m足らずの船体に1100馬力のエンジンが4基あり、更に11.2mの300馬力エンジン3基を搭載したボートが船体にすっぽりと格納している。まさに工作船である。引き上げられた船体に残されていた証拠物等から北朝鮮国籍の船と判断された。日本の暴力団組織を相手とする覚醒剤取引にも使用されたと推定される。

考えればVX化合物も日本の暴力団に高値で売れる可能性がある。手荷物に紛れ込ませる方法で簡単・容易に密輸することができるなら北朝鮮組織にとり金を生む物質である。

3) 北朝鮮という国

恐ろしい国だと思う。金正恩が絶対権力を持つ独裁国家と思っている人も多くいる。しかし、そんな単純な構造ではないかも知れない。金正恩は人形であり、これを操っている黒幕がいて、黒幕同士も権力争いをしているという複雑な姿だったらどうなのだろうか?日本だって、幕末を含め同じような状態が多くあったと思う。南スーダンを初め、世界には内乱が続いている国があり、破綻状態の国が多くある。それらを正常な状態に戻すのは並大抵の事ではない。利益を失う者は必ず抵抗をするし、権力を握った者は、その権力で甘い汁を吸い続けようとする。でも何時の日か、革命があろうがなかろうが、変化は訪れると思う。北朝鮮の場合、それは国の中からなのか、中国の力からか、韓国の同胞の連帯からか、何かは分からないが、なにがしか変化する事はあると思う。

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2017年2月 9日 (木)

東京オリンピックの不正招致疑惑捜査は本格化するのか

5月12日のブログ5月18日のブログで書いてから、8ヶ月以上経過したが、やっと本格的な捜査が始まるのでしょうか?

日経 2月8日 五輪招致巡りJOC会長を任意聴取 竹田氏、趣旨を説明 

記事の中に、嫌な部分があります。

「フランスの刑法では民間人同士でも贈収賄罪に問われるが、日本の刑法に同様の規定はない。」

即ち、国際オリンピック委員会の有力者に現金を渡してオリンピック招致活動をしても、日本では犯罪ではないから、違法性や賄賂性の認識がなかったとの趣旨の説明になるのでしょうか?

嫌ですね。現金収受の仲介をした電通は、新入社員過労自殺死問題で世間の注目を浴びました。日本オリンピック委員会は、開催予定の霞ケ関CCの女性差別問題で、こちらも注目を浴びています。

こんな連中が開催する東京オリンピックなんて、支援なんか絶対してやるものかと思います。スポンサー企業の商品もできる限り購入を止めたりして。競技は、招待されれば別ですが、自分からチケットを購入して見に行きたいとは思いません。

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2017年1月26日 (木)

英国最高裁の判決「EU離脱には議会承認が必要」から思う

英国最高裁の判決「EU離脱には議会承認が必要」については、制度他について、私も無知な点が多いが、幾つかの知らなかった事が浮かんでくる。

日経 1月25日 英、EU離脱通知へ関門 最高裁「議会承認が必要」 

1) 議会承認無しでEU離脱が可能とは知らなかった

EU条約を含め条約により締結国が義務を負うのは議会承認後であり、条約破棄についても議会承認が当然あると思っていた。英国のEU離脱は、EU条約50条に従い離脱に向けた手続きを始めるだけだから、議会承認は不必要というのがメイ政権の解釈だったのだろうか?

或いは国民投票の結果は、議会承認より重いとの解釈だったのだろうか?

2) 英最高裁の制度

英国も合憲・違憲の判断は最高裁であることを知りました。でも、日本より法制度はフレキシブルなように思った。日本では、政府の行為を違憲であるとして裁判を提起する場合には、その政府の行為や法律により被害を受けている場合とか、権利の侵害を受けている場合でないと裁判提起は実質不可能と考える。原告不適格としての棄却の判断があり得る。自衛隊違憲訴訟についても、原告は何らかの被害者であった。

今回の英国最高裁の判決は、EU離脱の手続きを開始せんとする時であり、政府の違憲行為について積極的に最高裁が判断をし、憲法を政府に遵守させることについて、いいなと感じたのです。

3) 英国とは

このブログの中で英国と使って、自分自身で違和感を感じているのですが、EUに加盟しているのはEngland(英国)ではなくUnited Kingdom(連合王国)です。連合王国はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドであり、サッカーのように連合王国ではなく、個別の国でEUに加盟(あるいは非加盟)すればと思うのです。

連合王国も残るが、一方でイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドがもっと独立した国家として歩んでいくことになるような気もするのです。

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2016年11月22日 (火)

