2019年10月30日 (水)

原子力発電についてはまじめに考えるべき

次の朝日新聞の記事を読むと、東京電力が日本原電にお金を払うのは間違いだと読んでしまう。

朝日新聞 10月28日 安全対策で割高懸念の原電 それでも電力会社が支える訳 (全文を読むには有料記事となっている。)

日本原電の株主構成は次の通りです。

Japc201910a

特殊な会社です。一方、この会社の販売先は、東京電力エナジーパートナー、関西電力、中部電力、東北電力、北陸電力と東京電力パワーグリッドの6社です。東海(1,100MW)と敦賀(1,160MW)の2つの原子力発電を保有している。しかし、2011年度に休止して以後は休止状態が継続しており発電していない。しかし、2019年度の売上高は109,130百万円であり、その内訳は次の通りである。

Japc201910b

原子力発電所とは、発電をしなくても金が掛かるやっかいな物である。かと言って、放っておいて済む物でもない。休止した状態でも放射性物質が大量に存在する。厄介者のおもりを誰がするかと言えば、所有者しかいない。この所有者日本原電が頼れるのは、株主と電力販売の契約がある相手先しかいない。

困ったことである。でも、日本の原子力発電の政策のツケが出ているだけの話である。ここで、東京電力に手を引けと言ったらまさに無責任発言である。日本の原子力発電政策が見える実例でもある。民主党という政党が政権を得る直前の2009年7月の政策集がここ にある。その39ページの右上に「原子力利用については、安全を第一としつつ、エネルギーの安定供給の観点もふまえ、国民の理解と信頼を得ながら着実に取り組みます。」と書いていある。原発に対する当時の代表的・模範的意見だと思う。現在は、どうなのだろうか、廃炉・使用済み核燃料問題・プルトニウム問題・核兵器転用問題・廃棄物処理問題等を含め、国民的議論が必要であると考える。

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2019年10月15日 (火)

関西電力経営幹部金銭受領問題と原子力発電

関西電力経営幹部を含む20人が、3月死去している福井県高浜町の元助役から2006~18年に約3億2千万円相当の金品を受け取っていた。この産経記事(10月2日) によると、受領最高額は鈴木聡常務執行役員で1億2367万円、次いで豊松秀己元副社長の1億1057万円となる。明らかに、常識を越えた金額であり、通常の交友関係ではないと言える。

1) 関電で金銭等を受領したのは全て原子力関係者

贈与したのは、関西電力高浜原発(826MWx2基と870MWx2基の合計3,392MW)が存在する地元高浜町の元助役なので、その贈与理由は原子力発電所であるはず。

2) 原子力発電のコスト

原子力発電とは、金のかかる設備です。単に、存在するだけで、費用が発生するのです。発電が終了し、廃棄するのに、費用が掛かり、その廃棄物処理には、廃棄方法すら不明な部分があり、いくら発生するか分からないという厄介者であります。そんな訳の分からない費用ではあるが、財務諸表では相対的な妥当性と言わざるを得ないが、原発を保有している各社は原子力発電のコストを発表しており、次の表の通りです。

Nuclear201910a

日本全体で年間1兆4千億円という金額です。発電をしているかどうかと余り関係がなく、変動費が少なく、固定費がほとんど言う構造です。次のグラフを見てください。2014年度は、日本における原子力発電の発電量はゼロでしたが、費用は1兆5千億円以上が計上されています。

Nuclear201910b

原子力発電費用の内訳として何が計上されているかを関西電力の2018年度の資料から書いたのが次のグラフです。

Nuclear201910c

3) 原発の地元に落ちるお金

関西電力の2018年度の費用から、考えると諸税163億円のうちの固定資産税63億円、修繕費424億円のうちの地元企業分、委託費246億円のうちの地元企業分が地元に落ちるお金です。関西電力の原発は、美浜、大飯、高浜であり3箇所の合計は6,578MW。うち半分強の3,392MWが高浜町にある。高浜町の地元企業に直接・間接に流れゆくお金がいくらかは分からないが、相当の金額になると思える。そして、原子力関係の物品や人件費は、一般向けより相当単価が高いのです。危険手当的な部分もある。放射線漏れのような事故があってはならないので高品質が求められる。作業員や技術者の年間放射線被曝量の規定があるから現場就労時間に制限があること等による。しかも、上で示したように、発電しているかどうかに拘わらず、変動が少ない。

