2009年11月 5日 (木)

日本航空の問題は経営にあり

日本航空の問題は、解決に向かっているのではなく、悪化が深刻化しているように思えます。

日経 11月5日 日航対策本部、来週に方向性 年金減額は「国民目線で」

読売 11月4日 日航の格付け、2段階引き下げ…S&P

1) 日本航空は営利会社

営利会社と言うと、マイナスのイメージを持つ人がおられるかも知れないが、市場競争による合理的なコストで仕入れを行い、市場競争により合理的な料金でサービスを提供する会社です。競争原理が、制度や技術の革新・改革を生み出し、更に人々や社会・産業を豊かにします。そのような良い循環サイクルを期待します。

しかし、分野によっては、営利事業とせず政府事業が、望ましい分野もあります。例えば、上水道、下水道もそうでしょうし、道路建設もそうでしょう。その点、航空輸送事業は、私は営利事業であるべきと考えます。新機種の航空機が、常にでてきます。必ずしも、新しいのがよいとは断言できません。例えば、ボーイング737なんて、40年も前の1968年にルフトハンザが初めて就航させました。少しずつ改良も加わり、最新機はB737-900ERですが、B737の累計受注は8000機を超えています。その会社に一番適した航空機を就航させることが大事な営業戦略です。その会社の客層、運行している路線、メンテナンス体制、資金調達・・・様々あります。それらを総合して、その会社に一番適した航空機の機種を選定するのです。蛇足ですが、かつて、中国の国内線で、B777に乗ったことがあります。多分、私にとって、その時が初めてのB777であったと思います。当時は、JASが広州に飛ばしていた頃です。中国は、これから、すごい国になるだろうなと、実感したことを覚えています。

日航対策本部のニュースを読むと、営利会社の経営に疎いと思われる政治家が、不必要な手を出して、混乱を拡大しているような気がします。日本郵政も郵貯と簡保について、民営化の視点が必要だと思いますが、日本航空は純粋に営利会社としての経営が必要であり、求められているのは、経営改革を実行できる経営者です。

2) 労務問題

日本航空の重要な資産の一つは、人です。安全運行は、計器が担っているのではなく、計器は補助であり、根本は人です。人がいなくなったら、もぬけの空です。そんな重要な人でありながら、日本航空の経営は、なっていなかったと思います。次のニュースが、そうです。読売と朝日で、内容が少し違い、どちらがより正確か分かりませんので、両方を掲げます。

読売 11月4日 旧JAS系乗務員に不利な扱い…経営統合時
朝日 11月5日 客室乗務員の職級、組合で差別 JALに改善命令

楽しく働ける職場を作ることが、企業の重要な経営事項の一つです。日本航空には、残念ながら、それを感じさせない所があるように思えます。対立状態となった組合との関係を解決するのは、容易ではないでしょうが、話し合って解決に努めないと、どうしようもないはずです。企業年金を切り捨てて、組合問題を解決しないなら、根本問題を解決しないだけではなく、更に傷口を深くする可能性もあると思います。JR尼崎事故ではないが、日勤作業による意欲喪失・不安により事故なんてバカな事態は避けたいし、人材の海外流出も悲しいことです。

労務問題も含め、営利企業の経営者として、解決能力のある人を経営者に就任してもらうことが、現在の日本航空の最優先課題だと思います。

3) 厳しい格付け引き下げ

航空輸送事業は、固定資産の額が大きい、設備産業です。日本航空は、第2四半期の発表を行っていないので、2009年3月期で全日空と比較すると次の通りです。

Jal2009114

参考として、トヨタを右端に掲げましたが、航空輸送会社は売上高に対して固定資産が非常に大きいことが分かります。航空輸送会社にとって、長期資金を低利で調達することが、極めて重要なのです。長期資金を低利で調達するには、高い企業格付けを保有していることが一番です。

S&P2段階引き下げの理由は、現状の混乱のみならず、将来についても暗いと見ている結果と思います。企業格付けについては、現在の経営数字よりも、将来の企業見通しの方が、物をいう世界であるとも言えます。日本航空の経営者には、将来の数字(単なる利益の額のみではありません。)と、その根拠を示せる経営者が必要なのです。

4) 政府援助

政府援助としては、経営の合理化を助けることです。国内不採算路線の減便や、どうしても不採算路線が必要であれば、継続のための補助金でしょう。航空機燃料税というのがあります。1キロリットルにつき26,000円です。軽油取引税が、暫定税率で1キロリットルにつき32,100円です。(暫定をなくすと、15,000円)国際線には、他の国の飛行機会社と競争があるので、非課税ですが、道路を使わない航空機に対して、これ何?です。飛行場に支払う離着陸料は別途払うのです。

航空機燃料税は、全日空も負担しているから、競争原理としては、ブレークイーブンです。しかし、不採算地方空港を支えるために、この税金は使われています。平成21年度の航空機燃料税の税収見込みは予算では、1,052億円です。政府は援助をするのではなく、足を引っ張っている部分があるように思えます。不合理だと感じませんか?日本航空の問題は、解決に向かわせているのではなく、悪化が深刻化する方向に向かわせていないか、原点に戻って考えるべきと思います。

民主党政権は、これまでの自公政権の不合理さを改善しようと選挙民が選んだと思います。ところが、民主党政権は、政権を取ると、不合理を解決するのではなく、さらに拡大する方向に進んでいるように感じます。

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2009年10月31日 (土)

菅直人氏には驚きました

菅直人氏とは、どうしようもない人なのでしょうか?次のニュースで驚きました。

10月31日共同47 家庭の太陽光電力全量購入を 来年度からと菅氏

「講演で菅氏は「国が1円も金をかけずに太陽光パネルが増える方法がある。全量固定価格買い取り制度だ。来年度から実施しようと思っている」と表明。ドイツの例を紹介した。」と言うのですが、電気料金の値上げとなれば、確かに政府の予算からの支出はなく、税金は投入されない。しかし、電気料金の値上がりは、家計の負担が増加し、企業にはコストアップとなる。

ドイツは、フィードインタリフの制度により、太陽光発電は飛躍的に拡大した。しかし、電力会社には負担は求めず、全て消費者が負担する制度である。風力や太陽光による発電は、需要に応じた発電ではできず、風や太陽というエネルギー源の変動により発電量が変化するのであり、バッテリーかどうかは別にしても他のStand-by装置の様な物が必要である。ドイツには、ノルウェーの水力発電という理想的な電源が存在しているから、可能であった。

昨日の太陽光発電からの電力買取48円が始まりますが始まる前の日本の制度は、RPS法(2002年6月公布の電気事業者による 新エネルギー等の利用に関する特別措置法)により電気事業者に対して、新エネルギーによる電源からの電気供給を義務づける制度のみであった。この制度は、電力会社が毎年の義務量を、費用を全て負担して、供給することであったから、税投入も不要であり、一方で目標量も確実に達成されていた。太陽光発電については、RPS法の目標量を超えて、導入しようとしたから、48円買取を実施することとした。

貧乏人は大変な世の中になってきているのかなと思います。南向きの一戸建てに住める人は、太陽光パネルを付けて、リッチになり、貧乏人は電気料金アップと物価高で苦しむ。そんな世の中が菅直人氏にとっては、よい世の中なのだろうが、庶民は全く違います。温暖化問題は、22世紀に悪い環境を残さないために、地球上の人々が力を合わせて取り組むべき問題です。政治家は、国内を向いて取り組むのではなく、米国を初め世界の国々が取り組むように働きかけることです。民主党が温室効果化ガス25%削減を言った時に、世界中が取り組むのであればと、世界に向けて働きかけるための、フレーズと私は理解しました。その意味で、大賛成でした。

パフォーマンスが好きな菅直人氏の個人プレー発言と思いますが、こんな訳の分からない人物は、今更どうしようもないのでしょうかと思ってしまいました。

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2009年10月12日 (月)

岡田外相アフガニスタン訪問

どのマスコミも、これを報じています。参考として、読売。

読売 10月12日 岡田外相、アフガン民生支援強化…大統領に表明

この関連で現実のある側面を一番率直に述べているのが、「パキスタン在住30数年のオバハンが、気まぐれにお届けいたします!」と紹介がある「オバハンからの気まぐれブログ」と思います。紹介します。

オバハンからの気まぐれブログ  パキスタン軍による「核兵器の管理」

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広島市と長崎市による2020年オリンピック招致検討委員会

広島市と長崎市の市長が、広島市役所で記者会見して、発表しました。どのような発表であったかは、広島の地方紙中国新聞が一番正確なはずと、中国新聞を掲げます。

中国新聞 10月12日 20年五輪招致検討委を設置へ

2020年のオリンピックの招致検討委員会を近く設置すると発表し、その理由は、。平和の祭典であるオリンピックの被爆地開催の意義を前面に掲げ、両市を中心にした複数都市での開催の可能性を探るためです。

1) 招致運動と開催の意義

あると思います。今に至るも、核兵器は2都市にしか使用されていませんから。その2都市が、核兵器のない世界をオリンピックの招致運動をすることにより、また、開催が決定すれば、オリンピックの開催と併行して世界に訴える。

核兵器廃絶は容易ではないと思うし、様々な意見が、存在する。世界で、色々な意見で議論されることもよいと思います。碑文の「過ちは繰返しませぬから」の議論も生じるかも知れません。私には、主語は「私たちは」です。碑文を読んだ全ての人であり、日本人も、米国人も、それ以外の人もです。

ポツダム宣言を即座に受諾していれば・・・、軍事目標を狙ったのではなく一般市民の大量殺戮・・・・、それ以上の犠牲者が出ることを防いだ・・・、1945年7月16日ニューメキシコ州での原爆実験(The Trinity Test)成功について日本は知らなかったであろうが、マンハッタン計画で原爆を開発中であることを日本は知っていたはず・・・・、1945年6月の沖縄戦終結(硫黄島玉砕は3月17日、戦艦大和撃沈は4月7日)以降は、日本の指導者層は敗戦を考えていたはず・・・・   様々あると思います。現代的な観点では、核不拡散条約による5国の核保有特権はいつまで続けるべきか・・・、テロリストが核兵器を保有する可能性・・・   勿論、原子力発電やプルトニウム問題もあります。ふたをせずに、情報を出し合って、議論することが重要と思います。

広島・長崎オリンピックは、開催できなくても、招致運動で、核廃絶を訴えるだけでも、意義があるように思います。

2) 招致運動費用と開催費用

2016年東京オリンピック招致運動に東京都は、寄附で集めた50億円と税金100億円を支出したと思うのですが、こんな巨額の金額を負担できるのは、東京都だから可能であったと思います。同じ、2016年オリンピックに立候補したシカゴは、招致運動から開催まで含め、一切税金を使わないと宣言していたと理解します。

商業主義との批判は、あるでしょうが、税金を使わないことも、正しいと思います。寄附とボランティアにより開催するのは、ダメでしょうか?寄附をする企業は、スポンサーとして名前を出して、広告宣伝費相当額を寄附しているだけとの考えるべきかも知れません。しかし、核廃絶を目指す広島・長崎オリンピックに賛同して寄附をすることも、美しいと思います。

東京都みたいに、模型を作ったりと、無駄使いをせずに、ボランティアに依存したりすれば、招致費用は極力安く抑えることも可能と思います。東京都と異なりネームバリュー抜群の広島・長崎ですから、費用を抑え、市民からの税金を使わない招致運動を目指して欲しいと思います。

<追記>

広島・長崎両市の発表の背景には、オバマ大統領のノーベル平和賞受賞決定があったとおもいます。米国大使館のWebに、オバマ大統領の2009年4月5日のプラハ演説の仮翻訳日本語版が出ていましたので、紹介します。

オバマ大統領の2009年4月5日のプラハ演説の仮翻訳 (英文はこちら

道は、決して平坦ではなく、演説の中で具体的に触れられているのは包括的核実験禁止条約(Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty - CTBT)の米国の批准を積極的に推しすすめることです。CTBTの批准すら米国はしていなかった。共和党は、反対しており、ブッシュ政権下では批准は望み薄であったという現実です。ただし、今でも中国は批准をしておらず、インドやパキスタンは署名すらしていない。ロシアは、2000年6月に批准をしています。(各国の署名、批准の状況はここにあります。)

そんな現実ですが、現実を一歩でも前進すべく努力をすることは重要であり、演説では「米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意であることを、信念を持って明言いたします。(So today, I state clearly and with conviction America's commitment to seek the peace and security of a world without nuclear weapons. )」であり、私は支持をするし、歓迎します。

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2009年10月 7日 (水)

光市母子殺人事件実名表記本の出版(その2)

不思議な事件でして~!

著者の増田美智子さんという方は、以前から、色々書かれておられたのですね。JanJanニュースに増田美智子さんの署名記事がありました。彼女の記事について、もめ事があったのでしょうか?

JanJanニュース 2007/01/14 鳥越俊太郎さん、しっかりしてください

出版元インシデンツについてですが、同社の代表寺沢氏について、この人かどうか確信はありませんが、Wikiで引くとこのページのが出てきました。

私が言えることは、表現や言論・出版の自由は重要であることです。この事件については、もう少し見ていきましょう。

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光市母子殺人事件実名表記本の出版

検索ワードによると、このブログの9月26日の光市母子殺人事件少年容疑者実名表記の出版が多くの人に読まれているようで、少し事情が変わっているようなので、追記します。現状については、次の朝日の記事が、実態を報道していると思いました。

朝日 10月7日 光母子殺害実名本、弁護団「約束違う」著者「本人OK」

実名を出すことについて、弁護士は、承諾していないと述べており、著者は了解を取り付けているとしており、食い違っています。

私は、双方とも本当のことを述べていると思います。著者に対しては、当時はそう述べたのであろうし、現在は実名出版を取りやめて欲しいと思ってるのでしょう。

9月26日のブログで、私は「本人が実名で本が出版されることに同意しているなら」と前提を書いたのですが、現状では、この前提は崩れていると考えるべきと思いました。勿論、本当はどうかと争ってもよいのかしれませんが、弁護士が代理人としての行為をしていると考えるだけではなく、争っても無駄なだけであり、おそらく少年の利益にはならないだろうと思うからです。

印刷を再度行い、実名部分を「光市少年A」とでもすれば、解決すると思うのです。これで、本を購入して読む人が当初予定した以上に増え、著者の目的は達成されると思います。言論出版の自由も確保される。少年法第61条については、既に報道で光市事件の少年と言う言葉は完全に出ています。報道され多くの人が周知している情報で特定することは、少年法第61条の問題もないと考えます。

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2009年9月14日 (月)

警察による事故救助

事故や災害時に懸命に使命として懸命に救助活動に従事しておられる警察官の人には、感謝します。だから、次の記事は、酷だなという気がします。

読売 9月14日 3000m級で初救助…ヘリ墜落、経験不足影響か

次の読売の記事には、「朝倉操縦士は飛行時間5740時間のベテランで」と書いてあったのです。

読売 9月12日 ヘリ墜落3人死亡、機体2つに折れ斜面落下

9月12日の記事に地図があります。事故があった穂高のジャンダルムは、ちょうど岐阜県と長野県の県境で、岐阜か長野かなんて、言い争いをせずに、すぐに救助に飛んできてくれたのだと思います。岐阜側も長野側も断崖絶壁で、私なんかヘリコプターでよく救助に来てくれたと感心します。結局、仲間9人と登山中に、突然倒れ込み、心肺停止状態になった64歳の男性は現場で死亡が確認され、長野県警のヘリコプターで収容されたのです。

天候が急変し、ガスにより見通しが直ぐに悪くなり、風が変わる危険な場所に、警察はヘリコプターを出す義務があるのだろうかと思います。勿論、操縦士が安全と判断した場合は、可能な限りのことをすべきですが、リスクが大きいと思う場合は、中止という判断を下すべきです。操縦士に中止を躊躇させる何かが働いたとしたら、恐ろしいと思います。

今の日本の社会において、事故や災害救助活動にあたる人達を暖かく見守り、社会のために必要なインフラとして支えて発展させていこうという思いやりが欠けている気がするのです。マスコミも何故かそんな方向を見失っている気がします。

次の北海道・積丹岳遭難死で、遺族が8630万円を求める償請求訴訟を札幌地裁に起こしたニュースも、これで良いのだろうかと思います。

北海道新聞 9月12日 積丹岳遭難死で遺族が国賠提訴 道に8千万円請求

どのような事故であったかは、次のMSN産経ニュースを参照下さい。

2009.2.2 00:47 救助活動中に滑落 遭難男性が再び行方不明に 北海道・積丹岳
2009.2.2 10:42 積丹岳の遭難男性死亡 救助活動中に滑落

登山ではなくスノーボードに山に来て、1人だけ下山しなかった。翌日の昼に捜索していた救助隊に発見され合流したが、下山中に警察官数人とともに滑落。警察官が自力で歩けないこの人をソリに乗せた。作業の交代のため一時樹木にソリをくくりつけた際、樹木が折れてソリが斜面を滑り落ち、行方が分からなくなった。しかし、現場は風が強く、視界も悪かったことから、悪天候のため捜索は午後5時ごろに中止せざるを得なくなった。

記事からして、このような感じと思います。訴訟を提起する権利は誰にもあるのですが、権利の濫用は、慎むべきと思います。北海道新聞の記事には、遺族が「道警には感謝しているが、真実を明らかにして問題点を検証し、救助態勢を改善するきっかけとしたい」と思いを語ったと書いてありますが、矛盾していませんか?それと、裁判の提起が、そんなことに繋がるのでしょうか?

権利の濫用は、社会に何の貢献もしないと思います。本当に目を向けるべきは、別にあるのではと思います。

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2009年9月 3日 (木)

川辺川ダム

私のブログで、最近の検索ワードで「八ッ場ダム」が上位に来ています。(8月25日 八ッ場ダムを考える)民主党が大規模公共工事見直しの具体的な工事名として上げているもう一つのダム工事である川辺川ダムについても、書くこととします。

私の考え方は、利害関係者全員に調査報告書、評価報告書を含め多くの情報を開示して、透明性を確保した上での決定を下し、推進すべきは推進し、見直し・凍結・中止をすべき工事は、そのようにすべきであるとの考え方です。利害関係者とは、税金が投入されるからには、国民全員が利害関係者であり、ダムの場合は、水没地で住宅・農地・生活を含め多くの資産を失う人々は、より大きな利害を持つ関係者です。ダム工事の受注を期待する土建屋も利害関係者であり、下流流域で洪水軽減や水供給を受ける利害関係者も存在します。その範囲は、株式会社における株主、従業員、債権者、取引先と言う範囲よりはるかに大きくなります。

1) 川辺川ダム

位置は、次のYahoo地図の通りで、住所は熊本県球磨郡相良村大字四浦字藤田です。

ダムの大きさは、八ッ場ダムとほぼ同じで、比較すると次の通りです。

八ッ場ダム 川辺川ダム
堤高 116.0m 107.5m
堤頂長 190.8m 283m
流域面積 707.9km2 470km2
湛水面積 304ha 391ha
総貯水容量 107,500千m3 133,000千m3
有効貯水容量 90,000千m3 106,000千m3
水没戸数 340戸 403戸
水没農地面積 48ha 66ha
事業費 4,600億円 2,650億円

2) 経緯及び背景

八ッ場ダムとの違いは、あえて言えば、川辺川ダムが建設される川辺川及び、ダムの約20km下流で合流する本流の球磨川は、上流から下流までの流域全てが熊本県であることです。川辺川ダムは、1966年7月の建設省による川辺川ダム建設計画発表から始まるのですが、1963年、64年、65年の3年にわたり、川辺川、球磨川で毎年大規模な洪水が発生し、1965年に熊本県議会及び人吉市議会が建設省に対して球磨川の抜本的治水対策を要望したことがあり、この要望を受けての建設省の決定です。

ダムの約20km下流の球磨川との合流地点にあるのが、人吉市であり、水没地がダムの直ぐ上流の五木の子守歌の五木村です。(上のYahoo地図を動かせば、見ることができます。)中心地にかかっている橋が、頭地橋で、この橋が丁度海抜250m位です。川辺川ダムの計画満水位は海抜280mであることから、満水時には30m水没し、中心地を含め多くの家屋の移転が生じます。住み慣れた家や代々受け継いできた農地、先祖の墓所を手放すことになるし、自分たちにとっては、考えたこともないし、望むわけがないことです。反対運動や裁判闘争もありました。

過去の経緯の中で、一つの大きなこととして、利水としての農業用水確保が途中で消滅しました。利水事業対象農家が農水大臣に国営川辺川土地改良事業変更の同意手続きについて異議申し立てをし、裁判を提起し、2003年5月福岡高等裁判所で、用排水事業の同意率が65.66%、区画整理事業が64.82%の同意率と認定し、土地改良法87条の3に定める3分の2以上の同意に足りないとして、この2つの事業は違法として取消すと判決を出した。そして、2003年8月19日に亀井善之農林水産大臣は、上告断念の談話を発表したのです。詳細は、川辺川利水訴訟弁護団の声明文を参照下さい。

声明文には、「1966年の建設計画では、治水目的だけであったが、1968年には利水を入れた多目的ダムとして計画の変更がなされた。」とあり、当初計画に戻っているだけなのですが、有効貯水容量106,000千m3の全てを洪水緩和に利用できるという、多分日本一洪水緩和能力のあるダムになったと思います。

3) 球磨川の洪水

球磨川の洪水は、他の河川と比較して、発生する頻度が高く、被害も大きいのは事実と思えます。例えば、国土交通省九州地方整備局の平成17年台風14号球磨川水系の出水状況(速報)同速報(第2報)の中の写真を見ても、すごい量の水です。

当事者でもない人間が、ダムは不要と、無責任に言うことは不適切と思う次第です。もし言うとすれば、球磨川水系には、球磨川上流の市房ダム(次Yahoo地図)しかなく、市房ダムの洪水容量は18,300千m3であり相当小さいのです。従い、350m3/秒程度の流量制限しか期待できず、15時間もすれば満水になるような容量です。満水ダムは、コントロールできない恐ろしい状態であり、満水は避けねばなりません。人吉の下流に電源開発の瀬戸石ダムと熊本県の荒瀬ダムがありますが、これらのダムは発電専用ダムであり、洪水緩和には全く役に立ちません。

従い、土木屋でダム屋であり、球磨川の洪水対策を考えるなら100人が100人、今の計画地点にダムを建設することを計画するはずです。丁度、両岸が迫っており、絶好の候補地点です。但し、ダム屋以外の観点からも計画を評価することは絶対必要です。また、ダムとは自然に手を加えることであり、環境への影響は大小の差はあれ、必ずあります。

4) 水力発電

水力発電は、従であり、考える必要はないのですが、川辺川ダム砂防事務所のWebにあるQA2-8に「電源開発株式会社が新設する相良発電所(16,500KW)の発電が、ダム建設に伴い廃止される次の3つの発電所(合計)の合計発電量を下回らない。」と書いていることから、そんな単純ではないので、触れておきます。

発電所 事業者 出力
頭地 チッソ 5,200kW
川辺川第一 九州電力 2,500kW
川辺川第二 チッソ 8,200kW
合計 15,900kW

「相良発電所の年間可能発生電力量は、約85,000MWHであり、これと同等の電力を発生させるために必要な火力発電所の燃料に換算するとドラム缶約10万個の重油に相当する。」と書いてありますが、真っ赤な大嘘であり、廃止する発電所の発電量がほぼ同じか、せいぜい5%少ない程度と推定されます。従い、節約分は、ゼロかたったのドラム缶約4-5千個の重油です。

水力発電に、必ずしもダムは必要がないと理解下さい。八ッ場ダムには、廃止発電所はないが、川辺川ダムは廃止を伴うので、水力発電にとっては、ほとんど意味のない発電所です。

5) 現状

八ッ場ダムと同様、ダム本体工事には着手していないことから、中止や凍結、あるいは設計変更も可能です。

現状について、一番よく理解できるのが、2008年9月11日熊本県定例県議会における蒲島知事の発言と思います。即ち、”住民のニーズに応えうる「ダムによらない治水」のための検討を極限まで追求する”ことを知事は述べ、この方向で進んでいます。この知事発言の後、10月28日に蒲島熊本県知事と金子国土交通大臣が「ダムによらない治水を検討する場」を設立することに合意し、現在までに4回開催されています。(最近は、2009年7月16日)議事録や資料は、ここからダウンロードできます。

知事は、8月20日の定例記者会見で、民主党のマニフェストの関連で質問を受け、次のように答えています。

民主党のマニフェストがどうであれ、今進めておりますダムによらない治水を極限まで国と県と、それから関係市町村で検討していると、この考え方を進めていきたいと思っています。

当然その方向をどういう政権の形であれ、尊重されるものではないかと私は思っています。

ダムによらない治水を極限まで検討するものを、今そういうふうに進めているわけですから、そのやり方というのは私は正しいのではないかと思っています。

私は、このようなやり方が正しいと思います。

検討結果、ダムの中止があり得ると同時に、設計変更によりダムを小さくしたりすることや、洪水緩和機能のみになったので、穴あきダムにし、洪水緩和のために流量制限を実施する時のみ、ゲートを閉じ、通常は現状の河川と全く同じにすれば、環境負荷は最小に押さえられると思います。最も、穴なきダムについては、私も知らないので、これを機会に最適な穴あきダムを開発することを考えても良いと思います。穴あきダムの水力発電は、それに対応して計画すればよいのであり、この場合も、現状の発電量とほとんど変化はありません。

焦って予算を使い切ることより、人々を幸福にする最適な公共工事を、時間がかかっても良いから、立案し、実行することが最重要と思います。

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2009年9月 1日 (火)

民主党圧勝に思う

衆議院選の結果は、民主党が308議席の圧勝となった。民主党も予想しなかったほどの圧勝であると思う。なぜなら、近畿ブロックの比例区では、選挙区との重複候補を44人と比例区単独候補8人の合計52人を立てて、民主党候補13人が当選できる票数を得た。しかし、重複候補41人が選挙区で当選し、比例区で重複候補3人と単独候補8人全員が当選しても、2人余ることになった。実は、同じようなことが、みんなの党にも比例で生じたと朝日 8月31日 民主と「みんな」の比例議席、他党へ 4議席「譲渡」は報じています。

民主党が勝利した原因が、毎日 8月24日 麻生首相:学生集会で「金がねえなら結婚しない方がいい」のような発言もあった麻生太郎氏に助けられた部分が大きかったように思うし、低レベルの中傷ビラも撒かれた。落ち目になると、ここまで、あの政党は堕落するかのような気もした。いずれにせよ、定額給付金や1000円高速のような自公の堕落・低レベル政策には、私自身は嫌になった。

民主党に何を望むかと言えば、当然のこととして、正しい政策である。高速無料化については、まさか実現させることはないだろうが、日本の高速道路政策、料金政策、鉄道政策、空港整備政策について、見直しをすべき点はあまりにも多いと思う。税金を何に、いくら、どのような方針で投入するかは、基本方針がしっかりしており、毎年その会計と効果についての報告が国民になされるべきである。この点について、自公政権では、およそ期待できなかったことと思う。無駄な公共事業の廃止を唱えるからには、何が、どのような理由で無駄であるかを国民に示すことである。小泉政権は無駄だから、公共事業を減らすと言って減らした。その結果は、権力者の都合で減らされることになり、表面のみの体裁の効率化が生じ、弱者切り捨てが生じた。細かい点まで検討をした公共事業の見直しや、政策が必要である。