さすがスティグリッツ教授 大胆な発言

次の東洋経済ONLINEの記事です。

東洋経済ONLINE 11月21日 スティグリッツ氏警告「トランプは危険人物」

スティグリッツ教授については、この3月16日のブログで書いた事もあるが、経済に関しての正しい分析を構築されている人と私は考えている。

トランプ次期大統領に関しては、選挙前の過激な発言を軌道修正し、共和党主流とも融合的な行動にもなっているとの報道もある。でも、それって、何よ!と言いたくなる。選挙とは、それほど、デタラメなのか?これからも次々と前言を変えていく可能性もある。

トランプ大統領となって、米国では富裕層は富を増加し、多くの人はより貧しくなる。失業は増加するが貧困層や中間層を助ける有効な政策はほとんど実施されないと思う。

世界の他の国々は、どうなるだろうか。あまり影響を受けないのは中国とインドかも知れないと思う。逆に、欧州と日本は、引きずられるのか、独自色を出して、格差拡大にならないように努力するのだろうか?おもしろい幕が上がるのかも知れない。

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2016年11月10日 (木)

トランプ大統領でどうなるアメリカ

泡沫候補が大統領になることとなった。どうなるかであるが、それほど大きな変化はないだろうと思うのである。

何故なら、米国は三権分立の国である。大統領は行政で大きな権力を持つ。しかし、立法の連邦上院と下院の議員はトランプ大統領を支持する必要はない。議員としての自分の義務を果たすのが使命である。民主党議員はトランプ大統領を支持しないだろうし、共和党議員だって支持しない場合の方が多いかも知れない。大統領が法案を出してきても、承認しない可能性は大いにある。

日本の場合は、国会で総理大臣を指名するので、必然的に総理は多数派の支持を受けるので、内閣提出法案は、可決・成立する可能性が高く、総理大臣独裁国家とまではいかないが、立法機関と行政機関は密接な関係にある。だから、「国は」なんて報道があったりする。可愛そうなもので、裁判所なんか無視されている日本と思ってしまう。

トランプ大統領が行政を握っても、立法はほとんど進まない、議会からの承認はほとんど得られない可能性がある。そうなると、米国の経済も社会も停滞する可能性がある。トランプ氏に投票したと思われる米国社会に不満を持つ人たちの不満は更に拡大する可能性が高いように思う。

4年後の大統領選は、どうなるのだろうか?トランプ氏が優秀なブレーンを抱き込んで、来年から4年間の仕事をしない限りは、トランプ氏再選はないように思う。しかし、批判と攻撃ばかりしていた人だから、ブレーンはトランプ氏をどうコントロールするのか、やはりそんな人はいないのか。

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2016年11月 4日 (金)

パリ協定発効 CO2排出量1兆8千億トンをめぐる戦い

国際政治の舞台とは恐ろしいものです。ついにパリ協定が発効した。

日経 11月4日 「パリ協定」発効 温暖化対策の新枠組み

国連気候変動枠組条約のWebにおける発表は次です。

Opinion / 04. NOV, 2016 Paris Enters into Force – Celebration and Reality Check Patricia Espinosa and Salaheddine Mezouar

今回のタイトルに書いた1兆8千億トンとは10月7日のブログに書いた次のグラフによる数値で、縦軸の2℃に相当する横軸の数値は1000十億トン(即ち1兆トン)となっている。CO2換算では、3兆6千億トンであり、既に累計で1兆8千億トン排出していると推定されることから、残るは1兆8千億トンというのがその根拠である。

Temperaturevsco2cumemissionipcc

本当にそうであるかどうかどうかは、断言は難しいが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書に書いてある。当然、これに基づく(を利用した)駆け引きが始まるわけで、マラケシュの第22回締約国会議(COP22)は11月7日からである。日本は、国会で批准されておらず、出席する日本の人たちはどのような対応をするのだろうか?国会で批准されていない以上、奥歯に物が挟まった状態のことしか言えないだろうと思う。

日本に有利な事、不利な事があるのかどうか、よく分からないが、気候変動をめぐる国際的な駆け引きにおいては、日本は後塵を拝したと言えると思う。それでも、1兆8千億トンの排出量に止める革新的な技術を開拓し、世界をリードする可能性は閉ざされてはおらず、政治で負けても技術で勝つという日本スタイルを樹立できるなら、それですばらしいと思う。しかし、技術は競争の激しい場において発展するのであり、そのためには日本国内では温室効果ガスを半減するような政策を断行しないとならないように思う。

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2016年10月12日 (水)

