2009年4月10日 (金)

北朝鮮リスク

北朝鮮の立法機関である最高人民会議の第12期第1回会議において4月9日、金正日総書記を国防委員長に再任したというニュースがありました。

日経 4月9日 北朝鮮、金正日総書記を国防委員長に再任

北朝鮮という国の政治体制をよく知りませんが、総書記が党の地位であり、国防委員長が大統領兼首相のような軍の最高司令官であり政府で最も権限を有する地位と想像します。

1) ミサイル・リスク

ミサイルが飛んでくるリスクがあるかと言えば、ないとは言えません。但し、それは必ずしも北朝鮮からのみならず、他の国から飛んでくるリスクもあるはずです。その可能性がもしかしたら北朝鮮の場合は、比較論において高いと言うことでしょうか。

比較論の問題ではなく、核リスクの問題のはずです。即ち、2003年に核不拡散条約からの脱退を宣言し、2006年10月に核実験実施を発表しており、核リスクが最大のリスクであり、その運搬手段としてミサイルを保有していることの恐ろしさです。

そう考えた場合、4月5日の飛翔体は、何なのだろうか。人工衛星の可能性もあるが、一方で、この4月6日の日経社説にあるように、人工衛星と弾道ミサイル打ち上げの技術はほぼ同じである。但し、日本を射程に置くには、こんな大きなロケットは必要がない。その意味で、4月5日の飛翔体実験でリスクが増加したとは単純に言えず、もしかしたら、自衛隊の丁度良い訓練であったかもと思う。

2) 国連安保理決議

政府は当初、飛翔体の発射を受けてこの日経4月5日 政府、安保理協議で新決議案提出へ 「テポドン2号」発射受けのように、国連安保理決議を言っておりました。最近は、この日経4月8日 国連安保理、議長声明で妥協も 官房長官 のように、トーンは少し穏やかになっています。

3年近く前の2006年7月5日の飛翔体発射は、日本海に向けての発射であり、人工衛星ではなかったことから、国連安保理決議 2006年7月15日 No. 1695も次のようになっています。

1. Condemns the multiple launches by the DPRK of ballistic missiles on 5 July 2006 local time;
2. Demands that the DPRK suspend all activities related to its ballistic missile programme, and in this context re-establish its pre-existing commitments to a moratorium on missile launching;

また、2006年10月9日の核実験に対しては、この2006年10月14日国連安保理決議 No. 1718があり、外務省の日本語訳もあります。

新たな国連安保理決議ではなく、決議1695号には違反しない人工衛星であったのか、情報公開を求めることと思うのです。そうして、核の放棄に持って行くようにすることが本当の姿だと思います。

3) 最大のリスク

様々脅かしをしても、北朝鮮政府は期待するように動いてくれないはずです。制裁しても全く困らないだろうし、制裁をし、門戸を閉ざさせることによるリスクも考える必要があると思います。

最大のリスクは、北朝鮮内乱・破綻国家リスクと思います。金正日がいなくなり、内部で権力闘争が起こったらという不安です。現在も、どのような権力構造になっているか、分からないので、何も言えません。しかし、分からないからこそ、リスクがあると思ってしまいます。

このAERA2009年4月13日号は、「第4の息子」が4月9日の最高人民会議で後継者として登場する可能性もあると、その関連情報についても複雑なことを書いていました。世襲で国家のリーダーが決定されることのリスクをどう評価するかです。信長や秀吉を考えると、後継者を定める制度がない場合の破綻リスクが高いと思います。民主主義は、後継者を考えなくてもよく、制度自身を運用していく中で、生まれてきます。

北朝鮮で権力闘争が起こったら、どうなるのでしょうか?核兵器を押さえた人物が、巨大な権力を把握する可能性もあると思います。

金正日が健在で権力を持っているうちに、民主化までは進まなくとも、情報公開は少しは進み、核査察を受け、外交関係を多くの国と持つようにさせないと恐ろしいリスクがあるように感じてしまいます。

日本の今の姿勢は、どうなのだろうか?ある国が強硬論で迫り、別の国がなだめと、役割を分担して当たった方がよいかも知れないので、何とも言えません。

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2009年2月 9日 (月)