民主党は、後期高齢者医療制度の廃止を掲げている。大いに賛成したい。そもそも、75歳以上の(大金持ち以外の)高齢者の冷遇をすることになる懸念が高いと思うからです。日経BP Online 8月28日 もう先送りは許されない 少子化、税財政改革、社会保障再建に図があり、その中に金額がありましたが、後期高齢者医療制度は支出10.4兆円に対して保険料収入1兆円で、4.8兆円税金、4.6兆円が他の保険制度である組合健保、共済組合、協会けんぽ、国民健康保険からの拠出金となっています。そして、その中で、国民健保には税金と他の保険制度からの拠出金があり、協会けんぽにも少し税金投入があります。複雑怪奇な制度です。

保険制度とは、保険加入者間の助け合いのはずです。保険事業者間の助け合いではありません。過去を引きずって複雑になっている制度に更に後期高齢者医療制度という別の保険事業者を創設し、破綻を待つことにしていると批判されても、反論できないと思います。2008年5月7日に後期高齢者医療制度というタイトルでブログを書きました。この中で、2006年5月18日の衆議院本会議での民主党の郡和子氏、共産党の高橋千鶴子氏、社民党の日森文尋氏の反対討論を掲げましたが、今読んでも、その通りだと思います。小泉郵政選挙で勝てば、何でも許されるで、むちゃくちゃした自公がよく現れている法律です。2/3多数を持っているにも拘わらず、強行採決をしました。失政の回復には、相当の長期を必要とすると思うのですが、日本で健康保険制度を維持することの重要性を認識して、保険制度の統合に取り組んでほしいと思います。自公では、絶対できなかったことですから。

自公政権では、日本の未来がなかったのだろうなと思います。だからこそ、民主政権に期待したい。たとえば、国民背番号制をしくことの重要性です。これは、自公政権では絶対できなかったことです。そして、20年、30年という長期を見渡しての政策も必要と思います。

官僚たたきがおこらないように、役人には、国民のために、民主党に正しい政策を提案してほしいと思います。小泉時代の公務員たたきは、嫌でした。理由がなかったからです。標語でしかなかった。

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2009年8月27日 (木)

緊急地震速報の誤作動(誤報)

緊急地震速報誤報のニュースがありました。

日経 8月25日 緊急地震速報誤報、プログラム入力ミスが原因 気象庁

この件に関しては、様々なことを思ったので、書いてみます。

1) 原因

上に掲げた日経の記事は、「製造元の明星電気が24日に改修した。この際、緊急地震速報のプログラムについても処理を行い、入力単位を間違えた。」と書いてあり、製造元の改修作業のミスであったのです。しかし、単に群馬県伊勢崎市の明星電気とのみ伝えた他の報道もあり、私は当初気象庁からメンテナンスのみを請け負った業者かと思いました。この気象庁報道発表「緊急地震速報(警報)の誤報について(第2報)」 からしても、そのように読めてしまいます。

明星電気のホームページはここにありますが、2009年3月期売上高8,887百万円、純利益502百万円で気象関連、地震関連の計測機器等の製造をしている東証2部上場会社です。明星電気の本件に関する「緊急地震速報(警報)の誤報についてのお詫び」がここにあり、「緊急地震速報の機能及び精度向上を図る開発において、プログラムの一部手違いにより発生したものであります。」と書かれています。

これ以上の詳細は、不明ですが、メーカーだったら、製品検査や作動検査で確認するから、メーカーを信頼して問題ないと、通常であれば、考えます。しかし、発生した。何か問題があるのだろうか。あるいは、これぐらいのことは、許容すべき範囲であるのか。

どうしても避けられない確率的に生じるミスは、存在するのであります。誤警報の発信は、警報が出なかったことより、問題の程度は低いはず。又、緊急地震速報の一般提供は、2007年10月1日から始まったのであり、速報がない状態も考える必要があると思いました。

2) 緊急地震速報

緊急地震速報の気象庁の説明はここにありますが、次の点が特徴と思います。

A. 地震発生後の速報である。(地震予知ではない。)
B. 十分なデータを得てからの発表ではなく、精度的には劣る。
C. 「高度利用者向けの緊急地震速報」とテレビやラジオなどを通じて提供する「一般向けの緊急地震速報」の2種類がある。

そこで、更に気象庁のWebを見てみますと、このページに過去に出された緊急地震速報があります。2009年になってからは、23回出されています。その中の一番新しい2009年8月25日 06:37:04が今回の速報です。この緊急地震速報の内容によれば、一般向け緊急地震速報は地震波検知から21秒後の6時37分33.8秒に出されています。

千葉県北東部、茨城県南部、茨城県北部、東京都23区、埼玉県南部、神奈川県東部、千葉県南部、千葉県北西部に震度4や5弱の予報が出されたのです。ところが、この緊急地震速報提供から主要動到達までの時間によれば、これらの地域は全て20秒以内の範囲に入っています。即ち、そもそも、揺れが始まった後に出された速報であったのです。

もう一つの例として、8月11日5時07分05秒に発生した駿河湾地震を見てみると、地震波検知から3.8秒後の5時07分14.9秒に一般向け緊急地震速報が出されています。静岡市等は地震主要動到達の時間がゼロであるが、震度4の小田原には地震主要動到達時間は10秒であったことから、揺れを感じる前に緊急地震速報を受けることができたかも知れません。

緊急地震速報が始まって以降で、最も大きな震度の地震であったのが、2008年6月14日08時43分45秒に発生した岩手県内陸南部地震でした。一般向け緊急地震速報は、地震波検知から4.5秒後の8時43分55.2秒に出されています。宮城県栗原市では、震度6になったようですが、地震主要動到達時間がゼロで、仙台市では10秒程度であったようです。

3) 緊急地震速報への対応

そもそも万能ではなく、本当に大きな揺れは、緊急地震速報の前であると考えた方が良さそうな気がします。

NHKなんかは、緊急地震速報を自らが伝える媒体でもあるので、緊急地震速報があれば直ちに対策をすれば被害を小さくできるようなことを言っていますが、そんな簡単なものではないと思います。むしろ、日常から地震に対して(転倒防止や補強等を含め)備えをしておくことが重要と思います。緊急地震速報(特に一般向けについて)は、参考情報であると考えた方が良いと思いました。

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2009年8月25日 (火)

八ッ場ダムを考える

ダムについては、3部作となってしまいました。やはり、八ッ場(「やんば」と読みます。)ダムを採り上げないと、問題から逃げることになってしまいそうです。

1) 八ッ場ダム

ダムは、群馬県吾妻郡長野原町に6年先の平成27年度(2015年度)の完成を目指して建設が進行中で、ダム地点は次の所です。

この場所に、(基礎岩盤から)高さ116mのコンクリート重力ダムを建設し、そのダムの幅は左右の岩盤との距離になりますが、ダムトップ(堤頂)で290.8mです。イメージとしては、ダム堤頂の標高が586mと理解しますので、現在の国道145号の道路面標高が約510mなので、現在の道路から見て76mの高さのダムが建設されます。

ダムの形や大きさ等は、ここに国交省八ッ場ダム工事事務所の「平成21年事業の概要」と題した2009年4月22日付記者発表資料があり、その最終ページに図面があります。

2) 八ッ場ダムの機能及び費用

この八ッ場ダム工事事務所のWebSiteに平成20年9月12日国土交通省告示第1121号の「八ッ場ダムの建設に関する基本計画」という文書があります。これが、現時点の八ッ場ダムの機能や費用を記載している書類です。なお、第3回変更であり、それ以前の文書も探してみましたが、Webでは見つかりませんでした。

八ッ場ダムの機能について、以下の表に纏めてみました。(純貯水容量と記載してるのは、水道用水と工業用水の貯水です。)

Yanbadam1

八ッ場ダムの総貯水量が107,500千m3であり、標高536.3mより低い部分の水17,500m3は、利用できず、それより上の90,000m3を利用する。この90,000m3のうち7月1日から10月5日までは洪水に備えてダム水位を555.2m以下で維持し、ダムより上流で大雨があった時は、555.2mから583,0mまでの水位変化によるダム貯水量65,000千m3をバッファーとして使い、下流への河川水の流出を制限する。

従い、洪水緩和(治水)と水供給(水道用水と工業用水)が目的です。11,700kWの発電設備を設置するが、基本計画書10ページには「発電のための取水は、洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道及び工業用水のための放流による場合を除いて行ってはならない。」とあり、発電は副産物・従産物であるので、上の表では省略しました。

建設費は、基本計画書で概算4,600億円とあります。なお、この費用分担について、割合が11ページ以降に記載されており、河川法による負担が2509億円(うち政府1673億円、群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、栃木県と茨城県で836億円)。そして、水道・工業用水の負担額が2086億円で、これを群馬県(水道)、藤岡市(水道)、埼玉県(水道)、東京都(水道)、千葉県(水道)、北千葉広域水道企業団(水道)、印旛郡広域市町村圏事務組合(水道)、茨城県(水道)、群馬県(工業用水)と千葉県(工業用水)が分担します。

そして、群馬県(電気事業)が4.6億円の負担です。なお、この4.6億円は、電気事業のダム分担金であり、発電設備については一切含まれていません。

なお、更なる詳細については「八ッ場あしたの会」(ホームページ)の過大な財政負担というページに書いてあり、水道事業の政府補助の補正もされています。チェックはできていませんが、正しいと思います。

3) 八ッ場ダムの効果

3-1) 水確保

水道及び工業用水の確保に関する効果については、必要とする将来の水需要予測を検討する必要があり、膨大な量の情報や資料を入手する必要があると思うし、どこまでできるか不明なので、Give upします。現在水が不足していると理解していないし、将来の人口減少や、日本の産業構造の変化を考えると、水確保のために八ッ場が必要であるとは、感覚的に思えません。

むしろ水資源開発のリスクと恐ろしさを物語っているように思えます。八ッ場ダム工事事務所のWebによれば、1967年に実施計画調査が開始となり、1970年に実施計画調査から建設に移行になり、1986年に水源地域対策特別措置法に基づく国の指定ダムとして告示されたとあります。相当前に長い先の将来を想定して水需要が予測されたはずです。

3-2) 洪水緩和

八ッ場ダム工事事務所のWebには、「計画では、洪水期(7月1日~10月5日)に6,500万立方メートルの調節容量を確保して、ダム下流における計画高水流量、毎秒3,900立方メートルのうち約61パーセントに当たる毎秒2,400立方メートルの流水を調節し、ダム下流への放流量を毎秒1,500立方メートルに低減することになります。」と書いてありまし、基本計画の洪水調節も同じことが書いてあります。

利根川の大洪水の想定は1947年9月のカスリーン台風による洪水をベースにしています。最近の大雨・洪水の被害としては1998年9月の台風5号であったと、工事事務所のWebに書いてありました。そこで、吾妻川の村上水位観測所(群馬県北群馬郡小野上村村上字堀之内:JR吾妻線小野上駅付近)における河川水位と河川流量及び少し下流の神流川と合流した付近の八斗島(やったじま)観測所(伊勢崎市八斗島町:坂東大橋左岸下流400m)での河川水位と河川流量を台風5号による影響があった1998年9月16日から18日までについてグラフを書きました。

Agatsumamy19989_2 

八斗島における本日(24日)の水位はマイナス2.67mでした。9月16日の水位(グラフの茶線)12時に3.36mとなり、氾濫注意水位1.9mを超えたが、避難判断水位4.5mには達せず、当然氾濫危険水位4.9mにはなりませんでした。同じ3日間の村上における河川流量を見ると最大が9月16日9時の2,354m3/秒でした。八ッ場ダムがあれば、吾妻川の河川流量を下げることができたでしょうが、村上で最大2,354m3/秒であり、しかも計画においてコントロールするという1,500m3/秒を超えたのは、たったの5時間でした。この観測結果からすると、八ッ場ダムなんて意味がないと思えます。

八ッ場あしたの会のWebに、八ッ場ダムの住民訴訟において2008年7月29日水戸地裁の証人尋問に出廷した新潟大学の大熊氏による証人尋問調書と意見書が紹介されていました。(このページからダウンロードできます。)八ッ場ダムを必要とする根拠となってきたカスリーン台風洪水の際(1947年)、洪水流量は実測されず、過大に推測されており、それをもとにした国の治水計画には科学的根拠がないなんて、根底から狂ってきます。

意見書にあった2001年9月の吾妻川の大出水の時のグラフも書いてみました。1998年9月の時より増水した時間は長かったが、それでも、最大流量1802m3/秒であっただけで、私には特に大きな問題がないように思えました。

Agatsumamy20019

八ッ場あしたの会のWebに、次の上毛新聞のコラムが紹介してありました。一つの推測ですが、否定しきれない部分があると思います。

コラム『戦争がなかったら』 ―1999年9月15日の上毛新聞より―

「第二次世界大戦がなかったら、カスリーン台風の災害も起こらなかった。 戦中の食糧難を解消のため赤城山麓の開墾、エネルギー源のための木材の供出などで乱伐され、森林は消えていった。そこへ大雨を降らせたカスリーン台風の来襲。保水力を失った山はその水を一気に川に流すしかなかった。・・・(以下略)。」

それと、現在運用中の大型ダムで、洪水調整力があるダムは、以下の表のように10あります。吾妻川を、ダムのない川として後世に伝える選択もあり得ると思います。吾妻川は、草津白根山に起因する酸性河川であったこともあり、ダムは建設されなかった。中和事業の為に、品木ダム(国交省 品木ダム水質管理所)はありますが、他に大きなダムはなく、ダムがないことも素晴らしい自然を残すことになると思います。

Tonedam2009

3-3) 水力発電

実は、八ッ場ダムの満水水位より高い位置(長野原町役場付近)で取水し、八ッ場ダムの下流約2.4kmで発電している東京電力松谷発電所があります。出力は、25,000kWなので、八ッ場ダム発電所11,700kWより大きいのです。なお、松谷発電所はと白砂川の水と川中発電所からの水も使用しており、発電後の水は原町発電所へ流しています。

下の写真が松谷発電所の写真で、中央下部の白い建物が発電所で、そこから左上に山に上がっていっている茶色の管が水圧鉄管です。

Matsuya

八ッ場ダムなしで、水力発電はできているのであり、ダムが発電に寄与する部分が多少あるが、それほど大きくないのです。むしろ、運転の方法(ダムからの放流)によっては、既存の水力発電(松谷発電所のみならず、下流の原町、箱島等も含め)の発電量を少なくする可能性さえあるのです。このことに関する衆議院議員塩川鉄也氏の2004年11月30日の質問書(この衆議院のWeb)と小泉純一郎内閣総理大臣の平成2004年12月10日答弁書(この衆議院のWeb)があります。

水が流れるから、発電することで良いのですが、副産物に過ぎず、既存発電所での発電量が減少するなら、それを差し引いた評価が必要です。なお、ダムの放流パターンが決まらないと発電と既存への影響の予測ができないので、原状では無理でしょうが、どちらにせよ、極めてゼロに近い点数のような気がします。

4) ダムとは地元にメリットなし

そんなことを言うと言い過ぎかも知れませんが、地元を狭く水没地域だとすれば、水没地域の住民にとっては、迷惑なだけと思います。洪水緩和も水資源確保も全て下流地域が恩恵を受けるのです。

だから、反対運動が発生するし、地元でも、市町村レベルや都道府県レベルになると関係者は多くなり、土建業者は工事受注が期待できるから賛成したり、また、直接の影響を受ける人は、実はそれほど多くない場合が多いと思います。長年にわたる賛成・反対の対立で疲れ果てたのが八ッ場ダムの地元と思います。

ダムは、地元にメリットなしとの考えで、計画するなら、地元の人々に対して手厚い保証を差し上げる。そのことにより、建設が早く終了するはずで、建設費もはるかに低くなる。バカみたいに、他の例や水準とかにこだわって、対立や反感が生じる。そんなことも、無駄な公共工事になっていると思います。

5) 今後のこと

八ッ場ダムは、民主党が無駄な公共工事として、あげている案件ですから、例え工事を続行するとしても、少なくとも見直しに入らざるを得ないと思います。幸い、ダムの本体工事は本年度の契約予定ですから、本体工事に手を付けずに凍結することも可能と思います。

但し、凍結しても地元に対する十分は補償はしなければなりません。公共工事は、損失を与えるプロジェクトであってはならないからです。

ところで、水に関する費用負担を2)に書きましたが、現制度では水は地方自治体の特別会計になっていると思います。また、「一抜けた。」は、他の自治体の負担が増えるので、抜けるに抜けられない変な構造ができていると思います。

八ッ場ダムは、問題の多いプロジェクトであると思います。その最大の原因は役人と政治家の癒着だと思います。今回も、調べてみて、なかなか資料が出てこないし、複雑怪奇な状態です。例えば、塩川鉄也氏の質問

改正河川法では、学識経験者の意見、住民の意見などを整備計画に反映することとしている。学識経験者の意見、住民の意見などを反映するための作業をしないまま、五十年以上も前につくられた八ツ場ダム建設計画を推し進めることは、改正河川法の趣旨に反すると思うがどうか。

に対しての政府(小泉純一郎氏)の答えは、次です。(読んでも、頭に入ってきませんが、原状問題なしの回答です。)

利根川水系に係る河川法(昭和三十九年法律第百六十七号。以下「法」という。)第十六条第一項に規定する河川整備基本方針(以下「河川整備基本方針」という。)及び法第十六条の二第一項に規定する河川整備計画(以下「河川整備計画」という。)については、これまで、その策定に必要な調査、調査結果の分析等を行ってきたところであり、今後とも、河川法施行令(昭和四十年政令第十四号)第十条に規定する準則にのっとって、引き続き、その策定に向けて取り組んでまいりたい。
 また、河川法の一部を改正する法律(平成九年法律第六十九号。以下「平成九年改正法」という。)附則第二条の規定により、平成九年改正法の施行の際現に平成九年改正法による改正前の法第十六条第一項の規定に基づいて定められている利根川水系工事実施基本計画は、平成九年改正法による改正後の法第十六条第一項の規定に基づき利根川水系について定められた河川整備基本方針及び平成九年改正法による改正後の法第十六条の二第一項の規定に基づき利根川水系に係る河川の区間について定められた河川整備計画とみなすこととされており、八ツ場ダムは、利根川水系工事実施基本計画において利根川の洪水調節等のために必要な施設であると位置付けられている。

政権が代わる毎に、大型案件が推進と凍結を揺れ動くのは、国民として情けないし、あるべき姿ではありません。必要な案件は必要であり、優先度の低い案件は、そのように扱うべきです。私の提案は、役人がきちっとした評価書を国民の前に提出することです。国民が必要と認めているプロジェクトは、政権が代わろうとその評価は普遍です。多くの情報を国民に開示し、国民の支持を得る仕事を役人はすべきです。バカ政治家に、官僚タタキをされてはいけません。役人は、政治家のためではない、国民のための仕事をすればよいのです。

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2009年8月23日 (日)

大蘇ダムの漏水問題

ダムから水が漏れる。正確には、ダム湖からの水漏れであり、ダムから水が漏れるなら、ダム欠陥工事です。でも、多くの人は、ただ事ではないと考えると思います。しかし、考えようによれば、地表は水が漏れて当たり前で、水が漏れなければ、地下水は干上がります。従い、漏水も程度問題でありますが、タイトルにあげた大蘇ダムについての概況として次の大分合同新聞の記事を掲げます。

大分合同新聞 4月17日 たまらぬ水、あふれる怒り 大蘇ダム問題 

どう考えるかですが、ややこしさを理解するために少し新聞記事を掲げます。

7月29日 朝日 鳩山代表、熊本で大蘇ダム中止を示唆 「ムダなダム」
毎日(熊本) 7月31日 大蘇ダム:「計画通りの水確保」 九州農政局、秋に方針 /熊本

直ぐ前のダムの議論で、評価の必要性を書きましたが、大蘇ダムについての評価を私もできていないので、何も言えません。どのようなダムであるかについて私が調べたことを書いてみます。

1) 大蘇ダムの場所

大蘇ダムの場所は、熊本県阿蘇郡産山村なのです。大蘇ダムは、灌漑用水の取水を目的としたダムですが、灌漑用水を利用しようとする農地の大半は、竹田市荻町を初め大分県なのです。九州で、熊本県は、有明海に面しており、大分県は豊後水道に面しています。しかし、阿蘇山の近くは分水嶺が県境ではなく、少し熊本県に入っていることからのややこしさもあります。

下に、大蘇ダムを中心位置のYahoo地図を掲げます。大蘇ダムの南東が竹田市荻町になりますので、興味ある方は地図を動かして確認してみてください。JR肥後線に豊後萩という駅がありますが、その一帯です。

2) 竹田市荻町

竹田市荻町をYahoo航空写真で豊後萩駅を中心位置として、出しておきます。航空写真だと、農地であるか、山林であるかの見分けが簡単で、竹田市荻町には農地が多いことが分かります。

竹田市荻町の農地への農業用水の供給をどうしているかですが、荻柏原土地改良区(ホームページ)という土地改良法に基づく法人があり、竹田市荻町の南西にある大谷ダムの水を配分しておられます。荻柏原土地改良区のホームページを読むと、高原の農地の開発、水確保の歴史が書かれています。

3) ダム水漏れの状況

一番解りやすいのが、荻柏原土地改良区のWebに水土里ネット広報があり、その平成20年3月31日発行(No. 43)に次のグラフがありました。平成18年や平成19年は8月は400万トン以上貯水され、総貯水量430万トンのダムですから、ほぼ満水なのです。しかし、3月末に向けて貯水量が直線的に減少して、7月初めまでは実質ゼロ状態というわけです。

Midorinet

そこで、これでは、水田米作の水としては役に立たないとなります。一方、農水省の言い分ですが、実はWebから大蘇ダムやこの事業の名称である大野川上流かんがい排水事業の関連の情報が消滅してしまっているのです。その中で、見つけ出したのが、この九州農政局国営事業再評価第三者委員会(第2回) 議事録平成21年6月19日です。

水土里ネット広報とほぼ同じことが書かれていますが、「計画受益面積2,158ha のうち1,360ha を若干超えるぐらいに対しては10 年に1回程度の渇水時に対しても用水を安定的に供給できる見通しである。」となっています。

上のグラフが正しいとすると、農水省の説明が、甘すぎるように思えるのですが。

4) 感想

結論は書けないので、感想を書きます。大蘇ダムの漏水は初めから予想されていたはずです。火山中腹の土質は、水を通しやすい。荻柏原土地改良区の広報に書いてありますが、大野ダムも随分漏水するのです。ダム流入量0.35m3/秒で漏水量0.15m3/秒の記載は、40%以上の漏水となります。

漏水を見込んで、大蘇ダムの貯水容量等を決定しなければいけないのを、軽率でありすぎたのではと思います。このあたりの資料は全て存在するはずなので、検証可能なはずです。

それと、農業に関する基本プランは、どうであったのかと思います。米と野菜等の農地区分は、どうあるべきなのか、そのような基本案があってしかるべきだろうと思います。

政府は書面での約束はしていないでしょうが、荻柏原土地改良区の人達を含め大蘇ダムから農業用水供給を受けたいと思う人達に対して、約束に近い期待を与えていたのではと思います。そうであれば、責任論ではなく、契約の履行義務として、政府は水を供給するか、金銭で賠償するかの義務があると私は思います。

大蘇ダムが不要か必要か、何も解りません。代替案すら知識がありませんし。リスクについて適切な対処をしなかったと思います。食糧自給を唱えるなら、農業用水の確保は、極めて重要な課題であると確信します。

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2009年8月22日 (土)

ダムの議論

「脱ダム宣言」とか「ダム不要論」があります。しかし、本当の議論は、”Yes” or ”No”ではなく、個別のダムについて、その必要性、有効性、効果等を評価して決定すべきであると考えます。

ところが、そのような議論はなく、「単に必要だから推進する。」や「不必要であるから中止する。」の議論に終わっていると思います。必要か不必要かではなく、ダムにより期待する効果は何であるのかと、ダムにより失われるものは何であるのかを評価する必要があります。プラスとマイナスを評価して、最終評価をなすには、各項目を金銭価値に置き換えてプラスサイドかマイナスサイドかを見なければなりません。

但し、金銭価値に置き換えるに際し、換算レートと言うべきか、経済価値をどう見るかが各個人により大きく異なる可能性がある項目もあります。例えば、ダムは規模の差はあれ、水没地域を発生させます。この自然環境破壊について、天然林の中を自然河川が流れる風景が失われることを、幾らの価値喪失と見るか、単に観光収入○○円で評価しても意味がないはずです。勿論、建設地点により、大きく異なるし、希少生物の生息地だったら、また話も変わってくるでしょう。

ダムによる洪水緩和を期待している場合、ダムで洪水を100%防止することは不可能ですが、過去の河川統計を基に、何年に一度の洪水までは対処可能と期待洪水緩和量を予測しているはずです。一方、ダムによらず、堤防のかさ上げで対処をする代替案との金額比較、発生する被害の原状までの災害復旧費用や機会損失費用との比較等様々なことは可能です。勿論、人の命を金銭で評価することが含まれれば、その難しさはあります。

ダムによる水利用を考えた場合、ダムに貯水して、貯水の中から使った水が利用水となります。ダムから専用の水路や管路を設けている場合は、それを通じた供給量であり、ダムの下流で取水する場合は、ダム放流量に応じた取水となります。いずれにせよ、従来から河川を通常流れている水量もしくは関係当事者間で合意した最低維持水量を自然流量として河川に流した後の水量がダムにより確保できる水であります。降水量により、年格差も生じます。そして、水の経済価値も難しい部分を含んでいます。水は、必需品であると同時に、井戸や海水淡水化によってでも得ることが可能です。いずれにせよ、農業にはなくてはならない物であり、農地開発とは水との戦いでもありました。

水力発電については、必ずしも大きなダムを必要とせず、大きなダムは大きなダムとして、水力発電の利用方法として、利用価値が生まれますが、いずれにせよ水力発電は貯水を目的としないことから、ダムについてはフレキシブルです。なお、水力発電に大きなダムは不要と書いたことについて補足しますと、現存する日本の揚水を除く水力発電所の数は1500程ありますが、この90%以上が戦前に建設された発電所であり、小さいダムで取水している水力発電所です。(例えば、吉村昭の小説「高熱隧道」は、黒部川第三発電所建設が、そのテーマですが、建設された仙人ダムは総貯水容量682千m3の小さいダムです。下の満濃池や狭山池とも比べてみてください。)

金銭価値に置き換えて評価をするには、将来価値と現在価値を、割引価値計算を適用して考えると共に、将来の社会構造・経済構造の変化に伴う相対価値構造の変化も考慮する必要があると思います。

良いダムは、長期にわたり人々の役に立ちます。香川県仲多度郡まんのう町に、満濃池(総貯水容量15,400千m3、Wikiはここ)というため池があり、8世紀に建設されたそうです。あるいは、大阪府大阪狭山市の狭山池(総貯水容量2,800千m3 、Wikiはここ)というため池は、更に古く7世紀に建設されたようです。当然、人々が保守をし、時には新規建設と同じぐらいの大補修や洪水流出の際の復旧をして、守ってきました。

日本は緑豊かで、水も豊かな国と思います。ひとくくりで、”Yes” or ”No”としない個別プロジェクトの評価で決めるべきです。しかし、残念ながら、評価するための資料や、評価報告書を含めプロジェクトの情報公開の量がほとんどありません。

私の結論は、あらゆる情報を、せめてWebで公開してください。Webが、公開するにあたり、費用も安く、かつ入手する際も、安く簡単です。電子政府とは、国民のために、存在する手段です。Webを利用した情報公開を強く望みます。(電子政府の推進について

