2018年7月19日 (木)

参院定数6増法成立

やはり参院定数を6人増加する公職選挙法改正が成立した。

日経 7月18日 参院定数6増法成立 来夏参院選から比例代表に特定枠

来年夏の参議院選から当選者数が124人となり、3人増加するのである。この橋本聖子議員他11名発議の議員立法による改正法の中身は、マスコミ報道では、自民党による隣接県を1つの選挙区にした「合区」になった対象県から出馬できない候補者を特定枠の新設で、救済する改正案との報道もある。しかし、単純に言えば、1回の参議院選挙あたり埼玉選挙区の1人増加は、3人が4人になるので、自民が2人を取れるかどうか、不明と思うのである。

比例代表での1回の選挙での2人増加は、どこの党に有利か、結果であり、何とも言えないと思う。

政党その他の政治団体が持つ比例代表の特定枠の権利は、政党の当選者数を左右するものではないはず。但し、党内におけるボスの力を大きくすることにはなると思う。

この参院定数を6人増加する公職選挙法改正の内容は、マスコミ報道を見ても内容が分かりつらいのであるが、一番よく分かるのは、この参議院の議案情報(下の方の記述)であると思う。

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西予市野村町肱川氾濫と野村ダムについての検証

愛媛県西予市にある野村ダムの操作が悪くて基準量の約6倍の放流され、ダムから約2km下流の野村町で肱川が堤防を越え、約650戸が浸水し、住民5名が死亡したとのニュースがあった。

ダムの操作が悪かったのか?浸水が予想されるにも拘わらず、避難が遅れ、被害を大きくしてしまったのか?検証をしてみる。

1) 野村ダム

野村ダムは国交省が保有・管理するダムであり、1973年建設開始、1982年完成のダムです。堤頂長300m、堤高60mで有効貯水量12,700千m3のダムです。目的は洪水調節ならびに農業用水と水道用水です。洪水調節ならびに農業・用水の利水目的として有効貯水量は12,700千m3である。洪水期の6月16日から10月15日の期間は利水目的でダムに貯水しておく水量は9,200千m3であり、他の期間(秋・冬・春)は11,900千m3となっている。

宇和島市、八幡浜市、西予市、伊方町のミカン農家と住民に対する水供給を担っており、各農協や市町役場との協定も存在するはずである。野村ダムは肱川のダムであり、肱川の河川は野村ダムからは東に流れ、北に折れた後、予讃線伊予長浜駅付近の伊予灘で瀬戸内海に流れ込む。しかし、野村ダムの利水の多くはダム本体から少し上流側の文治が駄馬の取水塔で取水されて西方に水路トンネルを通じて供給される。例えば、27.2kmの水路トンネルにより八幡浜市布喜川にある布喜川ダムに供給されたり、更にその先は佐田岬の先端に近い三崎にも供給されたりしている。

野村ダムの目的は、渇水時のための水供給源を確保しておくことであり、利水側の権利者としては最低でも野村ダムにを9,200千m3を貯水しておく権利を持っている。そこで、洪水調節として利用可能なのは、6月16日から10月15日の期間3,500千m3であり、それ以外の期間は800千m3である。

2) 7月6日から8日の野村ダム

7月6日、7日、8日の野村ダムの貯水量、流入量、放流量のグラフを書いた。

Hijikawa20187a

このグラフの貯水量(右軸)を見ると6日の午前1時頃は7,500千m3であり、通常の利水容量確保を考えた9,200千m3より貯水量を抑えて、洪水調整能力を高めていた事が分かる。(7月1日の貯水量は9,464千m3であり、通常の利水容量を確保していた。)

流入量は7月6日午後2時頃から急に増加し始め250m3/秒を超え、6日午後10時には300m3/秒を超えた。上のグラフには7日午前7時の最大1,593m3/秒があるため300m3/秒は、あまり大きいと思わないが、放流をしていない場合は、1時間値は1,000千m3であり、野村ダムの通常の洪水調整能力3,500千m3は3時間半で満杯になる。