イラン情勢は動くのでしょうか

米副大統領、イランに対話を呼びかけとの記事が日経にありました。

日経 2月7日 米副大統領、イランに対話呼びかけ ミュンヘン安保会議

ロイターも次のように報道はしています。

Reuter Feb 7, 2009 Biden says U.S. willing to talk to Iran

このブログでも、2007年12月14日にイランの核兵器で、イランにおいて核兵器が完成していない可能性が高いという報告があることを書きました。

また、2008年10月18日の国連安保理事会の理事国就任に思うにおいて、日本が国連安全保障理事会の理事国就任の選出については、イランも立候補しており、2国の選挙であったことを書きました。その際に、米国大統領が民主党から選出された場合は、米国・イランの対話が始まること、そしてイランがIAEAの核査察を受け入れるとの予想を書きました。

2008年10月18日当時と今と異なっていることは、イスラエル情勢だと思います。イスラエルはガザを必要以上に攻撃した。イスラエルもパレスチナ人を殲滅できるとは思っていない。そんなことは、ホロコーストで自らが証明した。イスラエルの人々が恐れているのはハマスなのでしょうか?ミサイルを打ち込んでくるかも知れない。しかし、そんなミサイルよりもっと恐ろしいのは核弾頭付きのミサイルが打ち込まれた場合と思います。現時点でそんな可能性はなくとも、将来的には、イランからそんなミサイルが飛んできたらイスラエルは消滅する。国は消滅しないであろうが、人々の存在しない国など意味がないと思うのです。

勿論、イランが核兵器を保有していたとしても、そんな馬鹿なことを簡単にはしない。イランやアラブ諸国が、通常兵器による攻撃でも、イスラエルを攻撃することができるのはよっぽどの場合のはずです。しかし、一方で、世界中で核兵器による戦争が万一起こる場合、その可能性が高いのは、イスラエルとイランかも知れないという気がします。

では、イランがIAEAの核査察を受け入れるかと言えば、私は受け入れると思います。イランは孤立政策を採らないと思うからです。8千万人の国の発展を考えれば、国際社会に参加していくことですから。でも、イランが一つ要求を出すかも知れないことは、イスラエルのIAEA核査察と思います。

世界は動き出す可能性がある。多分、ヨーロッパ諸国(特に仏、独)の企業は、イランビジネスを狙ってスタート体制を整えているのではと思います。

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2008年12月31日 (水)

ソマリア海賊問題

ソマリア沖の海賊対策として、海上自衛隊の護衛艦派遣が検討されていることが報じられています。

日経 12月27日 ソマリア沖「まず現行法で海自艦派遣」 政府、1月メド対処要領

そして、自衛艦の派遣について、民主党小沢氏も自国の船舶を警備するということに憲法上の疑義はないと思うと発言したとのことであり、実現の可能性が高いと思えることから関連することを書いてみます。

日経 12月26日 小沢氏「憲法上疑義はない」 ソマリア沖の海自艦派遣に理解

1) 海賊事件

ソマリア沖海賊事件で最も有名なのは、サウジアラビアの原油タンカー”シリウス スター”(318,000トン)が満載の原油を積んで喜望峰経由で米国に向けケニヤ沖合830kmを航行中の11月15日にソマリアの海賊に積荷とともに乗っ取られた事件です。次のBBCニュースに、”シリウス スター”の写真が出ていますが、長さ330mの船ですから、とても大きいです。

BBC 18 November 2008 Hijacked oil tanker nears Somalia

海賊の目的は、金銭であり、”シリウス スター”が解放されたとのニュースがないので、まだ身代金交渉(船と積荷も含め)が続いていると思います。BBCニュースの11月18日の時点で、2008年は92海賊事件が発生し、そのうち36件で船が乗っ取られ、268人の船員が人質として捕らえられているとあります。

発生している海域は、BBCニュースの地図にあるが、ソマリア沖とは言っても、極めて広くイエメンの近くとソマリアの南東沖で遠い部分はソマリアから1000kmもある膨大な海域です。そんな海で、ロケット砲やカラシニコフで武装して5mほどの小舟(高速艇)で、襲ってくる。

海賊相手に自衛艦が適切なのだろうか、むしろヘリコプター巡視船の方がよいのではとも思えますが、よく分かりません。例えば、ここに海上保安庁の2008年11月6日発表の「東南アジアへの巡視船の派遣について~タイ・インドネシアにおいて海賊対策連携訓練等を実施~」という文書があります。海賊は軍隊ではなく、犯罪であり、海上保安庁の方が対策についての経験やノウハウ蓄積も多いと考えます。海上保安庁の起用についても、検討すべきでと思います。