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2009年8月17日 (月)

GMの燃費誇大発表

次のニュースがありました。

日経8月15日 GM新型車、燃費計算で「世紀の誇張」か 米誌

8月6日に日産電気自動車リーフに関して、このブログ記事を書きましたが、日産とGMは、よく似ている点があると思う次第です。

1) 元のGM発表

新聞記事としては、次の日経と朝日を掲げます。そして、正確な批判をするには、元のGM発表に対してすべきであるので、元のGM発表を掲げます。

日経8月11日 米GM、新車投入を拡大 CEO会見、11年までに25車種
朝日8月12日 リッター98キロ「ボルト」 GMの電気車、10年投入
GMプレスリリース 8月11日 Chevrolet Volt Expects 230 mpg in City Driving

1ガロンで230マイルの燃費と言っていることから、1リットルで97.8kmに相当します。プリウスが38kmで、インサイト30kmですから、驚異的な数字です。

2) GMボルトの低燃費の理由

とても簡単です。GMボルトは、ガソリン・エンジンと電気モータの両方を積んだ車で、走行距離が短い場合(40マイル以内)は、バッテリーに充電した電気だけで走れるので、ガソリン消費はゼロとなるからです。

GMプレスリリースに"From the data we've seen, many Chevy Volt drivers may be able to be in pure electric mode on a daily basis without having to use any gas" と書いてあります。「アメリカ人の10人中8人は、通勤に使用して1日に40マイル(64km)以下しか走行しない。(nearly eight of 10 Americans commute fewer than 40 miles a day)がその理由であり、「毎日充電をして、走れば低燃費を実現できる。"The key to high-mileage performance is for a Volt driver to plug into the electric grid at least once each day,"という訳です。

1回の充電でGMボルトが走行できる距離が、40マイルですから、通勤と日常生活の往復と寄り道入れて1日40マイル以内の走行を続けていれば、ガソリン消費はゼロの超低燃費だと言うわけです。但し、時には遠出をしたりして、40マイル以上走り、ガソリンを消費することもあり、1ガロン230マイルの燃費(1リットル97.8km)の燃料消費になると言うわけです。

GMプレスリリースの下の方に、低燃費車として1ガロンで30マイル燃費の9車種と言っており、GMボルトのガソリンでの走行時の燃料消費は、これより悪いかも知れないが、仮にガソリン走行時の燃料消費が1ガロン30マイル(1リットル12.75km)として、年間の電気走行が10,000マイル(16,000km)であるとして、1ガロンで230マイルの燃費になるガソリンによる年間走行距離を計算するとたったの50マイル(80km)です。唖然とします。

一方、電気自動車としてのGMボルトの性能を三菱i-MiEVと比較すると、次の表の通りで、GMボルトは車体が大きい分、電気をより多く消費し、その為走行高距離も短い。電池もリチウムイオン電池でi-MiEVと同じです。

GM ボルト 三菱 i-MiEV
電力消費 156Wh/km 125Wh/km
電池容量 16 kWh 16 kWh
1充電走行距離 64km 160km

3) その他

次の表は、1km走行した時のCO2排出量です。発電方法によりCO2の排出量は異なるので、米国充電というのは米国環境省の電力CO2排出係数603CO2-kg/MWhを使って計算した場合で、日本充電は2007年度の電力事業者CO2排出量438,564,752CO2-tonと販売電力量958,128GWhから平均CO2排出量458CO2-kg/MWhにより計算した結果です。

ガソリンを全く使わず、電気だけで走ってもGMボルトは、米国充電なら、プリウスやインサイトよりCO2を排出する計算となりました。

1km走行時のCO2ガス排出量の比較(単位:グラム)
米国充電 日本充電
GM ボルト 100 71
三菱 i-MiEV 80 57
低燃費GM車(12.75km/l) 182
トヨタ・PRIUS 61
ホンダ・INSIGHT 77

太陽電池で、充電すればCO2排出はエネルギー部分については確かにゼロです。しかし、夜間は太陽電池は働かず、充電ができない。家庭用の3kW電池で充電した場合は、最短でも5時間20分ですから、通常は1日目一杯かかり、通勤には使えない。その上、雨や曇りの日はほとんど充電できないので、お休みをするか、CO2排出して発電された電気を購入するかです。

それ以外に、日本の場合は、ガソリン税が電気自動車からは、徴収できなくなるので、対策を考えなくてはならなくなります。一案としては、電気自動車については、購入時と車検時に、電気自動車税を徴収する方法です。そうしないと、道路建設とメンテナンスに一般財源を回すこととなり、消費税増税です。

考えれば、民主党のマニフェストも同じ類で、ガソリン暫定税率廃止と高速無料化は、消費税率アップに繋がるだけでなく、貧困層の切り捨てと富裕層優遇の方向です。党の基本方針とまるで方向が違うように私は思います。

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2009年8月15日 (土)

裁判員制度の裁判

1) 初の裁判制度の裁判

初の裁判員制度の裁判となった8月3日に始まった東京地裁での、東京都足立区の隣人女性殺害事件裁判で、藤井勝吉被告(72)は、求刑懲役16年に対して、6日の判決は懲役15年でした。これに対して、被告は上告をしました。

時事ドットコム 8月13日 初の裁判員事件で被告控訴=隣人殺害、判決に不服

裁判を受ける権利は、極めて重要な権利です。従い、私は上告に対して何らの意見を差し挟みません。

しかし、お節介屋は、いるようです。次の読売の記事や産経は、「東京高裁の裁判長で作る研究会が7月に発表した論文は、「明らかに不合理な判断と認められる場合以外は、1審の判断を尊重する方向で考えることになる」とか「最高裁の司法研修所は裁判員裁判の1審判決について、「できる限り尊重すべきだ」とした研究報告書を公表」 とか述べている。読売 産経MSN しかし、実際にどのように研究会や司法研修所の研究報告書で書かれているか探しましたが、見つかりませんでした。

いずれにせよ、一般論を論じることは間違いです。裁判とは、裁判官・裁判員が自分の良心と憲法に従って、判決を下すべきです。被告が控訴したなら、その控訴を受けて、良心に従って判断すべきです。

なお、足立区隣人女性殺害事件は、裁判員裁判である必然性は、あったのだろうかと思います。殺人の事実については、争われておらず、量刑のみの判断であったのですから。そこに、6人もの一般人が裁判員として、多数決どころか2/3の絶対多数で参加して判決を下すのですから。(この裁判は、量刑のみの判断であり)正直違和感を感じます。

この初の裁判員制度の裁判を含め、IZAが詳細な記録をWebに出しています。ここに、「初の裁判員裁判」のニュース一覧があり、膨大な資料があります。

2) 2件目の殺人未遂罪での裁判員裁判

この裁判は、8月12日に懲役4年6月判決が出されました。やはり、起訴内容については、争いが無く、量刑についての裁判でした。

時事ドットコム 8月12日 裁判員2件目は懲役4年6月=殺人未遂事件判決-さいたま地裁

裁判員の反応として、時事ドットコムから記事を拾うと、裁判員になられた方々も様々な感想をお持ちのようです。

時事ドットコム 8月12日 2件目判決は懲役4年6月=裁判員「重苦しい制度」-殺人未遂事件・さいたま地裁
時事ドットコム 8月12日 「すごく疲れた」「分かりやすい」=戸惑い、真摯な言葉も-職務終え裁判員経験者ら

量刑の判断でも死刑や無期と言った重大な事件なら別ですが、何年にするか、執行猶予があるべきかを、裁判員の参加を得て裁判をしなければならないのだろうかと思います。裁判官3人に裁判員6人ではなく、裁判官3人と裁判員2人でも良かったと思います。そして、高等裁判所での裁判や民事も裁判員が参加するようにすれば、制度的にもスッキリする気がします。そもそも、自民党と民主党が、国民不在で、両党の妥協で作った法律だから、どうしようもないのかなと思います。

3) 再審がなされなかった獄中死亡の三鷹事件死刑囚竹内景助

8月14日に共同通信が次の記事を配信しました。

共同47 8月14日 三鷹事件元死刑囚が自白経緯詳述書簡を発見

記事には、"竹内景助元死刑囚が、弁護団長を務めた故布施辰治弁護士にあてた手紙8通や返信などが14日までに見つかった。「私まで否認したら(裁判所が)全被告を有罪にするだろう」などと、“自白”に至った心情や経緯が記されている。”とあります。

記事の下の三鷹事件の説明にも、”捜査当局は日本共産党の組織的犯行と断定し、運転士ら10人を起訴。一審判決は非党員の竹内景助被告の単独犯行とし、無期懲役を言い渡した。党員9人は無罪。竹内被告は控訴審で死刑判決を受け、55年に最高裁で確定した。”とあります。1949年の事件で、政治的な力が働いていた可能性もありますが、警察・検察が見込み違いで突っ走る恐ろしさです。

裁判員も、犯人ではないにも拘わらず、犯行を認めてしまった、あるいは自白がふらつく被告の裁判にも参加します。良心に従って判断するのですが、一生背負い続けることになるかも知れません。

裁判が身近になったことは良いことだと思います。一方で、立法府である国会は身近にあるのでしょうか?国民が法制定にもっと参加できる制度・社会を目指す議員を私は支持します。もう一度よく考えて、候補者を選びたいと思います。

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戦争責任

終戦の日がやってきました。戦争の責任は誰にあるのか、せめて終戦の日ぐらい、少し考えてみて良いように思います。

1) 戦犯

東京裁判により戦争犯罪人であると判決を受けた戦犯に対して戦争責任を押しつけて解決はしない。東京裁判とは、1945年7月26日の米、英、支三国宣言であるポツダム宣言第10項の「吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ」を実施したとも言える。

日本国民が、戦争についての責任者を処罰した裁判ではなかった。但し、日本国民自らが、戦争犯罪者を捕らえ、日本の法廷で裁判をできる状態にあったかを考えると、大いなる疑問が生じる。本土決戦が唱えられ、反対すれば、非国民とののしらなければならないキチガイ状態にあった。犯罪人の正しい捜査、検挙、公正な裁判すら日本人の手で実施できなかった状態であったと思う。

例えば、「日本は神国である。神風が吹く。天皇陛下のために死ぬことが至福である。」と教えた教員が、ほとんど全てであったと思う。普通に考えれば、根拠が無く、説得力を持たない。だから、これが正しいのだと強権を使っても、無理矢理たたき込む。今から考えると、キチガイ沙汰に思えるが、教員自身がそのような教育をしないと、職を失うどころか、村八分・国八分になってしまうから、頭を使わないようにして、誰かに魂を渡し、奴隷になる。

天皇陛下とは、便利な言葉であった。権威を笠に着て「天皇陛下のXXXX」と言えば、間違ったことでも、相手をねじ伏せ、自分の言うことを聞かすことができる。そんな日本の当時の社会こそ、日本を戦争へと導いた最大の原動力であったし、最も反省すべき点であると思う。

2) 零戦

これも一つの例であるが、零戦は優れた戦闘機であったと言われる。しかし、本当にそうであるのか、考えてみたい。零戦は、長距離飛行と運動性能で優れていた。

長距離飛行能力は、侵略目的に使うことであった。実際の戦争では、長く伸びきった補給路の護衛につくことになり、搭乗員の疲労・消耗を生んでいった。運動性能が良いことは、小さい半径で回れることであり、大きなGがかかったり、運動性能を生かした高い戦闘力は熟練搭乗員の操縦により発揮される。熟練搭乗員を失い学徒兵が操縦する零戦は、単なる飛行機であり、使い物にならない。可能な戦闘は、神風攻撃となってしまう。

Wikiを探していると、空母エンタープライズに神風攻撃をする1945年5月14日撮影のこの写真がありました。その結果、この写真のように前部エレベータが飛び、ダメージを受けたが沈没はしませんでした。

日米の技術力・生産力を考えれば、その差は明白であったのですが、当時の日本には、適度の性能で、誰にでも比較的容易に操縦が可能で、大量生産に向き、部品供給やメンテナンス容易というようなシステム全体で考える発想は貧困であったと思います。自分の周りしか見ない近視眼で、それ以上の部分は、自分に都合の良いように解釈してしまう。

今の日本人が同じような状態になってしまっている気がします。戦争に向かうとは思わないが、破滅に向かって進んでいる可能性があると思います。

3) 現在の政策

自民と民主の公約とマニフェストを見ると無茶苦茶で、戦前状態にあると思います。民主党のマニフェストに、中小企業の法人税を11%にすると書いてあるが、現行の18%で良く、法人税を納付できるような利益が生まれる社会にして欲しいのです。ガソリン税暫定税率廃止や高速道路無料化のCO2増加政策を言いながら、見通しのない2020年CO2排出25%削減や、お金持ちに対しても子供手当の支給を言う。キチガイ沙汰です。

自民も全く同じで、更にマスコミもそれを後押しする。根拠のない嘘をばらまく。戦前の日本とよく似ていると思います。

自民が勝てば、今と同じ状態が続くと思えるから、今回は一度民主が勝つ。しかし、政策は無茶苦茶だから、破綻する。そこを乗り越えて、よりまともな政党や社会が誕生する。そのようなことに期待を繋がなくてはならないのかと思います。

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2009年8月 7日 (金)

保守主義

本日、新聞と一緒のタイミングで配布されたのか、ある候補者のビラ(XX国会報告と書いてある。)が入っており、驚くことが書いてあり、驚愕しました。(馬から落馬です。)

1.一院制導入

一院制を導入し、500議席の国民議会のみとすると書いてあります。2007年8月17日に日本国憲法とのエントリーで書きましたが、GHQが作成し、1946年2月13日に日本政府に提示した日本国憲法の草案では国会は一院制でした。最終的に、日本は二院制を採用しました。

一院制がよいか、二院制がよいか、議論があると思います。国民的議論もないのに、「国会レポート」と書いた文書で、一院制を唱えるのは、おかしいと思う。その理由については、何も言及されていない。憲法は、権力者を縛るものである。議員が、こんなことを言っているのは、よくありません。

二院制の良さは、保守主義かも知れません。両院で審議され、可決されることで、新たな法が制定されるのです。法とは、国家権力です。国家権力に委ねた方が良いことがあるので、それらのことを法で定める。従い、保守的でなければいけない。なお、保守主義とは、改革をしないことではなく、改革にあたっては、一時の感情で決めるのではなく、その改革の利益と不都合を現実の事態と過去の例を検討して、最善の手段を決定することです。

2.道州制

道州制で10兆円以上行政経費を節減と書いています。道州制とは何か?全く解りません。憲法60条に「行政権は、内閣に属する。」とあります。憲法92条は「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」です。

日本において、地方自治体は都道府県と市町村です。市町村合併も、問題はあるようですが、各市町村が独自の判断で合併することで良いでしょう。必要なら、都道府県も独自の判断で合併すればよいのです。都道府県の行政単位を残して、道州制とは経費が増加するだけというのが通常の判断です。

道州制になれば、金持ち道州と貧乏道州の格差が開き無茶苦茶になると思います。狭い日本、そんなに地方で区分をしてどうなるの?であります。日本全体・日本人全体が幸せになることや世界全体が幸せになることが重要と思います。

3.保育園・幼稚園無償化

追加財源1兆円と書いてあります。財源をどうするかと、何故この政策なのかが分かりません。将来展望がないまま、唱えているから、理解不可能です。少子化対策とは、イコール高齢化社会対策でもあります。

悪く言えば、低賃金でこき使って、おまえらの保育園や幼稚園は無償だから、低賃金で当然と言える社会、首切り・リストラが当然の社会の実現を目指しているようにも、思えてしまうのです。ここらの、政策や展望が全く見えませんから。

4.基礎年金国庫負担75%

財源をどうするのでしょうか?消費税でしょうか?いずれにせよ、税金であることは間違いがありません。財政分析の数字がない議論には、乗らないようにしましょうと言います。

税金でまかなってよいと思います。金持ち減税を止めるなら、それも一つだし、低所得者還付方式の消費税もありかも知れません。国民全員の基礎年金番号と納税番号により、所得を適切に把握し、不公平が生じないようにし、かつ本当に支援が必要な人を支援できるようにすることは必要と思います。

5.病院たらい回し解消

不適当な表現であるたらい回しを使っていますが、それはそれとしても、原因に遡って、対処するようにしないと解消は無理です。

実は、一つの解消方法は、「小泉改革」でした。その将来方向は、「金持ちしか十分な医療を受けられない。貧乏人は、それなりの医療で我慢する。」でありました。国民が、このような状態を選択しても一つの解決です。

一方で、現在の医療体制を維持するなら、大増税を行うべきです。多分、公的医療保険料のアップは、もっと難しい気がしますから。そして、手を付けなくてはいけないのが、医師の育成であり、この為には10年以上を必要とし、もしかしたら医師育成体制の充実もせねばならないので、20年ぐらいして初めて有効になると思います。そんな悠長な話です。過去の政策の結果は、そんな長期間を経過してグサリとささってくるものです。

病院で患者を受け入れようとしても、受け入れることが不可能な状態となった時、開業医がいるから大丈夫とはなりません。必要な医療を受けることができるようにすることは、その医療(何がその医療であるかは、議論が続きますが)が提供できる体制を作ることです。

恐ろしいことは、「病院たらい回し解消」と言って、医療提供体制を疲弊させ、医師の逃亡を増加させ、完全に医療を崩壊させることです。それだったら、「小泉改革」の「貧乏人はそれなりの医療」で「病院たらい回しがあって当然」の方が、比較上では、良いのかも知れません。

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2009年8月 6日 (木)

日産がインチキ商法を始めたかな

とんでもないインチキを日産は始めたと思いました。2009年8月2日の日産が次の発表をしました。

日産自動車、手頃な価格とニーズを満たす電気自動車「リーフ」を公表 日産とモビリティの新たな一時代を構築

私は、もう誰にも日産自動車を奨めません。

1) 環境評価の嘘

確かに走行時には、排出ガスを出さず、ゼロエミッションです。しかし、充電時には、発電所で燃料が消費されます。6月29日のインサイトvsプリウス、そしてi-MiEVとティーダを比較しましたで書いたように、東京電力のWebでは、供給電力1kWhにつき425グラムのCO2排出となっています。

日産は、「簡単で便利な充電方法にも取り組んでいる。「リーフ」は、急速充電器を使えば、30分以内で電池容量0%から80%までの充電が可能となる。」と宣伝しており、車のユーザーが電源を指定できるわけでないので、もしかしたらCO2を多く排出する石炭火力だったりしたら、ハイブリッドカーよりCO2の排出力が多くなります。

2) 三菱i-MiEVより悪いと予想される環境性能

三菱i-MiEVは軽自動車です。現状では、三菱も頑張ったが、やはり軽自動車が精一杯であったのです。それを乗り越える日産と評価したいのですが、比べてみると、i-MiEVより全ての点で劣っていると思えます。

車体重量が、i-MiEVより相当重いと思えるからです。80kW/280Nmを発揮する電気モーターを搭載と日産の発表にはあります。i-MiEVは、47kWです。日産車は、5人乗り5ドアハッチバックですから、i-MiEVより車両重量が重いのは当然ですが、走行距離をi-MiEVと同じ160kmとしているから同じリチウム電池を使い、電池重量も思い。

当然、燃費も悪いはずです。但し、電力の場合は、ガソリン税や軽油取引税がないので、その分確実にエネルギー費用は安くつきます。

エコカーではなく、税金ちょろまかしカーであります。将来は、充電ステーションで電気自動車を充電すると電気自動車電気税がかかるようになるのでしょうか?電気自動車からも、道路建設や道路整備に必要な費用をまかなう適切な税金を徴収すべきであります。

3) CO2ライフサイクルアセスメント

電気自動車を製造するにも、電池を製造するにも、原材料である鉄板や、種々の部品を製作するにもCO2が排出されます。ゼロエミッションとは、使うべき言葉ではないはずです。

むしろ、原材料を含めたCO2のライフサイクルアセスメントが求められています。例えば、原子力発電も決してゼロエミッションではありません。太陽光発電の場合も、ゼロエミッションではなく、短期間の使用では、製造時のCO2排出を発電時に取り戻すことができないかも知れない。CO2ライフサイクルアセスメントをしっかりやっていかないと、日産のようなごまかしが我々の中に蔓延してしまう。やった者勝ちの恐ろしい世界になる気がします。

4) 日産民事再生法

GMが最後の段階でも唱えていたのが、電気自動車であったので、日産も民事再生法申請が近いのかなと疑ってしまいます。電気自動車には、高い技術力は不要であるというのが一般的です。高性能電池の開発が大きなウェイトを占めます。

今の日産にそんな技術力があるのかなと、ゴーンの宣伝を聞くと「こりゃないわ」と思えます。口だけで、説得力がないと思えるので。そうなると、日産・ルノーのXXがあり得るかなと思えました。GMもChapte11を申請しましたから。

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2009年7月 9日 (木)

JR福知山線脱線事故で山崎正夫社長起訴

JR福知山線脱線事故で、神戸地検は8日、JR西日本の山崎正夫社長を起訴というニュースがありました。2008年9月19日に兵庫県警による書類送検に関してこのJR尼崎事故を書きました。今回は、この書類送検を受けた神戸地検による起訴であることから、書きます。ニュースとしては朝日をあげておきます。

朝日 7月8日 JR西社長を在宅起訴 宝塚線事故「安全対策怠る」

1) 起訴は妥協?

そんな印象を持ちました。警察が神戸地検に書類送検したのは、死亡した運転士を含め10人です。何故、現社長(実際には昨日まで)で当時常務取締役鉄道本部長であった山崎氏のみを起訴したのか、妥協と思いたくなってしまいます。

尼崎事故は、2008年9月19日のエントリーで書いたように、JR西日本の会社組織の問題が引き起こしたと思います。乗客の安全よりも乗客に対する表面的な満足度の提供を会社として重視してしまったのです。

600mカーブを304mカーブへと付け替えたのは、1997年3月に開業する大阪府、大阪市、兵庫県、尼崎市、JR西日本、関西電力等が出資する第三セクターの関西高速鉄道株式会社の大阪東西線へJR福知山線の電車を乗り入れ、更には神戸方面から来た電車と方向を同じにして尼崎駅での乗り換えを便利にするためです。この対応に、間違いはありません。その結果、安全対策の強化が必要であれば、必要な安全対策を適切に講じたかです。

私も、安全対策は不十分であったと考えます。しかし、刑法の業務上過失致死傷に該当する行為と認定できるかについて、疑問に思うのです。そして現在生きている他の8人は、何故起訴しなかったのかです。私は、会社組織の問題、すなわち組織犯罪と考えることから、もし一人とするなら当時の社長山崎正夫氏が起訴されるべきと思います。

勿論、私は、山崎正夫氏が刑事罰に該当すると言っているのではありません。誰も刑事罰に問うべきではないと考えます。但し、JR西日本が、この事故を起こした原因者であり、責任者です。従い、JR西日本は十分な賠償を遺族や怪我をされた人々にすべきです。そして、安全な鉄道をJR西日本として作り上げると同時に、事故から学んだ教訓を他のJR鉄道会社のみならず、私鉄を初め世界中の鉄道会社に伝えるべきです。会社のみならず書類送検された9人は、無報酬ボランティアとなっても、鉄道の安全のために尽くすべきであると考えます。

多分検察は、「人が死んでいるのに、誰も起訴されないのはおかしい。」との世間様の声を考えて、現社長を生け贄にすると言う妥協をしたのかと勘繰りたくなります。

2) 304mカーブと600mカーブ

上の朝日の記事が、「カーブの付け替えで時速120キロから70キロに急減速しなければならなくなり」と書いていることから、グラフを作りました。

Jrwamagasaki20096

上のグラフにおいて、緑線が600mカーブの時のカーブの外向きに発生する横Gです。青線が304mカーブの場合です。304mカーブとした結果、横Gは約2倍になりました。そして、転倒する危険性のある赤線と110km/hあたりで交わることとなりました。600mカーブの緑線であれば、交わることはなかったのです。(赤線はカント(カーブの左右のレール高さの差)を現在と同じ97mmとしており、600mカーブの時には、50mm程度のカントであった可能性もありますが、その場合でも0.05G程度の影響であり、120km/hで転倒危険範囲には入りません。)

このような技術的な分析の結果を踏まえて、神戸地検は鉄道本部長であった山崎氏を刑事罰で起訴をした推測します。しかし、上のグラフは素人の私でさえ作れたのです。多くの鉄道専門技術者がいるJR西日本にとっては、赤ん坊の手とあそぶようなものであったと思います。JR西日本には、カーブの半径に対して最高速度を規定する社内規則があったのです。だから、本部長が、このカーブは制限何キロメートルと決める必要はなかったのです。むしろ、社内規則を違反してまでダイヤ回復を運転士に強要してしまう社内体質にこそ問題があったと思います。

2008年9月19日のエントリーの(2)で書きましたが、違反をしなければ実現不可能な列車ダイヤがJR西日本には存在したのです。ミスを犯して、ダイヤ作成者が、そんな計画を作ってしまうことはあり得ます。しかし、ミスをチェックする人と組織が存在しなくてはならないし、ミスの修正がなされる組織でなければなりません。仮に、誰も気がつかなくとも、実際に列車を運転する運転士・車掌は気がついていたはずと思います。可能性としては、運転士・車掌は気づいていても、奴隷制度であり、懲罰的な日勤教育(再教育)が待っているから不正を正すように動かない。

3) 本当に必要なこと

本当に必要なことは、安全な鉄道をつくることと思います。事故から教訓を学んで将来に役立てることができなければいけない。

神戸地検がATSを設置していないことが原因と主張したとしても、それは検察としての一見解に過ぎません。JR西日本の組織的な欠陥により発生したところが大きいと書きました。組織の欠陥が関係する場合、その欠陥を浮かび上がらせるためには、幹部を初めJR西日本の方々が真摯に事故を見直すことが必要と思います。

事故が起こると誰が悪い、誰の責任だと考えがちですが、組織的な欠陥が絡む場合には、事故原因が明確にならない可能性があり、更には原因を間違えて特定してしまううことさえあり得ると思います。2008年9月19日のエントリーは、航空・鉄道事故調査委員会の調査報告書を読んで書きました。様々な角度からの分析がなされています。しかし、JR西日本の組織に、どう欠陥が存在したかについては、余り書かれていません。航空・鉄道事故調査委員会としての限界と思います。

そのような限界を乗り越えて、教訓を導き出せるのは、JR西日本であると考えます。そのためには、起訴された山崎氏を初めJR西日本の方々の協力が必要です。それは、同時に自らと組織について十分に問いたださねばならない。そして、そのことこそ、尼崎事故の本当の反省であり、人としての生きる姿と思います。しかし、刑事罰に問われるなら、鉄道の将来の安全より、自分の身が大事となります。神戸地検も、私が書いているこのような意見があることを承知して起訴をしたと思います。刑事罰よりも事故防止の方が、重要であることが社会的に認識されることが重要と思います。日本では、その様な法を作るしか解決がないのでしょうか。

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2009年7月 8日 (水)

アフガニスタン援助についてのNHKクローズアップ現代も問題ありすぎ

2日連続でNHKに対する不満を書きたくもないのですが、本日のNHKクローズアップ現代「7月8日(水)放送 混迷のアフガニスタン(2)日本の復興戦略」を見たら、書かざるを得ないと思いました。

NHKクローズアップ現代は、冒頭で「アフガニスタンのチャグチャランPRTへの文民支援チームの派遣」を取り上げ、アフガニスタンは治安悪化により軍隊との共同で援助をしないと援助効果が上がらない。日本の援助の方式である軍隊を伴わないような国際援助は、米国の強い意見に代表されるように、アフガニスタンの様な国に対しては効果が薄いと言うような主張が感じられました。

まさに驚きです。途上国援助について理解が全くなされていなのではないか?軍隊を外国に動かすことは、何を意味し、どのような結果をもたらすかをNHKの人達とは、考えられないのだろうか?日本の外交方針についても考えられない。日本国憲法を、どう考えるのかなと思いました。

まず、チャグチャランPRTへの文民支援チームの派遣については、この外務省のプレスリース2009年4月17日に書かれていますので、これを参照下さい。残念ながら、政界中どこでも治安が良いとは限らず、援助を実施するに際して軍の支援が必要な場所は存在します。従い、外国の軍隊と協力することが時には必要です。しかし、それが全てではありません。

ゲストとして招かれていたのが、JICA理事長緒方貞子氏で、緒方氏はNHKの挑発には乗らず、信念を述べておられました。本日のNHKのクローズアップ現代の制作方針で良かったこと。それは、緒方氏をゲストとして招いたことでした。

なお、私がNHKの言っていたことで、多くを変だと思いましたが、それについて少しだけ私のコメントを書いておきます。

1) NHK曰く:日本の援助はアフガニスタンで効果ある援助活動ができていない
外務省のWebには、2001年9月以降総額約17.8億ドルとあり、その中に、治安の改善:総額約3億6,000万ドルがあげられており、DDR及びDIAG:約1億4,900万ドルとあります。DDRは、Disarmament, Demobilization and Reintegrationであり、DIAGはDisbandment of Illegal Armed Groupsです。タリバン時代に地方軍属が武器を保有していたのを武装解除したのです。日本が、武装解除を中心になって実施した。誇らしいことと思います。そのようなことに、日本の方で先頭を切って行われた方がいらっしゃるのです。

2) NHK曰く:アフガニスタンの治安はタリバン時代より悪化している
緒方氏も述べていましたが、タリバン時代には多くの難民がパキスタンとイランにいました。その難民のほとんどは、アフガニスタンに帰国しました。何を物語っているのでしょうか?