もし、地元業者がうまく電力会社を取り込むことが出来れば、安定した収入と利益が得られることとなる。食い込む先は、原発に関わる主要人物・部門で良いのです。ここに、この関電金品受領事件の一つの原因があると私は思います。

4) 電力会社(原発発電会社)の都合 

日本原電は、東京電力、関西電力のような電力会社が90%以上の株式を保有する会社であるが、それ以外は全て一部上場の株式会社である。上場している会社の義務として社会的責任もあるが、一つ明白なのは、利益を計上することがある。赤字部門があっても良いが、その場合は、その原因を説明し、黒字にする展望を示すのが経営者の義務と言える。

この株式会社の原則を原発発電部門に当てはめると、経費はほぼ一定なのだから、発電して、例え利益計上できなくとも、収益を増加させ赤字幅を減少させることである。そうなると、経営者にとって、避けるべき事態は、反対運動が起こり、発電できなくなることである。

そんな利害関係に陥った関電原子力会計の幹部と地元のボスであった高浜町の元助役だったのだろうと想像するのです。互いに、「おまえの会社には発注を止めるぞ」とか「反対運動に火を付けるぞ」と言えたとしても、言うことが出来ない関係だっただろう。

5) 今後の日本の原子力発電の仕組み

原子力発電の仕組み、すなわち、組織や法の問題です。上場株式会社という制度に優れた点は多い。しかし、固定費が大半であり、運転・発電するには、余りにも多くのことが関係する。放射線漏れを起こしてはならないと要求しても、人間がすることに100%はない。しかし、100%に近づけるべく、また万一事故が起こっても被害を許容範囲に食い止めるような技術的・社会的・法的な仕組みをつくることは出来ると思う。それが、許容範囲になっているかどうかを判断する仕組みをつくることも重要である。そのようなことを考えると、やはり現状の上場株式会社による原子力発電事業は無理だと思う。

一つ思うのは、公社のような組織だろうか。但し、既存の公社の制度ではダメである。多くの専門化等が集まり、公開の場で議論をし問題点を洗い出し、修正し、仕組みを練り上げて作っていくのである。そんな、苦労をしていかないと、日本のエネルギー政策・原子力政策はできあがらないと思う。原子力政策と述べたが、その中には原子力をエネルギー供給の選択肢から外すことも含まれる。そのような検討を実施するための資金は存在するのである。何もしなくても、現状年間1兆4千億円の支出が存在する。しかも、この状態が今後とも何10年間と継続するのである、この一部から捻出すれば良く、単に支出を継続するより、効果が期待できる。

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2019年9月18日 (水)

台風15号千葉県の停電復旧

台風15号千葉県の停電復旧に関して、東京電力パワーグリッド(このブログ内では東電と略す。)は、記者会見をし、自社のNETでも配信していた。残念ながら、揚げ足を取られないようにしようと27日までの復旧を目指すという事以上の発言は聞くことが出来なかった。(参考:日経 9月17日 千葉県内の停電、なお6万戸 断水も1万戸

台風15号は9月9日朝 5時頃から7時頃に千葉県を通過し、大災害をもたらした。ところで、東電の停電軒数の発表をグラフ化すると次の様になった。

Chibablackout20199a

グラフの右軸メモリのパーセントは、千葉県の総世帯数276万世帯に対する停電軒数の割合である。(1世帯が電力供給軒数とほぼ一致するとの考え)

