現在の内閣とはバカばかりと思っていますが、本当に理解不可能なことばかりです。そんな中、お茶の出荷制限とは、浜岡原発停止と同じ構造なのだろうと思います。
毎日 6月2日 福島第1原発:茨城などの茶、出荷停止に
「政府は2日、食品衛生法の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして、茨城県全域と神奈川、千葉、栃木県の一部地域で生産する茶の出荷停止を各県に指示した。」とあり、この政府の指示とは、6月2日午後 官房長官記者発表である。「生葉のみならず、荒茶及び製茶についても適用する」と言っている。しかし、その根拠は発表されていない。
見事な独裁政権です。
1) 根拠のない規制はすべきでない
人体の安全性と言えども、根拠のない規制は、独裁政権、ファシズム政権がすることである。現内閣が、そうなので仕方ないと言えるが、もし日本が民主主義の国であるなら、一刻も早く政権を倒さねばならない。
ここに、食品安全委員会の「東北地方太平洋沖地震の原子力発電所への影響と食品の安全性について(第50報)-6月2日更新-」があり、「食品衛生法に基づく飲食物に関する暫定規制値」の記載もある。お茶はないので、野菜としてあてはめると、放射性ヨウ素2000Bq/kgあるいは放射性セシウム500Bq/kgです。しかし、乾燥野菜をこの数字で運用するのは、根拠なしのバカのはず。
食品安全委員会の第50報の中に放射性セシウムの被爆量についての参考計算がある。
500Bqの放射性セシウム137が検出された飲食物を1kg食べた場合の人体への影響は、500×1.3×10^-5(※)=0.0065mSvとなります。
”1.3×10^-5”は、内部被ばくに関する実効線量係数であり、セシウムについての、ICRP Publ.72に勧告された成人の一般公衆が経口または吸入摂取した場合の実効線量係数は、次の表の通りです。数字が10^3小さくなっているのは、mSVとSVの違いです。
核種 | 半減期 | 経口摂取(Sv/Bq) | 吸入摂取(Sv/Bq) |
Cs-134 |
2.06年 |
1.9×10-8 |
2.0×10-8 |
Cs-136 |
13.1日 |
3.0×10-9 |
2.8×10-9 |
Cs-137 |
30.0年 |
1.3×10-8 |
3.9×10-8 |
年間1mSV以内に押さえようとすると、年間150kg以内の摂取にしておけばよいのです。
即ち、500Bq/kg自体、相当な安全性を見込んでおり、しかも大量に食べる野菜を念頭にしているのであり、お茶を同じ基準であてはめてよいのか、まず疑問がある。
ここに、本年3月に食品の暫定基準を決めた食品安全委員会の「放射性物質に関する緊急とりまとめ」がある。そこに、飲食物摂取制限措置を実施する際の回避線量の基準として対策が常に必要とされる線量レベルが50mSV/年となっており、これ以下では対策が正当化されない線量レベルが5mSV/年となっている。
5mSV/年から野菜類に対する放射性セシウム500Bq/kgが導き出されている。となると、年間770kgとなり、体重の10倍以上の野菜を食べるので、別の障害が出そうである。
2) 荒茶と飲用茶
乾燥すれば、水分が飛び、重量当たりの数字は大きくなる。一方、お茶として飲む場合には、お茶がらは捨てて、お湯に溶けた物を摂取する。冒頭に掲げた毎日の記事には、「生葉で1キロあたり500ベクレルの場合、乾燥させた荒茶は重量が約5分の1になり、相対的に1キロあたりの濃度は5倍の2500ベクレルに上がるが、湯で抽出した飲用茶では数十ベクレルにまで減る。」となっている。
いよいよバカさ加減が板についている。毎日の記事に、「一部の荒茶が抹茶アイスなどの加工食品に使用されている」とあり、これを理由に荒茶で規制すると言うが、大臣とは抹茶アイスを食べたこともない浮き世の人であるようだ。1日、何個抹茶アイスを食べて、その中に荒茶が幾ら含まれるか、アホは計算すらできない。
3) 悪影響
政治が悪いと国民は不幸になる。日経メディカルオンラインに次の記事があった。
2011. 5. 17 チェルノブイリの健康被害、最も深刻なのは精神面への影響 エビデンスありは小児の甲状腺癌のみ Lancet Oncology誌から
2011. 4. 6 「放射性セシウム汚染で疾患は増えない」 チェルノブイリ事故調査結果を基に長崎大の山下俊一教授が明言
どうでしょうか?根拠なく政府が不安をかき立てることは、許されざるべきことです。国民を鬱に陥れ、経済を破壊し、国民の生活を苦しめることになりかねない。根拠を示し、国民と考えならがら対策を立てるのが政府です。従い、私は、独裁政権と現政権を呼ぶ。
放射性セシウムについては、分からないことが多いが、チェルノブイリ事故でも、放射性セシウムによる疾患増のエビデンスが掴めていない。調査研究をしている研究者や専門家の人の言うことにも、耳を傾ける必要があると思います。
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