2009年7月 7日 (火)

誤報道を続けるNHKの臓器移植法

NHKが臓器移植法について相変わらず誤報道を続けているようです。Web魚拓に取りました。

NHKニュース 7月7日 19時26分

「A案は脳死を一般に人の死とすることを前提にしており」との表現が何度もあります。A案とは、衆議院で可決された法案であり、私の6月23日のエントリーにその全文を掲げています。NHKの法解釈は、ねじ曲げた解釈であると考えます。

A案の場合でも、臓器移植の場合のみ脳死が死となるのであり、臓器移植を行う時しか脳死判定が実施されない。そして、本人が脳死による臓器提供を拒否していれば、脳死判定はない。更には、ICUで治療を受けなければ脳死は生じないし、いかなる場合でも脳死判定が必要である。様々な条件が満たされた時のみ、脳死による臓器提供が行われる。実は、A案でも、極めて少ない。だから、少々嘘を言っても構わないとして、NHKは嘘をつき続けるのでしょうか。

つくづく嫌になりました。A案も直接に臓器移植の場合に、脳死を死とするとしているのではなく、法案の文章は「医師が臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。」としているのです。なお、ここに引用した、この「医師が臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。」の部分もA案による改正部分ではなく、元の法制定時の法の文章です。

感情のみで発言し、報道することの恐ろしさです。

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2009年6月23日 (火)

臓器移植法改正

臓器移植法改正についてA案が衆議院で6月18日に可決されました。A案については、多くの報道は、「脳死は一般に人の死」と言っており、これでは誤解を生むことが多すぎると思うことから書いてみます。なお、報道としては、MSN産経ニュースをあげます。

MSN産経ニュース 6月18日 一転、臓器移植法案「A案可決」賛成263票

1) 衆議院で可決された法案

可決された法案により現在の臓器移植法のどの部分が改正となるかを続きを読むに入れましたので、法案については「続きを読む」をクリック下さい。第6条の改正が大きな改正であり、人の死の定義を定めていません。「医師は、2つの場合において、移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。」としたのであり、この文章で「脳死は一般に人の死」と定めたと解釈するのは、余りにも拡大解釈であります。

なお、改正前の文章も「続きを読む」で、取消線で消しただけで、残してあります。「死亡した者が生存中に臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合・・・・」を2つの場合に変えたのです。15歳未満の脳死移植が日本で実施されなかった理由は、厚生労働省がガイドラインにおいて「自由意志の表示が行える年齢は15歳以上である。」としたからであり、民法961条が「十五歳に達した者は、遺言をすることができる。」との遺言能力15歳以上がその理由です。

「意思を書面により表示」との表現が足かせとなっていたことから、この足かせを外したのです。

2つの場合とは、続きを読むで、色を付けた6条1項の1号と2号ですが、1号は改正前と意味が同じと思います。2号は、「当該意思がないことを表示している場合以外の場合」というややこしい表現で、「臓器移植ドナーに私はなりません」と意思表示をしている人です。従い、移植拒否の人が移植の為に臓器摘出をされることはありません。

2) 子供が無理矢理臓器摘出を受ける

意思がない場合は、遺族が書面で同意すれば、臓器摘出があります。子供の場合について、子供の親とはそんなに信じられないのだろうかと思います。子供の感情や意思を一番知っている親が、臓器提供を申し出た場合には、それを受け止めて尊重するのが社会であると思います。

子供が天国で幸せに暮らすようにと子供の臓器提供を望む親がいるかも知れません。あるいは、そんなことをしない人が大部分でしょうが、他人が口をだすことではないと思います。最も、臓器提出可能な脳死になること自体、ほとんどあり得ないと思いますが。

虐待を受けた児童が、今度は遺族により臓器提供となる恐れについてですが、ないとは言えず、それ故、改正案には附則5がついています。この毎日 6月22日 臓器移植法改正:民主議員ら、参院に対案提出へも、「衆院を18日に通過したA案は、脳死を一般に人の死とし」と報じており、すんなりと理解しにくいのです。