ニュースに接していると、東電の復旧作業は遅々として進んでいないと感じるが、グラフに書くと停電軒数は2%強まで減少しており、当初の14%以上の停電軒数から考えると随分がんばったんだとも思える。今回の千葉県の停電は、配電網の電柱倒壊や倒木の電線接触による事故が大部分と思われ、地域による差は大きい。そこで、未だ1000軒以上停電となっている市町村を表にしてみた。

Chibablackout20199b

1000軒以上の停電は14市町あった。停電軒数を合計すると57,700軒であり、復旧が残っている58,000軒の99%に該当する。となると、復旧が容易な配電線については、ほぼ復旧を終了したこととなる。冒頭に掲げたグラフを延長すれば、間もなく完全復旧になると思えるが、復旧にあたっては早期に復旧可能な部分から手を付けることとなるので、未復旧の配電線復旧は今までより時間を要するのだと思う。

完全復旧が第一であり、その後に手を付ければ良いのだが、やはり一つの県の10%以上が2日以上停電したことの原因調査とその結果報告、ならびに対策案については発表してもらいたい。電柱を含め設計風荷重の考え方に問題があったのか、電柱付近の木々の伐採や手入れに問題があったのか、工事車両の通行が困難で復旧工事が妨げられたのか、余りにも様々な要因が考えられ、一つづつ評価する必要があると思う。

例えば、このニュース(日経 9月17日 千葉停電、配備遅れた電源車 人員配置などに課題 )であるが、有料部分となるが「だが16日午後5時時点で稼働したのは、計337台のうち96台だった。」とある。記事では、配電線の復旧との関係で資格がある技術者の人員配置がうまくいっていなかったことがあげられている。電源車を運転して現地に行った人は、配電線に接続し、安全性の確保を確認し、エンジンを起動するという操作ができる資格を持った人ではなかったし、そんな人はこのような復旧作業では引っ張りだこだったでしょうね。

もう一つ気になるのはNHK千葉 9月17日 停電で電話不通 救急搬送に影響 というニュースが伝えている救急病院と救急車の電話通話がつながらなかったことがあるというケースです。災害時には固定電話、携帯電話、スマホの電話はつながらないことがあるというのは当然のこととすべき。昔のタクシー無線のような無線電話を救急病院には設置を義務つける必要があると思うのですが、現状はどうなっているのかな?

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2019年3月24日 (日)

原子力発電に対する補助金なんてありなのでしょうか?

次の朝日新聞の記事です。

意味や目的が理解できないのです。ちなみに、登録すれば、1日1記事読めるというので、登録して読んでみたが、支離滅裂のことが書いてある。目的も、意義も何もないと思う。

1)日本の原子力発電の費用と発電量

日本では、下の表に記載の10社が原子力発電所を保有している。各社の損益計算書に計上している原子力発電費と資源エネルギー庁の統計からの原子力の発電量である。原子力発電とは、発電することにより費用が発生するのではない。保有することにより費用が発生するのである。発電することができれば、日本の原子力発電事業者は、損失をリカバーできるのである。それなのに、発電することに更にインセンティブを付けるなんて、とんでもないバカの発想と思うのである。

Jnuclearp20193a

2)米国の"ゼロ・エミッション・クレジット(ZEC)とは

この冊子(ZERO-EMISSION CREDITS)からの引用であるが、排気ガスを排出しないことに対する貢献に対する価値の支払いである。再生可能エネルギーについて、排気ガスを排出しない社会的貢献として、発電費が多少高くても許容する。果たして、日本で原子力発電について、排気ガス無排出貢献として社会的価値を認め、お金を原子力発電事業者に支払うことについて多くの国民が賛成するのだろうか。国民が賛成しない案は、無理である。

米国ニューヨーク州とイリノイ州では、原子力発電事業者が原子力発電の廃止を計画。これに対し、ZECを支払って、原子力発電の廃止をやめさせようとの動きである。ZECを支払う理由は、原子力発電がなくなると代替発電はより高くなり、電力消費者はZECを負担する方がお得であるとの考えによる。何が正しいかは、難しいのであるが、米国では、この2つの州以外でも同様な議論がある。原子力発電が市場競争に勝てなくなってきており、閉鎖の計画が多くなっている。このことを巡っての米国での議論であるが、結論は出ていないと理解する。