3) NHK曰く:JICAはアフガニスタン事務所の人数を減少させている
緒方氏も述べていましたが、選挙の際の暴動が心配だから避難することとした。長期的に見ることが必要です。それと、実は、人数からすれば、他のJICAの事務所と比べても、現在のアフガニスタン事務所は人数が多いのです。仕事があるから、当然ですが。でも、勤務している人達は大変です。NHKの人達には、分からないでしょうが。

4) NHK曰く:米国は日本に軍隊の派遣を求めている
緒方氏は、自分自身では、オバマ政権になってからそのようなことを聞いたことがないと述べていました。ネオコン・ブッシュ政権とオバマ・クリントン外交は少し違うと私は思います。そもそも、米国の政策をそんな単純とは思いません。米国の要求以前に、日本の政策がなければなりません。

でも、考えてみると、外交政策なんて、NHKには難しすぎて、無理なのかな?

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2009年7月 6日 (月)

アマゾンのネットビジネス

前のエントリーの続きです。アマゾン(Amazon.com Inc.)のForm 10-K (Annual Report)を読んでいると、ネットビジネスは未だ更に拡大すると思いました。最近3年間の業績と売上、営業利益のグラフを掲げます。

アマゾン(Amazon.com Inc.)の最近3年間業績(単位:百万米ドル)
2006 2007 2008
売上高 10,711 14,835 19,166
売上原価 8,255 11,482 14,896
売上総利益 2,456 3,353 4,270
販売費及び一般管理費 1,956 2,504 3,177
営業利益 500 849 1,093
ストックオプション対価費用 101 185 275
その他収入(費用) ▲10 ▲9 24
税引前利益 389 655 842
その他営業外収入(費用) ▲12 5 59
法人税等 187 184 247
持分法利益(損失) 0 0 ▲9
当期純利益 190 476 645

次は、米国内と米国外の2つのセグメントに分けた売上高と営業利益のグラフです。うらやましくなる右肩上がりです。

Amazon20068

本屋の店舗以上に本の種類があり、ネットで探せて、注文して、配達してくれる。日本国内については、地方格差を一気に相当解消してくれました。感心します。

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2009年6月28日 (日)

愛のないNHKニュース

リンクは張りませんが、次のタイトルのニュースを本日の夕方7時のニュースでNHKが放送をしていました。

「移植後死亡の男児 両親と帰国」

嫌な気分です。この1歳の男児は、米国で心臓移植を受けて、その後で死亡したのです。

まず言いたいことは、米国では心臓が余っているのですか?と言うことです。(日本も含め)世界中、どこでも移植を受けるために、待機している人が多く、移植を受けられずに亡くなられる人の方が、多いのです。

外国人が、どうしてその国の人に優先して、脳死の人の臓器提供を受けられるのですか?常識では、不思議です。勘繰れば、金銭です。臓器移植法の第2条を掲げます。この第2条は、今回衆議院を通過した改正法案でも、改正になっていません。

(基本的理念)
第2条
 死亡した者が生存中に有していた自己の臓器の移植術に使用されるための提供に関する意思は、尊重されなければならない。
2  移植術に使用されるための臓器の提供は、任意にされたものでなければならない。
3  臓器の移植は、移植術に使用されるための臓器が人道的精神に基づいて提供されるものであることにかんがみ、移植術を必要とする者に対して適切に行われなければならない。
4  移植術を必要とする者に係る移植術を受ける機会は、公平に与えられるよう配慮されなければならない。

私は、NHKが取材されたケースがどうであるかは当然知りません。しかし、善意で、任意で、人道的な精神でなされ、公平であるからこそ、臓器移植を積極的に推進できるのです。「○○ちゃんを救う会」の問題点として、多くの人達が問題点を指摘しています。それを、何故NHKは、あえてこの時期に報道したのでしょう。「バカですから!」で済ませてよいのかな?と思います。

NHKが、報道したケースは、不幸にもなくなってはいますが、心臓が未だ動いている同じような年頃の子供の心臓を動いている間に取りだして、この夫婦の子供に移植したのです。NHKからインタビューを受ければ、「同じような不幸を繰り返して欲しくない。」となるでしょう。インタビューでは出てきていませんが、私は、この夫婦は心の中では、「臓器提供をして下さった子供とその両親・家族にとても感謝しています。不幸にも私たちの子供は亡くなりましたが、生きるための希望を精一杯頂いたと感謝しています。」と言い続けていて欲しいのです。それなのに、心でそう思っていても、NHKに突然インタビューされたらと思うと、非人道的NHKであります。

臓器提供を受ける人達が、エゴイストであるなら、私は臓器移植などしたくありません。報道機関は、人を憎しみに向かわせる存在でしょうか?脳死や臓器移植の背景には、大きな愛が存在します。

愛など、存在しないNHK。仕方ないですね。でも、私は朝ドラ「つばさ」を、愛を描いていると楽しみに見ています。だから、NHKも全てが愛なしではなく、愛がある部分もあると解っていますが、影響力が大きいニュースで愛をつぶす報道を見ると嫌になりました。

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2009年6月24日 (水)

新生銀行の執行役報酬1億4千万円から6350万円に下がったの?

次のブルームバーグの記事によれば、新生銀行の執行役の2008年度の報酬は平均6350万円であったとのこと。

ブルームバーグ 6月23日 新生銀:執行役の報酬5-15%削減-株主総会で社長表明

さて、2009年6月4日に開催された参議院財政金融委員会において共産党大門実紀史委員の質問に対して金融庁監督局三國谷勝範局長は、次のように答えておられました。議事録は、国会図書館のWebからも取れますが、大門実紀史委員の質問と答弁部分の議事録をここ (文字化けの場合は、エンコードを日本語にしてみて下さい。)に置いておきます。

○政府参考人(三國谷勝範君) 両行から公表されております経営健全化計画によりますと、両行の常勤役員に対する役員報酬の一名当たり平均額は、二十一年三月期の計画値を見ますと、あおぞら銀行においては四千八百万円、新生銀行においては一億四千百万円となっているところでございます

ブルームバーグの記事は、23日に開催された株主総会における会社の答弁と理解します。一方、参議院財政金融委員会における政府参考人の発言は正しいとしか考えられません。1億4千万円と6350万円は、倍半分以上の差があるが、両方とも正しいとすべきと思います。そうであれば、1億4千万円は、計画値であり、6350万円が実績値と推察されます。そうなると、新生銀行は1430億円の赤字だったから、執行役の報酬は1億4千万円から6350万円にダウンしたと推察されます。

しかし、そう単純ではない可能性もあります。即ち、この新生銀行のWebから2009年6月23日開催の第9期株主総会資料がダウンロードできますが、その中の提供書面(事業報告)24ページには、執行役の報酬等総額として2,776百万円となっており、執行役の人数は27名(内退任済み11名)となっています。単純平均でも1億円以上です。ストックオプションの対価を費用としているので、27.7億円が全て現金で払われているのではないが、いずれにせよ高額報酬と多くの人が感じる水準と思います。

新生銀行の業績や財務状態については、6月17日の銀行の比較を参照いただければと思います。

一方、大門委員の質疑の中にあおぞら銀行のある支店の契約社員で働いておられる人のことについての発言が出ていますが、大変ですね。こちらは、あおぞら銀行で、新生銀行ではないのですが、この収入の雲泥の差は、どう考えればよいのだろうと思ってしまいます。

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2009年6月20日 (土)

小沢一郎への違法献金事件結審

たった1日の法廷だったのですね。

日経 6月20日 西松献金事件、前社長に禁固1年6月求刑 7月14日に判決

1) 政治資金規正法

裁判についてこのMSN産経ニュースにあり、(1)から(10)まで相当長いが、詳細な報告があります。あるいは、このMSN産経ニュース に前社長、国沢被告側の最終弁論の要旨がありますが、弁護士が述べたこととして、次の記述が含まれています。

A) 現金輸入について届け出をしなかったのは形式犯であり、違反は軽微であります。

B) 政治資金規正法は政治資金のあり方について定めたもので、一種の行政法規であり、実質犯と異なり形式犯です。あたかも贈収賄ととられるような適切な報道であったとはいえません。罪刑を越える非難を加えることはできません。

C) 公共工事の受注業者を決める際に影響を及ぼす政治家に、少なくとも嫌われたくないから多額の献金をするんです。ゼネコン各社にとって、競争に勝つためには献金は不可欠だと考えられてきました。西松建設だけが献金をしないことは不可能です。西松建設が政治団体を使って献金をしたのも、無理からぬことです。

D) 被告人は102日間という長期に渡り、身柄を拘束されました。実質上、取り調べが終了した後も保釈が認められず、罪刑に比べてあまりにも長期にわたり、拘束されました。

弁護人として当然のことを述べているのです。しかし、これをこのまま聞き逃してよいのか、何かおかしいのではと思います。C)の状態について西松建設や国沢被告に責任の一端はあるが、刑事罰を問うことだけで解決になるとは思いません。また、社会としてこれでは、絶対によくないはずです。

田中角栄はロッキード事件で収賄で起訴されました。裁判途上で死亡し、審理途上で控訴棄却になっています。しかし、榎本敏夫の最高裁判決がここ全文pdf)にありますが、田中角栄の収賄は認められています。

小沢一郎は、田中角栄ほど力がなかったのが理由で、収賄にならなかったとは思いませんが、釈然としません。

公共工事で政治家に金を渡すのは、一般市民の感覚からすれば贈賄であり、市長や知事が相手なら贈賄で、野党議員であれば政治資金規正法違反というのも、バランスが悪いと思います。ヤリ得になり、C)の問題解決がいよいよ困難になると思います。

2) 外為法違反他

A)の外為法違反を軽微だとはケシカランことで、重罪と思います。マネーロンダリング、贈賄、不正送金等を無くしていこうとしているのは、世界的な取り組みです。大量の現金をバッグに入れて持ち運びを軽微な違反であるとすることは、重大な不正を許すことであります。不正をするために、現金をバッグで運ぶのです。不正をするからには、記録を残さない。記録を残さずにすむのは、現生であります。(そんな小説がありました。もっとも、ロッキード事件は段ボールに現金を入れて渡したのですね。)

D)の102日間の身柄拘束は長すぎたと思いますが。

3) 二階俊博氏事件

どうするのかなと思います。検察審査会の「不起訴不当」と「起訴相当」を受けて検察が起訴をしなかった場合です。選挙前に起訴をすれば、自民への打撃は大きいと思います。しかし、反自民の政権になったなら、起訴になると思います。先ずは、検察に対して、状況の説明を求めるでしょうが。

面白いですね。小沢事件と二階事件がどう違うのか、分かるかも知れないなんて。

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2009年6月18日 (木)

元厚労省の局長村木厚子容疑者事件の疑惑

6月14日に厚労省現職村木厚子局長(現在は大臣官房付)が証明書偽造に関連して逮捕され、連日報道が続いています。

日経 6月14日 厚労省局長を逮捕 郵便不正事件、証明書偽造に関与の疑い

何故、証明書偽造に手を染めたのか、今後どこまで真相が解明されるか不明ですが、思うことを書いてみます。

1) 証明書偽造なのか?

報道では、証明書の偽造と多くの場合使われています。しかし、発行人の名義や使用された印鑑が正規のものであれば、偽造ではなく、手続きの不備であり、役人としての行為の背任であり、虚偽公文書作成になります。

虚偽公文書作成が、正規の用紙と印鑑を使用して実行されていれば、見破ることは不可能です。内部調査でしか判明しにくい。この場合、村木厚子容疑者と上村勉容疑者の二人のみで犯行が可能なのか疑問を持ちます。即ち、他に協力者はいないのか。黙認をしていた人はいないのか。

組織犯罪とは思いませんが、組織の中で、知っていてあるいは疑問に思っていて犯罪の告発をしなかった人がいる可能性を思います。普通の場合であれば、問題視するほどではないかも知れないが、公務員として不正行為に対しては常に高い志を有しているべきであると考えるからです。

2) 証明書偽造リスク

報道によれば、上村勉容疑者は犯行を認めてるが、村木厚子容疑者は否認しているようです。虚偽公文書作成であるとして、ばれないと踏んだわけではないと思うのです。文書として、証拠が歴然と残る犯行なので、そんなリスクがあると解りきった犯罪を何故実行したのかと疑問があります。

村木厚子容疑者は53歳として報道されていますが、53歳で中央の局長というのは出世頭になります。年収だって、2千万円を超えているはずです。そして、例え退官しても何らかの職には間違いなく就けるし、役所を退官後も退職給付を受けられる。有罪になれば、全て吹っ飛ぶわけですから、もし犯行をしているなら理解に苦しみます。

実は、村木厚子容疑者の夫も、厚労省の役人なんですね。ここに厚労省の幹部職員名簿がありますが、大臣官房の3番目の総括審議官(国際担当)村木太郎が夫であると理解します。だから、二人合わせると5千万円近い年収があったかも知れません。二人ともここまでの幹部職員で、個人の生活は相当犠牲になっていたと思いますので、夫婦生活がどうであったか不明ですが。

3) 障害者自立支援法とは何が目的

この朝日 6月16日 厚労元部長「障害者自立支援法制定意識し議員依頼了承」には、幾つかのことが書かれています。

A) 元障害保健福祉部長(退職)が大阪地検特捜部の任意の聴取に、障害者自立支援法への流れをつくるため、民主党国会議員の依頼に応じたという趣旨の証言をしている。

B) 2004年当時、障害保健福祉部の企画課長であった村木厚子容疑者は障害者自立支援法の成立に向けての厚労省において、その責任者であった。

C) 村木厚子容疑者は、この国会議員の元私設秘書で凛の会元会長の倉沢邦夫容疑者(73)=虚偽有印公文書作成・同行使の共犯容疑で逮捕=と面会。

ということで、C)からすれば、虚偽公文書作成となっているので、本物を作ったようです。倉沢邦夫が秘書をしていた国会議員とは、誰かですが、6月2日 毎日 郵便法違反:民主・石井副代表「全く関知していない」という報道があり、”石井氏は「倉沢氏は私設秘書だったが、・・・」と述べ”とあります。

最終的に、障害者自立支援法は国会の投票において民主党は反対に回り、自民・公明の賛成で2005年10月に成立しました。身体・知的・精神障害者は1割負担を強いられることとなり、色々な批判がある法です。もし、国会議員の一声で、役所幹部職員による虚偽公文書作成が行われたとするなら、重大なことと考えます。上にも書きましたが、虚偽公文書作成は一般の人にとって見破ることが困難です。本物の水戸黄門の印籠が出現するのですから。

法のほとんどは、役所が法案を作成し、国会ではほとんど修正もなく原案賛成で成立します。しかし、役所の法案がよく錬られたよい案であれば、それでよいのであり、このことに対する議論は止めておきます。役所で法案を作成する際には、審議会や公聴会のみならず様々な関係者の意見も聴取して懸命になって作っていくのであり、多くの役人は自らの時間を犠牲にしても取り組んでおられます。

ところが、国会議員の一声で、法案を通すために、虚偽公文書作成をしたとなると、余りにも酷いことです。野党を含め議員に対して法案成立に向けて何かをするのであれば、それは法案の中身についての説明であり、議論であるべきです。障害者自立支援法は役人や議員のためにつくる法ではありません。障害者の為につくる法です。

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2009年6月 5日 (金)

足利事件から学ぶ侵しやすい過ち

次のニュースからです。

朝日 6月5日 逮捕から17年「謝って」 足利事件の菅家さん釈放

犯罪がおきてから、19年。逮捕から17年の長期間が経過しています。何故なのだろうかと思っていました。モトケンブログで、二審から弁護をされてきた佐藤博史弁護士のインタビュー記事が次のあらたにすにあることが紹介されており、そのインタビュー記事を読み、誰もが侵しやすい過ちを佐藤弁護士が語っておられると思いました。

あらたにす 5月9日 <「足利事件」とDNA鑑定>佐藤博史弁護士に聞く

全部で10ページもある長い記事ですが、興味をお持ちの方は、是非お読み下さい。警察も極悪犯は検挙すべきであるとのプレッシャーがあって捜査したのだろうし、一審の弁護人が菅家さんを犯人であると思っていたことも、その時の判断としては、当然そうなった状態であったと思います。

私は、このあらたにすの記事には、感動しました。一つは、自分の確信を貫いて戦い通された佐藤弁護士の信念です。仕事なんて、報酬ではないのだ。自分の信念を通すことこそ、人の生き方なのだと思わせることを、実際に実行されているのですから。

もう一つは、このエントリーのタイトルです。変だと思っても、よく考えないで、通り過ごしてしまうことがあります。足利事件の関係者は、自らは気がつかなくても、結果として、そのようになったのです。私も、気をつけなくては、いけない。ヤバイかなと思ったら、もう一度考えてみることが重要と思います。足利事件のDNA鑑定から学ぶべきは、捜査とか刑事裁判とか犯罪に関する鑑定なんて、そんな犯罪に関する範囲のみではない、私たちがいつも接している出来事にもあてはまると思いました。

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2009年5月27日 (水)

西松建設の裏金

小沢一郎・前民主党代表の秘書・大久保隆規が26日に、3月3日の逮捕以来、84日ぶりに保釈されたとのニュースがありました。

読売 5月26日 小沢・前民主代表の第1秘書を保釈

西松建設は少し前の5月15日に内部調査委員会の調査報告書を公表しています。大久保秘書の保釈と直接の関係はありませんが、西松建設の調査報告書を読んでの感想を書きます。

特に、調査報告書の、第3章 海外裏金問題、第4章 政治献金問題、第5章 特別支出金を読むと、すさまじいものでした。

1) 海外裏金問題

調査の対象としたのは、マレーシア、タイ、香港、米国の6案件となっていますが、可能性としては、もっと多いことも考えられると思いました。1件ごとに裏金を捻出したのではなく、種々の方法で作った裏金を別の案件に回したりしています。

6案件のみの調査で、報告書の文章をそのまま書けば、「約9 億円という巨額な裏金が捻出されたにもかかわらず、これまで発覚しなかった・・・・・」や「高原の横領した金額もしくは費消された金額は推測ではあるが、1.4 億円前後に上ると思われる。」なんて、この会社どうなっているのだろうと思う次第です。

2) 政治献金問題

この部分の報告書は、次の文章で始まっています。

平成6 年の政治資金規正法改正(平成7 年1 月1 日施行)により、企業から政治家個人への献金が禁じられたことから、当社は、平成7 年8 月下旬ころ、政治団体を設立した上、政治団体からの献金を装って政治家個人の政治団体等に献金することを画策した。」

画策ではなく、「社員による政治団体への寄附の原資に関しては、当社が一部の社員に対して特別賞与の名目で金銭を交付し、その代わりに当該社員から年に2 回、政治団体への寄附をさせていた。」です。

いくらの金額が政治献金として動いたかも述べられています。「両政治団体では、総収入591,814 千円のうち、103,758 千円を人件費など政治団体の運営等に使用した。政治活動に使用されたのは488,055 千円で、他の政治団体への献金やパーティー券購入に使用されたのは478,239 千円、政治活動の経費として9,816 千円が支出されている。」西松建設は、特別賞与加算金として約11 億円を支給し5億円近い金額が政治献金として動いたのです。

政治献金の効果は、「献金を行う趣旨に関しては、工事の発注を得たいという積極的な動機よりも、受注活動を妨害しないでほしいという消極的な理由もあったと供述する者もいた。とも書かれていますが、なにがしかの費用対効果はあったのだろうなと想像します。なお、最終受取人の政治家の名前は書かれていません。

3) 特別支出金

これ何?でありますが、「「特別支出金」とは、個別の事情により対外的に支払先、支出目的及び個々の金額等を説明することができない支出であって、税務上は使途秘匿金として処理された金銭である。」と書かれており、日本国内で捻出した裏金です。何と、「平成16 年度から平成20 年度までの過去5 年間に、本社及び各支店において計上した特別支出金は総額約26 億円であり、単純に1 年平均をとっても5 億円を超える規模で支出されていた。とあり、すごいものです。

特別支出金が、政治家個人にわたり、賄賂完全犯罪を形成することだってあり得るかも知れないのですから。報告書には、「大別すると、いわゆる近隣対策費及び民間同士でのリベート等での支出が主たるものであった。と書かれていますが、その根拠は何もないし、近隣対策費やリベートって何ですか?となります。政治家に対する支払いでなくとも、裏金であることに間違いはなく、表には出せない支払いに使われたことは確実だと思います。

4) 感想

何をどう考えて良いのやら、訳が分からなくなりました。

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2009年5月12日 (火)

民主党小沢代表辞任後の先行き

民主党の小沢代表は11日に辞任を表明(決意表明文)しました。これを機会に、先行きのことを考えてみます。

1) 自公vs民主ではどちらに有利

5月12日 日経 首相「説明責任果たすべき」 小沢氏の辞任表明、閣僚も批判日経 小沢氏の辞任表明、「説明が不十分」 閣僚から批判相次ぐのような報道があり、自公が有利に立ったのではと、一瞬思いますが、小沢氏のことであり、錬られた伏兵戦略であり、単純な見通しで判断はできない可能性があると感じています。

何故、この時期にしたかの戦略があるように思えます。次のMSN産経ニュースが13日の平成21年度補正予算案の採決を衆議院予算委員会が決定したことを伝えています。

MSN産経ニュース 5月12日 補正、13日午後に衆院通過へ 来月12日には自然成立

6月12日に成立すると書かれていますが、憲法60条に、「国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。」とあり、解散をすれば、6月12日よりずれていきます。憲法54条第2項に「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。」と書いてあります。

小沢氏の狙ったことは、解散封じであったと思います。小沢氏の決意表明は、民主党の衆議院選挙に向けての行動開始の宣言であったと思います。

2) 6月13日に衆議院解散戦略はあるか

東京都議選が7月3日告示で12日の投開票です。公明党が反対していることもあるでしょうが、憲法54条に「解散の日から40日以内の選挙」となっていますから、モロです。下手をすれば、自公大敗北だってあり得るわけで。

それ以外にも、他の法案があります。例えば、海賊新法です。4月23日に衆議院を通過なので、6月22日が自然成立の日です。私は、5月3日のエントリーで間違えて、5月23日成立と書きましたが、訂正おわびを致します。なお、憲法59条第4項は、「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。」であり、憲法60条における予算についての30日と扱いが異なっています。

2005年9月11日の郵政民営化選挙で当選したのが今の衆議院議員なので、今年の9月10日ギリギリまで衆議院解散がもつれ込む可能性がある。特に、東京都議選で自公が敗れた場合、そうなる以外にないと思います。

3) 平成21年度補正予算

この補正予算もすごいと思います。本年2月27日に衆議院を通過し、参議院で否決となったので、3月27日に成立した予算の修正で、平成21年度が開始して27日経過した4月27日に国会に提出された補正ですから。

与謝野大臣の4月27日衆議院予算委員会の冒頭における概要説明が、ここにありますが、当初成立の88.5兆円に13.9兆円追加して102.4兆円とする補正予算です。伸び率は15.7%となります。この補正予算の概略は次の表であり、詳細は、この財務省のWebからDownloadできます。

雇用対策 1兆2697億円
金融対策 2兆9659億円
低炭素革命 1兆5775億円
健康長寿・子育て 2兆0220億円
底力発揮・21世紀型インフラ整備 2兆5774億円
地域活性化等 1980億円
安全・安心確保等 1兆7089億円
地方公共団体への配慮 2兆3790億円
経済危機対策関係経費合計 14兆6987億円
国債整理基金特別会計へ繰入 768億円
経済緊急対応予備費の減額 △8500億円
合     計 13兆9255億円

どれぐらい効果があるのかな?確実に言えることは、消費税増税にまっしぐらに突っ込んで行っていることです。100兆円を超えましたから、所得税と法人税のアップではカバーしきれない。消費税増税なしで済ませたら、日本は暗黒社会になるのではと思います。

少し前ですが、この渡辺千賀さんの4月27日のブログに、「今の私が考える、日本の20年後ぐらいの将来はこんな感じだ。」として、ベストケース、ベースケース、ワーストケースなんて書いておられますが、これぐらいのことは十分考えられると思います。渡辺千賀さんが書いている3ケースのいずれでも、消費税増税をしてのシナリオなのだと思います。

4) 基礎年金の国庫負担1/2への引き上げる法案

4月27日に衆議院を通過しました。法案の名前が「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案」ですから、コピペを間違えて2回してしまったのではと思うような名前です。法案は、ここにありますが、附則の部分の改正です。ここに厚生労働省の説明があります。それ以外には、この読売新聞の説明あたりが少しは分かるかも知れません。

現在の国庫負担率36.53%を50%にするのですが、50%とすることは2004年の年金改革で決まっているのです。しかし、政治家とは無責任な人達で、2004年の改正時に次のような附則を置いています。(考え方によっては、責任感が強いから、デタラメはできずと、附則できちんと定めを作ったのでしょうか?)