3) 脳死

このMSN産経ニュース 6月7日 【臓器移植】(中)脳死は人の死か…議論再燃では、焦点がずれていると思います。脳死を人の死とは、できません。臓器移植法6条2項の改正されていない部分ですが、脳死を「脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された者」と定めており、この判定は6条4項により「これを的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師・・・・・」と定められており、医療機関の脳死判定員会が判定します。

脳死判定員会は、移植を前提としなければ、判定行為もしないわけで、脳死判定員会が判定しなければ、脳死もあり得ません。移植をしなければ脳死はありえず、脳死状態で生き続けたというのは、おそらく脳死ではなかったのだと思います。

脳死の判断基準も変わっていくと思います。法で脳死を決めるのは、現在の条文でよいと思うし、A案は、マスコミが言うように「脳死を人の死」と定めることではなく、自由意思の範囲を拡大したのであり、逆に法が制限をすることがかえっておかしいと思います。

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2008年10月 8日 (水)

TV報道の素材負け? 人工呼吸器の取り外し

光市事件についてBPOの意見書2008年4月15日の意見書が調査した33のテレビ番組すべてが、不適切な点があり、素材負けをしていると書かれていると、10月2日のブログ橋下弁護士(大阪府知事)に800万円の支払いを命じる判決のなかで書きました。やはりこれも、その類かなと思いました。新聞3社(但し、日経は共同の文章です。)と共同およびNHKの報道は以下でした。

読売千葉 10月8日 「呼吸器外し」苦悩の審議 鴨川・亀田総合病院 「委員会、荷重すぎる」
朝日千葉 10月8日 呼吸器外し要望「意思疎通に人らしさ」
日経 10月7日 「呼吸器外す意思尊重を」 千葉の総合病院、倫理委が提言
共同 10月7日 呼吸器外しの意思尊重を 倫理委が異例の提言
NHK 10月7日 呼吸器外し 患者の意向尊重も
(NHKについては、リンク切れが早いので続きを読むにも入れておきます。)

(1) 人工呼吸器を医師が外すと殺人となるか?

明確に述べているのはNHKで、新聞各社は「刑事責任の可能性」というような言葉で表現されていますが、NHKは「日本では人工呼吸器を外す行為は認められず」と言っていますので、この断定については驚きです。

報道されている過去の事例としては、富山県の射水市民病院でのこと、旭川の北海道立羽幌病院でのこと、がありますが、いずれも刑事事件として起訴されていないと理解します。

共同 2008年7月16日 富山呼吸器外し立件困難 射水市民病院6人死亡で
共同 2006年4月6日 呼吸器外しで起訴困難 羽幌病院事件で旭川地検

本人からの書面等による確認があり、病院が倫理委員会をつくり、実際に人工呼吸器を取り外す際にも、複数の医師で確認しあって実行するなら、刑事罰に医師が問われることはないと私は確信します。それでも、人工呼吸器を取り外す行為をされる医師の方は、苦い医療行為をする気持ちになられると思います。

医師の行為を刑事罰に相当すると断定する権限は、NHKにはないはずです。逆に、正確に報道する義務を有しているはずです。

(2) 市民による議論

国民・市民による議論が必要です。命について厚生労働省が決定することはおかしい。議員が決定することはおかしい。法律より前に、一定のルールについて社会的コンセンサスを作ることが重要だと思います。思いつくままに、問題提起を書いみます。

A. 人工呼吸器

人工呼吸器をなぜ使用するかと言えば、使わなかったら、死亡したからであり、人工呼吸器により助かった人も多いと思います。では、人工呼吸器を使用したが、回復が図れていない場合は、何時、どの様な条件の場合に人工呼吸器を外せるか?外すことは許されないのか?人工呼吸器を外すと直ちに死亡するとは限らないものの、死に向かって進む可能性が強いと思います。

