2017年3月28日 (火)

今度は日立が原子力で650億円の損失を発表

原子力とは恐ろしい世界であります。

日経 3月24日 日立、減損損失650億円 ウラン濃縮技術の開発で

日立による発表は次であります。

2017年3月24日 持分法適用会社に関する損失計上のお知らせ

GEが60%、日立が40%を出資するGE日立ニュークリア・エナジー社が取り組んでいるレーザーを使うウラン濃縮技術の開発・商用化事業に関連しての日立出資割合分の減損損失として約650億円を2017年3月期に損失認識するとの発表です。

GE日立ニュークリア・エナジー社のホームページはここにあり、沸騰水型原子炉のメーカーです。原子力発電所の建設、核燃料の供給、技術サービスと原発のほぼ全てを手がけている。日経記事には「原発建設の停滞や稼働中止などが相次ぎ、事業環境が悪化した。すでに開発事業への投資を凍結し、現在は撤退や売却などの具体的な方法を検討しているという。」との文章もあるが、実際はどうなのでしょうか。

原発ビジネスは、新設プラントは現在ほとんどないが、例えば今後廃炉ビジネスも多く出てくるわけで、日本国内だけでも大きなマーケットである。又、日本なんて未だに核燃料サイクルなんて非現実的かも知れない夢に向けて大金をはたいていく計画が続いている。実は、この方針を転換しても燃料廃棄に大金をつぎ込む。原発ビジネスは、まだまだ続く巨大マーケットです。例えば、この2017年1月3日の発表は、スウェーデンのOskarshamn原発の廃炉を支援する契約をGE日立ニュークリア・エナジーが受注した事を伝えている。

原発ビジネスはなかなか複雑です。なお、日本法人として日立GEニュークリア・エナジーという日立80%出資、GE20%出資の会社がある。この日本法人を国内でのビジネスに利用しているのだと思う。

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2017年3月14日 (火)

原発ゼロについての一つの考察

民進党の定期党大会に関するニュースに接すると、原発問題はイデオロギー論争となっているように感じる。本当は、幅広い見地からの検討や議論が必要であり、科学的見地、技術的見地、経済的見地、社会的見地等からの研究・検討結果を基に、正しい判断を下すべきと考える。絶対的な安全はあり得ないのは事実である。しかし、それは原発のみならず全てにあてはまる。幸いなことに死傷者は出なかったが、アスクルの倉庫火災も何日も継続するような可能性は想定されていなかったと思う。

私は、原発に関して、幅広い科学的見地での議論を行い、リスクを負担し便益を享受する国民が決定に参加すべきと考える。原発ゼロを唱えれば、選挙に勝てると、政治家がポピュリズムに走る事は、世界的な流行かも知れないが、国民は自分の事を自分で考え、自分で判断すべきである。そのためには、関係する多くの情報や研究・検討結果が発表・公表されなければならないが、私のブログもたいした情報ではないが、少しでもお役にでも立つなら、喜ばしい限りである。

1) 原子炉の運転期間

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(原子炉等規制法)の第43条の3の22に次の条項がある。

第43条の3の32 発電用原子炉設置者がその設置した発電用原子炉を運転することができる期間は、当該発電用原子炉の設置の工事について最初に第四十三条の三の十一第一項の検査に合格した日から起算して四十年とする。
   前項の期間は、その満了に際し、原子力規制委員会の認可を受けて、一回に限り延長することができる
   前項の規定により延長する期間は、二十年を超えない期間であつて政令で定める期間を超えることができない。
 --省略---

すなわち商業運転開始日より40年間が運転期間であり、1回限りとしてこの延長が認められる。

2015年あるいは2016年に運転を停止し、撤去の段階に入った原発が6つある。それらは、次の図表1の原発である。

Nuclearplant20173a

2) 40年ルールで運転を停止したならば

新規原発を建設しないという前提で考えた場合は、次の図表2が今後の稼働可能な原発の設備容量合計となる。原発は安全性を第一に運転する必要があり、この図表1は最大であり、実際に運転中の原発は、補修や燃料交換を含め停止している期間があり、この数字通りとはならない。

Nuclearplant20173b

図表2を作成するにあたり使用した各原発のデータは図表3の通りである。なお、運転開始日の古い順から並べている。(形式のPWRは加圧水型。BWRは沸騰水型。)