(基礎年金の国庫負担割合の引上げ)
第十五条  基礎年金については、平成十七年度及び平成十八年度において、我が国の経済社会の動向を踏まえつつ、所要の税制上の措置を講じた上で、別に法律で定めるところにより、国庫負担の割合を適切な水準へ引き上げるものとする。

第十六条  特定年度については、平成十九年度を目途に、政府の経済財政運営の方針との整合性を確保しつつ、社会保障に関する制度全般の改革の動向その他の事情を勘案し、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、平成二十一年度までの間のいずれかの年度を定めるものとする。
 前項の規定は、特定月について準用する。この場合において、前項中「平成二十一年度までの間のいずれかの年度」とあるのは、「平成二十二年三月までの間のいずれかの月」と読み替えるものとする。

国庫負担率50%にするには消費税1%に相当する2.5兆円が必要と読売の記事にあります。この国庫負担増により、国民年金の納付免除により減額される年金受給者の受け取り年金の減額幅が小さくなると私は理解します。

この辺り、調べても深みには行っていき、自信がなくなりました。もし、違っている場合は、どなたでもご指摘下さい。私の理解による減額幅の変更は続きを読むに書きました。

5) 次の衆議院選挙は誰に投票すべきか

これで決定です。渡辺千賀さんのよに20年先までは申しません。でも、5年先、10年先の将来の展望をきちんと示した候補者に入れたいと思います。

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2009年5月 7日 (木)

新型インフルエンザ診察拒否についての報道批判

次の毎日の報道ですが、「新型インフルエンザに過剰反応した東京都内の病院による発熱患者などの診察拒否が相次いでいる問題で・・・」と始まっていることから、

誤解を生じかねないかと思いました。

毎日 5月7日 新型インフルエンザ:診察拒否問題 厚労省、都道府県に連絡--手順周知

最後は、「「発熱外来」のない医療機関は、新型インフルエンザの疑いのある患者から診察を求められた場合、まず各都道府県の「発熱相談センター」への電話相談を患者側に勧めることを求めている。」となっているので、間違いではないのですが。

同じ種類の報道が、この朝日5月7日 「診療拒否」しないよう通知 新型インフルで厚労省です。一方で、前半のみの報道がずいぶんあったように思います。

一方のみの情報で報道すると誤解をまねきかねない。天漢日乗さんが、これこれ、やこれと連日毎日の江畑記者の報道の批判を書いておられた。

天漢日乗さんの主張は分かります。「病院にいるのは、健康な人よりも、遙かに抵抗力の落ちた患者さんたちなのだ。もし、これらの患者さんが新型でないにせよ、インフルエンザに感染したときに、その患者さん全員に投与可能なタミフルが備蓄された一般病院というのは、存在しない。そして、いま、タミフルは、新型インフルエンザ対策で、発熱外来をもつ病院にしか卸せなくなっているのだ。」と書いておられます。この天漢日乗さんが言われているようなことが、どうして報道されないのだろうかと思います。

そんなことを報道しても、誰も読まないと新聞TV記者や新聞TV編集者が思っているのだろうか?読者や視聴者をバカにしているのかな?と感じます。

現在の厚生労働省の発表を見れば、政府方針として検査キットもタミフルやリレンザも発熱外来に優先配布しており、優先配布せざるを得ないことが、判断がつきます。元々、余っているわけではないのですから。

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2009年4月25日 (土)

朝日新聞4月25日の「おわび」を読む

草なぎサン「おわび会見」が報道されていますが、次の朝日新聞社の「おわび」を読んでいくと、色々考えさせられました。

MSN産経 4月25日 共産党員増加の記事誤り 朝日新聞がおわび

朝日新聞の「おわび」そのものは、Web上では見つけることができませんでした。しかし、朝日新聞社の「報道と人権委員会」(PRC)が示した見解についての報道、元の1月11日の報道ならびにPRCの4月24日の見解は、次のWebに掲載されていました。(元の記事の最後に「おわび」が、追加されています。)

朝日 4月25日 記事の一部に問題、朝日新聞社に対応求める PRC

元の朝日 1月11日報道記事 派遣切り、限界集落…そこに「共産党」―ルポにっぽん

4月24日 PRC見解 元森林組合長からの申し立てに対する見解

1) 記事の真実性

元の1月11日の報道記事のなかでは、多分5ページか6ページ目にあったと思われますが、既に削除されているようで、検証はできませんが、PRC見解に記載の通りであったはずです。

すなわち高橋記者が、筆を滑らせすぎた。新聞やTVの報道に接した時に、私はよく、どこまでが真実かと疑ってしまうし、当局の発表をそのまま伝えているだけだなとか、あるいは解説であれば、変な理解をしているとか、記者はよく解っていないなとか思ってしまいます。

マスコミもビジネスですから、新聞は、購読者の興味を引くような目線が入ってしまうし、大学院レベルのことを書くのではなく、疲れていても楽に読めることが重要となってしまう。民放は、広告依頼主のことを無視はできないし、NHKは予算他の関係もあり、国会の方を気にせずにはいられない。ブログと違って大変です。

その様な中だからこそ、真実を報道する報道機関が重要である。それ故に、取材相手がそんなことを言っていないと述べていることを報道することは、捏造であり、報道としての信頼を喪失し、破滅に繋がることだと考えます。

2) 期待権

NHKの女性法廷に関するETV2000の報道について2008年6月13日のNHK vs バウネット 最高裁判決で書いたことがありますが、報道に関する期待権です。マスコミの影響力を多くの人が認識しており、それ故に、取材に協力する。即ち、自分の言ったことが報道に反映されると期待している。報道機関は、期待権を守るべきであり、匿名で応じた取材であれば、一般名詞を使用しても特定されるなら、匿名を守ったことにはならない。

朝日新聞社こそ、NHKに関する批判を最もされておられると理解しますが、そのためには、守るべきことは、守ることが重要と思います。

2) 報道記事

元の報道記事は、ある側面を報道していて面白い記事であると思います。それからすると、冒頭のMSN産経の記事は誤解を与えかねないような部分があると思います。よく読むと、「記事の一部が事実と異なっていた。」ですが、さっと読んでしまうと「共産党員増加が事実と異なる。」と読んでしまいます。党員の増加は、その政党に聞かないと判らないかも知れないし、複数の政党に加盟している人もいると思います。報道の内容としては、朝日の元の記事は、私は、ある現代の側面を書いていると思いました。

朝日新聞のみならず、マスコミがこぞって大政翼賛報道をし、戦争に突き進んだ時代がありました。今の世で、戦争に向かう大政翼賛報道はないと思いますが、劇場政治を伝える日本のマスコミ報道が金太郎飴のように、ほとんど同じになってしまっていると感じます。

それからすると、記者が自ら取材をして署名入りで、多くの記事を書いてもらいたいと思います。

元の記事は既に修正されているはずですが、実際の取材がどうであり、どの様に報道されていたかは、4月24日のPRC見解を読むとよく分かります。このPRC見解も事実や実態をよく伝えていると思います。

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2009年4月22日 (水)

和歌山カレー事件最高裁判決

和歌山カレー事件の最高裁判決は、MSN産経ニュース 4月21日 【毒物カレー事件】最高裁判決全文にあり、「第1審判決を是認した原判決は、正当として是認することができ、刑訴法405条の上告理由に当たらず。」とする上告の棄却判決は、予想されたとおりでした。(裁判官全員一致の意見でもありました。)

林眞須美は、関与を全面的に否認していたのだが、認めていたとしても、夏祭りの自治会行事でのカレーに砒素を混入し、その結果4人が死亡、多数の重症者も発生し、長期間後遺症に苦しんだ者もいたという重大事件であったことから、死刑を逃れることはあり得ないと考えられる。第1審判決(2002年12月11日)の判決要旨はここにありますが、これを読むと、林眞須美が犯人だと思います。この犯罪の犯人であれば、適用される最高刑が当然である。死刑が妥当であると思わざるを得ません。

しかし、嫌な気分になります。死刑で何が解決するのだろうか。刑罰が抑止力となるとの考え方があるが、林眞須美を死刑にして、抑止力にもならないと思える。それに、林眞須美とは何であるのか?死刑以外の可能性が極めて薄い時、人はどのような生き方をするのだろうか?えん罪であれば、当然否認を続ける。逆に、本当に犯人であれば、どうするのだろうか?このあたりになると頭が混乱します。

裁判員裁判で裁判員としてこの裁判に参加していた仮定するなら、自分の人生が狂ってしまうようにも思います。ここに、「林眞須美さんを支援する会」なんてホームページがありますが、特にこんなホームページを読んだら。裁判員になっていたなら、日和見主義で、「無期懲役」と主張しそうです。

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2009年4月17日 (金)

クレーン転倒事故

東京で、4月14日にクレーンが転倒し、歩行者ら6人が負傷した事故がありました。次のMSN産経ニュースのサイトに幾つかの写真が掲載されており、それぞれクリックすると拡大した写真を見ることができ、大きな事故であったことがわかります。

MSN産経ニュース 2009.4.16 13:50 つり上げ途中に旋回か 直後にバランス崩す クレーン横転

クレーンを適切に移動させなかったために資材との距離が離れすぎていたとか、鉄板にひっかかったとかの話が出てきたりしていますが、いずれにせよ安全対策に根本的な問題があったと考えます。転倒モーメントを超えるモーメントが働けば、転倒するのは物理の法則であり、物理の法則には逆らえないのです。

そこで、Webを探したのですが、「モーメントリミッタ」なる物が、大和製衡(株)の次のサイトで見つけました。

モーメントリミッタ

モーメントリミッタは、土木建設作業や港湾等の荷役作業で使用されるクレーンに過荷重がかかったり、転倒しないように、吊り荷の荷重やクレーンに働くモーメントを演算して、モーメントが許容値を超えると警報を発信する装置です。荷役作業の安全を確保します。

と書いてあり、「主に使用いただいている業界: 建設/土木/港湾/サービス業など」となっています。

大和製衡(株)以外にも、同様の製品を作っておられるメーカーもいると思うのです。そこで、問題の4月14日に転倒したクレーンですが、東京新聞 4月15日 クレーン事故 警視庁 補助ワイヤ数確認へ 操縦者『バランス崩した』によれば、クレーンの製造メーカーは日立住友重機械建機クレーン(株)です。そこで、同社のWebからカタログを見ました。安全装置として、何と「モーメントリミッタモード切替装置(右ハウス内)」とか書いてあります。

転倒したクレーンの機種までは判っておらず、また、モーメントリミッタはオプション装備かも知れません。

いずれにせよ、「モーメントリミッタ」の信頼性に問題があるとかでなければ、装着と使用を義務づけるべきと思いました。

果たして、14日の転倒クレーンは、「モーメントリミッタ」を装着していたのでしょうか?

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2009年3月27日 (金)

ミサイル防衛システムで迎撃する破壊措置命令とは何?

本日のNHKニュースが、よく解らなくて困っています。

NHKニュース 3月27日 破壊措置命令 発令を決定

NHKニュースはWebに掲載されている時間が短いので、文章は「続きを読むに」入れておきましたが、「北朝鮮が人工衛星の打ち上げを名目に長距離弾道ミサイルの発射に踏み切る構えをみせていることを受けて、日本国内に落下してきた場合に備え、ミサイル防衛システムで迎撃する破壊措置命令を自衛隊に発令することを決定しました。」との報道です。

何が政府により決定されたのか、政府のWebも見ましたが、今のところ私は発見できていませんが、読売新聞には次の記事がありました。

読売 3月7日 防衛相が初の破壊措置命令、北ミサイル迎撃で

タイトルは、NHKとほぼ同じなのですが、本文の中に、「命令期間は4月10日までで、自衛隊法82条の2の3項に基づき、閣議決定を経ずに発令された。」と書かれています。そこで、自衛隊法82条の2の3項は次の通りです。

防衛大臣は、第一項の場合のほか、事態が急変し同項の内閣総理大臣の承認を得るいとまがなく我が国に向けて弾道ミサイル等が飛来する緊急の場合における我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため、防衛大臣が作成し、内閣総理大臣の承認を受けた緊急対処要領に従い、あらかじめ、自衛隊の部隊に対し、同項の命令をすることができる。この場合において、防衛大臣は、その命令に係る措置をとるべき期間を定めるものとする。

内閣総理大臣の承認を受けた緊急対処要領とは、何かとの部分はありますが、少なくとも北朝鮮からロケットが発射されれば、直ちに迎撃・破壊するとまでは、読めないのです。更には、自衛隊法82条の2の1項に、「弾道ミサイル等」の定義として「弾道ミサイルその他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であつて航空機以外のものをいう。以下同じ。)」と定められており、北朝鮮からロケットが発射されても、人工衛星打ち上げのロケットであれば、、「弾道ミサイル等」に該当しないから、迎撃・破壊はできないものと考えます。仮に、日本法でそのように定めてあっても、国際的に通用するか、認められるか問題がありすぎると思います。

少なくとも、北朝鮮ロケット問題は、共産党が主張している、「外交的努力を尽くすことが重要」というのが、正論であると思います。それと、世界がどう見ているか、比較的第三者的にいると思えるBBCのニュースのリンクも掲げておきます。

しんぶん赤旗 3月27日 北朝鮮「ロケット」発射問題 自制求める外交努力こそ重要

BBC 24 March 2009 N Korea warns over rocket launch

ところで、政府は外交努力をしていないのか?私は、しているはずと思っています。自衛隊法82条の2の3項に基づく発令は、これを出しておかないと、自衛隊も動くに動けないから出したまでと思っています。いずれにせよ、どのようになるか見てみたいと思います

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2009年3月 7日 (土)

西松建設違法政治献金に思う

仕事が忙しく、ブログを書く時間が取れず、更新を怠っています。しかし、西松建設違法政治献金問題が連日報道され、こうなると書かずにはおれないと本日は久しぶりに書いています。

1) 国策捜査

「国策捜査」という言葉をしばしば耳にするのですが、奇異に聞こえてしまいます。本来の意味からすれば、国家政策を推進する捜査ということであり、国家政策が国民の合意に基づいて民主的に成立しているなら何の問題もないはず。しかし、使われているのは、国家政策が「政権与党の選挙政策」の意味で使用されているとしか思えない。日本語も極度の混乱状態にあるのではと感じます。

それにしても、「西松建設事件は自民党の議員には波及しない-。そんな捜査の見通しを政府高官が口にした。」なんて報道もあり、政権与党の選挙政策による捜査との疑いをもたらすようなことも耳にします。ところで誰かと思って探すとこの共同47ニュースに「政府高官は元警察庁長官の漆間巌官房副長官」とありました。

小沢一郎の公設第1秘書大久保隆規、西松建設前社長国沢幹雄他を逮捕したのは、東京地検特捜部ですが、特捜部のみならず検察は、政治権力からは独立しているとの信念で任務を遂行していると思います。そうでないと、任務遂行に支障を来たすはず。意図的に検察権力が実行されたら、恐ろしい社会が到来します。

日本は、恐ろしい検察国家ではない国民のための社会が納得しうる程度には実現している平和な国であると信じます。

確かに、警察の横暴、検察の不当な介入が見受けられた志布志事件もありました。しかし、志布志事件も少しは真相が明るみに出たのであり、万一今回の西松建設違法政治献金事件が選挙との関係があるのであれば、やがては、それが判明する可能性がある。そうなった場合、現与党と検察は崩壊のリスクに見舞われる。そんなバカなリスクは取らないと思います。

2) 企業献金

企業は選挙権を保有せず、政治意志も保有しない。寄付活動や社会貢献活動は可能であるが、政治と結びつくことは、企業活動の目的のために政治献金が行われることとなり、禁止すべきである。政治資金規正法も企業による政治献金を禁止しているのであり、西松建設が、網の目(Loophole)をくぐり抜け、政治献金をしたことは、政治資金規正法の整備・改訂を実施すべきと考える。

政治家は、献金に左右される政治を実行していないと言うかもしれない。しかし、一方で献金に左右される政治を行って批判されるべきか?例えば、オバマ大統領は巨額の政治献金を大統領選で集めた。その献金は、オバマ支持の人々が拠出したのであり、オバマ大統領は、その人達の声を繁栄できるように尽力すると思う。個人の政治献金は、禁止すべきものではなく、民主主義の根本に、人々が支援する政治家が人々のための政治を執り行うことがあるはず。

3) ゼネコン

今の不況で最も深刻なのは、ゼネコンかも知れないと思う。西松建設のトップがタイの仕事等で裏金を捻出し、それを様々なルートを使って日本に現金で持ち込んだようである。何故そうしたかと言えば、受注が減少する中、公共工事を狙って有力者への札束攻撃を仕掛けたのだと思う。その中心人物は経営幹部と受注活動の部門幹部と想像する。良心の痛みがあったとしても、社内関係者にも内密にすることにより、犯罪者を限定することで、心の痛みを和らげたのではと想像します。

悲惨な面があると思う。もし、内部統制なんて言葉で、考えたら「トンデモないこと」をしています。内部統制もコンプラも何もありはしない。それがゼネコンだと感じておられる方も多いのではと思うのです。内部統制やコンプラなんてゼネコンで言っていたら、倒産して、元も子もなくなってしまうとの思いを持っておられる方もいると思います。

西松建設やゼネコンだけを叩いて解決するとは、思いません。本質部分を考える必要があると思います。

4) 今後の成り行き、政局

どうなるのでしょうか?読売 3月7日 自民にも危機感、国会で防戦共同47 3月7日 自民有力議員側に6千万円 裏献金、西松関係者が供述という報道もあります。

小沢一郎は、民主党代表を辞任することになると私は予想します。但し、民主の他の議員や自民議員に飛び火することを予想します。次の選挙は、そんな中での選挙になるのではと思うのです。そうなれば、正しい候補者についての的確な判断が重要になると思います。今から、よく監視する必要を感じます。

ところで、頭に浮かぶのは、ロッキード事件です。田中角栄が首相の犯罪として有罪となったものの、田中角栄より暗黒部分が大きい可能性がある児玉誉士夫と小佐野賢治については、未だに大部分が闇の中である。検察は、児玉誉士夫と小佐野賢治を追い込めなかったとも言えるのかも知れないし、そこまで言うことは酷であるとも思われる。

検察は、犯罪を告発するのが任務であり、証拠なしで公訴することは許されず、行き過ぎてはならない。従い、検察が真実の解明をすると期待することは、無理がある。しかし、その一端を担うことは可能であり、社会正義に向けた行動を期待したい。そして、主役はマスコミでも政治家でもない市民・国民であることを忘れてはならないと思う。

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2009年1月25日 (日)

ライブドアの株主への賠償責任

株式会社LDH(旧ライブドア)がフジ・メディア・ホールディングス(旧フジテレビ)に310億円払うことで和解が成立したとのニュースがありました。

日経 1月23日 旧ライブドア、フジに310億円支払い 株急落巡り損害賠償和解

フジの要求額が345億円であったことから、90%の額をLDHは認めたこととなります。

元ライブドア株主で株価下落により損失を被った株主はフジTVのならず、大勢存在するのであり、同様にLDHに損害賠償を求めています。しかし、これに関しては日経には、「LDH個人や法人の株主からも賠償請求訴訟を起こされているが、同訴訟は今後も争う方針。」と書かれています。ちなみに、法人や個人関係の損害賠償訴訟に関するニュースとしては、以下があります。

朝日 2008年6月13日 株主に95億円賠償 ライブドアに支払い命令
産経 2009年1月22日 ライブドア個人株主訴訟が結審 判決は5月21日

思うのは、フジTVは他社や一般株主よりライブドアの内容を知っていたはず。即ち、ライブドアがラジオ局のニッポン放送の発行済み株式35%取得を発表したたのが、2005年2月8日でした。(読売 2005年2月8日 ニッポン放送株 ライブドアが35%取得)その結果、2005年4月19日にフジTVとライブドアは提携合意を発表した。フジTVが440億円をライブドア資本金として払込み、さらにはライブドアが取得したニッポン放送株を約1000億円でフジTVが購入する。1474億円というバカみたいな巨額をフジTVはライブドアに払ったのです。(読売 2005年4月19日 フジ1474億円負担 ライブドアと和解

1474億円払う時に、相手のことを普通であれば調査します。ライブドアから金額を闇雲につり上げられたが、日枝氏他が自己保全のために、手切れ金として、それに応じていったとも考えられなくはないですが。推測に過ぎませんが、いずれにせよ、このあたりは、常識外れの気がします。提携するなら提携する価値があるか、相手の会社の能力等様々な調査をするのが普通です。

ライブドアやホリエモンのことを考えると、強欲やくざ(資本主ではありません)と思えるのです。今回LDHが310億円も支払えるのは、LDHが資金を保有しているからであり、昔、ホリエモン達が自社株をあたかも価値があるかのように偽装して手に入れた金がLDHに未だ残っているからです。フジTVに賠償金を払うことに異存はありません。フジTVのみならず、ライブドア株式で損失を被った多くの人達にも、賠償金を払ってあげて欲しいと思います。フジTVには、要求額の90%を認めたのですから。

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2009年1月20日 (火)

バラク・オバマ大統領就任

本日就任式です。最近の米国大統領の中では、期待感が最も大きな大統領である気がします。世界的な不況脱出と平和への前進に関しての期待が大きいのだと思います。

1) 不況脱出なるか?

簡単ではないと思います。車のビックスリーにしても、需要減とコスト高を同時に抱え、解決を誤るとサブプライム以上の影響が出ると思います。コスト高には12月18日の自動車産業の今後で書いた様に、UAW(全米自動車労組)との協定があり、ビックスリーの人件費の時間平均73ドルは、日系メーカーの人件費の約1.5倍です。同じ国内での話であり、中国と日本の比較ではないので、大変です。

米国不況について金融方面に関連する話題が多いように思えるのですが、製造業に関する問題もあり、下手をすると1929年のブラックマンデイから始まった世界大恐慌と同じような大不況になる恐れがあると思います。

2) 平和

ガザ停戦はオバマ氏大統領就任とやはり関係があるのでしょうか?米国は、イラクから大部隊を引き上げるでしょう。オバマ大統領に期待をしてるのは、米国国民のみならずイランや北朝鮮も、そうではないかと思うのです。

ブッシュ政権は、9月11日事件はイスラム過激派だ、アルカイダだと激しく非難した。イラクについては、大量破壊兵器の使用を計画しているかのように発言した。9月11日事件のあった2001年より今は安全になっているのだろうか?飛行機に乗る時のチェックが厳しくなったから、安全になっていると思えるが、イスラム過激派がいなくなったわけではなく、インドのムンバイで事件も起きた。9月11日事件以前にも、爆破テロの様な事件は、世界各地であった。軍隊を外国に送ったりするのではない警察力を前面に出したテロとの戦いが本来の姿に思えます。

冷静に考えると米国の過剰攻撃であるように思える。そう考えれば、オバマ政権がそんな特別な平和攻勢に出るのではなく、ごく通常の交渉をベースとした世界の国々の関係を進めていくだけと思います。

3) オバマ大統領期待

”We can change”なのだと思います。変革が可能なのだと米国人を勇気づけたことが、オバマ氏の最大の勝因だと思います。これもブッシュ氏との対比になるが、「正しいアメリカ、強いアメリカ」で引っ張った。それが成功した部分もあるが、ゴムが伸びきり、風船が膨らみすぎた所で、はじけてしまった。サブプライムを含め金融問題も、車のビックスリー問題も根は同じだと思います。

正攻法で、問題を正面からつぶしていくことの重要性だと思います。オバマ大統領の期待を高くした功労者は、やはりジョージ・W・ブッシュその人ではなかったかと思います。

4) 大統領・首相

オバマ氏は、米国民に大きな希望を与え、米国以外の人々にも同じような期待を与えていると思います。”We can change”世界は変わるのだと。

日本の首相も、自ら先頭に立って、日本のため、世界のために頑張るのだという期待を抱かせるような姿を見せて欲しいと思うのは欲張り過ぎなのでしょうか?「可愛そうなくらい苦労しているんですよ。」なんて言った首相がいましたから。これじゃ、首相になる夢を持てないよ。政治に夢がないと思います。あるいは「イラクには大量破壊兵器が存在する。」と言って、国民に大嘘をついた首相もいました。

大統領や首相は、国民のならず全世界の人々に夢と希望を与える人であって欲しいと思います。そのために、一番必要なことは、誠実であることと思います。そして、これからのオバマ大統領を見ていきたいと思います。

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2009年1月18日 (日)

USエアウェイズ乗務員に喝采

US Airways 1549便の事故において全員無事であったことは、とても嬉しいことです。機長の判断と手腕のすばらしさは絶賛すべきですが、同時に副機長や客室乗務員にも賛辞を送りたいと思います。

そこで、US Airwaysの乗務員の名前が、このUS AirwaysのRepleaseにありますが、次の通り、一番若いのが49歳の副機長Jeffery Skilesさんで、他はいずれも50歳代です。平均すると54.6歳になります。

平均年齢55歳弱で立派に乗客150人を乗せた飛行機を安全に飛ばし、全エンジンの離陸1分後の停止といった緊急状態で、安全な着陸を行い、しかも全員を大過なく避難させたというのは立派だと思います。日本は高齢化社会かも知れない。しかし、米国人と日本人に差はないと思います。

50歳代は、働き盛りであることを証明した5人の方々だと思いました。あらためて拍手をします。

Captain Chesley B. Sullenberger, III
Age 58, joined US Airways (PSA Airlines) in 1980. He has a total of 19,663 flights hours

First officer Jeffrey B. Skiles
Age 49, joined US Airways (USAir) in 1986. He has a total of 15,643 flight hours.

Flight attendant, Shelia Dail
Age 57, joined US Airways (Piedmont Airlines) in 1980 and has more than 28 years experience with the airline.

Flight attendant, Doreen Welsh
Age 58, joined US Airways (Allegheny Airlines) in 1970 and has more than 38 years experience with the airline.

Flight attendant, Donna Dent
Age 51, joined US Airways (Piedmont Airlines) in 1982 and has more than 26 years experience with the airline.