流入量は7日午前4時から急増し、午前4時571m3/秒、午前5時716m3/秒、午前6時1074m3/秒、午前7時1593m3/秒となってきた。放流量は、午前6時頃までは、なんとか300m3/秒程度以下とする事でコントロールしてきたが、午前6時には貯水量が11,423千m3となってしまい、野村ダムの有効貯水量12,700千m3にほぼ達してしまった。ここで、コントロールは及ばず午前7時の1593m3/秒は、そのままダムから下流に出て行った。貯水量が12,700千m3に戻るのは、翌日の7月8日午前9時の事であった。

3) 教訓

2)に書いたようにダムは、見事にその役割を果たした。野村ダムが放流したから洪水を引き起こしたというような報道もある。しかし、野村ダムは精一杯限界まで頑張ったのである。

野村ダム(国交省野村ダム管理所)は、ダム情報を適切に伝えたかであるが、7月12日のこの47ニュースによれば、7日午前2時半に西予市へ、午前6時50分の満水予想を連絡した。それ以前のコミュニケーションがどうなっていたか不明であるが、もう少し、早い時点でダム満水の危険性が予知できたかも知れないと思う。野村ダムの洪水調整無能力告知を午前2時に突然受けても、西予市役所は困ってしまった可能性もある。7日の午前5時10分から防災無線を通じての避難指示を出し、同時に消防団が各戸巡回を開始したとの報道がある。

洪水調整能力3,500千m3というのは、ダムの中でも小さい方である。近くにダムがあれば、そのダムが洪水を防いでくれると思ってしまうが、自然の脅威の中では、ダムの力なんて小さいのである。そのことを念頭に置いた安全計画(LCP)を考えておく事が重要と思う。

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2018年7月18日 (水)

倉敷市真備町の浸水被害から学ぶLCP

直前のブログ西日本豪雨から学ぶべきことにおいて、小田川が倉敷市真備町に流れ込む直前にある矢掛町東三成の水位観測所での観測データを使って、小田川の河川水位のグラフを書き、河川水位が上昇して危険が生じると予測された時点での避難決断ができないかを考えた。

今回は、上流での降水量を見て考える事とする。気象庁の気象データからで、倉敷市真備町の上流地域である矢掛(住所:岡山県矢掛町東三成)と佐屋(住所:岡山県井原市芳井町佐屋)の1時間毎の降水量のグラフである。

Odariver2018719c

7月5日午前3時頃から矢掛でも佐屋でも降雨量が増大していった。最大雨量は矢掛で7月6日午後10時に23mmを記録し、上流の佐屋では1時間前の午後9時に32.5mmを記録した。7月6日午前0時からの累計雨量は、次のグラフとなる。

Odariver2018719d

7月6日午前0時から7月7日午前9時までの累計雨量は矢掛では210mmであり、佐屋では279mmとなる。

このあたりでの夏期月間雨量は200mm程度と想定され、1月分の雨が1日半で降ったのである。近年の小田川での最大浸水被害は昭和47年7月の洪水であった。当時、床上浸水5,203戸、床下2,144戸、全半壊227戸、そして浸水農地3,765haであったとのことである。この昭和47年7月の洪水時の矢掛雨量観測所における最大日雨量は94㎜、9日から13日の4日間での総雨量は 210 ㎜を記録した。今回は同じ矢掛で33時間の間で210mmとなったのである。

真備町の小田川反乱について土屋信行氏がYomiuri Onlineに川の水位上昇が避難基準では逃げ遅れるという記事を書いておられる。この記事の2ページ目に倉敷市役所は小田川の南側の住民には6日午後11時45分に避難指示を出し、川の北側の住民にはその1時間45分後の翌日午前1時30分であったと書いておられる。北側が遅れた理由はあったはず。

6日の午後9時に佐屋で豪雨は32.5mmとなり、矢掛で午後10時に23mmとなった。午後9時、10時の矢掛での小田川水位は3.5mであり、同日午前4時の3.0mから0.5m上昇していた。豪雨の結果、小田川水位の更なる上昇が予想された。6日午後11時、午前0時の水位は4.09mであり3時間で0.5mの上昇であった。