いずれにせよ。日本のことは日本国民が決めるのである。朝日新聞でないことは確実である。

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2019年3月 7日 (木)

マンションの受電契約は各戸の権利

最高裁で、次の判決があったが、当然のことと考える。

日経 3月5日 マンション総会決議は無効 個別電気契約で最高裁

最高裁の判決文は、ここにあります。

このマンションは総戸数544なので、相当大きい。従い、2戸が一括受電に反対し、一括受電ができないとの事態になるのは、不思議ではないと思う。

さて、一括受電が有利かどうかは、実は単純ではないと言える。通常の場合、マンションの一括受電は、管理組合が高圧6600Vで受電する契約を締結し、管理組合が所有・管理する変圧器・遮断機等があるマンション内の受電設備で降圧し、低圧100V側から各戸までの電線を保有・管理し各戸に電力供給を行う。各戸は、電気代を管理組合に払う。個別受電であれば、100Vの電力を各戸まで電力会社が供給するが、一括受電だと電力供給者は管理組合となる。管理組合は、機器や設備のメンテナンスを、どこかの会社に委託する。多分、6600Vでの高圧電力供給を行う会社か、その会社が紹介する会社と思う。

一括受電になると契約や管理が複雑になる。更には、低圧100V受電も自由化されていることから、昔と比べれば、選択範囲が相当広がった。マンションでも、自由化電力が選べる。逆に、一括受電だと、その高圧電力会社との契約に縛られ、しかも機器・設備メンテナンスも関係することから、逆にフレキシビリティが小さくなる可能性さえある。電気料金の回収も管理組合の仕事となる。日が照っている明るい方のみを見ると、全体像を見失ってしまうことがある。

建物の区分所有法により各戸の電力供給契約を縛ることはできないという最高裁の判決は至極当然と考える次第です。

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2019年2月14日 (木)

一般家庭の太陽光発電

直前のブログで、自分で太陽光発電の点検は難しいので、継続してモニターをすることは必要であると書きました。

そこで、典型的な例として次の発電・売電・電力購入のカーブを掲げます。

Solarpv2012d

太陽が上っている日の出から日没までの時間帯が発電電力を得ることができ、発電があれば、その分購入電力が少なくなる。更に、発電電力が家庭内消費電力を上回れば、上回った分を電力供給会社に売電することとなる。上記の例だと、午前5時から発電が始まり、午前8時には家庭内消費を上回るので、売電が始まる。16時になると発電が家庭内消費を下回ることとなり、18時以後は発電をしない。

なお、上の例は、年間の平均をカーブにしたので、5月頃の日照が良い場合は、発電量はもっと多い。一方、雨天の日は、ほとんど発電しない。消費も夏・冬は多いが、春・秋は少ない。一つの例としては、5kWの設備で年間発電量5,500kWh、発電からの家庭電力消費2,100kWh、売電量3,400kWh、電力購入量2,800kWh程度でしょうか。地域差もあるし、設置している設備が完全に南を向いているかも関係します。

都道府県別の家庭太陽光発電の設置割合を何世帯で1設備の設置となっているかを調べてみたのが、次の表であり、これを地図で示したのが、最後の図です。

Solarpv2012e
Solarpv20192c

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2019年2月12日 (火)

住宅屋根太陽光発電の安全性・危険性

住宅屋根太陽光発電についての次の記事があった。当該消費者安全調査委員会の報告書を紹介すると共に、住宅屋根太陽光発電の安全性・危険性について書いてみたいと思います。

Diamond Online 2月12日 住宅用の太陽光発電設備が危ない!10万棟以上で火災の可能性

消費者安全調査委員会 事故等原因調査報告書 住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等 平成31年1月28日