B. 人の意志

亀田総合病院により治療されておられるこの方は、ALS(ここに厚生労働省の簡単な説明があります。)であり、筋肉がほとんど動かないが、意識も頭脳活動も現時点で全く問題はないし、生きる意志も希望もお持ちと理解します。報道からすれば、「今後、万一意思疎通ができなくなった時は人工呼吸器を外してほしい。」との希望です。植物状態になったなら自分は人工呼吸に依存しての生ではなく、自然状態の生でおいて欲しい。その結果、死に至っても、意志疎通もできない中、人工呼吸器により生を保ち、苦しみを継続したくないとの意志と了解します。

「植物状態=脳死」ではありません。しかし、死をまねくことになる可能性が高いと言えます。インフォームドコンセントとは、自分の治療方針を自分自身が決定することです。全てを承知で、自分自身が選択した治療方針は、崇高のものとして誰もが敬意を払わねばならないように思います。

C. 医療の崩壊

この問題は、人工呼吸器を初めから使用しなかったならば、発生しないのです。本来は、人工呼吸器を使って助かる人がいるなら、積極的に助けるべきです。しかし、トラブルを避けることが優先し、人工呼吸器は極力使用しないとなったなら、本末転倒となります。医療とは人々のために存在する。社会全体が「君子危うきに近寄らず」になってしまっていることが最近多いのではないのかなと感じます。そうなると、社会制度が崩壊してしまうのではないか。社会制度を守るのは、厚生労働省でも国会でもなく、その社会の人々です。

(3) 参考

参考となる読み物として、李 啓充 医師が、医学書院の週刊医学界新聞に連載をされている「アメリカ医療の光と影」で、2006年9月18日から2007年5月21日まで16回にわたって米国の「延命治療の中止を巡って」として書いておられる記事があり、ネットで読むことができます。以下が、その記事であり、実例を知ることにより多くのことが学べます。

延命治療の中止を巡って(1) 殺人罪
延命治療の中止を巡って(2) 遷延性植物状態
延命治療の中止を巡って(3)  異例の裁判
延命治療の中止を巡って(4) 論点
延命治療の中止を巡って(5) 歴史的判決(1)
延命治療の中止を巡って(6) 歴史的判決(2)
延命治療の中止を巡って(7) 母の願い(1)
延命治療の中止を巡って(8) 母の願い(2)
延命治療の中止を巡って(9) 母の願い(3)
延命治療の中止を巡って(10)  クルーザン家の悲劇(1)
延命治療の中止を巡って(11)  クルーザン家の悲劇(2)
延命治療の中止を巡って(12) クルーザン家の悲劇(3)
延命治療の中止を巡って(13)  クルーザン家の悲劇(4)
延命治療の中止を巡って(14)  終末期医療における患者の権利
延命治療の中止を巡って(15)  パターナリズムの呪縛
延命治療の中止を巡って(16)  殺人罪に問うことの愚かさ

また、このブログ元検弁護士のつぶやき 人工呼吸器とり外し問題で、多くの議論がされています。ずいぶん参考にしました。

(4) 蛇足

李 啓充 医師が、「アメリカ医療の光と影」の2008年9月29日で、米国の医療保険制度について書いておられます。これも、今の日本が参考とすべきことと思います。ここにあります。

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2007年9月 1日 (土)

奈良の妊婦救急搬送

この事件に関して、今一度書いてみます。

1) 妊婦健康診査

救急搬送された女性は、38歳で妊娠7ヶ月であったようです。(例えば、この毎日新聞の記事)高年齢出産となるのですが、妊婦健康診査を受けておられなかった。妊娠していることが分かったら、市町村の役場・出張所に行って、母子健康手帳の交付を受けるとともに、都道府県・市町村からのサポートを受ける。これが、私たちが母子保健法で決めていることです。ちなみに、母子健康保険法の第1条から第3条は以下の条文です。