将来に生かせる教訓は多いと思う。自分で自分の身の安全と財産被害も少しでも軽減する安全計画(LCP:Life Continuity Plan)を考えておくのが重要だと思う。

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2018年7月16日 (月)

西日本豪雨から学ぶべきこと

災害は、忘れた頃にやってくるのだろうが、災害から学んだ教訓を最大限に生かすことは重要である。学ぶためには、フィルターやバイアスのない現実を直視し、分析せねばならない。

この毎日新聞の記事7月15日は、死者212人不明21人と伝えている。この中国新聞の記事7月15日は、広島、山口、岡山、鳥取の4県で計163人。と伝え、岡山県の死者60人のうち倉敷市真備町の死者が50人と伝えている。

倉敷市真備町の死者の数は多かったのである。さて、倉敷市真備町を倉敷市のハザードマップで見てみると、浸水時の危険性(浸水時の目安)が、まび記念病院の付近は5.0mとなっている(当該ハザードマップはここ)。実際には、どうだったか、この山陽新聞の記事 真備でディスカウント店営業再開 8日ぶり、住民「とても助かる」は、「一時は高さ4メートルまで冠水し、全商品の廃棄を余儀なくされた。」とある。ハザードマップの浸水危険予測が、ほぼ的中しているように思う。

即ち、ハザードマップを一度は良く読んで、危険時の事を考えておく事が必要なのだと思う。BCP(Business Continuity Plan)ならぬLCP(Life Continuity Plan)を考え、適切に見直す事は重要だと思う。

この産経Westの記事 7月10日 真備町地区の避難指示、堤防決壊確認のわずか4分前は、6日午後10時に地区の全域に避難勧告を発表。午後11時45分に小田川の南側、7日午前1時半に北側にそれぞれ避難指示を出した。国交省はその約4分後の午前1時34分ごろ、小田川との合流地点近くの高馬川で堤防の決壊を確認。午前6時52分ごろには、すぐ近くの小田川の堤防決壊も確認した。

そこで、小田川の水位計測記録を見てみる事とする。小田川の水位計測地点は倉敷市になく、倉敷に入る前の1km上流の岡山県小田郡矢掛町東三成に水位観測所がある。この観測データにより水位変化のグラフを作成したのが次である。グラフのゼロメートル水位は海抜10.9mである。

Odariver2018716a

6日の午後6時から7日の正午までの部分を拡大したのが次である。

Odariver2018716b_2
小田川の堤防決壊が6時52分とのことで、一番水位が高く、堤防決壊により水位が下がったと思われる。7月5日午前9時頃までは水位は2m程度であり、それ以降水位の上昇が大きくなっていった。果たして、どう判断できたか、分からないが、矢掛町東三成での水位が3mを超えた5日の昼12時には避難に備える準備をし、4mになった6日の午後3時、あるいはその日の暗くならないうちのせいぜい19時前には避難をするという決断ができたのなら、被害はゼロにはならなかったが、やむを得ないという範囲内に押しとどめる事ができたのではと思う。危険地区に住居がある場合は、避難指示を待たず、避難勧告で避難をすることや、国土交通省の水位観測所のデータを見て、自分にあった判断をする事と思う。

ハザードマップを利用しての自分なりのLCPを考えておく事は重要と思う。

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2018年6月18日 (月)

日経の日本の電力についての意見、ごもっともであるが

日経が次の記事を掲載していた。(無料記事は冒頭のみ)

日経 6月18日 思考停止が招く電力危機、原発「国策民営」の限界 エネルギー 日本の選択(1)

5月16日の経済産業省の審議会において、批判の声は上がったが、結局は、経産省が基本計画案に盛り込んだ「最適な電源構成」の原発比率は2030年に20~22%と、2015年に決めた前回の数値のままである。(日経記事にある5月16日の経済産業省の審議会とは、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第27回会合)と思われ、このページにその時の資料が、又このページの5月16日第27回の部分で議事録等をクリックすればダウンロードできる。)