2) 国連安保理決議

国際連合安全保障理事会で、ソマリア海賊に関する決議がされています。海賊取り締まりのために、ソマリア政府に協力する国の艦船が領海立ち入りを可能とする2008年6月2日決議1816号があり、当初6ヶ月の期間限定であったが、2008年12月2日決議1846号により12月間延長され2009年12月1日までとされた。更に、2008年12月16日決議1851号により、海賊対策艦船派遣協力国は海賊の拿捕等についてソマリア政府に協力してソマリア国内(領土)にも立ち入る等の協力も可能とした。

海賊の取り締まりは、公海であれば国際法により可能です。海賊が領海に逃げ込めば、その国の政府が取り締まりを行う。決議1816号は、6月間に限りソマリア政府の事前承認等の手続きを経て外国艦船が領海進入を可能とした。しかし、不十分であるとして、決議1846号により期間を更に12月延長し、海賊が陸に上がっても海賊を拿捕できるように決議1851号が行われた。

私の上記解説は、相当意訳的な部分があるので、実際の決議文を読むために、リンクを掲げます。

国連安保理決議 1816号
国連安保理決議 1846号
国連安保理決議 1851号

3) ソマリア

ソマリアは、国連に1960年に加盟した。2)で書いた外国艦船による海賊取り締まりは、ソマリア政府が国連に取り締まり協力要請をしたことを受け、安保理決議をしています。しかし、その政府は決議文に”TFG: Transitional Federal Government”と書いてありますが、暫定政府であり、ソマリアを実効支配していません。ソマリアは無政府状態であり、ソマリア海賊問題のルートはここに存在します。外務省のソマリアの説明はここにありますが、「暫定連邦政府(我が国は未承認)」と書いてあります。米国国務省のソマリアの説明はここにあります。外交関係はないが、暫定政府と定期的対話はあると書いてあります。

ここにWikiのソマリア地図があり、暫定政府地域、ソマリランド独立派地域、イスラム法廷連合等の地域、及び中立地域が示されています。驚くかな、暫定政府首都であるモガディシュ(人口約100万人)の周りは、一歩外へ出ると他の支配地域です。

2008年12月16日決議1851号国連安保理決議についてのプレスリリースがここに、にあります。その中に、潘基文事務総長の演説についても書かれています。潘事務総長の人道関連に関しての演説には、次のように、モガディシュから逃げ出た人々が本年だけで25万人。毎月5000人がケニヤの難民キャンプに避難している。生活物資の支援必要者は320万人と推定される。(人口840万人の国です。)

Regarding the humanitarian situation, he(BAN KI-MOON) said access remained severely restricted, and the level of insecurity for humanitarian workers and the local civilian population was unacceptably high.  During this year alone, an estimated 250,000 people had been displaced from Mogadishu.  The overall number of internally displaced persons stood at 1.3 million and an average of 5,000 Somali refugees arrived monthly in the refugee camps in Kenya.  The number in need of assistance and livelihood support in Somalia stood at 3.2 million.  The delivery of such assistance remained a logistical challenge, not least because of piracy, which had increased the cost of transporting supplies.

海賊により援助物資の輸送も容易ではない。しかし、海賊の言い分は、「♪こんな姿に、誰がした♪」かもしれません。アフリカの不幸の一面です。ソマリアは、19世紀に北部が英国植民地(保護領)となり、南部がイタリア植民地(保護領)になりました。1960年6月に英領が独立し、同年7月に伊領の独立があり、2つの地域が合わせてソマリアとなりました。(民族的には双方ともソマリア人、ソマリア語、イスラム・スンニです。)1969年に革命によりシルマルケ大統領暗殺、バレ少将が最高革命評議会議長に就任。1974年ソ連と友好条約を締結。1977/78年エチオピアと交戦(オガデン紛争)した。ソ連は、エチオピアを支持し、ソマリアは米国に接近。オガデン紛争後は、米国援助があったものの、バレ大統領の独裁色が強くなり、国内の不満が増加。1989年首都で暴動発生し、1991年1月バレ大統領は首都を追われ、全国的に内戦状態になった。最近では、2008年8月の暫定政府とソマリア再解放連盟の間の、停戦等を定めた「ジプチ合意」がありますが、ジプチはソマリアの北に位置する都市国家です。国内の政治的取り決めも外国でしなければならない状態です。

4) ソマリアに関して望むこと

喫緊の課題として海賊対策は必要です。しかし、海賊対策により問題が解決するほど甘くはありません。破綻国家を、どのように援助すべきかは容易ではありません。米ソ代理戦争時代は、それぞれが国内の別の一派を援助したことによりかえって問題解決を困難とし、対立の激しさを生んだと思います。オガデン紛争にしても、ソマリアとエチオピアの国境の線引きを決めたのは、ソマリア人ではなく、植民地宗主国であったのですから。