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2009年1月17日 (土)

USエアウェイズのエアバスA320型機ハドソン川無事不時着

読売とNY Timesの記事を掲げます。

読売 1月16日 ハドソン川に旅客機不時着…邦人2人含む155人全員救出

NY Times January 15 Pilot Is Hailed After Jetliner’s Icy Plunge

思うことを書いてみます。

1) 冷静

飛行機のパイロットや乗務員、あるいは救助に参加した警察官やその他の人々、そして乗客やマスコミも冷静だと感じました。日本のマスコミ報道も冷静だなと感じました。死者や重傷者がいなかったことがありますが、事故があった際、冷静に対処することが重要と思います。

10月24日に都立墨東病院における妊婦死亡を書きました。妊婦が五の橋産婦人科からの搬送が必要となったのは、10月4日でした。報道は、それから18日後の10月22日でした。墨東病院は、最初の要請を受けた段階では、他の妊婦への対応が必要であったため、他の医療機関を探すことをお願いせざるを得なかった。10月24日の都立墨東病院における妊婦死亡でリンクを掲げた読売の記事も「都は詳しい経緯を調べている。」と書いています。すこし調査をすれば、墨東病院の状態は把握できたと思うのに。読売が甘いのか、都の対応した人が悪いのか。

でも、最低なのは、都知事の対応だった。地方自治体の責任を放棄して、国の責任と言ったのだから。漢字読めない人より、理論・論理は無茶苦茶です。

感情論より冷静な対応が重要と思います。米国は、日本のような国ではなく、論理で説得をしないと進めることができない。だから、常に冷静さが重要。日本も、もっと冷静な対応をしないと、先は暗いと思いました。

2) 不時着機はどんな飛び方をしたか

飛行ルートは上のNY Timesや他の新聞等にも出ていますが、BBCニュースを紹介します。

BBC News 16 January 2009 Pilot hailed for 'Hudson miracle'

このBBCニュースの真ん中から少し下あたりに衛星写真と飛行経路が出ています。離陸が15時26分、15時27分に鳥が両エンジンに衝突したことを報じ、15時28分にテタボロ空港に着陸をアナウンスし、15時31分にハドソン川に不時着したのですから、飛行時間約5分でした。衛星写真には、テタボロ空港の位置も③として示されているので、分かりやすいと思いました。

テタボロ空港もそれほど遠くではないが、エンジンが2基とも使えないので、着陸する際のコントロールが難しい。ハドソン川は、ジョージ・ワシントン橋より下流には橋が存在せず、川幅もある。川を往来する船舶を巻き込む恐れはあるものの、陸上で失敗するよりリスクは低いと判断したのだと思います。BBC衛星写真で赤線のUS Airways1549便航跡がハドソン川の上にかかろうとする位置にあるのが、ジョージ・ワシントン橋です。

機長の仕事って、すごいなあ!と思います。

報道には何も書かれていませんが、満席だったはずです。この飛行機の乗客座席数はこのページにあるように150で、機長、副機長に客室乗務員3名を加えて合計155名であったのです。

3) 原因と対策

多分鳥のエンジンへの衝突であったのだと思います。事故が対策を発展させるのであり、事故とは貴重なものと思います。「事故は、だれかが悪いから発生する。」というような感覚から抜け出るべきと思います。

昔、小学校で「悪いことは、だれかが悪いからだ。」といったようなことを学んだ気がします。もし、今でもそんなことを教えているのだったら、即刻中止すべきと思います。様々な事故があり、原因もまちまち。どのような事故に対しても、勇敢に立ち向かい、被害を最小限に止め、将来に役立たせようと努力する人達が多くいることを肝に銘ずるべきだと思いました。

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2009年1月14日 (水)

失業対策・雇用危機対策

日経は、次の社説を掲げていました。

日経社説 1月13日 雇用危機に手腕問われるオバマ新政権

日本の場合は、XX政権となるのでしょうか?私は、日本のことを書きます。

1) 日本の就業者数、失業者数

昨年12月26日に発表された総務省の労働力調査(速報)平成20年11月分(基本集計)が、最新統計であることから、この数字を眺めます。こちらからダウンロードできます。

(なお、労働力調査における就業者には、自営業者も含んでいます。)

1997年以降の15歳以上の人口を労働人口とし、その総数と就業者数及び就業者割合の推移のグラフを書きました。

20091

この10年間でそれほど大きな変化はないのですが、2002年/2003年頃までは就業率においては、すこし低くなっていった様です。高齢化が進むと低くなっていくと予想されます。

同じ期間について完全失業率を示したのが次のグラフです。

20091_2

失業率は、長期的には2002年をピークに、下がっています。そこで、2008年のグラフが次です。

20091_3

2008年11月までについては、それほど深刻とも思えない。(失業中の人からはしかられそうですが)失業率ゼロが本当によいのかについても、よく考えれば、失業者に対する手当や教育・訓練の場が与えられているのであれば、この世に好不況があり、産業や社会の発展により調整が生じると考えれば、悪と絶対視するより、うまく対処することが重要と考えます。

総務省の労働力調査に主要国の比較も記載されています。最近5年間の推移と1年間の推移のグラフを掲げます。

20091_4

20091_5

米国の2008年11月における失業率は6.7%であり、2007年11月の4.7%と比べると2.0%増加しました。車のビッグスリー関連の失業も増加するでしょうから、日経社説の通りオバマさん大変ですが、頑張ってくださいの言葉となってしまいます。それからすると、日本は健全です。しかし~であります。

2) 失業と収入源

失業と収入減、どちらも嫌です。答えは簡単ですが、現実に日本で生じているのは、12月26日に書いた税制改革中期プログラムを考えるに掲げた次のグラフのように、所得の低い階層の増加がおこっていることであり、これは問題だと思います。

H19_6

総労働人口は増加しておらず、低所得給与所得者は増加している現象です。グラフのデータは、国税庁の民間給与実態調査からなので、公務員・地方公務員および自営業者は対象に入っていませんが、所得者数のグラフは次の通りです。

Photo

グラフが右の方で水平になっていますが、完全に水平になったら、それ以上の所得の人はゼロという意味です。男で年収5百万、女で年収2百万が人数を半分づつ分ける辺りです。「仕事があるだけありがたいと思え。」といった感じで、安く働かされるのは、嫌なのですが、グラフを見るとそんなことが生じているのかなとの気がします。

現実には、親会社が下請けにXX以下だと発注できないとして単価を下げさせられ、そのしわ寄せは下請けの社長を含めた人件費に行っているという形は、あり得ると思います。だから、政治が率先して解決・改善に向けた取り組みをしていかねばと思います。その意味で、失業率のみを捕らえるのではなく、失業者に対する生活保障、教育・訓練そして生活できる賃金の確保が重要と思います。

3) 長時間労働

薬の宣伝を思い出します。「24時間働けます!」なんて、本当は意味がありません。休息すること睡眠をとり、人間らしく働き、楽しむことが生きることのはず。しかし、そうはならずに不況だから益々長時間労働になっていやしないのだろうかと思います。元検弁護士のつぶやきからですが、この1月11日の朝日の記事 風邪や疲れに「点滴バー」 都心に増加、効果に疑問もが報じている「点滴バー」は変だと思います。

元検弁護士のつぶやきに多くのコメントがありますが、「点滴バー」は「プラセーボ(偽薬)効果」のはずです。プラセーボとは、このブログに書かれていますが、薬の治験に際して使用する偽薬です。

点滴して、頑張ってその先に何があるのか?そこまで頑張る必要があるほど人手不足なら、今生じている臨時雇用、派遣切りは何なのか?絶対におかしいと思うのですが。

大分キャノンの労働組合法違反を書きましたが、今の政治の無力さが嫌になる感じです。国会で、あんなことが言われていて、その後何もないの?という疑問です。

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2009年1月11日 (日)

経団連はキャノンを除名できるか?

「経団連はキャノンを除名できるか?」なんて、思ってしまいました。理由は、1月9日の衆議院予算委員会における民主党枝野委員の大分キャノンに関する発言です。

大分キャノンは、1000人以上の請負労働者・派遣労働者を切りながら、ハローワークで期間従業員として組合に入らないことを条件に求人しています。なんと酷い会社ですか。

この 衆議院TVから平成21年1月9日 (金) の会議名 : 予算委員会 の枝野幸男(民主党・無所属クラブ)を選んで、その始まりから48分少しを経過したあたりからです。民社党のこの件に関するニュースはここにあります。

労働組合法に違反することは明らかであり、労働基準法その他の上でも問題があると思います。ちなみに、労働組合法第7条は次の通りです。

第七条  使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一  労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。
二  使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。
三  労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
四  労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し第二十七条の十二第一項の規定による命令に対する再審査の申立てをしたこと又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは労働関係調整法 (昭和二十一年法律第二十五号)による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。

経団連の定款がここにあります。第3条の目的には「国民経済の自立と健全なる発展を促進することを目的とする。」と書いてあり、第4条の事業には「労使関係の健全な発展」や「労使関係の安定に資する経済界としての協力・支援」という言葉が書いてあります。法を守らない、ルールを無視するというのは、「コンプラが全くできない。」や「CSRなんてありえない。」というレベルと思います。

経団連で正当な活動をされておられる企業にとっては、キャノンは迷惑千万な企業となるはず。さあ、キャノンを除名処分にするだろうかと思いました。

ところで、上記は枝野発言が正しいとしての記述です。1月3日に自殺した永田寿康元衆院議員が追求した偽メールとは訳が違うと私は信じています。

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2009年1月 8日 (木)

100年に1度の不況なのか?

100年に1度の不況というような言葉が使われることがあります。本当なのだろうか?と疑問を持ちます。東洋経済 1月6日 100年に1度? 未曾有の危機は恐慌につながるか?! しかしデータが語るものはも、そのような疑問を書いていました。私も、そうなんです。

1) 近年の不況

手っ取り早い比較として昭和31年以降の毎年度の前年度実質GDP伸び率を経済成長率として、次のグラフを書いてみました。データは、内閣府の国民経済計算からです。

31_2

経済成長率で捉えると、昭和31年度以降でマイナス成長が記録されたのは、2001年度、1998年度、1974年度の過去3回であり、2008年度もマイナスの記録となるのは、ほぼ確実です。1998年度と2001年度にかけては、一つの日本の景気の谷であり、不況が続いた時期でした。おもしろいのは、1998年は小渕氏が小泉氏を破って自民党総裁となり、小渕内閣が発足した年であり、2001年は逆に小泉氏が自民党総裁となり長期の小泉政権が発足した年です。この1998-2001年度不況はバブル崩壊の余波が約10年続き、失われた10年と呼ばれる日本経済回復のための時期であったと言えます。

バブル経済の絶頂期は1998-1990年度であり成長率は、6.0%、4.4%、5.5%を記録しました。

その前の1974年度は、1971年のニクソンショックによる外国為替の変動相場制への移行、1973年の第一次オイルショックや狂乱物価の影響を受けての不況でした。但し、日本経済のファンダメンタルは強い成長力に支えられていたことから、それほどの影響はありませんでした。

昭和31年度以降の経済成長率推移から判断すれば、1990年以降は安定成長経済に入ったと考えます。従い、安定成長期に高度成長を目指すと失敗する。着実な安定成長を目指すことにより、真の発展を遂げることができると思います。その意味では、行き過ぎた自由主義は経済格差を大きくし、歪みを増す。むしろ、安定成長を目指すことを考えれば、今の不況は大したことではなく、単なる調整期に過ぎないと思います。

2) 終戦不況

昭和20年以降の終戦後の混乱期は、深刻な不況であった。生産能力自身を失っていたことから、今とは比較ができない程の大不況と考えます。衣食住に、事欠いたのであり、戦争が終わったことの喜びがあった。平和のありがたさがあった。だから、そんな経済的に恵まれていなかった時代であるにも拘わらず、民主主義と平和日本の再建に向けて人々は生きていったと思います。

米国はいざ知らず、日本とヨーロッパやあるいは中国を初めアジア諸国にとっても、第2次大戦直後は、今と比較的ないほど物資がなかった。食料がないと言うのは、経済的には最も大変なことです。終戦は今から60年少し前のことですから、100年に1度の不況との表現は間違っていると思います。

3) 昭和大恐慌

昭和大恐慌の時代とは、狭義では1929年ニューヨーク株価大暴落以後を世界不況と捉え、世界不況の日本への影響である。しかし、1919年に終了した第一次世界大戦後の復興需要がヨーロッパ諸国の復興と共に落ち着きを見せ、日本の産業が不況に入いっていたこと、1923年の関東大震災、その後の震災恐慌、金融恐慌があり、1923年頃から長期に暗闇に入っていた状態と考えるべきと思う。小林多喜二の蟹工船が発表されたのが、1929年であった。満州国建国宣言がなされたのが1932年であるが、満州国に関しては日本の不況対策の意図も含まれていたと思います。

昭和大恐慌の時代とは1923年頃から戦前一杯続いていた大不況であり、言わば大不況の結果が日華事変であり、米国戦であったと思う。植民地経営で不況脱出を計ろうとしていた。最後には策が尽き、貿易で輸出入とも最大の相手先であり経済のパートナーである米国と戦争をすることで打破しようとしてしまった。

経済面のみでの判断で動くものではなく、政治体制や制度が絡んでいるが、富国強兵の方針を転換することができない硬直的な対応により、入り込んだ不況から脱出する手段を講じることができず、泥沼状態にあったと考えます。

すくなくとも、今は自由に判断が下せ、政策実行ができるのであり、昭和大恐慌と比べれば実に抜け出しやすい状態である。逆に政策的に失敗すると昭和大恐慌になってしまうという教訓を学ばねばならない。

4) 大政奉還・江戸城開城

徳川の世が終わったことは、武士の消滅である。地方の藩が直ちに消滅したわけではないが、江戸幕府は江戸城開城と共に消滅したのであり、江戸における徳川幕府と藩の江戸屋敷の経済需要は消滅した。職人の多くは受注を極端に失ったはずである。農業が経済の大部分であったはずであるが、第2次産業、第3次産業では大きな需要減が生じ大不況になったと考えられる。

大日本帝国憲法の発布が明治22年、第1回帝国議会開会が翌年の明治23年である。明治2年に版籍奉還がなされ明治政府が存在し、勅令でなんじゃかんじゃ可能であったかも知れないが、近代的な法制度は憲法なしで存在できない。景気対策も様々な法がインフラとして存在するから可能である。

大政奉還・江戸城開城は1867年、1868年であり140年以上経過し、100年に1度の比較対象にならないが、未だ日本は産業革命以前の状態であったのであり、経済へのインパクトは今の不況とは比べものにならないほど大きく、しかもコントロールする手段も当時はほとんどなかった。

少なくとも今の状態は、大政奉還・江戸城開城と比べれば、月とスッポンであり、大したことはない。100年に1度などと大騒ぎをするよりは、じっくりと正攻法で望めばよいと私は考える。

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2009年1月 3日 (土)

激動の時代を乗り切る経営

高度成長期の経営は、成長の波に乗る努力をする必要があった時代。波に乗れなければ、取り残され、事業の成長が望めない。「モウレツ社員」なんて言葉があった時代もありました。

昨年は、サブプライム・ショックの年でした。しかし、米国における住宅ローンの破綻は2007年から始まっていました。例えば、私も2007年8月26日に米住宅ローン会社をめぐる動きを書いています。あるいは、2008年5月24日の日米の経済比較3) 民間住宅投資の中で日米の住宅投資に関するグラフを出しましたが、2006年に入った頃から米国の住宅投資は減少傾向になっていました。サブプライム問題・CDO問題の発生の根は2006年から忍び寄っていたのです。但し、2006年においては、ほとんど誰も気にしなかった。2007年にベアー・スターンズの損失発生がニュースとなり、一方で当時は日本の金融機関はほとんど影響がない、まして金融機関以外は圏外といった感じでした。

しかし、2008年後半には需要減退を引き起こし、実体経済に対しても誰もが予期しないほど大きなインパクトを与えました。やはり、これからは激動の時代と思います。日本国内においても、道路や箱物という公共事業投資のウェイトが今より大きかったので、全ての分野で需要が同時に減少するといった事態はなかったと思います。

従来の経営ではない、変動の時代に対応した経営が必要であると思います。変動の時代に対応した経営とは、何かですが、身の動きを軽くすることと思います。例えば、2008年9月12日のJR尼崎事故の中で、事故電車の運転士が「当該カーブを何Km/h以上で通過すると転倒する危険を生じるか?安全速度は何Km/hか?その安全速度で通過するためには、どの時点でブレーキをかけ始める必要があるか」といったことを知りませんでした。JR西日本にそんなルールがなかったからです。JR西日本に「事故を起こしてはならない。電車を遅らせてはならない。」はあったものの、そのために守るべきルールがなかった。鉄道会社として、常識外と思います。何となく事故が起きていないから、問題はないはずとの思いこみでの経営が行われていたと思います。

そのような思いこみで動いていることが多いのではないか。経営者は、その点を十分に点検すべきと思うのです。そのための人材を持ち、組織を構築する。形だけの内部統制では意味がない。実質です。予期せぬことに遭遇し、大赤字なんて、あり得ます。TVについてFACTA Online 2009年1月号 「地上波民放」をトヨタが恫喝 「けなしたらスポンサーを降りるぞ!」。低劣な番組に若者と広告主がそっぽを向く。が、民法TV放送会社の苦難を書いていました。TV CMを誰が見るか?地デジでデジタル録画をしても、画質・音質が落ちないから、録画してみたらCMを飛ばす。つまらない番組をながすTV放送会社に企業はCMを依頼しなくなる。そんな時代になりつつあると思います。そう思いつつ、2008年12月31日 カナダde日本語 ブログ 派遣や非正規社員の解雇は自業自得とのたまうみのもんたを読むとどうでしょうか?

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2009年1月 2日 (金)

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

本年も色々と書き続けたいと思います。どうかよろしくお願いします。

ブログとは、便利が良いもので、印刷の手間なしに多くの方に読んでいただけるのですから。でも、マスコミにはとうていかないません。しかし、速報性をマスコミと争う必要はなく、正確性やマスコミに抜けている論点や、勿論私が論じたい点を書いていきたいと思います。

そのようなことを考えていたところ、鹿児島大学の木村朗様が志布志事件とは何であったのか─“えん罪”の構図とメディアの功罪を問う (下)と題して12月26日に書かれておられる文章を拝読しました。

マスコミの影響力は大きいと思います。それ故に、暴走したり、変な方向に走ったりすると恐ろしいと思います。しかし、一方で、マスコミの意志は、視聴者・読者をつかもうとすることで、時として深く考えずに動く性質があると思います。直前のエントリーでTBS朝ズバの不二家報道に触れましたが、あれも、TBS朝ズバが、そのような動きをする最先端の番組だからと言えると思います。従い、マスコミが常に正しいとは限らないのは当然と思います。

マスコミの暴走を食い止め、真実を問いかけることが必要だと思うのですが、我がブログも少しは、そんな働きができないかと、微力ながら、楽しみつつ、好きなことを書いていきたいと思っています。

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2009年1月 1日 (木)

コンサルタントの起用

一度は、書いてみたかったテーマです。コンサルタントは、ある種の専門家です。例えば、弁護士も法律家の専門家です。しかし、企業の事業について最もよく知っているのは、その事業の業務に実際に携わっている人であり、外部の人間ではありません。なぜ、外部のコンサルタントを起用するかというと、企業を超えた広い視野や高い観点で見た場合の視点を得るためです。弁護士を起用するのは、法に関する専門的な見地からの意見や助言を得るためですが、同時に一歩離れた視点で見た場合の、見解が欲しいからです。

方針は自分自身で決定せねばなりません。参考例が不二家事件です。

不二家は、2007年1月11日のこのお詫びとご報告にあるように、消費期限切れの牛乳を使ってシュークリームを製造したと1月10日に報道があり、長期の工場閉鎖と休業に追い込まれ、3月に山崎製パンと業務協定を締結し、4月に160億円の第三者増資を受けて、本格的な再開が実現しました。

実は、この不二家事件はコンサルタントをうまく使えなかったことにより発生してしまった損失と言える面が大きいと思います。即ち、「消費期限切れの牛乳」が過度にセンセーショナルな表現であり、実態を反映したものではなかった。勿論、その背景には、不二家の経営が家族主義・同族経営であり、近代的経営でなかったことから、不祥事が発生した時に、それに対処できなかった面があります。2008年第2四半期決算では売上の増加傾向はあるものの、黒字経営には至っていない。しかし、ペコちゃん、ポコちゃんという歴史あるブランドがあり、再生に期待したいと思います。

経営とコンサルタントの起用について不二家問題から雑感を書いてみます。

1) 不二家信頼回復対策会議報告書

不二家は、問題の真相と社会的信頼を失墜するに至った原因を明らかにし、不二家に提言を行うことにより、信頼回復と企業再生を図るために、企業コンプライアンス、食品衛生の専門家、弁護士、公認会計士などの外部専門家により構成された不二家信頼回復対策会議に調査・活動を依頼し、その結果として提出された2007年3月30日付の信頼回復対策会議最終報告書を公表されました。ここにあります。

報告書を読むと、報道されたことと、実態に差があることが認識できます。不二家の食品安全性についても、問題なしとは言えないが、一応の水準にあると私は読みました。不二家の信頼性をアピールするためにも、この報告書を公表し続けていただきたいと思います。そして、何より良いことは、他業界の人でも、この報告書から学べる点が多いことです。

なお、報告書にも厳しい提言があります。TBS朝ズバについては、「TBSの対応如何では、損害賠償請求など法的措置をとることも検討すべきである。」と言っています。

2) 報道されたことの真実

① 埼玉工場での消費期限切れ牛乳の使用

埼玉工場では、UHT殺菌という「超高温殺菌」された牛乳である、消費期限が適用されない牛乳を使っていた。通常は出荷日から7日後が賞味期限であったが、使い捨て容器ではなくリターナブル容器を使用していたことから出荷日から4日を賞味期限としていた。しかし、リターナブル容器の洗浄が工場で行われており、加熱工程を経て商品に使用されることから4日を過ぎても問題がなく、最終的には菌検査も実施されていた。

なぜ、コンサルタントに問題視されたのかは、明確な書面ルールがなく、2006年10月、11月に「チョコ生」の工程のトラブルで余った牛乳がシュークリーム工程に送られていたが、在庫処分のルールもその記録もなかったことから、コンサルタントによる消費期限切れの牛乳使用の指摘につながった。消費期限切れや賞味期限切れの牛乳使用のエビデンスが存在していたわけではなかった。

② プリンの消費期限1日延長

不二家は、プリンの消費期限の社内基準は製造日から8日であった。表示する消費期限としては、安全サイドを採用し製造日から6日としていた。しかし、泉佐野工場で中間製品を製造し、埼玉工場で最終製品に加工するようになった際に、埼玉工場製造日ではなく、埼玉工場受入日を基準に6日とした。結果、無理が生じた。そこで再検証の結果、10日でも細菌検査で問題はなく9日で風味も問題はなく、1~2日消費期限を延長することとした。しかし、社内ルールの変更は実施されなかった。

3) コンサルタント報告書

問題のセンセーショナルな部分を含むコンサルタント報告書は、11月13日に配布された。これがどういう訳か12月29日に複数のフランチャイズ店にFaxされ、1月9日に共同通信から不二家に問い合わせが来た。そして1月10日の報道につながり、不二家の対応のまずさが出てしまった。

もし不二家が1社員の勝手な判断などと説明せず、コンサルタント報告書を受け調査中と説明し、実態を正直に公表していたならば、生産中止に追い込まれなかったと私は思う。では、何故コンサルタントの存在を隠したかは、コンサルタントとの契約で作成した文書等の第三者への開示禁止があったからである。不二家は本末転倒の判断をしてしまったと考える。契約上何が開示禁止かは、その契約書を読む必要があるが、この場合は開示して問題が生じないと思うし、仮に最悪の場合でも、損害賠償を請求されるだけで、金銭的なものである。一方、説明をしなかったことにより受けた不二家の損失は比較にならないほど大きかった。

仮にコンサルタントが不二家の情報開示により信用を失墜したとして不二家を訴えたとしても、不適切な表現や間違った表現があったのであれば、逆に不二家がコンサルタントを訴えれば良いのである。

4) 問題点・改善点

不二家問題の一番の反省点は経営体質であったと思う。報告書の中に、「創業家による同族経営の下での社長を頂点とする企業組織全体のまとまり」との表現がある。一方で、不二家は売上・利益が減少傾向にあり、リストラによる工場閉鎖と人員削減を続けていた。そのような状態で重要なことは、同時に企業の体質改善を実施することであり、そのためには、社内の有能な人員を活用して社内ルールを含む企業の競争力を上昇させることであり、合理的な経営に移行することであった。

コンサルタントも色々です。だから、優秀なコンサルタントを見つけること。そして、いくら優秀であっても、そのコンサルタントと納得がいくまで議論をして、最終決断は自らが下すことです。

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2008年12月28日 (日)

低所得者の税と保険料負担

12月26日の税制改革中期プログラムを考えるに、しまさんよりコメントを頂いて、どうお答えすればよいのか迷ったことから、新しいエントリーを建てました。

1) 基礎年金の財源の全額税方式について

私がリンクを張った日経 12月25日 基礎年金の財源、全額税方式に 自民・民主の議員7人が改革案のことを言っておられるとの前提で、私の意見を書きます。

消費税を使って全額税方式との報道ですから、企業の負担はないのですが、逆に2009年度から基礎年金の負担の2分の1を国庫負担とすることが決まっており、この国庫負担が継続することが前提で考えているはず。国庫負担は、即ち税負担と同じです。

現状は、国民年金保険料は月額14,410円の負担で、40年間支払った場合の満額支給額が1年に792,100円です。40年間の支払合計が6,916,800円なので、8.7年で回収可能と考えるか、税の部分も支払ったとして17.5年が損益分岐点と考えても良いのかも知れません。最も、障害年金、遺族年金もあるので、民間の生命保険の年金より有利と思うし、保険料を支払わないと2分の1負担の税金を取り戻せない制度ですから。

厚生年金の場合、企業と受給者が各半額負担で、ボーナス込みの給与額の15.35%です(現状)。従い、年収5百万円であれば、受給者は約38万円の負担であり、月額では約32,000円です。40年間支払った場合には、792,100円の基礎年金に120万円程度の報酬比例部分の年金が加算されます。

上の例で、国民年金と厚生年金を比較すると厚生年金は負担が2.22倍となるが、受け取りが2.51倍になるので、お得感があります。しかし、企業負担も加えると、厚生年金の負担は倍の4.44倍になるので、国民年金がお得。但し、厚生年金でも所得が小さいと、受取額には基礎年金部分があるので、お得額が増加する。一方、高額所得者に配偶者が専業主婦で3号被保険者のケースが多いとすると、3号被保険者は保険料を払っていなくても792,100円の年金を配偶者が受領できる。

これでも統合を続けてきた結果であり、今後さらに国民年金、厚生年金、共済組合制度を統合して制度間の公平を確保することが重要と思います。しかし、大きな問題に納付率があります。ここに社会保険庁が2008年12月25日に発表した平成20年4月から9月までの国民年金の納付率がありますが、59.4%です。計算をすると納付額より給付額の方が大きいが、不信感が広まっているのだろうと思います。強制的に納付させるとなると税の方が徴収費用も効率も良かったりしますから。強制であるにも拘わらず納付率が60%を切ってしまった制度を継続するより、制度の見直しを考えるべきだと思います。さもないと、年金受給資格のない老人が将来大量発生し、そうなると余りにも多い生活保護者に対する生活保護費に税金の多くの部分を使うことが懸念されます。

なお、企業負担の厚生年金保険料と健康保険料ですが、なかには企業が負担するのが嫌であるとして、国民年金と国民健康保険を従業員に掛けさせたり、あるいは従業員の給料から正規の金額を天引きしておきながら、社会保険庁には安い金額を申請したりする犯罪行為が行われていることもあるようです。例えば、この厚生年金特例法についてという社会保険庁のチラシを見てください。これに関しても制度改革して、国税庁を歳入庁とし、効率よく徴収が実施できるようにすべきと考えます。(不正を無くす方法として、企業を調査することが考えられますが、企業からすれば税務署のみでたくさんなはず。歳入庁で一本化すれば、所得税、住民税、保険料の全てが同時に手続き、調査できるはずです。脱税をするのも基本的には高額納税者であり、不正が生じにくい制度とは、弱者に恩恵があると私は思います。)

2) 低所得者の税の負担

税には、担税能力と所得再配分機能を考える必要があると思います。この点からして、低所得者の税は低くて良いと思います。どの程度の低さがよいのか、よく考える必要があると思います。但し、自ら働かない人にまで特権を与えることは不必要であるが、働く意欲があるにも拘わらず職を失った非正規・派遣労働者から高額の税を取るのかの問題があります。その意味で、雇用保険制度についても同時に考える必要があると思います。

所得税、住民税、消費税、厚生年金、健康保険(くみあい健保)の合計で独身者の場合の負担を考えると、次の通りです。(収入が給与所得のみの場合です。)

支払義務発生点 支払額
所得税 103万円以上 最低税率5%(累進税率は注書1)
住民税 98万円以上 10%一律
消費税 0円以上 4%一律
特別消費税 0円以上 1%一律
厚生年金 0円以上 7.675%一律(同額の雇用者負担を含まず)(注書2)
健康保険(組合健保) 0円以上 4.1%一律(同額の雇用者負担を含まず)(注書2)
介護保険(40歳以上) 0円以上 0.565%一律(同額の雇用者負担を含まず)(注書2)