「官邸の意向をくみ取り、原発を争点にするのは避ける方が賢明という過度な配慮が働いたとの見方もある。」とも記事は指摘しており、それじゃ忖度したの?であるが、政権の中枢そのものも、明確な意見を持っていないのだと思う。持っていないからこそ、議論の先送りなのだろうが。

他の論点は、原発のコスト高と再生可能エネルギーのコスト安の問題である。世界的には、原発のコスト高と再生可能エネルギーのコスト安でほぼ決まっていると思う。だからこそ、世界的には再生可能エネルギーによる発電が大きく伸びている。原発の将来は、核兵器と結びついての発展しかないように思う。

何故、日本の進路と世界の進路が大きく異なってしまったのだろうか?世界が再生可能エネルギー発電の固定料金買取制(FIT)から脱却しようとする時に、日本はFITを導入した。再生可能エネルギーを発展させるのではなく、何でも良いから、再生可能エネルギーは良い事だと、無理矢理制度を導入し、失敗する。電気料金が上昇したのみとなってしまう。日本の発展に必要な事は何であろうか?世界に貢献する技術の発展が重要と考える。日本単独でなくて良い。世界的な連携で技術を発展させるのが現代の姿である。電力需要とは無関係に変動する再生可能エネルギーの発電を蓄電・吸収する技術は、どうか?この辺りは、物理的な技術に留まらず、市場の仕組みやルールを含めた管理や契約のありかたについての技術でもある。世界は今や、理科系・文化系、工学・経済・法とかのような各分野毎ではなく、相互に広く関係している総合的な管理下での競争であり、勝者とはそのような市場で勝ち抜く人と思う。

話が横にそれた感もあるが、日経記事は「早急に思考停止から脱しないと、次世代に大きなツケを残すことになる。」との文末文章で閉めている。さて、誰に向けて発せられた文章なのだろうか?国民全員に向けてと理解するのが、良いように思う。

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高槻市立寿栄小学校のブロック塀倒壊

悲しい出来事です。

日経 6月18日 9歳女児が死亡 大阪府、災害対策本部を設置

倒壊したブロック塀の現場は、この写真を見て下さい。

写真を見ると、現場はプールの道路に面した部分に設置された塀である事が分かる。プールの部分は、鉄筋コンクリートであった。しかし、その上に設置された塀は、鉄筋コンクリート造ではなく、ブロック造であった。従い、塀とプール部分は鉄筋コンクリートとブロックという不連続構造で繫がっており、地震に対しては脆弱であった。その結果、地震の揺れで、ブロック塀が全て倒壊した。

当然のことながら耐震チェックをしていたと思うが、どうして見過ごされたのだろうか?9歳の女児が倒壊に巻き込まれ死亡したのは、人災ではないかと思ってしまう。

このブロック塀の倒壊前の写真をWebで探してみると、このような写真が見つかった。楽しくなる壁画が描かれている。注意して、よく見ると上半分がブロック塀で、下半分がコンクリートと分かる。道路の壁側は歩道を示すように緑に塗られている。これじゃ、塀のすぐ近くを皆歩く。もしかして、楽しくなる絵があったから、耐震に対する配慮が抜けてしまったのだろうか?

校長、教育委員会、地方自治体の建築・土木や耐震に関係する部署の人たちは、深く反省すべきと思う。今回の高槻市立寿栄小学校のブロック塀倒壊については、ブロック塀を撤去し、例えばこのようなメッシュフェンスを採用していたならばと思う。

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伊東市の土地事件 最上級のバカ事件と思う

伊東市の前市長が1千万円収賄の疑いで逮捕されたと報じられている。

日経 6月16日 静岡・伊東市の前市長逮捕 1千万円収賄の疑い

伊東市は15年に補正予算を組み、2億500万円を支払って東和開発から土地を購入した。この際、前市長佃弘巳は東和開発から現金約1千万円を受け取った容疑で逮捕され、東和開発側も役員森圭司郎容疑者(47)=伊東市湯川が逮捕され、現金の受け取りを仲介した収賄ほう助の疑いで会社員稲葉寛も容疑も逮捕された。