日本政府に望むことは、海賊対策だけではなく、ソマリア暫定政府がソマリア全国民が支持できる政府を樹立することを支援することです。海賊対策にしてみても、自衛艦の派遣より海上保安庁の人がソマリア政府に海上警備についての知識・経験を伝えることや、警備艇、巡視船をソマリア政府に提供することの方が、重要な気がします。

緊急援助食料さえ被援助者に届かないこと。無法状態であること。なかなか想像できないですね。昭和20年の敗戦日本でも、政府は機能していた。法も有効であったから、戦後復興ができた。日本が、破綻国家に援助できることは多くあると思います。

エチオピアで日本人医師赤羽桂子さんが誘拐されるという事件がありました。ここに共同の10月31日のニュース「「健康だ」と人質の赤羽さん エチオピアの誘拐」があります。その後ニュースがないが、赤羽さんは今もソマリアのどこかで、軟禁されているのだろうと思います。赤羽さんの一刻も早い解放も願いたいと思います。

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2008年9月 4日 (木)

経済成長と財政改革

NB-Onlineが実施した読者1万人アンケートの結果として次の首相への期待は「経済成長」と「財政改革」であったとのことです。

NB Online 9月3日 国民の要望は経済成長と財政改革の“二兎”

1) 日本景気の現状

現状をよく反映したアンケート結果と思います。8月14日エントリーの景気対策を求めるなかに、次のグラフを入れましたが、この先が不安になります。

Gdpjapan20088

それと次の雇用者報酬(実質報酬、季節調整済)のグラフは、2008年第2四半期はついに前年同期比マイナス0.1%になったことを示しています。

Gdp200808analys2

個人に対する分配を上げないと景気の先行きは暗いと思います。

2) 定額減税

公明党が掲げている定額減税が今年度で実施されることになると思います。当然、個人消費を増加させる方向であり、景気対策にもなると思います。但し、減税だけで済むほど、政府の財政事情は甘くはないようです。

3) 借金大国日本

こちらに、財務省作成の一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移があります。税収は、平成2年(1990年)の60.1兆円が過去最大で、平成20年度予算で税収が53.6兆円。2011年度のプライマリーバランスをゼロにするとの話がありますが、プライマリーバランスのゼロとは国債発行額と国債償還額をゼロにするのであり、国債の利払いは含まれていません。従い、国債を新たに発行して利払をしていくのであり、国債発行残高は増加を続けるのです。だから、会社で考えると、有利子負債が増大している状態で、もし売上と利益が、それ以上に伸びてないと不健全な状態です。

ここに財務省作成の公債残高の推移 があります。平成20年度末553兆円は、GDPが514兆円ですから107.5%です。平成5年(1995年)は、GDP496兆円に対して公債残高172兆円で35%と健全でした。他国との比較として財務省のWebの債務残高の国際比較(対GDP比)ここにあります。日本が借金大国で、イタリアも借金が多いが現時点では日本より少なく、カナダなんかは借金を減らしています。住むなら、当然借金の少ない国に住みたいと思います。

なお、債務残高の国際比較(対GDP比)は日本が181.6%と私の計算より大きいのですが、理由は181.6%がOECD/エコノミック・アウトルックによることと国債以外の債務が入っていることによると思います。ちなみに財務省が2008年6月末現在の残高として発表している債務残高はこちらで、848億円です。

4) 国民負担率

借金の話で嫌になりましたが、国民負担率の話をします。国民負担率とは、税プラス社会補償負担の国民所得(GNI)に対する割合です。税は法人税等を含めた全ての税であり、税に加えて社会補償負担である健康保険や年金の負担を含めて負担率を計算したのが国民負担率です。なお、GNIがGDPと、どう違うかというと、外国での稼ぎがGNIには入っており、逆に日本で働く外国人の本国送金や外国からの投資に対する本国への金利や配当金が差し引かれていると考えてください。

財務省のグラフはここにありますが、私もグラフを作ってみました。

0809

潜在的国民負担率と書いたのが、「国税+地方税+社会保障負担」に更に「財政赤字」を含んだ率であり、財務省のグラフの「財政赤字を含む国民負担率」と同じです。国債を発行したならば、名目経済成長率が国債の利子率と同じとしても、その元本償還は将来の負担になります。従い、赤字国債の発行は、税を払ったことと似通っているのです。このあたり異論があると思いますが、世界中の国を見渡して、こんなに巨額の赤字放漫経営の政府はないのであり、放漫経営のツケがそのうち回ってくるだろうなと私は心配してしまうのですが。