同上 概要版

1) 約10万7000棟に対し火災事故等の再発防止策が必要か

消費者安全調査委員会(以下委員会と略す。)が呼びかけているのは、応急点検の実施です。かつ、応急点検の実施対象は鋼板等なし型に該当する場合です。鋼板等なし型とは次の報告書にあった図7の右下のタイプです。

Solarpv20192aご自分の太陽光発電設備の型が分かっていない場合は、設置した業者に問い合わせれば良いでしょう。図の下の方の説明にあるように、屋根置き型と鋼板敷設型が94.8%で、鋼板付帯型は少なく0.7%。鋼板等なし型は4.5%とのことです。この4.5%が設置件数では107,000棟になるとのこと。鋼板等なし型の場合の危険性は、太陽電池モジュールと屋根材とが近接していることから住宅の火災の危険性があることです。火災発生箇所としては、太陽電池モジュール、ケーブル、パワーコンディショナ、接続箱があるとのこと。

資源エネルギー庁の統計(これ)では、2018年9月末現在で住宅用太陽光発電の設置済み数(導入量)は2,431,713件であり、4.5%が鋼板等なし型だとすると、11万棟近い可能性があります。

2) どのような現象なのか

住宅用太陽光発電とは、3kW~5kW程度の出力が多いと思いますが、家庭用ガスコンロの強力火力バーナーというのが最大にすると4.2kWです。4,200Wですから、電気ストーブで考えても、5台以上の熱です。これが屋根上で熱源となれば、火事が起こっても当然という感じです。最も、屋根上に設置した太陽光発電パネルの全てが熱源となってしまうのではなく、パネルのある特定の部分や接続部分の発熱でしょうが、火災の原因になり得ることは理解できる。

下の写真は、報告書の中の赤外線サーモグラフィ画像の写真であり、左は高抵抗箇所が温度上昇しており、右では1枚のモジュールが電力変換されていないため高温となっている。

Solarpv20192b

高温になれば、火災を引き起こす危険性はある。

3) 鋼板等なし型以外は大丈夫か?

2)の現象の発生の可能性は、鋼板等なし型に限定されないはず。原因は、製品の不良、工事の不良、そして経年劣化がそれに伴うと考えられる。そうすると、鋼板等なし型でない95%以上の設備も火災リスクは低いであろうが発熱しており、発電電力量は少なくなっている可能性はある。

太陽光発電を設置している場合、電力会社からの請求書に電気代以外に電力買電量が書いてある。発電量は季節差があるので、前年同月の請求書と比べて、買電量が小さくなっている場合は、設備の点検・メンテナンスを依頼した方が良いと思う。なお、設備にも通常はモニターが設置されているはずなので、毎月の発電量を前年同月と比較し、ある程度下がっているとなると、点検を依頼すべきと考えます。

住宅用太陽光発電で困る点は、自分では点検ができないことです。但し、モニターはできるのでモニターはすべきです。

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2018年12月 7日 (金)

太陽光発電買い取り価格見直し修正

太陽光発電買い取り価格見直し修正を経済産業省は発表した。

日経 12月6日 太陽光買い取り一部減額を猶予 経産省、見直し案修正

経産省 12月5日 FIT制度における太陽光発電の未稼働案件への新たな対応を決定しました

経産省発表別紙1 2018年12月5日 既認定案件による国民負担の抑制に向けた対応

当初の経産省の案(意見公募を求めた改正省令の案)では、2015年3月末以前に認定を受けたが、送電線への接続工事の申し込みの受領が2019年3月末までになされなければ、買取価格を21円/kWhとし、且つ運転開始日期限2000年3月末であった。今回の修正により、2MW以上の未稼働案件は2019年9月末までの接続工事申し込みの受領条件で2020年9月までの運転開始日期限となった。(環境影響評価(アセスメント)案件は更に6月後の期限)

最初から落ち付け所を見据えた意見公募であったような気がするが、一方で悲しいかな次のような意見を出す人たちはいた。

朝日新聞社説 12月3日 陽光の価格 引き下げは注意深く

現在の太陽光発電の発電原価

みなさんは、次のような記事をどう考えられますか?