現代奴隷法

現代奴隷法とは、名前を聞くと、それ何?と思うのですが、現代奴隷法に関する声明を出しておられる会社もあります。

三菱商事株式会社 2016年8月3日 英国法「Modern Slavery Act 2015」に関する声明の開示について

三菱商事の声明にもあるが、2015年3月に制定された英国法(Modern Slavery Act 2015)で、同年10月より施行されている。一定の要件を満たす企業に対して、奴隷労働、人身売買等の人権侵害の発生を防止する為の取組みの発表を求めている。(法の条文はここ)罰則もあり、奴隷行為(Slavery, servitude and forced or compulsory labour)に係わっていると名指しをされるようなことにならないように企業は注意を払う必要が今や生じていると考えます。参考に次がForbes Japanの記事です。

Forbes 2016年4月25日 英国で成立した「現代奴隷法」 人身売買報告書の作成義務も

ブラック企業とかブラック残業なんて言葉があったり、ひどい場合は、海外からの研修生を低賃金で使い、逃げ出さないようにパスポートを取り上げたりとの報道があったりする。小企業で該当しない場合でも、自分の会社の孫々請けとかにあったら・・なんて大変です。

10月7日のブログで書いたパリ協定ですが、やっと日本では10月11日に閣議決定となった。

日経 10月11日 パリ協定承認案を閣議決定 政府、同日中にも国会提出 

気候変動対応に関しても、世界から出遅れている。世界をリードする日本は、ある一時の夢だったのでしょうか。

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2016年10月 7日 (金)

気候変動対策「パリ協定」11月4日発効の決定

2015年12月12日に署名された気候変動枠組条約(UNFCCC)のパリ協定(Paris Agreement)は、2016年10月4日に全署名国地域191のうち批准国が55国以上で排出量が全世界の55%以上という条件を満たし、30日後の11月4日に発効することが決定した。(10月5日現在74国が批准し、批准国の排出量合計は58.82%である。)

日経 10月6日 パリ協定11月4日発効 排出量条件満たす

UNFCCC発表 2016年10月5日 Landmark Climate Change Agreement to Enter into Force

パリ協定については、ここに日本語仮訳文と英語がある。パリ協定の骨子は、第2条1項(a)にあり、次のようになっている。

世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏二度高い水準を十分に下回るものに抑えること並びに世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏一・五度高い水準までのものに制限するための努力を、この努力が気候変動のリスク及び影響を著しく減少させることとなるものであることを認識しつつ、継続すること。

Holding the increase in the global average temperature to well below 2°C above pre-industrial levels and pursuing efforts to limit the temperature increase to 1.5°C above pre-industrial levels, recognizing that this would significantly reduce the risks and impacts of climate change;

京都議定書では、1990年の温室効果ガス排出量を基準として、2008年-2012年の排出量を取り決めていた。日本は6%削減。

パリ協定は、温室効果ガスの排出量ではなく、世界全体の平均気温の上昇という単位で取り決めている。合理的であると言えるが、そのために各国がそれぞれどのようなことをする義務を負っているかは曖昧でもある。第22回モロッコのマラケシュでの会議が11月7日より開催され、いよいよ国際間の交渉が激化すると予想される。日本は、未だ批准の見通しは不明であり、臨時国会での審議は日程が厳しいとなると日本はマラケシュ会議に未批准国としての出席となり、発言力も国際的地位も失うだろうし、信用も失うと思う。それは、政府のみならず、日本企業の信頼も低下していくと思う。ちなみにヨーロッパ諸国が批准したのが、10月5日であるが、それ以前に米国、中国は9月、インドとカナダは10月である。日本は炭素税すらない後進国である。

工業化以前よりも2℃高い水準という表現に触れておきたい。次のグラフは気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書統合報告書の図2.3であり、縦軸は1861年-1880年頃の気温をゼロとする温度上昇で、横軸は1870年以降の人為的温室効果ガス排出量累計であり単位は炭素換算の十億トンである。(クリックで拡大します。)

Temperaturevsco2cumemissionipcc1861年-1880年頃とは、産業革命の頃。即ち、工業化以前である。実は、現在その当時より既に1℃世界全体の平均気温は上昇している。そして2℃の上昇に止めるためには、産業革命以来の温室効果ガス排出量累計を1000十億トン(1兆トン、CO2換算で3兆6500億トン)に押さえなくてはならない。パリ協定に従えば、人類が今後排出できる温室効果ガスは1兆8千億トン程度である。現在の世界の温室効果ガス排出量は年間約500億トンである。世界で現状を維持したとしたなら、後35年で行き詰まる。

日本で石炭火力全面禁止が直ちには無理なら、高い炭素税を導入して、石炭の税を高くし、その税収で再生可能エネルギーの拡大(再生可能エネルギー発電の変動吸収対策も含め)を実施する必要があると考える。

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2016年9月11日 (日)

アフガニスタンで活躍する中村哲医師から学ぶインフラ支援

NHKがETV特集「武器ではなく 命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」 という番組の放送をしていた。