5) 国民負担率の国際比較

財務省のWebを利用します。ここに日本、米国、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの6国比較が、ここにOECD28国比較があります。米国は、医療にしても民間医療保険の割合が大きいことと、政府よりもボランティア的な組織による社会保障を目指す面があるので、国民負担率は低く、OECD28国中で26番目です。日本は、23番目で米国と余り変わりません。高いのは、ヨーロッパ諸国で、デンマークの73.7%はすごいものです。

政府の制度になんか頼らないなら、国民負担率は低い方がよいのでしょう。戦前の日本がそうです。歳取った親を育てるのが長男の努めだとして、政府は何もしない。今や日本は、核家族を通り越して、個人ベースの社会に入って行っていると私は思います。負け犬なんて言葉は、もはや昔。離婚時の厚生年金の分割は、あたりまえ。やはり、社会の変化に社会保障制度も対応して行かなくてはならない。社会保障制度の維持や発展のためには、国民が必要な負担をして行かなくてはならない。逆に、それができなければ、破綻であり、惨めなことになると思います。

デンマークの国民負担率は世界一高いと書いたのですが、この8月29日のNB Online-Business Week デンマーク、「世界一の幸福国」に認定 経済力と社会福祉の適正なバランスが確立しているとの評価によれば、デンマークは世界一の幸福国です。ここに、この記事からリンクが繋がっている世界の10大幸福国のスライドショーがあります。試しに見てみると面白いです。

例えば、自然が美しいというのも幸福国のバロメータの一つだと思います。自然をつぶして、開発して、赤字国債を発行してというのは、夢がないどころか、負の遺産を作っているだけの気がします。せめて日本を幸福国に少しだけでも近づけたい。そう努力をしたい。こんな風に考えると、定額減税なんて小さすぎて、もし、将来その分の税金が増えるなら、ありがたくもない話になります。

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2008年8月31日 (日)

新銀行東京

新銀行東京について、3月14日と6月7日に新銀行東京の今後新銀行東京の倒産の可能性のようなエントリーを書いたこともあるので、次の読売の記事については、気になりました。

読売 8月31日 新銀行東京、融資にブローカー暗躍…都議に口利き依頼も

銀行の倒産には1千万円まで預金保険があるとは言え、影響は大きいので、ない方がよく、東京都の追加出資もあり無事に推移しており安心しています。

しかし、自治体が出資する株式会社の銀行はあるべき姿かと言えば、そうではないと考えます。銀行が預金者に対して預金利息の支払いが実行可能であり、預金の払戻しに応じられるのは、預金により得られた資金を預金以上の高いリターンで貸付を行えているからです。すなわち、儲かっているからであり、儲けることは銀行の使命であります

8月18日から9回にわたって、自治体病院の経営指標を連載しましたが、自治体が病院を持つことと銀行を持つことは、全く意味が異なります。自治体病院が赤字であっても、その使命を果たすためには赤字が許される場合があります。しかし、銀行業務は民間銀行(信用組合、信用金庫等を含め)との競争です。この競争は健全な競争です。結果、自治体銀行が赤字であった場合、最終的には預金の利払いと払い戻しに支障を来す。仮にそうならなくても、純資産額の減少は出資の減少であり、自治体の損失となる。

常々そんなことを思いつつ、読売の記事を読んだことから。「あり得るかも知れないなあ!」と思いました。自治体銀行の融資審査なんて難しすぎると思います。下手をするとガバナンスが、無責任体制で、誰も責任を取らない体質になり得ますから。

「民間にできることは民間に」ではなく「民間が望ましい事業は民間が。政府自治体が国民・住民へのサービスとして提供すべき事業あるいは範囲は政府自治体が。」を貫き通すべきと思います。

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2008年8月15日 (金)