(注1)累進税率:独身で給与所得のみで、生命保険等の控除もなかった場合は、337万円以上が10%、490万円以上が20%、890万円以上が23%・・・・40%といった累進税率の適用となる。
(注2)厚生年金は、年間支払額726万円以上は納付額定額。健康保険・介護保険は1452万円以上は、保険料定額。

消費税を増税するなら、所得税を増税する方が、103万円なり89万円を差し引いてからの計算なので、低所得者の負担は軽くて済みます。増税するなら、消費税と所得税の双方のバランスをとって増税するという方法もあります。

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2008年12月11日 (木)

納税者番号導入、所得税最高税率上げ

納税者番号導入、所得税最高税率上げを、10日午前の自民党税制調査会(津島雄二会長)の幹部会合で大筋を了承したとのことで歓迎します。

日経 12月10日 政府・与党、納税者番号導入を検討 所得税最高税率上げ

反対意見が出てくるでしょうが、所得税を上げないと、お先は真っ暗と思います。所得税を上げて、貧乏人の負担を軽くして、金持ちの負担が上昇するようにしないと、社会不安が解消せず、日本がジリ貧になる気がします。所得税増税は、超過累進課税を採用しているから、高所得者の税負担が大きくなるが、低所得者の負担を一定以上は上げられないので、所得再配分機能が働きます。(なお、考え方によっては、小渕内閣時代に景気対策として時限的に特例として下げた所得税率を元に戻すだけとも言えます。)

観点を変えて考えると、「所得税を上げること」と「消費税を上げること」のどちらが良いかです。勿論、両方とも上げないことが納税者としては、良いに決まっています。しかし、サービスを受けるための財源として負担するなら、どちらが良いかです。私は、所得税が合理的と思います。何故なら、高所得者の負担を大きくして、低所得者の負担を少なくする調整が所得税だと可能だからです。

9月4日のエントリーの中で、次のグラフを掲げました。

0809

紫の線が社会保障負担です。コンスタントに右肩上がりで、これは年金保険料と健康保険料です。グラフは、GNI(国民所得)に対するパーセンテージです。しかも、この紫の線の社会保障負担は、年金改革もあり医療費の増加もあり、右肩上がりが継続します。一方で、保険料であるが故に、一定の高所得者以上は定額となり、そのような高所得者の負担パーセンテージは低くなります。

黒の線が国税で、茶の線の地方税より少しパーセンテージが高いものの、国税収入には法人税もあることから、1990年をピークに下がるか横ばいです。赤の線が、国税と地方税の合計です。これも同じで1990年がピークです。格差社会を緩和することが重要だと考えるなら、所得税の増税が最も有効であり、例えば年間所得3千万円以上の人あたりをターゲットにしたらと思います。次のグラフは、年間所得3千5百万円以上の人について10%増税した場合のグラフです。

200812

なお、最初のグラフの潜在的国民負担率のパーセンテージは、赤字国債も含めて負担率と計算した場合です。つまり、赤字国債も将来返済することから国民負担です。実際の負担は、将来に来るので、言わば将来増税の約束です。

次に納税者番号ですが、大賛成です。公平な課税が原則であり、不公平を無くさないと社会は成立しません。今は、住基ネットという個人には何の役にも立たない番号が割り振られて管理されています。住基ネットの番号を個人で知っていて役に立つことはないと思います。

歳入庁をつくり、年金、健康保険、地方税、国税全て統合して徴収すれば、不正は生じにくくなります。徴収経費も安くつきます。日本が、やっと先進国になれることを期待します。

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2008年12月 8日 (月)

余りにも酷い麻生発言

麻生首相の「労働は罰」発言には驚きました。

日経 12月8日 首相「7割の宗教で労働は罰」 日本は「善」と認識

麻生太郎首相は7日の熊本県天草市での演説で、高齢者雇用問題に触れた中で「世界中、労働は罰だと思っている国の方が多い。旧約聖書では神がアダムに与えた罰は労働。旧約聖書、キリスト教、イスラム教、足したら世界の何割だ。7割くらいの宗教の哲学は労働は罰だ」と述べた。

とありますが、キリスト教やイスラム教の人が聞いたら、何て思うのでしょうね。私が知っているキリスト教やイスラム教を信仰している人の中で、労働が罰だと思っている人は、一人もいません。逆に、日本の民間信仰の中に、「前世の行いが良くなかったから、今このような境遇にある。つらい労働もそのためだ。」との思想があると思います。

社会主義革命は、労働は尊ばれるべきものであり、資本主ではない労働者が中心となるべき社会を目指すのだとして起こったというのが私の理解です。ソ連社会主義は、崩壊しました。しかし、労働を尊ぶ考え方まで否定されたと誰も思っていないし、現実にそのような社会を目指して多くの人達が尽力していると思います。

米国で、自動車ビッグスリーが救済の対象として議論されているのは、下請けを含め自動車産業で働く人達に対する配慮があるからです。労働政策は、政府の政策の中で、最も重要な政策のはず。

リーダーの資格どころか、政治家としても失格と言わざるを得ない。「我が国のみが正当だ。隣国はバカだ。隣国を滅ぼそう。」と言って、反対する者には「愛国心のない人間だ。」と非難するマンガを見ているみたいです。(KYなのだから、仕方ない。KYの人だって、ずっとまとも)

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2008年12月 4日 (木)

後期高齢者医療制度の保険料滞納

次の朝日のニュースですが、後期高齢者医療制度の保険金は年金から天引き(特別徴収)だと思っていたことから、滞納という言葉に最初は驚きました。

朝日 12月1日 高齢者医療滞納20万人 主要72市区を本紙調査

1) 滞納となる直接原因

天引き(特別徴収)は、年金額18万円未満の場合はされないのですね。この厚生労働省のパンフレットにも、次のように書いてあります。

月額1万5千円以上の年金をもらっている方は、窓口に出向いて納めていただく手間をかけないため、原則として、2か月ごとに払われる年金から2か月分の保険料をお支払いいただきます。

「窓口に出向いて納めていただく手間をかけないため」と言うのは、表向きで、本当は徴収経費を節約するためと理解しています。徴収経費節約は、とても重要なことです。節約した金額を医療費に回せるのですから。

逆に言えば、年金月額1万5千円未満となる後期高齢者からは、どうやって徴収するか、大問題だろうと思います。そこで、年金月額1万5千円未満で他に収入がない人の保険料いくらか心配になります。

2) 年金月額1万5千円未満の後期高齢者医療保険料

後期高齢者医療保険料は広域運用がなされており、都道府県毎の保険料と理解します。朝日の記事には「東京都杉並区は約2割に上る。」とあり、東京都の保険料を探すとここにありました。

年金月額1万5千円未満の場合は、所得割は適用されず、均等割は月450円(年5,400円)です。そんな金額なら、徴収経費の方が、高くつくと思います。徴収経費の方が、高ければ、免除した方が、合理的になります。朝日の記事は、「滞納している高齢者は計20万6745人と、全体の約5%」と述べています。

3) これからどうなる後期高齢者医療制度

「後期高齢者医療制度の廃止等及び医療に係る高齢者の負担の軽減等のために緊急に講ずべき措置に関する法律案」が2008年6月6日に、投票総数 231のうち賛成票 133、反対票 98で参議院において可決されているんですね。投票結果はここにあります。しかし、現状においては、衆議院で採択すらされる見込みはない。

ところで、いずれ衆議院総選挙があります。その結果、自民・公明が負ければ、この法律は成立する可能性があるのではと思いました。

仮に後期高齢者医療制度が廃止になったとして、その後はどうなるのでしょうか?抜本的な医療保険制度の改革をすべきと私は考えます。自民党政治というか55年体制というか、八方美人のパッチワーク政策が破綻していると思えます。100年安心なんて、嘘っぱちの標語に、惑わされてはならない。数字を正しく分析して、正しい判断を下す必要があると思います。さもないと、後期高齢者医療制度が廃止になっても、何も解決しないことになると思います。

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2008年11月27日 (木)

麻生節を楽しむ

無責任発言とのお叱りを覚悟で申し上げれば、「イヤー、麻生節って本当に面白いですね!」であります。

1) 直ぐに陳謝の麻生節

次の報道です。

日経 11月27日 高齢者医療巡る発言、首相が陳謝 民主・鳩山氏は批判

2) 元の発言についての各社報道

元の発言についての各社報道は、次の通りです。この中で、NHKはリンク切れが早いので、続きを読むに入れておきます。

日経 11月27日 「何もしない人の分何で私が払う」 高齢者医療に首相不満?
読売 11月26日 首相「何もしない人の医療費、なぜ払う」、諮問会議で発言
朝日 11月27日 「何もしない人の分を何で私が払う」医療費巡り麻生首相
NHK 11月27日 首相 医療費負担めぐり発言

3) 実際の発言内容

11月20日の経済財政諮問会議での発言です。各社報道の情報源はこの議事要旨であります。問題の発言は、11ページ目にあり、書き出すと次の通りです。

(麻生議長) 67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる。彼らは、学生時代はとても元気だったが、今になるとこちらの方がはるかに医療費がかかってない。それは毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている。たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金を何で私が払うんだ。だから、努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、そういうインセンティブがないといけない。予防するとごそっと減る。

病院をやっているから言うわけではないが、よく院長が言うのは、「今日ここに来ている患者は 600人ぐらい座っていると思うが、この人たちはここに来るのにタクシーで来ている。あの人はどこどこに住んでいる」と。みんな知っているわけである。あの人は、ここまで歩いて来られるはずである。歩いてくれたら、2週間したら病院に来る必要はないというわけである。その話は、最初に医療に関して不思議に思ったことであった。

それからかれこれ 30年ぐらい経つが、同じ疑問が残ったままなので、何かまじめにやっている者は、その分だけ医療費が少なくて済んでいることは確かだが、何かやる気にさせる方法がないだろうかと思う。

4) 雑感

報道されているのが、麻生発言の主旨かというと、ずれているように感じます。経済財政諮問会議に出席はしていませんが、議事要旨は一次資料そのものですから、議事資料を読んで真意を読み取るしかないと思います。麻生首相は、健康増進に対するインセンティブを高めることを政策として考えるべきとして発言されたのだと思います。

一方で、年老いても運動し、健康でいることは、年老いても生き甲斐を感じ、生きる喜びを感じるような社会・世の中であることと思います。老人切り捨てでは、麻生発言にある「たらたら飲んで、食べて、何もしない人ばかり」になると思います。だから、この問題は保健医療制度の問題のみではなく、老人も立派に働いていける、社会の役に立っていける制度を樹立することが、その大前提であると思います。

私の感想のようなことを述べたら、新聞は売れない、TVニュースはチャンネルを変えられるで、やはり麻生タタキをして、KY(漢字ではなく空気)方針により、マスコミは長いものに巻かれろでしょうか?その点、ブログは気楽です。

しかし、麻生発言も支離滅裂で、前後の発言者の発言の流れからしても、麻生発言は何を言いたいのか、不明朗です。「67歳、68歳になっての同窓会」は、今のことと思いますが、「それからかれこれ 30年ぐらい経つ」とあるので、病院の近くに住んでいるがタクシーで来院する人達の話は30年前のことと思いました。

首相たる者は、正しい論理を持ち、論理的な発言をし、社会の先頭に立ち、社会が正しく発展し、人々全員が幸せになるよう、公務員の鏡となるよう、働く人であると私は思っています。だから、私の基準からすると、この人どうなるかな?であります。

続きを読む "麻生節を楽しむ"

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2008年11月23日 (日)

医師には常識欠落の人が多い

「医師には常識欠落の人が多い」というのは、実は正解である気がしました。

経済原則からすれば、人は楽をしてお金・物・サービスをたくさん得たいと考える。超過勤務をして、身を粉にして働いて、得られる物は,少しばかりの自己満足で、場合によっては、損害賠償の訴訟を訴えられ、下手をすると業務上過失致死だと刑事罰を問われ、投資とリターンが見合わない。

例えば、次の岩手日報の10月18日の記事です。月54時間の超過勤務についても、当直勤務の時間は算入されていない可能性があると思いますが、長時間労働であります。

医師超勤、月54時間 県立病院の過酷さ浮き彫り

医師の勤務状態に関する調査として、ここにアンケート調査結果があります。このアンケートは、舞鶴地域医療あり方検討委員会が2007年7月に、舞鶴市民病院、舞鶴医療センター〈国立病院機構〉、舞鶴共済病院〈国家公務員共済〉、舞鶴赤十字病院〈日本赤十字社〉の公的4病院の医師に対して実施したものです。配布数101のうち回収数48です。

「3.回答者の勤務状況①過去1か月間の当直回数」という部分からして、1月の平均当直回数が平日1.7回、休日1.1回の合計2.8回と理解しました。そして、「③当直明け勤務の状況」という部分からして、当直明けの日も90%の人は通常勤務である。「4.曜日ごとの勤務状況」の勤務時間の平均値を合計すると週77.8時間となります。

小児科医・中原利郎さん(当時44歳)が1999年に自殺したことに関連する病院運営者立正佼成会の使用者としての安全配慮義務違反をめぐり、妻のり子さんが、東京高裁の判決を不服として11月4日に最高裁に上告されたそうです。

CBニュース 11月4日 医師「過労死裁判」で遺族ら上告

中原医師の労災適用についても労働基準監督署は労災とは認めず、遺族が行政訴訟を起こして認定を得ています。(共同 2007/03/14共同 2007/03/28判決文 要旨)安全配慮義務については、この2008/10/22のニュースの通り、1審東京地裁に続き東京高裁も請求を棄却しています。

常識からすれば、勝訴には相当の困難があると思えます。しかし、そこに常識を越えた、愛情みたいなものを感じます。

常識で考えれば、医師なんてやってられないと感じる場合が、多いのではと思います。このことは、医師のみにあてはまるのではなく、多くの場合にもあてはまることと思います。社会に貢献するなら、他人に役立つなら、自己満足でも他人に迷惑にならないなら、非常識と言われようが、自分の信じること、自分の愛のために、発言し、行動する。それでよいのだと思います。

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2008年11月16日 (日)

定額給付金の良い側面

一つ前の評判悪い定額給付金で、新聞各社の社説を紹介し、定額給付金の評判の悪さや問題点を書きました。しかし、世の中のことは、別の角度から見ると違ってくる。日本の学校テストのように○×で評価すると誤ってしまう。多面的な評価を行い、賛成・反対のみならず、次のステップへの発展につなげていくことが本当の姿と思います。

そこで、定額給付金について考えた場合、次のような良い点があるのではと思いました。(これを良い面と言うのは、やはりおかしいのかな?)

(1) 多くの日本国民に政府財政政策について考えさせてくれた

平成20年度の予算は、この財務省のWeb(pdf)にあります。歳入及び歳出をまとめたのが次の表であり、最右欄は、租税及び印紙収入について、その主な内訳を書き出しました。

平成20年度予算    (単位:億円、カンマ位置は兆)
支出 歳入 租税及び印紙収入
一般歳出 47,2845 租税及び印紙収入 53,5540 所得税 16,2790
地方交付税交付金等 15,6136 その他収入 4,1593 法人税 16,7110
国債費 20,1632 公債金 25,3480 消費税 10,6710
歳出合計 83,0613 歳入合計 83,0613 相続税 1,5550
揮発油税 2,0860
その他の税 5,0570
印紙収入 1,1950
合計 53,5540

表を眺めてみると、2兆円は大金です。丁度大騒ぎの揮発油税(現行の1リットル48.6円のガソリン税のみで軽油取引税を含まず)とほぼ同じです。なお、消費税は4%分が含まれています。1%は、地方税なので、含まれていない。

2兆円は、どう使うのが納税者・国民のためになるのか?本日のNHK日曜討論で自民党柳澤氏は、定額給付金は税額控除であると言われていました。所得税の所得控除の方式を税額控除の方式に変更するのであれば、所得税法を改正する提案をすべきであると考えます。

(2)面白い政局

この朝日新聞の世論調査(11月11日報道)は、「8、9の両日実施した総選挙に関する連続世論調査(第4回、電話)によると、・・・定額給付金について、「必要な政策だと思う」は26%にとどまり、「そうは思わない」が63%と、否定的な見方が圧倒的だった。」と書いています。

63%の人々が反対している場合、そんな政策を唱えている人達は、選挙で負けると通常であれば考えられる。勿論、世論調査と選挙結果とイコールとは限らず、また真に必要であれば、信念を曲げないことも重要です。一方で、野党は反対するに際し、それなりの政策案を出していく必要があります。野党案が、2兆円を節約し、長期的な展望を示す案でも良いのであり、どのようになっていくか興味を沸かせます。

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2008年11月14日 (金)

朝日新聞天声人語に対する苦言

朝日新聞の次のリンクの11月14日の天声人語です。(1週間を経過すると、有料になるかも知れません。)

11月14日付朝日天声人語

奥田碩トヨタ自動車相談役が、座長を務める11月12日の政府の「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」において、年金や医療問題をめぐる報道について「新聞もそうだが、テレビは朝から晩まで厚労省の話を毎日やっている。あれだけ厚労省だけたたかれるのは異常な話」と批判したことについて書いています。

11月11日の天声人語の中に、不適切な記述があると考えます。例えば、次の部分です。

国民から負託された公権力の運用に、厳しい目が注がれ、批判が起きるのは健全なことだ。メディアはそれを担っている。役目を知らぬ奥田氏ではあるまいに、一体どうしたことか

メディアとは、マスメディアのことと思うが、批判する役目は、マスメディアのみではないはず。奥田氏の発言内容についての参考報道として次の共同の記事を掲げます。

共同 11月12日 奥田碩氏、報道を批判 「厚労省たたきは異常」

企業がスポンサーとならない自由は、私はあって良いだろうと思います。TV局は、ニュースについては、スポット広告のみのスポンサーなしででやればよいのです。新聞は、正しい報道をしていれば、販売部数が伸び、広告収入が得られます。これが基本と考えます。

なお、奥田氏の発言の内容そのものの是非については、発言の詳細やその前後の討議も分かっていないので、ここでは議論をしません。

私の言いたいことは、マスメディアが批判を担っているとするなら、マスメディア以外の人々も批判をする権利を持っていることです。大東亜戦争へと導いていったのは、軍部のみではなかった。マスメディアも、戦争協力一色に近かったと理解します。そこには、そのようなになってしまった理由が存在したと思うし、その責任をマスメディアのみに追わせることは間違いと考えます。しかし、マスメディア自身も自ら十分に反省をし、自由な批判が起こるように努力すべきと考えます。

もう一つは、「自分が批判することは正しくて、他人が批判することは間違い。」のような主張はすべきではなく、どの部分が正しくないのか、自分の意見はどうかと、具体的に個々の論点をあげ、エビデンスを示して論じるべきです。論理的思考なくして、議論することは、軍国主義一色の戦前の日本のある時の状態みたいであり、朝日新聞が最も避けようとしていることと思っていました。

ところで、「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」の構成員名がこの書類の2ページ目にありますが、大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授、元朝日新聞論説委員という方がおられます。他に、読売新聞東京本社専務取締役・論説委員長も構成員となっておられます。奥田氏の発言に対してどのような発言・反論をされたのでしょうか?元論説委員が構成の1員であったことから、朝日は懇談会の議論の詳細を取材することが可能であり、批判するなら、具体的な議論をして欲しかった。大新聞の伝統あるコラムであるだけに、残念です。

まさか、田母神元幕僚長と同じように扱っていないと思いますが。奥田氏は公務員ではなく、自らの意見を述べることに制約は受けません。公務員は全体の奉仕者です。自衛官は、軍隊の一員であり、自らの意志でいかなる決定をすることも許されません。そのことにより、国民の信頼・信任が得られるのであり、他国からも侵略のための武力ではないと受け入れられる。天声人語が田母神元幕僚長のレベルと同じになると懸念します。

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2008年11月10日 (月)

バラク・オバマ政権のCHANGE政策

米大統領選でバラク・オバマ氏が勝利して1週間が経とうとしています。なお、このブログを書いている時点で、ミズーリ州において、ジョン・マケイン氏が5,800票強リードしているものの、同州の選挙が未だ最終確定してないようですね。もっとも、ミズーリ州の選挙人(electoral votes)数は11であることから、同州の結果を含まない投票結果が364対162ですから、マケイン氏が勝っても364対173です。

バラク・オバマ氏は選挙活動の標語としてCHANGEを掲げていました。現ブッシュ政権に対する不満が勝利の一因であったと思いますし、CHANGEとは現ブッシュ政権の政策からの変更と考えます。勿論、変更が困難・不可能という政策もあるはずで、バラク・オバマ政権のCHANGE政策とは何かを考えてみたいと思います。

1) 経済成長

次のグラフは、1990年から2008年第3四半期までの米国の四半期GDPの前期比成長率(年率換算)の推移を示しています。

Usgdp199020083q

大統領選の年は、8年前の2000年が現ブッシュ大統領の選出年であり、そのさらに8年前の1992年がクリントンで、その4年前の1988年がブッシュ父でした。大統領選の1992年、2000年、そして今年の2008年は、丁度が米国経済が悪かった時と重なっています。

多分、オバマ大統領になれば、米国景気も回復に向かうのではと期待されます。

2) 連邦政府予算

同じ1990年から2008年までの連邦政府予算のGDP比の推移が次のグラフです。

Usbudget19902008

このグラフを含め予算関係の年は、米国連邦会計年度であり、2007年とは2006年10月1日から2007年9月30日までの1年です。

Off-Budgetは、主として年金関係であり、収支のブレはあまりなく、常に少額の黒字を継続中です。On-Budgetは、クリントン政権で赤字幅が縮小し、2000年にごくわずかの黒字となったが、それ以降は赤字に戻りました。その要因の一つである個人所得税と法人税の税収推移は次の通りです。(連邦税のみであり、州税の個人所得税と法人税は含んでいません。)

Usfederaltax19902008

オバマ政権の政策として、やはり高所得者と中間層への課税強化は、あり得るのではと思いますが。

3) 軍事費

オバマ政権の予算関連の政策としては、軍事費の削減があり得ると思います。軍事費の推移をグラフにしました。

Usdefense19902008

丁度ブッシュ大統領になってGDP比で3%から4%へ、予算の中の割合で15%から20%へと増加しています。1年という短期間ではないが、元のクリントン政権の終わり頃の割合に戻す可能性があると思います。そのための手段としては、対話と同盟国への働きかけと思います。

4) 経済政策

世界中がオバマ政権誕生後の経済政策を見つめていると思います。その中で、注目すべきは、金融危機対策ではなく、自動車ビッグスリー対策がより大きな当面の課題だろうと私は思います。ビッグスリーで失敗すると、大量の失業発生と共に、医療・年金の破綻から社会不安へと動く危険性があると思います。バラク・オバマ氏が、これからどのようなブレーンを集め、打開策・解決策を打ち立てていくかが興味あるところです。但し、一方で自動車問題は、あまりのんびりとしていられないので、どのように動くか分からない部分が多い。しかし、米国が必死になっても生き延びさせねばならない産業と思います。

金融関連で言えば、米国の資本主義が余りにも発達しすぎて、マネーゲーム資本主義の色彩が濃くなり過ぎた面がある。但し、資本主義自身とは、そもそもマネーゲームと言える部分があり、マネーゲームをうまく取り込むことにより、資金供給や生産、将来の投資が適切に実施され、社会が発展するようにコントロールしているとも言える。常にルール改正と新ルールを逆手利用した新手法との追いかけっこの面がある。そのサイクルがPC・ITと言った世界に金融工学が加わり、発達速度がやけに速くなり、ルールが追いついていないことになっていると私は感じる。

オバマ政権の経済政策の課題は、マネーゲーム資本主義に対するルール整備であると思う。ルール整備は、規制ではない。参加者に対する公平なルールであり、公平なルールこそが自立的な発展をもたらすのである。ルール作りは、容易ではなく、何年かを要するし、またそれを更に発展させ、手直しすることも必要である。

バラク・オバマが大統領に就任すれば、あれだけCHANGEと言っていたのだから、相当変わるのではと思い書いてみました。

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2008年10月21日 (火)

不思議な鉄道京阪「中之島線」

大阪で京阪電気鉄道の中之島線が10月19日に開業しました。

Nikkei Net Kansai 10月20日 京阪中之島線が開通──鉄道ファンら500人、門出祝う

1) 中之島線の路線

ここにあるように4駅が開業しているが、実は「北浜駅となにわ橋駅」及び「淀屋橋駅と大江橋駅」は、ほとんど同じ場所にあり、もともと京阪電鉄なので、京阪電鉄が2駅間並行して走ることになり、実質の延長は2駅約1.5kmしかない。


詳しい地図で見る

何故半分の距離で済む淀屋橋駅からの延長をしなかったかについては、ここにNikken Times 特集インタビュー 中之島高速鉄道(株) 坂本富司雄社長として、坂本社長が次のように答えておられました。

ルートに関しては「何故淀屋橋から延伸しないのか」とよく質問を受けますが、これは延伸先に同じレベルで地下鉄御堂筋線が位置しており、もしそこから延伸するとなれば莫大な費用と時間がかかりますから、事実上不可能です。現在の天満橋駅からの分岐延伸は、同駅には番線が4つあったことから、その2つを利用しようとしました。

天満橋駅というのは、京阪電鉄の嘗てのターミナル駅であり、淀屋橋駅から延長しないとなると線路分岐を取れる工事可能な地点としては、天満橋駅になってしまったと理解します。(次の建物の下が京阪電鉄天満橋駅です。)


詳しい地図で見る

2) 工事費と税金

この大阪府の資料によれば3ページ目の左下あたりに1500億円とあります。そうなると、実質では1.5kmの建設なので、1kmの実質建設費が1000億円です。同じ資料の2ページ目ですが、国庫補助金25.2%と書いてあります。すなわち、日本国民の税金が378億円使われました。

この東京都交通局のWebによれば、大江戸線の都庁前~新宿間の建設費が343億円/kmのようです。

都営地下鉄の路線別建設費

項目区間建設キロ
(km)
全線開業建設費
(億円)
キロ当たり(億円)
線名
浅草線 西馬込~押上 18.7 昭和43年 864 46
三田線 三田~西高島平 22.8 昭和51年 1,450 64
三田~白金高輪 ※1 1.6 平成12年 763 474
新宿線 新宿~本八幡 24.8 平成元年 5,822 235
大江戸線 新宿~光が丘 13.9 平成 9年 3,989 286
都庁前~新宿 ※2 28.8 平成12年 9,886 343

※1 白金高輪~目黒は帝都高速度交通営団(現東京地下鉄株式会社)が建設
※2 都庁前~新宿間は、東京都地下鉄建設株式会社が建設

単純比較は良くないと思います。しかし、税金を投入する以上は、それが有効なのだと国民に対して説明が必要です。「地下鉄御堂筋線がじゃまになったから、二重投資になっています。」と説明しているのみであれば、だめであり、例えば、新しい地下鉄を淀屋橋から何故建設できなかったのか、ゆりかもめのような新交通システムでは何故ダメか、経済的有効性や投資効果がどうなるかを数字で示すべきであります。

私は、鉄道はエネルギー効率の面を初め多くの点で優れているし、税金が投入されること自身が悪いとは思いません。しかし、たった1.5kmの中之島線に税金を378億円投入するなら、地方の赤字ローカル線の補助金に少し回しても良かったかも知れないとの気持ちになってしまいます。但し、気分で決めることは良いことではなく、数字を示して国民の了解を取るべきです。

3) 上下分離?