2030年になると1990年以前の原発が40年を経過するので、図表3では柏崎刈羽2号、3号が丁度40年となる。40年で延長が認められない場合は、2050年には原発はなくなる。

原子炉等規制法第43条の3の22の最長20年の延長をする場合には、多少様子が変わる事が図表2から分かる。

なお、現在建設中の原発がある。電源開発の大間1・2号機、中国電力の島根3号と東京電力の東通1号であり、これら4基の合計出力は5,524MWであり、これら建設中を含めると図表2のグラフは5,524MW分上方向にシフトされる。

原発の撤去、廃炉と言っても、図表1に記載したように30年-40年を要する作業である。図表3にある関西電力の3原発は40年を経過した。これから40年を超える原発が次々に出てくる。40年を単純に適用するのではなく、検査・調査・審査し判断すべきであるが、地元の人々や多くの国民も方針決定には参加すべきと考える。

Nuclearplant20173c

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2017年2月28日 (火)

朝日新聞は原発について正しい報道をすべき

朝日新聞が次の記事を2月27日の朝刊1面に掲げており、驚いた。

朝日 2月27日 福島原発賠償費、電気代での負担額は 1世帯あたり試算

実は、表にある金額は、この原子力損害賠償・廃炉等支援機構の2016年3月31日の一般負担金額及び特別負担金額の連絡なのである。但し、東京電力が負担する特別負担金700億円が朝日の記事では欠落しているから、これも笑ってしまう。

もし、批判をするなら、やはり菅直人政権時代の2011年に成立した原子力損害賠償・廃炉等支援機構法を批判すべきである。当時のどさくさの中でこの法律は成立した。政府の責任を解放し全てを原発を保有する電力会社の責任に押しつけた。国民の眼をそらすことを目的としているのかとさえ思わせる内容である。検針票に書かれないように、当時の政権は仕組んだのであるとも言える。

根本問題は、原子力発電をどうする方針なのか、エネルギー供給はどうするのかである。そのような根本問題には触れない。この新聞社には、難しすぎて、利害関係がありすぎて、そんなことに触れる事はできないのでしょうか?原子力損害賠償や廃炉の問題を特定の電力会社の責任であるとして押しつけても、万一の事故や失敗の付けは国民に来る事を忘れて対処してはならない。日本は負けないと戦争を推進する報道をした朝日新聞だから恐ろしいと思う。

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2017年2月12日 (日)

東芝が中国原発で損失拡大も驚く必要なし

日経BPに次の記事があったが、これも当然のことであり、驚くべきことではないと思う。

日経BP 2月10日 東芝内部資料で判明、中国でも原発建設3年遅れ 受注から9年、着工から7年経過しても稼働は「ゼロ」

東芝子会社WHが今般問題になっている米S&Wとともに、中国国家原子力発電技術公司(SNPTC)などから受注した「AP1000」型原子炉設備4基の建設工事完成が遅れているとのこと。記事中の表によれば、最も早い三門1号機は2013年11月完成予定だったとのこと。最も遅い海陽2号機でも2015年3月であったとのこと。

一番遅い海陽2号機も契約2007年7月で、着工2010年6月であったとのこと。東日本大震災の前であり、安全設計の見直しは、当然あり得る。それに伴う工期延長もあったと思う。延長があったとしても、建設地点は決まっていたわけで、長くて数年であると思う。契約金額の増額は、どうだろうか、ケチで厳しいことが有名な中国であり、工期延長期間との駆け引きで決まっただろうと思う。いずれにせよ、工事の元請けや業者に甘い結果にはなっていないと思う。

何故、これほどまでに東芝はと思うわけであるが、2月7日のブログ 東芝と原子力の今後と同じで、次の世界の建設中の原子力発電所を見れば一目瞭然である。中国の原発に手を出したくなる。WHを買った東芝なら、社長でさえ、この時点では中国の原発は止めろなんて言えない。

Worldnuclear20172c

日本の2基、2,653MWは電源開発が建設中の大間原子力発電所(青森県下北郡大間町)です。

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2017年2月 7日 (火)