(目的)
第1条 この法律は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もつて国民保健の向上に寄与することを目的とする。
(母性の尊重)
第2条 母性は、すべての児童がすこやかに生まれ、かつ、育てられる基盤であることにかんがみ、尊重され、かつ、保護されなければならない。
(乳幼児の健康の保持増進)
第3条 乳児及び幼児は、心身ともに健全な人として成長してゆくために、その健康が保持され、かつ、増進されなければならない。

今回の事件についても、母子保健法をまずは考え合わせるべきことと思います。母子手帳の交付を受けて、妊婦健康診査をしていれば、健康診査で母体や胎児の状態がある程度は、分かったはずであり、死産・流産を防げた可能性が高かったと思います。

2) 妊婦健康診査の公的援助

格差社会で、妊婦健康診査も大変です。だから、厚生労働省は、平成19年度地方財政措置で少子化対策により財政拡大がなされたことにより、年14回(財政的に困難な場合でも、最低限5回)の妊婦健康診査を全て公費負担とするように都道府県・政令市・特別区に2007年1月19日に通知を行っています。そして、更に6月26日に市町村に対し周知するようにと事務連絡を行っています。

厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課のこの通知と事務連絡はここここにあります。(社団法人日本助産師会にあったものです。)通知の中で、次のように述べられています。

公費負担の有無にかかわらず、妊婦健康診査の重要性について、妊婦及び一般市民に対する周知・広報に積極的に取り組まれたいこと。

本来今回の事件で、問われるべき一つの点は、奈良県、橿原市が妊婦健康診査について広報活動をどのように行っていたのか、十分であったのかという点であると思います。

3) 産科医を助けてあげたい

日本の今の社会はいじめ社会で、いじめ社会の先端を行っているのがマスコミであるような気がしてしまいます。次の奈良県立医科大学附属病院の発表を読んで、どうお感じになられますか?

今般の妊婦救急搬送事案について(8月31日付)

産婦人科は、8月28日19時から当直医2名(但し、29日2時30分までは当直外医師も重症患者がいたため応援1名あり。)で、朝の5時30分までに5名の緊急患者を受け入れています。記録には、既に入院していた重症患者1名の記述がありますが、この患者の手術は9時から23時まで14時間を要したのであり、相当な重症であったと思います。そして、8月29日の朝に2名の当直医の勤務は終了せず、1名は通常勤務、もう1名は他病院で24時間勤務です。

発表文には、「なお、産婦人科に限らず、救急科、脳神経外科、心臓血管外科、麻酔科等の医師も同様の状況であることを付け加えておきます。」と記載されています。

そこで、8月31日の産経新聞 奈良県の「ドクターバンク」、いまだ登録医ゼロ 産科・小児科 不足解消遠くですが、何故医師が登録しないかよく分かります。

日本の医療崩壊は、こんな形で起こってきているんだなあ!つくづくそう思います。

4) 飛び込み出産の増加

次のJ-Castニュースが、本事件について別の側面を伝えた私が知っている一つです。

J-CASTニュース 8月31日 なぜ産科医は患者を断るのか 出産費用踏み倒しに「置き去り」

この記事に神奈川県立子供医療センターの例として、「1~4月に来た飛び込み出産の妊婦8人のうち、出産費用を払ったのはわずか2人しかいなかった。なかには生まれた赤ちゃんをおいていってしまった女性もいたという」と書いてあります。そして、この朝日新聞(神奈川)7月15日には、横浜市内の病院に勤務する49歳の女性産科医の話として「病院でお産をしたあと、出産費用を払わないで帰ってしまう女性が、ここ2、3年で目立つようになってきた。」と書いてあります。

プライバシーは守らねばならないのですが、実態を正確に把握することが、全ての基本と思います。そうしないと、間違ったことをしてしまわないでしょうか?結論を急ぐより正しい解決の道筋を考えることが重要と思います。