日経XTECH 2017年7月21日 世界最安「ギガソーラー」、2.42セント/kWhでも利益の出るワケ、ジンコソーラーに聞く

次のグラフは、国際再生エネルギー機関(IRENA)のBoosting Solar PV Marketという冊子にあったものだが、太陽光発電設備の価格は大きく下がっている。

Solarpv201812

大型の太陽光発電設備の長期平均発電コスト(LCOE)は2015年13セント/kWhであったが、2025年までには5.5セント/kWhと予測している。高いコストの購入は避けるのが世の中の常識である。原価が下がっているのに、取引価格据え置きでは癒着ビジネスである。

実は、2015年3月末以前に認定を受けたが未稼働の太陽光案件は2352万kWと稼働済み3351万kWの70%に相当するのであり、こんな事業者に利益を渡すのは非合理的であると思う。

国民を苦しめる電力料金

現在の再生可能エネルギー賦課金単価は2.90円/kWhであり、その計算根拠はこの2018年3月23日 経産省発表に書いてある。2.90円/kWhと聞くと何となく安いように思うが、年間の賦課金総額は2兆3700億円である。すなわち、消費税率では約1%に相当する。2017年度では再生可能エネルギー買取金額合計2兆4352億円のうち1兆6519億円が10kW以上の太陽光発電の買取に支出された。

現在の新規太陽光発電の買取価格は2MW以上の場合、入札制であり、2MW未満は18円/kWhと合理的な水準に改訂されている。しかし、一方既存の太陽光設備の買取価格は平均38.6円/kWhとなっており、2兆4352億円の負担の大きな原因である。

災害を引き起こす太陽光発電設備

悪徳業者に限られると言って良いのだろうが、次のようなニュースがある。

千葉日報 11月7日 40メートルにわたり土砂崩れ 斜面から再生土が流出 市原の市道

太陽光発電設備の工事現場であったようだ。別件だが、2018年7月に姫路で太陽光発電パネルが崩落している写真が次の神戸新聞NEXTの記事にはある。

神戸新聞NEXT 7月13日 豪雨で太陽光パネル崩落 住民ら不安の声 姫路

私は、何の展望もなく無理に導入した日本の再生可能エネルギー固定料金買取制度は崩壊していると思う。十分な検討を重ね、日本に適した再生可能エネルギーの導入策を作成すべきと考える。

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2018年10月19日 (金)

朝日新聞は社説でも太陽光発電に変なことを言い出した

次の社説です。

10月17日 (社説)太陽光の停止 電力捨てない工夫を

捨てるという表現が、まずは変なのですが。太陽から地球に届くエネルギーには、何の変化も起こっておらず、太陽光発電パネルの発電量を抑制しているだけである。どのような設備でも、このようなことはある。時速150kmで走れる性能がある車を50km/hで走ることは、悪いことなのでしょうか?人間の生活や幸福を優先し、設備や機器については、安全性も考慮し、人間を最も幸福にする使い方をすべきです。こんな社説を書く馬鹿がいるのには、驚きです。

その意味では、原子力発電も同様であり、常に見直しも必要である。安全性のお墨付きを得たから、運転するというのは馬鹿である。安全性は、運転するための最低必要なことであり、運転するかどうかは、人間社会としての判断が加わるのである。九州電力の場合で言えば、10月14日の電力供給は下図であった。昼間必要な発電量7,000MW強のうち、再生可能エネルギーが5,420MWで原子力が4,300MWの発電をしたのだから、揚水動力として利用することと他地域へ送電することとなる。これで、どうかと言われても、すべてが分かっているわけではなく、返答に困るが、九州地方でこれ以上多くの(4,300MW以上)原発は運転できないと思う。

Kyushu201810a

朝日の社説に「この時間帯の電気料金を安くすれば、利用を誘導できる。」という表現がある。電力は電力取引所で取引されている。10月14日の九州地方の電力取引所価格のグラフが次である。