東芝と原子力の今後

東芝の原子力に関してDiamond onlineに次の記事があった。

Diamond online 2月6日 瀬戸際の東芝を襲う4つの更なる「時限爆弾」

東芝の原子力設備他の事業について、様々な視点で解説した興味ある記事でした。

東芝の原子力設備事業について、書いてみたい。

1) 何故東芝は、それほどまでに原子力ビジネスにこだわるのか

東芝は原子力発電の設備製造・建設を行っている会社である。新規設備の建設がなければ、市場は小さくなり、事業は縮小する。この一般原則は、必ずしも原子力ビジネスには当てはまらない。

日本で原子力発電を行っているのは、日本原電を含め10社である。次の図は、2015年度の10社合計の原子力発電コストである。

Japanesenuclear20162a_2

2015年度において稼働していた原発は関西電力高浜の短期期間稼働と九州電力川内のみであった。発電量も日本全体の1%足らずの9.4TWh。ところが、コストは10社の有価証券報告書の数字を足しあげると1兆3千億円近くになる。このうち設備メーカが関係する修繕費が大きく、関与度合いが大きいと思われる委託費も加えると非常に多くなる。

車であれば、コストで大きな割合を占めるのは、燃料費であるが、全く異なる。多くの原発が稼働していた2010年度以前の原発コストも含めてその推移を示したのが次である。

Japanesenuclear20172b

修繕費は、稼働した時の方が多い。しかし、稼働停止中もそれなりの金額である。2015年度では2166億円であった。原発保守サービスのマーケットとは、安定した大規模マーケットである。

2) 世界の原発マーケット

世界中には、どれだけの原発があり、どれほどの発電をしているかを示したのが次の表である。

Worldnuclear20172a

世界を眺めると相当な数の原発が存在する。原発とは、高度な技術かどうかは、兎も角としても、高度な安全性を要求される設備である。安全基準も改正され、常に高度な基準を満たさないと運転できない。原子力機器メーカが常にビジネスを継続できるマーケットが存在する。最新の高度な技術を保有し続けることができたなら、良いビジネスを継続できる。

3) 世界中の原発の大部分はPWR

次の表は、世界中の原発の原子炉をタイプ別に分類した表である。

Worldnuclear20172b

PWR(加圧水型原子炉)とはWesting Houseが当初潜水艦の推進動力用として開発した原子炉である。東芝はGEと組んでいた結果、BWRであった。しかし、WHを取得した結果、PWRのビジネスに入っていく事が可能になった。日本のPWRは三菱重工が供給した結果、やはり修繕関係は三菱重工となるが、米国ではWHが強い。

4) 東芝のWH購入は凶 or 吉

大金をはたいてでもWHを買った理由はおわかり頂けたと思います。しかし、ビジネスとは、そんなたやすい事ではない。マーケットは思ったように動かないのが常である。WH購入とは、東芝の手にも余る、屋台骨まで影響を与えかねない大きな買い物とも言える。

しかし、現時点で勝負がついたわけではない。もしかしたら東芝に将来大きな利益をもたらすかも知れないし、耐えきれなくて手放さざるを得ないかも知れない。誰にも分からないことと思います。

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2017年1月19日 (木)

どこまでも膨らむ東芝の損失

1月12日にこのブログを書いた時は、東芝の損失額4000億円だったが、本日は、ついに”最
大”との修飾語が付いているものの7000億円の損失に拡大した。

1月19日 日経 政投銀が東芝支援検討 米原発損失、最大7000億円 

東芝は何時倒産してもおかしくない。しかし、倒産しない。倒産すると影響が大きすぎるからである。日本政策投資銀行が、どのような形で資本支援や資金援助をするのかは分からないが、日本政策投資銀行とは政府全額出資の銀行である。

倒産できないから政府出資の銀行が支援せざるを得ない。その結果、原因である東芝の無責任な奔放経営の付けが、国民に回ってしまうのだろうか?東芝を再建するには、原子力からの撤退は兎も角として、WHからは撤退すべきである。変な話であるか、可能ならトランプか米政府にタダでも良いから売りつけては、とうだろうか?