5) マスコミへの問いかけ

マスコミが書いていることは、私が上で書いていることと焦点があっていないと思います。

産経社説8月31日妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち
読売社説8月31日妊婦たらい回し 一刻も早い産科救急の整備を(8月31日付・読売社説)
朝日社説8月31日奈良の死産―救急網に穴が多すぎる

とあり、社説・論説はありませんでしたが、しんぶん赤旗の記事で8月30日 たらい回しの悲劇再びというのもありました。確かな野党というからには、確かな視点での記事をお願いしたいと思います。

長くなってしまいましたが、医療崩壊が始まっています。このままマスコミの言うように動いていては、私たちが医療を受けられない状態になる危険性があると思います。首都圏の産科でも、実態は次の通りです。

朝日2006年12月30日「お産ピンチ」首都圏でも 中核病院縮小相次ぐ

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2007年3月23日 (金)

タミフルについて(その2)

柳澤厚生労働大臣が本日(23日)の閣議後の記者会見で、「タミフルと異常行動による死亡との因果関係について、今までの判断で良かったのか、見直しをしないといけない」と述べたと報道がありました。

日経 3月23日 厚労相、タミフル再調査「寄付受けた研究者は除外」

3月 6日のエントリー:タミフルは使うべき?で、触れたこともあり、再度すこし書いてみます。

1) 医師の対応

3月 6日のエントリー:タミフルは使うべき?では、医師と相談されるのが一番ですと書きました。これについて、今も私の考えは変わりませんが、参考までに医師はどのように対応されようとしておられるか、日経メディカルオンラインが3月21-22日に行った医師へのアンケート調査の結果が載っていました。(Nikkei Medical Online 2007. 3. 23 【緊急調査】最終集計結果発表!

調査は、タミフルの添付文書改定と緊急安全性情報の配布が明らかになった直後の3月21日17時から実施し、22日21時で回答を締め切った1日余りで、医師会員から集まった282件の回答の結果で、「先生は今後、どのような方針でタミフルを処方しますか」という設問を提示し、回答を以下の4つの選択肢の中から1つだけ選ぶ方式で、それぞれの回答のパーセンテージは以下の通りでした。

42.6%   10歳代の未成年患者への処方は控える。
25.2%   10歳未満の小児も含め、未成年患者への処方を控える。
18.1%    成人患者も含め、処方を控える。
13.5%    これまで通り、(患者の年齢に関係なく)必要に応じて処方する。

もし、タミフルを希望されるなら、その旨(診断キットでインフルエンザと診断され、発病から24時間以内に限りますが)医師に申し出ればよいし、希望しないなら、そのように申し出るのが良いと思います。実際には、その時の病状を含め考量すべき事項は多いと思います。(例えば、明日重要な仕事があり、無理にでも熱を下げて仕事をしたいから、タミフルを下さいと言われる方もおられるかも知れません。)

2) タミフルを服用していなくて飛び降りをしたケース

読売 3月23日 インフルエンザ14歳男子、タミフル服用せず飛び降り

という報道がありました。この記事の中に「インフルエンザの高熱によって幻覚や異常行動が起きることは知られている。」と書かれていますが、高熱により意識が朦朧とし、転落死をしてしまうことはあり得ると思います。タミフル問題についての報道が、「飛び降り」との表現を使用していますが、「飛び降り」ではなく「転落」ではないかと思えますが、いかがでしょうか?インフルエンザ脳症は、10歳よりずっと小さい小児に多いのですが、「飛び降り」がないのは、小さい子供は柵を乗り越えられないから、「転落死」も生じないのかも知れません。

タミフルは、インフルエンザ発症2日以内の投与によって高い効果が得られるとされています。タミフルを悪者扱いするだけが、解決ではないと思います。薬の評価は容易ではありませんが、厚生労働省に検討を実施願い、正しいを評価を出して貰いたいと思います。