終戦の日と東条英機メモ

終戦の日は、大東亜戦争のことについて、少しは思いを及ぼした方がよいのかなと思いました。

1) 東条英機元首相のメモ

1945年8月10日から14日までの間に東条元首相が書いたメモが国立公文書館から公開されたとのニュースがつい最近ありました。

共同 8月13日 東条元首相の手記公開 国立公文書館

このメモの要旨が次の共同47のWebにあります。この要旨をもとに思いをめぐらせました。

共同47 東条元首相手記の要旨

2) 歴史の整理

8月10日から14日までを、整理した上で、考えた方がよいはずなので、その整理をしました。整理のための資料は全て国会図書館の日本国憲法の誕生からです。

7月27日 米英中、「ポツダム宣言」発表
7月28日 鈴木首相、記者団に対しポツダム宣言黙殺・戦争邁進を表明
8月6日 広島に原爆
8月8日 ソ連、対日宣戦・ポツダム宣言参加
8月9日 長崎に原爆
8月10日 御前会議、国体護持を条件にポツダム宣言受諾決定 午前9時在スウェーデンと在スイスの日本大使館に対して東郷外務大臣から電信を発信
8月12日 米国からの回答文が到着(在スイス日本大使館からの電信受領18時40分)
8月14日 御前会議、ポツダム宣言受諾決定 午前11時在スウェーデンと在スイスの日本大使館に対して東郷外務大臣から電信を発信 天皇、終戦の詔書を録音
8月15日 正午終戦の詔書を放送 鈴木内閣総辞職

3) 歴史から学ぶ

東条は、1944年7月に総理大臣を辞めていますが、普通の人ではなかったのであり、上の出来事に直接の関与はなかったにしろ、全て知っていたはずです。そう考えて、このメモを読んでいくと、その当時のことが理解できるし、現在の我々に対する教訓を与えてくれていると思います。学ぶことは、知ることではなく、分析してその結果を、将来に生かそうとする努力だと思います。

4) 8月10日

東条メモが何故8月10日からか。残っているのが、偶然そうである可能性もありますが、やはり8月10日がポツダム宣言受諾を日本政府が決定したからだと思います。午前9時には東郷外務大臣から電信を発信しており、早朝の御前会議だったのだと思います。1941年12月8日の対米英宣戦の大詔の時の総理大臣であり陸軍大臣であったのですから、8月10日のポツダム宣言受諾決定は意味するところが個人的にも大きかった。

5) 8月12日

米国の回答が届くのが12日の18時40分ですから、東条がその内容を知るのは13日だったかも知れません。8月10日の決定は、国体の護持が条件だったが、やはり米国(英国、ソ連、中国も代表して)からの返事は「ポツダム宣言の通り」との言葉であった。(続きを読むに返事を入れておきます。)

その結果、8月14日のポツダム宣言をそのまま受け入れる決定しか残されなくなった。だから東条のメモも13日は「願くは今後の国民諸君、降服によりて来るべき更に大なる苦難を忍びに忍び他日の光栄ある帝国建設に努められんことを伏して願て止まず。」と、ポツダム宣言受諾を受け入れ、戦後の日本復興に思いを馳せ巡らせた。

6) 学ぶべきこと

学ぶべきことは多いと思います。東条も10日は「皇位確保、国体護持については当然にして、・・・」と書き、11日には「新爆弾に脅え、ソ連の参戦に腰をぬかし一部条件を付し在りといえども」と書いています。私は、米国の返事に接するまでは、東条も国体護持に希望をつないでいたのだと思うのです。その望みが消滅したとき、自分の死を覚悟し、国の将来に望みを託した。

東条メモの全文を読まずして、冒頭の共同47の要旨を読んだのみですが、武士道を感じます。東条は広島・長崎の原爆のことを相当程度知っていたはずですが、11日のメモのような言い方をしており、現代人からすれば、不謹慎この上ないとなるのでしょうが、当時の日本人の感覚は、東条メモの感覚が一般的だったのだと思います。

冷静に考えれば、変だと思うこと。自分自身が冷静だと思っていても、他人から見れば、冷静ではない。そんなことが、たくさんあると思います。当時の日本人の思考はどうであったのか。例えば、御前会議とは何であったのか。会議ではなく、儀式ではなかったのか。それまでに実質的に決まっていて、それを確認するための儀式。今でも、日本の社会の中で、そんな儀式のような会議も多くあると思うのです。

だから、KYは今に始まったことではなく、日本に古くからあった。KYは、すべきではない。自分の考えを他人に伝え、理解させること。それが確立されないなら、民主主義もなく、戦前あるいはそれ以前に戻ってしまうのではと思います。

7) 国体

国体護持とは、何であったのでしょうか。天皇制でしょうか。そうすると戦前の天皇制とは何かになってしまうのです。私なんかにとっては、極めて訳の分からないものになってしまいます。