この土地は、ホテル跡地で面積約4千平方メートル。ホテルは廃業し、強制競売にかけられて、東和開発が14年に5千万円弱で取得した。東和開発は所得の翌年に早くも伊東市に売却できたのである。しかも、売却価格は取得価格の4倍強である。最も、取得した時には、ホテルの建物があり、その取り壊しが必要で、費用が発生した可能性はある。

それでも、取り壊し費用の推定は、専門家であれば、困難とは思えず。例えば、伊東市の建築関係の人は精度高く見積もれたと思う。土地そのものは、強制競売だったのだから、価格は公表されている。これほど、価格に関する情報が豊富な物件はないと思う。

にも、拘わらず伊東市が高値購入なんて、市側では前市長一人の犯行なんて、そんな訳はないと思うのだが。こんなバカな、犯罪が自分の住んでいる市で起こっているとするなら、市税の無駄使いどころか、不正支出であり犯罪に利用されている事となる。そんなバカな事は許せない。

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2018年6月10日 (日)

米、プルトニウム削減を日本に要求は、朝鮮半島非核化と関係?

米、プルトニウム削減を日本に要求との記事を日経が掲載した。

日経 6月10日 米、プルトニウム削減を日本に要求 核不拡散で懸念

自然界に存在するウラン(天然ウラン)は、238が99.27%で核分裂を起こす235は0.72%であり、残る0.01%弱がウラン234他である。核兵器にしろ平和利用にしろエネルギーを得られるのはウラン235であり、これをある程度以上の割合になるよう濃縮して利用可能となる。ウラン235は238より2.3%程軽いだけで、分離して濃縮するのは大変である。

ウラン以外に核分裂を起こす物質で利用されているのが、プルトニウム239・241である。プルトニウム239は、天然にはほとんど存在しないが、ウラン235が核分裂すると、生まれる。日本の原発の場合は、ウラン235の約3分の1程度がプルトニウムになるようである。すなわち、100万kWの原発を1年間運転した場合、300kg程度のプルトニウムが出てくる様である。但し、このプルトニウムはプルトニウム239・241の割合が60%-70%で原子炉級プルトニウムと呼ばれており、兵器様プルトニウムと呼ばれている93%以上の純度にはなっていないとのこと。高速増殖炉で使う燃料もプルトニウム239・241が77%程度であり、やはり兵器様プルトニウムではない。

使用済み核燃料は、プルトニウム以外に元々95%以上含まれていたウラン238、分裂しなかったウラン235そして核分裂生成物質が含まれており、放射線を放出しているわけで、この中からプルトニウムを抽出し、更にはそのプルトニウム239の純度をあげることの技術的ハードルは高い。しかし、米国が長崎に投下した原爆はプルトニウム爆弾である。70年以上経過した現代に置き換えれば、それほど高いハードルではないのではと思う。

北朝鮮は昨年9月の第6回目の核実験の際に、水爆実験成功と発表している。プルトニウム抽出技術は確立しているだろうと思う。

米朝会談の最大の焦点の一つは、半島の非核化である。その際、日本のプルトニウム保有の制限に米朝間で及ぶ可能性はある。米国が日本の内政に干渉可能かと言えば、ウラン燃料の提供を受け、原発関連の技術の大部分を米国に依存し、米国との様々な協定を締結しておりNPT(核非拡散条約)にも参加している。日本1国でプルトニウム問題を解決する事は不可能である。国際協調で解決すると共に、やはり核兵器のない世界の実現に向けて尽力すべきである。

なお、日本国内にプルトニウム削減に向けた動きがないかと言えば、この2018年1月16日の産経記事のように原子力委員会でも議論されている。

私は、原発を電力供給・エネルギー問題や安全性問題という狭い分野ではなく、使用済み核燃料の処分や核兵器問題を含めた幅広い観点で検討すべきと考える。

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2018年6月 9日 (土)