NHK Web ETV特集「武器ではなく 命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」

医療も社会の重要なインフラの一つである。同様に水も社会の重要なインフラである。9.11以後の米軍による攻撃により破壊されたアフガニスタンと言ってしまえば、米軍が施設に被害をもたらした悪者となってしまうが、勿論そんな単純なことでもない。軍事的な攻撃は人々の暮らしを破壊し、社会の成立を壊す。そのような中を、武器を持たずに活動を継続されている中村哲医師やペシャワール会には敬服します。

NHK ETV特集のおもしろかったのは、中村哲医師の医師としての活動よりも土木技術者としての活動を多面的に伝えていた。土木とは、社会的な施設の建設・維持であり、純技術的な事項以外に社会的な要素が多く関係する。優れた土木技術者とは技術以外に多方面の知識・経験を保有し、社会のことや相手のことを理解し、社会に貢献する設備をつくる人である。中村哲医師は偉大な土木技術者である。

用水路の水を取水するクナール河の水量は季節により変動し、冬の水位は低い。このためにも、取水堰が必要である。筑後川の山田堰を参考にして斜め堰を採用した。山田堰に関しては、Webで検索するとたくさん出てきます。(例えば、この日経のトラベル)Google Mapでは次です。そして、私が山田堰をすばらしいと思うのは、1790年に築造され、改修や補強工事は何度もされているのですが、基本的には築造時の姿を残していることです。優れた土木資産とは、何世紀もの間生き残るのです。中村哲医師とペシャワール会、そして現地の人々が建設した灌漑施設も何世紀もの間活躍し、豊かな農作物を生み出すことに役立って欲しいと思います。

安倍首相が途上国インフラ支援とか言っていますが、インフラとは社会が必要とするものであります。そのインフラを利用する人々や社会に価値があることが重要であり、日本企業の利益のためではないことを前提に考えるべきです。その上で、その途上国では、どのインフラが最も重要か、どのような優先順位で整備すべきかを検討することも重要であり、そのような検討に対する支援を実施することも含まれる。

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2016年8月26日 (金)

北朝鮮潜水艦ミサイル発射の理由を想像する

北朝鮮は24日午前5時半ごろ、東部咸鏡南道新浦(シンポ)付近の日本海で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射したとのニュースがあった。

日経 8月24日 北朝鮮が潜水艦ミサイル発射 500キロ飛行

日本人の感覚からすれば、SLBM発射のテストをするなんて、今受けている制裁が更に強まるだけで、近隣諸国を仲良くつきあう気がない悪い国との印象である。しかし、北朝鮮にとっては、もしかすると極めて正当な理由ある選択という可能性があるのではとの気もする。

北朝鮮は人口25百万人。GDPで一人当たり1700ドルとして450億ドル(4兆5千億円)程度の小国である。それなのに潜水艦を持ち、核兵器を持つなんて、大変な不釣り合いである。国民は、不釣り合いな軍事支出に耐えて頑張っているという姿に見える。

何故そんな不釣り合いな軍事国になっているのかと言えば、やはり米国と韓国により、いつか倒されるかも知れないという恐怖心だろうと思う。そして、全て北朝鮮の思うように行っているかと言えば、中国からも冷たくされかねないとすれば、不安になるのだろう。

北朝鮮が今一番恐れていることは、私はトランプ現象なのだろうと思う。トランプ氏が大統領となった場合、米国は世界の警察官から一歩引き、日韓は自分で国を守れ。核兵器も持てばよいとなるかも知れない。今年の選挙ではクリントン氏が大統領になったとしても、将来の可能性として、米国が軍事費削減に向かう可能性は十分ある。そうなって、日本ですぐに核兵器武装論が出てくるとは思わないが、韓国ではそのような可能性はあると思う。そうなった場合に、北朝鮮としては核兵器やSLBM発射能力がある潜水艦を持ち、交渉力を高めておきたいのだろうと想像する。

北朝鮮にとって最大限譲れる線は、朝鮮半島非核化であり、非核化を中国と米国が保証することと思うのである。北朝鮮・韓国・米国・中国の4国での交渉となった場合、交渉力が一番弱いのは、北朝鮮である。自らが核兵器を放棄することを交渉カードとする。万一の場合は、製造・保有したことがあるので、再び製造・保有できるようにもなんとかする。勿論、そんな骨抜きにならないように、朝鮮半島の非核化を実現すべきと思うが。

分裂国家となってしまった悲しさなのだなと思う。北朝鮮も韓国も同じ国である。それなのに敵として向き合っている。米ソ東西対立の時代が終わったのだから、統一国家を目指すようになっても良いのだが。何がどう間違ったのか、難しい・悲しい問題と思う。

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