NHK TVが、「国のために死ねますか?」なんて聞いているのが出てきます。さすがNHKは、バカですねと思います。国のために死ねる人なんか、誰もいないと思います。国とは、何ですか?存在しているのですか?政府は存在します。最近、グルジアで南オセチア問題で紛争が起こりました。南オセチアは、グルジアなのかどうか私には何とも言えません。国とは、本来あいまいなものです。欲望を持った人が、愛国心という言葉を利用して、暴走させる。多分、南オセチアに住む人にとって、愛国心とはグルジア政府に反抗することではないのかなと思います。

訳の分からないものは、訳の分からないものとして、排除しておくことも必要なのだと思います。

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2008年7月19日 (土)

長銀経営者無罪判決に思う

最高裁は1998年(平成10年)に経営破綻した旧日本長期信用銀行の粉飾決算事件で、証券取引法(現金融商品取引法)違反と商法(現会社法)違反で起訴された経営者3人に対して、18日に無罪の判決を出しました。判決文は以下にあります。

平成20年7月18日 最高裁判所第二小法廷 判決

この判決に対する新聞の社説は、日経朝日読売等ありますが、私は日経の「そこを公に検証する、大恐慌後に米議会に置かれた調査機関「ペコラ委員会」のような場が要る。」との意見に賛成します。少し書いてみます。

1) 銀行経営とは何か

一般企業の経営再建は、事業見直し、コスト削減や販売強化・提携強化等ですが、銀行の場合は、そうではありません。銀行にとっては「再建」というような言葉が付されたならば、直ちに破綻に等しいのです。長銀判決を考える上において、それを念頭に入れる必要があると思います。

何故再建ができないかと言ったら、不安な銀行に誰も預金しないからです。預金の引き上げが生じたら、破綻です。通常の企業の仕入れに相当するのですから、仕入れが不可能となれば、企業は直ちに破綻です。

銀行とは信用力が第一に必要なものであり、信用力は決算書(財務諸表)により測定される。特に貸借対照表が重要となりますが、銀行支援のための資本注入とは何であるかは、資金が必要だから増資するのではなく、資本比率を高め、信用力を上げるためにしていると言えます。

通常の企業とは、すこし異なった面を持っています。

2) 当時の銀行(金融界)の状況

1992年頃でしたでしょうか、バブル崩壊がありました。その頃、流行した言葉に「価格破壊」というのがありました。その中で、一番価格が下がったのが、地価だったでしょうね。金融界の鬼子として住専というノンバンクがありました。本来は住宅資金の融資業務のために銀行が設立したが、銀行自らも住宅融資に乗り出し、住宅金融の競争が始まると、資金コストの高い住専は不利になる。信用力ある大手企業は社債、増資、コマーシャルペーパー等を発行して直接金融の時代にも突入していったことで、銀行の優良融資先が減少して行っていた。

住専は、住宅融資ではなく企業向け融資に走り、しかもバブル期待の土地取得融資なんてバカな金融にも横並び競争を始めていました。さらに、もう一つの問題として農林系金融機関が住専に多額の資金を融資していることでした。農地の売却代金の預金を農協が集めてしまう。(農協にとっては、自らの成績を上げることにるし、農家にとっても銀行より農協の方がおなじみさんです。)農協は、その資金を農林中央金庫、信用農業組合連合会(信連)、全国共済農業協同組合連合会等に預金し、更にその先の運用としては、国債より利息が高く大手銀行が出資をしている住専に貸付ける。ごく普通の金の流れです。更に言えば、住専が企業による農地取得資金を貸し付けるのですから、見事にバブルの構造ができています。

住専を処理できなかった。バブルに対処できなかった。バブルに浮かれた結果、そのツケが銀行の破綻、国庫による損失の負担に繋がっていった面があると私は思っています。

3) 会計基準

会計の方法により利益は変動する。会計を知っている人にとっては、当たり前のことですが、余り知らない人にとっては不思議に思う。一番大きな理由は、期間計算であることによると思います。貸した金で利息を取っても、元本が返済されなければ損失となる。利息分が利益となるが、発生主義が会計基準であるから利息について入金の有無に拘わらず、期間をベースに収益を計上する。元本は、利益の源泉であるが、返済されることを原則とせざるを得ない。貸倒見積高に基づいて計算された貸倒引当金を控除することとなる。

法人税の基となる税務上の課税所得計算は、公平・単純と言った原則が適用されなければならない。税額計算で鉛筆がなめられるなら、不公平が蔓延し、無茶苦茶となる。課税所得計算においても、貸倒引当金が認められるが、業種による差があれば変になる。(特例はあり、例えば現在でも、資本金1億円以下の企業には租税特別措置法57条の10による貸倒引当金計算の適用もある。)