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2017年1月12日 (木)

東芝は債務超過ですか?原発の今後は

東芝が認識する損失額は日々拡大に向かっているようで、時事ドットコムは4000億円という数字を掲げていた。

時事ドットコム 1月11日 想定外の費用4000億円=米原発事業で膨らむ-東芝

私が12月29日に取り上げた時(このブログ)は、3000億円規模というような表現だったのですが、ついに4000億円の数字も聞かれるようになった。

東芝からは未だ発表がないので、何とも言えない面はある。しかし、相当のエビデンスを出さないと東芝発表は信じてもらえない。或いは、もっとすごいのは、その先を見通して、真実を述べていないとして、東芝の株式売却を進める投資家は出ると思う。WHにしろCB&Iにしろ、高給取りの技術者は働いているわけで、雇用の維持だけでも、相当のキャッシュフローが出て行く。借入金で捻出するとしても、銀行はすんなり貸すだろうかである。

勿論、東芝はつぶれない会社である。東芝がつぶれたら、福島第一原発の廃炉はおろか、他の原発の運転どころか、休止も、廃炉も困難となる。日立、三菱がいるではないかであるが、原子力分野の技術者が他の分野に転出したりして、総人数が減少したら、やばくなることがないか心配である。

運転休止から以降も数十年間(使用済み燃料の管理まで考えれば、数百年、数千年)も高度な技術を使って面倒を見なければならない原発は、民間会社ではなく、政府が全てを管理する社会主義体制でなければ、利用・推進できない発電方式のような気がする。もっともチェルノブイリはソ連時代の事故であり、そう考えると、人間の英知を超えた存在と認識するのが正しいように思えてくる。

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2017年1月 5日 (木)

東芝志賀会長の言うことにゃ

東芝会長の、日本電機工業会他が開催した年賀交歓会における記者団の質問に対するコメントではありますが、あさっての方向を向いての発言でして、支持したいとは思わせませんよね。

日経 1月5日 東芝会長、米原発事業の損失額「現段階で言えない」 

12月29日のブログでも書いたのですが、東芝がWH関連で問われているのは、CB&Iが手がけている米国ジョージア州のSouthern’s Vogtle 3、4号機の工事損失の問題ではなく、東芝が手がける原子力ビジネスの進め方である。幾ら損を出しても、原子力には未来があると、投資を拡大するのか、もはや損切りしてでもどこかに売却するのか、ある一定の方針の下で継続するのかである。

東芝は2006年にWHを54億米ドル(当時の円貨換算6210億円)で購入した。このWHにCB&Iを229百万米ドル(約250億円)で購入させた。東芝(の経営者)が問われている事は、世界の原子力をどのように展望しているか、そして、その展望の中で東芝はどのようなビジネス展開をしようとしているかである。

そんなこと賀詞交換会で記者に聞かれても、適当に返事をしてくしかないよと言う所でしょうが、「真剣に検討中」とかうまい言葉がなかったのかと思う。最も新聞記事も発言の全内容を伝えているわけではなく、もっと真摯な答えをされたのかも知れないですが。

東芝は原子力の未来について、自社の見解を述べる必要があると私は考えます。三菱重工や日立製作所も同じように原子力産業に係わっているが、WHへの投資という巨額投資をしている東芝は株主他への説明義務があると思います。なお、東芝、WH、CB&Iに関する記事で次のWall Stree Journalの記事はよくまとまっていると思いました。

WSJ Dec 26, 2016 Toshiba Shares Plunge Further Over Problems at Nuclear-Power Subsidiary

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2016年12月29日 (木)

やはり話題は年末も東芝だった

一旦踏みはずれると、どんどんと行ってしまう。そう思えてしまう東芝の数千億円損失事件です。

東芝プレスリリース 12月27日 CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について

日経 12月28日 東芝に厳しい視線「減損3000億円規模」の見方も 

東芝の2016年9月30日における株主資本合計は3632億円なので、2017年3月末には債務超過に近くになるかもと予想される。

株価チャートを見ると次の通りである。

Toshiba201612aToshiba201612b

株価は奈落の底へと向かっている雰囲気もある。

何が原因なのだろうと考えると、やはり原子力に対する過度の投資判断と考える。原子力はCO2排出がなく、コントロールがうまくできれば、低コストでクリーンなエネルギーが得られる。そして、コントロールの部分こそ、技術であり、東芝はこの技術に賭けたと言える。WHとは原子力潜水艦の動力を原子力に置き換える事に成功した会社である。

原子力をコントロールすると言葉で言うのは簡単である。しかし、技術とは人間があみだしたものである。神ではない故、不完全である。ビジネス用語で言うなら、リスクがある。しかも、原子力に関するリスクは確立を低くする事ができても、ゼロにはできず、発生すると損害額・被害額・賠償額は膨大である。