Kyushu201810b

太陽光発電により電力供給がなされている時間帯は1kWhあたり5円だったのである。確かに、これは卸市場の話であり、小売市場での価格ではない。言えることは、朝日の社説は間違いであること。時間帯により電力価格は変動している。卸売市場の価格と連動して小売り供給する会社があれば、送配電費用は別途必要だが、そのようなことは可能である。

最後に、太陽光発電の現状を述べておきたい。20年間の固定価格による再生可能エネルギーによる発電電力の売電は可能である。しかし、固定価格とは言っても、入札制度で価格は決まる。2018年8月に太陽光発電についての第2回目の入札があったが、供給価格上限の1kWhあたり15.50円円を下回る落札社はなかったのである。(参考:この発表

この新聞社だけかどうか知りませんが、何も調査せずに、新聞社説って書くんですね。

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2018年10月15日 (月)

九州電力再生可能エネルギー出力制御についての朝日の記事の違和感は会社の体質?

記事のタイトルからして驚きました。(有料記事ですが、登録で1日1記事読める対象です。)

余る電力、再生エネ岐路 太陽光発電、九電が抑制 「主力」の原発を優先

1) 原発の優先

今更、何をと思うのです。原子力発電は核兵器と同じ核分裂を利用している。人類が手にする物の中で、最も危険な部類に属する。しかも、日本の原発は、出力変動運転をするようには設計されていない。

原発とは、大変なものです。論じるなら、使用済み核燃料管理も含め、きちんと論じて欲しい。なお、使用済み核燃料とは、現在稼働中の原発燃料のみならず、過去に運転していた原発の使用済み核燃料もあることを忘れてはならない。

2) 問題は再生可能エネルギーなのか太陽光発電なのか

朝日の論調は、「原発は動かすのに、再生エネを抑えるのは順序が逆だ」との論理になっている。問題は太陽光発電にあり、再生可能エネルギーにあるのではない。

太陽光発電は日中10時から15時頃に発電量が多くなるが、それ以外の時間帯はあまり発電せず、しかも朝夕を含め夜は発電しない。バッテリーがないと用途が制限される電源である。九州電力は、再生可能エネルギーの接続済み11,600MWのうち8,070MWが太陽光と発表している。

70%が太陽光なんて、異常だと思う。何故、そんな異常事態となっているかは、太陽光の高値固定価格買い取り制度の結果でしかあり得ないはず。再エネ賦課金により日本の電力は一律2.64円高くなっているが、これは他でもない太陽光発電事業者にすべて支払われる。2.64円なんて、安いと思うかも知れないが、10%以上とも言える。不安定な発電をする事業者に高値を払うのは制度としておかしい。太陽光発電事業者にはバッテリー設置を義務つける等して、売買可能な品質の電力にした場合に、一般料金とするのが世の常識と思うのだが。

3) 融通なら効率化と決めつけて良いのか

朝日の記事って、おバカの塊のような記者が書いていると思ってしまう。九州電力は10月14日の予想として需要7,360MWに対して、供給力が12,290MWになるので、揚水発電で2,260MWを揚水動力として使用し、1,960MWを下関方面へ送電するとしている。需要7,360MWに対する再生可能エネルギーによる発電が5,420MWなので、需要に対しては再生可能エネルギーが74%である。出力が不安定な再生可能エネルギーが74%にまでなると、どのようにして需給バランスを保つというか、周波数や電圧安定を確保するかの問題となる。

関門送電線の容量が不足しているか、余っているか、分析しないと何も言えないはず。送電線の容量を大きくすると、それだけ設備費を要するわけで、送電コストが高くなる。マスコミは、余っている送電線容量と報道することもある。実は、このあたり、分析せずに誰かの話をそのまま言っているだけだからたちが悪い。

本庶佑教授、会見で記者の幼稚な質問に一喝 (Togetter)と言うのがあった。今回の朝日の記事も余る電力なんて表現で、どこに電力が余っているのだと常識のある人なら思ってしまう書きぶりであった。

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