3) 新型インフルエンザ対応

心配になるのが、次の報道です。

共同 3月23日 新型インフル対策に影響も タミフル投与中止問題

予防接種が役に立たない新型インフルエンザへの対策において、タミフルは万一の流行を防ぐ貴重な手段であると思います。危険面があるとしても、それ以上の効果がある場合は、リスク・ミニマイズで使用すべきと思います。ちなみに、以下は外務省 海外安全ホームページの鳥インフルエンザ流行地域の拡大(その20)にあった、ヒトへの感染が確認されている国・地域です。新型インフルエンザの脅威も決して対岸の火事ではないと思います。

ヒトへの感染が確認されている国・地域
 (2007年2月27日現在:12か国 出典 WHO鳥インフルエンザWebsite)
   インドネシア      感染者数  81人(うち、63人死亡)
   カンボジア       感染者数  6人(うち、6人死亡)
   タイ            感染者数  25人(うち、17人死亡)
   中国           感染者数  22人(うち、14人死亡)
   ベトナム        感染者数  93人(うち、42人死亡)
   ラオス          感染者数  1人(うち、0人死亡)
   アゼルバイジャン 感染者数  8人(うち、5人死亡)
   イラク          感染者数  3人(うち、2人死亡)
   トルコ          感染者数  12人(うち、4人死亡)
   エジプト         感染者数  22人(うち、13人死亡)
   ジブチ          感染者数  1人(うち、0人死亡)
   ナイジェリア      感染者数  1人(うち、1人死亡)
   計          感染者数 275人(うち、167人死亡)

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2007年2月 8日 (木)

「生む機械」と少子化対策

審議拒否を続けてきた野党も出席して昨日から衆議院予算委員会が開催され、柳沢伯夫厚生労働相も「実に不適切な表現を用い、女性のみならず国民を大きく傷つけ混乱を招いた。強い反省の上に立って、与えられた任務のため全力を挙げて取り組みたい」と語ったとの昨日の報道です。

日経 2月7日 衆院予算委が正常化・首相も陳謝、厚労相続投を強調

偶然ではありますが、昨日2月7日の官報資料版は内閣府の「少子化社会白書のあらまし」でした。内容は、内閣府の文書であり、総花的と思ったのですが、売れない経営コンサルタントの2006年12月28日-最新の人口推計によれば2006年11月 4日-国勢調査から見る高齢化社会というエントリーを書いたこともあり、この官報に掲げられていたグラフについては興味深く眺めました。少し書いてみます。(以下のグラフは官報からのコピペです。クリックすると別ウィンドウで元の大きさにより開きます。)

1) 子どもを産み育てやすい国

次の第7図を見て納得しました。

Photo_9

日本、韓国、アメリカ、フランス、スウェーデンの5ヶ国で調査した結果ですが、日本で「子どもを産み育てやすい国かどうかについて」9%しか「とてもそう思う」と答えなかった。「どちらかと言えばそう思う」を合計しても47.7%で、半数の人は肯定していない。スウェーデンでは「とてもそう思う」が75.2%で、「どちらかと言えばそう思う」を足すと97.8%の人が「子どもを産み育てやすい国」だと思っている。うらやましいと思います。そんな国って、子どもを産み育てやすいだけではなく、きっと「生きがいを持って、暮らしやすい」等についても肯定的に答える人が多いのだろうと思うのです。「どちらかと言えば」を含めてせめて2/3の人が肯定できる国にしたいと思うのですが。そう思って、アメリカとフランスを見ると78.2%と68.6%であり、2/3基準を満たしてしまうのです。

2) 育児、家事関連時間

6歳児未満のいる男女の育児、家事関連時間が次のグラフですが、日本の男は48分となっています。これを、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、ノルウェーと比べるとダントツに短い。逆に女は、その結果と言えるのか、日本が一番長い。

Photo_10

この中では、フランスが一番短いが、それでも2時間30分で、日本の3倍強あります。格差社会とか、ワーキングプアなんて言葉が当たり前のように使われるようになりましたが、満足できる収入を得て、そしてその職を維持しようとなると土日以外は育児は25分、家事を含めて48分しか時間をさくことが出来ない。2時間30分もさいたら、降格され給料の手取りが減少することとなり、住宅ローンの返済に困るなんて状況があると思うのです。