もう一つの観点は米国社会である。米国社会では、責任者・原因者の損害賠償・現状復帰義務をとことんまで追究する。そして、そのような責任や義務についての仕組みが社会を発展させる原動力になっていると考える。だから、スリーマイル島事故後には、全ての新規原発建設が中止となった。Too Large Risksであると、事業者が中止を決定したのである。日本は、社会主義国であるようで、役人と政治家が密室で原発推進を決定し、それを上場企業である電力会社に建設させ運転させる。そして事故発生の全責任は電力会社であるとの法律までつくる。免責が保証された日本の原発市場でビジネスをしてきた東芝が米国や世界でビジネスをできるとは思えない。ところが、日本のビジネス感覚で世界に、こともあろうか、原発で出て行った。

CB&Iであるが、東芝が興味を持ったのはStone&Webster(SW)である。SWは、Engineering会社であり、ゼネコンである。WHとSWが東芝の傘の下で、米国で原発の設計・機器供給から建設まで全てできる。このことの付加価値を東芝はねらった。しかし、現実は甘くはない。SWも技術者がいて価値がある。技術者が離散すれば、価値ゼロである。一方、仕事もなく、原子力技術者に高給を払い続ける事は難しい。CB&Iが、更に東芝の足を引っ張る可能性もある。

2016年8月29日の日経ビジネスの有料記事であるが、原発失敗が生んだ負の連鎖 東芝、1兆円リスクの震源地(記事はここ)があった。フリーポートLNGプロジェクトに嵌っていると言うのだ。米国のLNG事業は、日本とは全く異なるビジネスであり、プロジェクトである。この2016年8月15日の電気新聞の記事も東芝がフリーポートLNGを年間220万トン引き取る約束をしていると報道している。220万トンとは、金額では1000億円規模である。これが、半額になったり、3倍ぐらいの価格になったりと激しい値動きをするのである。日経ビジネスの1兆円リスクと言うのもデマとして片付けられないのような内容である。

これから東芝は、どうなるのだろうかと思う。

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2016年10月23日 (日)

不良資産の恐ろしさ

10月23日の朝日新聞は、次の社説を掲載していた。

核燃サイクル 高速炉の虚構を捨てよ

既に1兆円以上の金額を支出している。政府は廃炉を含めて見直すことを決定したと言うが、これだけ多額の支出をしたわけであり、しかも廃炉にしたとしても、ナトリウムの安全な保管や放射性物質の廃棄を初め、相当な支出は今後も続く。一方、もんじゅを建設し研究成果として何が得られたのか、得られた成果と支出ならびに返済が必要な負債や今後の費用の見通しについて政府および関係者は発表すべきである。

もんじゅは、1兆円を超える支出であった。しかし、よく考えると、豊洲新市場も「もんじゅ」に相当似通っていると思える。この産経の2016年8月30日の記事は、総事業費5900億円で維持費1日700万円と報道していた。

この築地市場概要 平成27年度版によれば、築地市場の年間取扱金額は5214億円(水産物4350億円と青果物864億円)である。10月16日のブログに書いたように東京都卸売市場すべての総収益は200億円である。すべての市場の取扱金額は2016年9月は1058億円であった。単純に12倍すると1兆2700億円となる。市場手数料を金額あたりのパーセントであるとすると、1.6%弱である。仮に、市場手数料を上げると、小売価格の上昇になりかねないし、市場を経由しない産地直送のような取引が増加すると予想される。豊洲新市場6000億円は、どのようになるのだろうか、考えねばならない。補助金があるので、6000億円より低い金額で考えても良いのかも知れない。しかし、豊洲新市場の維持費は築地より高い可能性もある。

仮に5000億円を50年で回収すると考えても年間100億円である。これを築地の年間取扱金額のパーセントで考えると2%である。豊洲新市場を経由した場合に2%価格上昇するとしたなら、ほとんどの関係者は市場を経由しない取引を考えるだろうと思うが。どうだろうか?

経済学の「いろは」ができない人が考えたとしか思えないようなことである。最近”Stranded Assets”(埋没資産)という言葉が使われたりしている。もんじゅや築地新市場以外にもたくさんありそうで、よく考えねば、子孫に不良資産と負債を残すだけになりかねない。

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