日本社会の歪ゆがみの構図とは、その通りだ

次の沖縄タイムスに掲載された保阪正康の記事は、重要な点を突いていると考える。

Yahooニュース 沖縄タイムス 6月7日 保阪正康が語る日本社会の歪みの構図「BC級戦犯裁判のようだ」

「このところ急激に現代社会の歪ゆがみの構図が浮かび上がってきている。背筋が寒くなるような構図だと言っていい。この1カ月の間に、メディアをにぎわせた事件を並べてみると、すぐに分かる。」

と書いておられるが、虚言、ごまかし、言い逃れ、果ては責任転嫁が当然というのは、本当に恐ろしいことである。

太平洋戦争後のBC級戦犯裁判が開かれた各国法廷で、上官は「殺害しろ」とは言っていない、「始末しろ」とは言ったけれど、と強弁した。結果、実際に手を染めた兵士は死刑判決を受けたケースも少なくない。末端の兵士に責任が押しつけられていくケースは多かった。

『いま、私たちは歴史が繰り返されているとの緊張感を持たなければならないだろう。いや「歴史の教訓」が生かされていないことへの怒りと、私たち一人一人の運命が、こんな構図の中で操られていくことを透視する力を持たなければならないはずだ。時代はまさに正念場なのである。』

との文章で記事は締めくくられている。その通りである。首相の問題、財務大臣の問題、日大アメフト部の問題に留まらない我々の社会の問題として考えないと、対策にはならない。

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2018年6月 8日 (金)

再生可能エネルギーも環境負荷が低い開発を

再生可能エネルギーによる発電・エネルギー利用は環境負荷が低いことが最大の利点である。しかし、次のようなメッセージに接すると、???と思ってしまう。

日経BP 6月7日 別府市が温泉発電に「待った」、込めた意思

WWF Japan 活動トピック ツキノワグマのすむ森で?徳島県中部で計画される風力発電事業

1) 温泉発電とは、地下からの温水・蒸気で直接タービンを回すのではなく、熱交換機(蒸発器)で熱媒体を熱(気化)し、熱媒体でタービンを回す発電方式を採用する発電を意味する。(参考:この資源ネギー庁の説明)熱媒体には代替フロン、ペンタン、アンモニア水等が使われるようです。熱媒体を使うのは、その気化温度が水よりは低く、噴出する地熱の温泉水や蒸気が70℃-150℃であっても、発電に利用できる圧力が得られ、エネルギーが得られるからです。

温泉発電は、規模も小さく、環境負荷は低いが、無条件によいとは言えず、別府市は2016年5月に「温泉発電等の地域共生を図る条例」を施行しているとの記事です。別府市のWebを見るとこの「温泉発電等を行う事業者の方へ」というページに温泉発電等の導入が自然環境及び生活環境と調和するとともに、市民との共生が図られながら行われるよう、条例を制定したとあります。当然のことと思います。

なお、地熱発電の場合、「環境影響評価法」では環境アセスメントは、出力10,000kW以上の事業は義務であり、7,500~10,000kWの事業は個別判断であります。

2) 風力発電の場合も、地熱発電と同様で環境アセスメントは、出力10,000kW以上の事業が義務であり、7,500~10,000kWの事業が個別判断であります。

こんなゆるい環境基準でよいのかと思います。WWFが述べている徳島県中部の山間地での計画は風車42基、約140,000kWの発電ということで、環境アセスメントは義務であるが、山の上に設置する風力発電は大きな環境破壊です。例えば、風車42基で約140,000kWだと、1基3,333kWとなるが、これだけ大きな風車だと風車の直径は140m程度で高さは地面から170mというように巨大です。山の上まで運搬と建設用の道路が作られ、メンテナンスにもこの道路が使われる。自然破壊そのものと思います。

屋根上に設置する太陽光発電なら環境破壊はほぼ無いと言えるが、大型化した再生可能エネルギー利用設備は恐ろしいです。

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