政府の新しい少子化対策の概要を続きを読むに入れましたが、こんなことよりも労働時間の短縮やワーキングプアの解消を計り人間らしい生活ができるようにすることが一番重要なのだと思うのです。

3) 合計特殊出生率

合計特殊出生率の国比較のグラフもありました。

Photo_11

2005年の日本の合計特殊出生率は1.25であったのですが、ドイツ、イタリアと余り変わりません。アメリカが2.0を少し上回っていますが、2.1が人口維持と言われており、先進国はどこも人口減少の傾向です。だから多分日本も2.1を超えることはないと思うのです。1.25は低すぎるために若年世代の負担が大きすぎるかも知れませんが、「生めよ増やせよ」の国策で行うことではないと考えます。人口が減少して良いこともあるはずです。少子化対策よりも豊かな社会をつくる政策が重要なことと私は思います。

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2007年1月16日 (火)

今日は納豆がありました

ここ何日間かは、スーパーに行っても納豆が「うりきれました」と書いてあったが、今日は5時半頃でしたが棚に少し納豆が残っていました。

原因は、7日夜のフジテレビ系列の”あるある大事典”で「納豆ダイエット」ってのをやっていた影響のようです。テレビの影響はすごいのだと思います。ところで、納豆は、本当にダイエット効果があるのでしょうか?

ブログで拾ってみると色々見つかります。

このブログは、このLiverdoorニュースに「納豆製造元のある食品メーカー(長野県・飯田市)が流通側に出した文書を入手した。『「あるある大辞典II」納豆特集の放映の案内のご案内』という表題で、平成18年12月21日付だ。つまり、同番組の放映の二週間以上も前に、納豆メーカーから大手流通関係者に流れた情報提供の案内文だった。」と書いてあるから、「放送業界とメーカーとの関係が見えてきます。」なんて書いています。

そのブログは、更に恐ろしいことを書いた納豆にがんリスクと書いてあるこのブログも参照しています。

本当は、納豆はどうなのでしょうか?納豆のことを放送したのは「あるある大事典」だけではないんですね。このブログでしょうか?では、NHK「ためしてガッテン」は「納豆を食べると血栓が大きくなるのを防げる」と大ウソを言ったと書いてあるし、NHK「生活ほっとモーニング」では「クイズ de なっとく! 納豆&ヨーグルト徹底活用術」と題して、「納豆のナットウキナーゼには血栓を溶かす作用が確認されている。食後2~12時間効き目がある」という内容を放送したともあります。

さあ、何が信用できるのでしょうか?人の体にどのような効果があるかは、実際には簡単にはわかるはずがないと私は思います。新薬の治検をする場合も、ダミーを入れて行うし、効果が大きい薬には副作用も大きい可能性もある。納豆ばかり食べているとバランスが悪くなると思うのですが。

独立行政法人国立健康・栄養研究所という研究所があります。ホームページはここですが、「健康食品」の安全性・有効性情報というのがあります。この情報データベースで納豆を引いてみると概要には以下のことが書いてありました。なお、全文は続きを読むに入れておきます。

納豆は、大豆を納豆菌により発酵させたもので、ビタミン類などの栄養素を豊富に含んでいる。納豆そのものや発酵ろ液にふくまれる酵素ナットウキナーゼが、俗に「血栓の溶解に関与する」といわれているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータがない。ビタミンK2は骨たんぱく質の働きや骨形成を促進することから、ビタミンK2を多く含む納豆が、特定保健用食品として許可されている。また豆鼓(トウチ:大豆の発酵物)の抽出物は、糖の吸収をおだやかにすることから、その抽出物を関与成分とした特定保健用食品が許可されている。安全性については、納豆に含まれるビタミンK2が抗凝血薬(ワルファリン)の作用を弱めることから、併用摂取を避けるべきと報告されている。

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