大阪の人は、頭が変なのかなとも思いますが、道路公団でそんなことをやるから仕方がないのかなとも思います。

しかし、私は上下分離なんて絶対反対です。金銭勘定を誤魔化す時に、財布を複数用意して、都合良く使い分けます。上下分離とは、それを許すことです。何故、京阪電気鉄道に線路もトンネルも全て保有して事業をさせないのか?京阪電気鉄道は、一流の鉄道会社と思います。補助金を出す相手として問題があるとは思いません。

京阪電気鉄道に建設補助金と運営補助金を支出すれば、それで良いはずです。責任と会計報告が一体となって初めて有効な事業経営が可能です。

地方自治体による天下り先が好きというか、無駄が好きというか、中之島線を調べると無茶苦茶とチャイマッカーと思いました。このNikkei Net Kansaiの記事も面白いです。

63年には天満橋―淀屋橋間で営業開始し、西進を進めてきた。」それなら、西進できるように、地下鉄御堂筋線と立体交差できるように、最初から計画して線路を地下深く下げておけばよいのに。

同線は西九条を経て最終的には新桜島まで延伸する計画があるが、計画立案から時間がたっているにもかかわらず事業化のめどは立っていない。」それなら、新交通システムで良いではないか。

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2008年10月17日 (金)

経団連は時価会計に賛成

直前のエントリーの続きです。次の意見書を経団連が10月14日付で出しているのですが、国際会計基準(IFRS)の適用に全面的に賛成しておられると理解します。

(社)日本経済団体連合会 2008年10月14日 会計基準の国際的な統一化へのわが国の対応

IFRSを適用と言っても、IASとIFRSを細部まで読み込んで、対応するのは大企業でないと無理と思います。それだからこそ、率先してIFRSを早期に適用すべく尽力願いたいと思います。

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定額減税のその先

10月16日の朝日です。

朝日 10月16日 定額減税に埋蔵金流用検討 財政投融資特会から3兆円

定額減税に向かって進んでいるようですが、小手先の対応ではない、所得税のあり方についても考え、定額減税の先についても検討すべきと思うので、書いてみます。

1) 6万5千円の定額減税

朝日の記事には、”導入に積極的な公明党は「4人家族で6万5千円以上」の実施を主張”と書いてあることから、4人家族で6万5千円減税になるとすると、税がどうなるかを計算しました。

200810

給与所得が収入の全てであり、配偶者と子供2人(うち1人は16歳以上23歳未満とする。)の4人家族を前提とし、協会けんぽ(旧政府管掌保険)と厚生年金に加盟し、生命保険料控除等による所得控除が10万円受けられるとしました。

ボーナスを含んで960万円以下の年間給与金額であれば、住民税の方が金額が大きい。定額減税を実施するとなると、所得税と住民税の双方を対象としないと、効果が薄いこととなります。ちなみに、上記の前提条件の場合では、年間給与額620万円で所得税65千円となり、620万円ないと所得税のみでは定額減税を全額取得できなくなります。住民税を減額するとなると、国税から地方自治体への税額譲与のもう一つの法律を通さねばいけないことになります。

所得金額が低いほど影響が大きいので、5百万円以下の部分についてグラフを拡大しました。

500200810

定額減税の結果、360万円以下の人は税を払わなくて済みます。(なお、厳密には、住民税の定額部分(均等割)が別途4千円程度ありますが、取り扱いが不明なので触れないでおきます。)

2) 将来の所得税の姿

定額減税を今後も有効だと継続しても、その分を国債発行でカバーしても問題解決にはならず、消費税増税をするとすれば、270万円以下の人にとっては、減税なしで消費税が増えるだけ。低所得者層に対して増税をもたらすことになると思うので、定額減税は一時的・暫定的の措置に止めるべきと思います。

抜本策としては、所得税の103万円の壁を取り払うことだと思います。103万円の根拠は給与所得控除の65万円(所得税法28条3項一号)と基礎控除38万円(所得税法86条)の合計であり、年間給与額が103万円以下だと、所得税がかからない。従い、サラリーマンの奥さんがパートで働く際には、103万円が実質的に上限金額となり、結果として低賃金労働力の供給源となっている。

その結果が、労働市場に対して低賃金労働を供給し、一般的労働市場の賃金水準を低めているだけではなく、結婚・退職した女性が通常の賃金を得ることができる職場への再就職復帰への障害にもなっている。あるいは、結婚の高年齢化や、少子化、未婚率の上昇といったことにも繋がっていると思います。

これらのことは、所得税のみがその原因ではありませんが、所得税の制度は社会の発展に寄与し、人々を幸福にする方向に動かすような構造であるべきです。しかし、日本の所得税はそうではない。日本の社会は、農民社会から、男が働き女が家事、そして現代と発展してきたが、所得税は未だに共働きを冷遇する制度になっていると考えます。(あるいは、本来は短時間少額労働者に対する優遇であるはずが、その優遇策を逆に企業が利用して変なことになっているのでしょうか?)

3) 参考例

外国では、どうなっているかと少しだけ参考例を記載します。

A 米国

独身、夫婦個別、夫婦合算、扶養義務独身の4種類で、結婚している場合は、夫婦個別か合算かを選択することが可能です。日本は、年末調整があるが、米国には年末調整がなく、納税義務者は全員が申告することになるので、夫婦合算による申告・納税が可能と言えます。所得税は累進税率ですから、2007年の税率表では夫婦個別の場合$31,850以上が25%となるのに対して、夫婦合算であれば$63,700以上になります。税の面では、夫婦合算申告が有利となります。

B フランス

米国よりもっと徹底していると言えます。所得は世帯合算で、これを係数で割り算して、その結果をその同じ係数でかけ算します。独身は係数1、結婚していれば2で、子供1人につき0.5増えます。従い、子供二人であれば、3.0です。例えば、独身では14,000ユーロ以上なら25%ですが、子供二人の場合は25%以上が適用されるのは42,000ユーロ以上となります。

財務省のWebにもこのような資料がありました。ベルギーも興味ある制度で、扶養控除が子供が増えれば一人あたりの金額が増加します。

4) 年金や健康保険

所得税のみではなく、年金と健康保険も同時に考える必要があるでしょうね。夫の扶養家族であり、103万円以下の給与収入で、1日の労働時間が一般社員の3/4以下であれば、健康保険が夫の被保険者として利用でき、年金が3号被保険者となる。従い、負担をしなくて便益が享受できる。一方、年金・健康保険が適用されると、健保と年金の合計で保険料が給与所得控除を差し引く前の給与総額の12%以上(協会けんぽの場合)負担することとなります。

働く人が意欲を持って働ける制度。働く人を応援する制度を作るべきだと思います。

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2008年10月 8日 (水)

TV報道の素材負け? 人工呼吸器の取り外し

光市事件についてBPOの意見書2008年4月15日の意見書が調査した33のテレビ番組すべてが、不適切な点があり、素材負けをしていると書かれていると、10月2日のブログ橋下弁護士(大阪府知事)に800万円の支払いを命じる判決のなかで書きました。やはりこれも、その類かなと思いました。新聞3社(但し、日経は共同の文章です。)と共同およびNHKの報道は以下でした。

読売千葉 10月8日 「呼吸器外し」苦悩の審議 鴨川・亀田総合病院 「委員会、荷重すぎる」
朝日千葉 10月8日 呼吸器外し要望「意思疎通に人らしさ」
日経 10月7日 「呼吸器外す意思尊重を」 千葉の総合病院、倫理委が提言
共同 10月7日 呼吸器外しの意思尊重を 倫理委が異例の提言
NHK 10月7日 呼吸器外し 患者の意向尊重も
(NHKについては、リンク切れが早いので続きを読むにも入れておきます。)

(1) 人工呼吸器を医師が外すと殺人となるか?

明確に述べているのはNHKで、新聞各社は「刑事責任の可能性」というような言葉で表現されていますが、NHKは「日本では人工呼吸器を外す行為は認められず」と言っていますので、この断定については驚きです。

報道されている過去の事例としては、富山県の射水市民病院でのこと、旭川の北海道立羽幌病院でのこと、がありますが、いずれも刑事事件として起訴されていないと理解します。

共同 2008年7月16日 富山呼吸器外し立件困難 射水市民病院6人死亡で
共同 2006年4月6日 呼吸器外しで起訴困難 羽幌病院事件で旭川地検

本人からの書面等による確認があり、病院が倫理委員会をつくり、実際に人工呼吸器を取り外す際にも、複数の医師で確認しあって実行するなら、刑事罰に医師が問われることはないと私は確信します。それでも、人工呼吸器を取り外す行為をされる医師の方は、苦い医療行為をする気持ちになられると思います。

医師の行為を刑事罰に相当すると断定する権限は、NHKにはないはずです。逆に、正確に報道する義務を有しているはずです。

(2) 市民による議論

国民・市民による議論が必要です。命について厚生労働省が決定することはおかしい。議員が決定することはおかしい。法律より前に、一定のルールについて社会的コンセンサスを作ることが重要だと思います。思いつくままに、問題提起を書いみます。

A. 人工呼吸器

人工呼吸器をなぜ使用するかと言えば、使わなかったら、死亡したからであり、人工呼吸器により助かった人も多いと思います。では、人工呼吸器を使用したが、回復が図れていない場合は、何時、どの様な条件の場合に人工呼吸器を外せるか?外すことは許されないのか?人工呼吸器を外すと直ちに死亡するとは限らないものの、死に向かって進む可能性が強いと思います。

B. 人の意志

亀田総合病院により治療されておられるこの方は、ALS(ここに厚生労働省の簡単な説明があります。)であり、筋肉がほとんど動かないが、意識も頭脳活動も現時点で全く問題はないし、生きる意志も希望もお持ちと理解します。報道からすれば、「今後、万一意思疎通ができなくなった時は人工呼吸器を外してほしい。」との希望です。植物状態になったなら自分は人工呼吸に依存しての生ではなく、自然状態の生でおいて欲しい。その結果、死に至っても、意志疎通もできない中、人工呼吸器により生を保ち、苦しみを継続したくないとの意志と了解します。

「植物状態=脳死」ではありません。しかし、死をまねくことになる可能性が高いと言えます。インフォームドコンセントとは、自分の治療方針を自分自身が決定することです。全てを承知で、自分自身が選択した治療方針は、崇高のものとして誰もが敬意を払わねばならないように思います。

C. 医療の崩壊

この問題は、人工呼吸器を初めから使用しなかったならば、発生しないのです。本来は、人工呼吸器を使って助かる人がいるなら、積極的に助けるべきです。しかし、トラブルを避けることが優先し、人工呼吸器は極力使用しないとなったなら、本末転倒となります。医療とは人々のために存在する。社会全体が「君子危うきに近寄らず」になってしまっていることが最近多いのではないのかなと感じます。そうなると、社会制度が崩壊してしまうのではないか。社会制度を守るのは、厚生労働省でも国会でもなく、その社会の人々です。

(3) 参考

参考となる読み物として、李 啓充 医師が、医学書院の週刊医学界新聞に連載をされている「アメリカ医療の光と影」で、2006年9月18日から2007年5月21日まで16回にわたって米国の「延命治療の中止を巡って」として書いておられる記事があり、ネットで読むことができます。以下が、その記事であり、実例を知ることにより多くのことが学べます。

延命治療の中止を巡って(1) 殺人罪
延命治療の中止を巡って(2) 遷延性植物状態
延命治療の中止を巡って(3)  異例の裁判
延命治療の中止を巡って(4) 論点
延命治療の中止を巡って(5) 歴史的判決(1)
延命治療の中止を巡って(6) 歴史的判決(2)
延命治療の中止を巡って(7) 母の願い(1)
延命治療の中止を巡って(8) 母の願い(2)
延命治療の中止を巡って(9) 母の願い(3)
延命治療の中止を巡って(10)  クルーザン家の悲劇(1)
延命治療の中止を巡って(11)  クルーザン家の悲劇(2)
延命治療の中止を巡って(12) クルーザン家の悲劇(3)
延命治療の中止を巡って(13)  クルーザン家の悲劇(4)
延命治療の中止を巡って(14)  終末期医療における患者の権利
延命治療の中止を巡って(15)  パターナリズムの呪縛
延命治療の中止を巡って(16)  殺人罪に問うことの愚かさ

また、このブログ元検弁護士のつぶやき 人工呼吸器とり外し問題で、多くの議論がされています。ずいぶん参考にしました。

(4) 蛇足

李 啓充 医師が、「アメリカ医療の光と影」の2008年9月29日で、米国の医療保険制度について書いておられます。これも、今の日本が参考とすべきことと思います。ここにあります。

続きを読む "TV報道の素材負け? 人工呼吸器の取り外し"

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2008年10月 7日 (火)

流動性高いマーケット

7月24日に石油価格の値下がり始まったか?を書きましたが、あの頃からだったでしょうか、市場の流動性が高くなり、投資リスクが高くなり、下手に手を出すと火傷をしそうだと感じています。

色々なブログで勉強をさせていただいていますが、その中で、これはと思ったブログの記事について。

1) 一寸の虫に五寸釘

本日は、手っ取り早い金儲けの陥穽を書いておられ、証拠金の100倍の金額のFXをやりますという100倍レバレッジのこのFXの宣伝を金儲けの陥穽として紹介されておられました。このすごさ、多分プロかセミプロでなくとも、少しでも外国為替に携わったことがある方は、分かると思いますが、そんなリスク・・・、うまくいけばよいけど・・・、失敗したら・・・、多分失敗するだろうな・・・てな感じではないかと思います。

先ずは、この7月以降の外国為替レートのチャートを書いてみました。対象とした外貨は、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、英ポンド(GBP)、人民元(CNY)、インド・ルピー(INR)、ブラジル・レアル(BRL)、ロシア・ルーブル(RUB)、豪ドル(AUD)、カナダ・ドル(CAD)、韓国ウォン(KRW)です。KRWは100KRWに対しての円貨としています。

Forex200810a

全般的に各通貨とも円に対して下がっていますが、見にくいので7月1日を100としてその後の為替の動きを表したのが、次のチャートです。

Forex200810b

一番落ち込みが激しいのがBRLで、次がAUD、そして下がり幅が小さかったのが、CNYとUSDでした。このチャートを更に9月1日を100として書いたのが、次のチャートです。

Forex200810c

変動の様子は、3月間も1月間も同じように思え、BRLは76になり、変動が小さかった人民元CNYや米ドルUSDでも95.9と95.6であり4%以上下がっています。円資金による外貨投資(円キャリー)をしている人がいたら、全員損をしていると思います。

上のチャートの為替レートはIMFのSDRレートから作成したのですが、実際のFX取引においては、為替の手数料が入ってきますし、レバレッジ100倍と言っても、外国為替のポジションを作るために資金を借りて、投資通貨で運用してとしますので、借入と運用の金利差もあるので、手数料が相当発生します。

為替は、理論的にはマクロ経済等で予測できるのでしょうが、実際にはプロでも予測不可能な世界です。FX取引をするのであれば、ギャンブルだと思って、取引をすることだと思います。例えば、レバレッジなしでFXをすることも可能ですが、BRLのように75になってしまうこともあることを認識する必要があります。

NHKが昨日クローズアップ現代で「人気金融商品の落とし穴」としてFX取引を取り上げていましたが、「金融庁が悪い」みたいな嫌味なメッセージがあるように感じてしまいました。報道機関として、金融商品の危険性や留意点のようなものを報道すべきと思うのですが。

2) 会計ニュースコレクター

本日、「リーマンショック収まらず リスクばらまきの多大なツケ」として、週刊ダイヤモンド2008年10月11日号にある、リーマンブラザーズ絡みの金融商品(具体的にはクレジット・リンク・ローン)でみずほ信託銀行の100億円損失に絡んで書いておられます。

クレジット・リンク・ローンとは、デリバティブと思えばよいのですが、デリバティブとはなんぞやになります。極端な話として、投資銀行のようなデリバティブ屋さんに、私は「XXXXXというデリバティブが欲しい。」と言えば、「ハイ、これでいかがですか?○○円です。」と作ってくれます。社債とは、どこかの会社が発行した債券ですが、デリバティブだったら、実際には存在しない債券と同等の金融商品が作れます。ハイリスク・ハイリターンやローリスク・ローリターンの微妙な組合せや、償還期間も好きなように設定できます。

報道は金融危機はサブプライム問題で住宅ローンと単純化して言っていることが多いが、デリバティブに微妙に組み込まれたりしていて、作った人間でさえ、よく分かっていないのではと思います。作った奴らは、完成してディールができれば、報酬を入手して終わりですから。投資家は、そうではなく、最後までつきあわなくてはならないが、納得ずくで買っているから仕方ありません。

なお、ブログで国民生活センターの注意すべきハイリスクな投資取引・投資関連商品を紹介されておられます。さすが、独立行政法人国民生活センターです、リスクの高い金融商品について警告されています。NHKとは違う。偉いと思います。

FXやデリバティブが悪いのかというと、グローバリゼーションの中、規制することは不可能です。すなわち、規制しようとしても、基本的に抜け道が無限に存在するような世界だし、結局は機関投資家ではない一般投資家に販売するときには、リスクの存在を十分に説明することで対処するしかないと私は思います。

どの様な投資も、流動性が高くなっていると感じます。十分気をつけてください。最も、皆が投資の手じまいをして、キャッシュを預金に移したら、市場はいよいよ暴落する可能性もありますが。

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2008年10月 6日 (月)

米大手銀行間のワコビアをめぐるシティvsウェルズ・ファーゴ問題は地域分割で手打ちか?

米国の金融危機をめぐる色々な出来事は、猫の目の動きより激しいと思います。ワコビアとシティとウェルズ・ファーゴに関する出来事を見ていると、「さすが米国だ、活気がある。」と思ってしまいました。

1) これまでの動き

ワコビアの合併、身売りの報道がありました。

日経 9月20日 米モルガン・スタンレー、ワコビアと合併交渉 米紙報道
日経 9月27日 米銀ワコビアが身売り検討、3行が買収に関心 米メディア報道

その中で、一旦はシティと合意が成立します。

日経 9月29日 シティのワコビア買収、政府介入で破綻処理回避

ところが、ウェルズ・ファーゴが逆転します。

日経 10月3日 米銀大手ワコビア、ウェルズ・ファーゴが買収 1.6兆円
日経 10月3日 「公的負担なし」で逆転 ワコビア、ウェルズが買収

しかし、シティは9月29日の合意に違反するとして、裁判所にシティとの独占交渉を訴えました。

日経 10月5日 ワコビア買収、独占交渉権を延長 米シティ「裁判所が容認」

2) 複雑な経緯

ワコビアとシティは、合意したにもかかわらず、何故ウェルズ・ファーゴの逆転があったかですが、シティとは22億ドルだったのが、ウェルズ・ファーゴからは150億ドルで話が来たからです。そして、シティとは22億ドルが合意事項ではなく、交渉することが合意事項であったのです。

交渉中に他社と接触することまで禁じていたのか、禁じることが可能であるのか、又禁じていたとしても、その違反に対してシティが対抗措置として有効な手段があるのか、シティには150億ドル以上の値を付ける以外に方法はないのか。日経の報道で書かれている独占交渉権も、それほど簡単な内容ではなく、非常に複雑です。

さらに、シティによる買収に関しては連邦預金保険機構(FDIC)が資金融資を実施するとの話がありました。ウェルズ・ファーゴによる買収は、ウェルズ・ファーゴ株式がワコビアの株主に合併比率に従い交付されるだけですから、政府資金やFDIC資金の関与はありません。10月 2日の米上院の金融安定化法案修正案可決 で書いたように、米上院が金融安定化法を可決したのが10月1日です。7000億ドルは、枠の話ですから、これを何時、どのように使うかは、有効に使わねばならないわけで、ワコビア救済は政府資金やFDIC資金の関与なしで終わらせたいところです。

シティが裁判所に提起し、法廷闘争も始まったのですが、これについても複雑です。例えば、この文書があります。シティとワコビア/ウェルズ・ファーゴは主張が違って当然であり、裁判官にとっても判断が難しい部分が多くあります。裁判所が金融危機を拡大する一因になることは避けたいですし。

3) ワコビア分割案

ワコビア分割案を報じたのは、次のWall Street Journalの記事です。

WSJ OCTOBER 6 Fed Pushes to Resolve Wachovia Deal Dispute

ワコビアの3,346ある店舗の内、シティが米国北東部と中部/大西洋地域の店舗を、ウェルズ・ファーゴが米国南東部とカリフォルニアの店舗及び資産管理部門や仲介部門を引き継ぐ案が書かれています。そして、連邦預金保険機構(FDIC)が資金融資に応じると。

FDICは、銀行が保険料を負担しているのであり、連邦政府ではありません。だから、7000億ドルの金融安定化資金に手を付けるわけではありません。そして、ワコビアとシティとウェルズ・ファーゴの3銀行が合意するのであれば、裁判所はもう手を出す必要はありません。

多分、これで解決に向かうと私は予想します。米国の金融危機回避処理のすごさを感じます。日本だったら、政治家が互いを攻撃しあって、最終的には解決できないというパターンになりはしないかと危惧するものですから。

4) シティ、ワコビア、ウェルズ・ファーゴ

3行とも日本のメガ・バンク並あるいはそれ以上の銀行です。参考として、シティ、ワコビア、ウェルズ・ファーゴと日本のメガ・バンクの比較表を掲げておきます。これだけ巨大な銀行ですから、信用不安に陥ったら、恐ろしいことがおきるかも知れないと実感できます。(数字は、各社の上場持株会社の連結貸借対照表からであり、米国3行は2007年12月末、日本3行は2008年3月末です。)

銀行 シティ ワコビア ウェルズ・ファーゴ 三菱UFJ みずほ 三井住友
総資産額(十億ドル) 2,188 783 575 1,816 1,498 1,086
純資産額(十億ドル) 114 77 48 83 38 35

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朝日新聞の公貧社会 相続税

朝日新聞が「相続税減らしに走る富裕層」と書いていましたので、引き続き相続税について書いてみます。

1) 相続税はいくらか?

とにかく相続税率をグラフにしてみました。

200810_2 

1988年(昭和63年)以後3回にわたって税率が引き下げられました。(1987年(昭和62年)以前は、更に高かった。)最高税率は、2003年から50%に引き下げられました。

グラフの左下はゼロに張り付いていますが、これは配偶者と子供2人が相続人であるとして、基礎控除5千万円と相続人1人あたりの基礎控除1千万円が適用され、基礎控除で8千万円を受けられるとしてグラフを書いたからです。(1988年等は、基礎控除の額が少し小さいので、微妙にグラフが左に寄っています。)

実際の相続税額の計算の基となる課税価格は、不動産であれば路線価格をベースに計算したりするので、時価より低くなることが多いと思うし、更に小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(租税特別措置法69条の4)が適用され80%減額されたりするので、平均的な財産しかない人はほとんど掛かってこないか、掛かってもそれほど巨額ではありません。

従い、1億円の相続財産があり、配偶者と子供2人が相続人で、特例が全く受けられなかった場合は、相続税額の単純計算は250万円となります。しかし、配偶者が半分の5千万円を相続したとすると、配偶者に対する相続税額の軽減(相続税法19条の2)が受けられ、子供2人が各62.5万円づつ負担するのみとなります。すなわち合計125万円。

相続税は国税だけで地方税はありません。性格としては、富裕者税です。

2) 相続税の課税実態

200106

上の表の死亡者数は、厚生労働省の人口動態統計から、相続税のデータは国税庁の統計からです。死亡者数に対して、相続税を納付する人は、4.2%です。上の表の平均相続財産は、課税価格に平均基礎控除額を加算しただけですから、実際はもっと上です。但し、平均なので、巨額の財産を残した人もいる

17

上のグラフは、課税価格で書いていることから、1億円程度を加算したのが実態であり、左の端は2億円以下1億円超という感じです。そして、1億円以下に104万件が存在するといった具合です。これを考慮して、書いたのが下のグラフです。

2008

ほとんど(95%以上)の人は、子孫に残す財産の額は1億円以下で、相続税を支払わない。やはり富裕者税ですね。

3) 相続税の性格

95%以上の人は相続財産が課税価格に達しないのですから、公正な社会を作る。すなわち、格差の固定、貧困の固定をしないことがあげられます。現在の税率は、一番上のグラフの紫線ですから、妥当と感じます。格差拡大に進んでいるようです。1億総中流も、なか悪くはなかったと思います。

所得税で課税を逃れたら、その分は、財産として残るのであり、相続税のもう一つの性格は、所得税の落ちこぼれを再補足する性格があります。

4) 朝日の記事の批判

A 高い相続税

相続税が1億5千万円とか3億円とか書いていますが、一番上のグラフを見ていただければ分かるように、5億円近い財産やグラフからはみ出た8億円近い財産を相続する場合に、該当します。朝日新聞は、庶民の感覚を失ったのかなと思いました。

B バブル時の相続税

バブルで不動産価格が上昇したときは相続税は増えました。例えば、平成3年(1991年)は4兆円近い相続税が納付されたが、2006年は1.2兆円と70%ダウンです。しかし、相続納付割合は6.8%であり、税額ほどは動いていません。平均課税価格が3.15億円でしたから、相続税対象の平均相続財産額は4億円と今より1億円高かった。これに一番上のグラフの一番高い税率である1988年以降の税率が適用でした。バブル時を比較に出しても、あまり参考にならないように思います。

C 相続税と寄附

朝日が明確に述べているわけではないが、税率を下げたら寄付金が増加することに単純には繋がらないと思います。本当に、社会のために寄附で貢献したいと思う人なら、単純に相続人に財産を残すのではなく、遺言を書いて、寄附(遺贈)をすると思います。遺贈をしたからと言って、相続人が納付する相続税が増えるわけではないですから。

もう一つは、相続人が、これほどまで自分は財産が不要だから、相続人の意志で寄附する場合ですが、寄附を行った相手が所得税において寄附金控除を受けることができる先であれば、相続税についても同じように寄付金控除が適用され、結果税率が低くなります。(租税特別措置法70条)

相続税を納付して、その上で寄附を行うことは、全くの自由です。寄付金と税を結びつける必要は必ずしもないと思います。現状でよいと思います。

5) 相続税の改正

相続税は来年3月に大幅改正がなされる予定です。と言うのは、本年5月に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」という法律が制定されています。施行は10月からで、始まったばかりです。この法律の附則2条が次の条文です。附則に次に制定する法を書いているなんて、滅多にないと思います。

附則2条 政府は、平成二十年度中に、中小企業における代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い、その事業活動の継続に支障が生じることを防止するため、相続税の課税について必要な措置を講ずるものとする。

事業承継相続人に対する相続税が80%納税猶予となるとの案と了解します。これをするためには、現状の相続財産全額に対して計算するのではなく、相続人毎に税額を計算する必要があると話を聞きました。その結果、相続税が各個人が相続する財産価格により各人毎に計算することになると理解します。

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2008年9月24日 (水)

野村のリーマン買収(その2)

たった1日で、言ったことと、起こったことが、見事にずれました。

日経9月24日 野村、欧州勢を追撃 リーマン部門買収で営業網一気に拡大

野村ホールディングス 発表 リーマン・ブラザーズの欧州・中東地域の継承

私の23日のブログで引用したReuterには”Lehman's European investment banking operations, which employ about 6,000 people・・・”とあるものの、野村の発表文は「本案件の対象となる地域・部門において約2,500名の社員が所属するが、・・」となっており、3,500人の差があるのですが、余計なお世話でしょうね?

これからを見ていきましょう。

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2008年9月22日 (月)

朝日新聞の公貧社会 企業節税村オランダ

朝日新聞が「公貧社会 企業