税務で引当金が認められないのに、損失を出すのはおかしいという本末転倒の議論をする人が当時はいました。そうなんです、会計基準の世界でも、税効果会計に係わる会計基準が企業会計審議会より発表されたのが平成10年10月30日で、その適用は平成11年4月1日以降開始する会計年度からでした。

長銀事件で問題となっている平成10年3月期の翌々年から税効果会計が適用となりました。この税効果会計に係わる会計基準で「企業会計上の収益又は費用と課税所得計算上の益金又は損金の認識時点の相違等により、企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額に相違がある場合において、法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金の額を適切に期間配分」なんてことが出てきて企業利益と課税所得の金額に差があることが陽の目を見たように思います。

最高裁の判決文では触れられていませんが、企業会計原則の継続性の原則である「企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。」ということを考え、そして判決文11ページの「9年事務連絡は,・・・その内容も具体的かつ定量的な基準を示したものとはいえない上,・・・金融機関一般には公表されていなかった。」や12ページの「4号実務指針については,具体的な計算の規定と計算例がないなど,これに基づいた償却・引当額の計算が容易ではなく,・・・結局,定性的な内容を示すにとどまり,・・・定量的な償却・引当の基準として機能し得るものとなっていなかった上・・・」と言った指摘を考えると刑事罰まで問うことが正しいのかとの疑問が出ます。

刑事罰は、刑事罰を構成することが明確であるときに問えると思います。心情により罰を下すものではないはずです。

4) 原因者

本当の原因者はバブルに浮かれた国民であったような気がします。直接的に、責任の一端が長銀経営者にあることについて否定しません。しかし、それ以上に大きな責任がルールを作る側にあったと思います。3)で税効果会計に係わる会計基準を書きましたが、金融商品に関する会計基準が出されたのが平成11年1月22日です。(平成12年4月1日以降開始する会計年度から適用)

一つのルールを作るには大変な労力が必要です。利害関係者が多い。だから時間も要するのですが、住専を破綻させたら、農協がつぶれる。農業が破綻するという大変な構造でした。政治家は、ともすれば問題の先送りに奔走します。しかし、それもツケを払いたくない選挙民が多いからでしょうか。

現在も増税を唱える政治家は少ないし、唱えたとして消費税のみで、真に公平な増税論は何かを余り聞かないように感じます。

従って、長銀問題については、刑事罰を追求するのではない公的な調査期間が調査を行って、問題点を幅広く調査、公表して欲しいと思います。

長銀って良い銀行でしたね。金融債の発行が許されたから支店数は少なく、企業の長期設備資金融資が主体であった長銀、興銀の方々は、一般銀行の方々とは少し違った特異性を持った方が多かったと感じています。現在は、元長銀マンの方々も様々なところで活躍されておられると思います。そういう方々を育てた長銀という銀行と優秀な方々が活躍できる場が存在する社会を良いものだと思います。

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2008年6月11日 (水)

NHKニュースに対するBRCの決定

放送と人権等権利に関する委員会(BRC)が、2007年1月29日のNHK総合テレビの午後9時00分からのNHKのニュース報道は公平・公正を欠き、放送倫理違反があったと6月10日に発表しました。委員会決定第36号であり、ここをクリックするとその文書が読めます。

その不公正があった報道とは、6月10日に私の昨年3月21日のブログで取り上げた、日本(バウネット)、韓国、北朝鮮、中国、台湾、フィリピン、インドネシアのNGO7団体他が開催した女性法廷のNHKのETV2000の報道に関する東京高裁の2007年1月29日の判決についての報道でした。

昨年3月21日に取り上げたこともあり、少し書いてみます。

1) NHKの報道は外部影響力を受けやすい

残念ながら「NHKの報道は外部影響力を受けやすい。」と思いました。何故なら、私の2007年1月30日のブログ 「あるある」とNHKの最後に、2007年1月29日 19時31分と記録されているNHKニュースの文章が残っています。多分これが「NHKニュース 7」の報道であったと思われます。

NHKニュース7では、NHKの見解も述べていますが、原告側のコメントも伝えていたのです。ところが、9時のニュースは、安倍晋三と中川昭一のコメントを報道し、バウネットとその弁護士のコメントの報道を落としたのです。たった2時間で、ニュースの中を変えてしまったというお話です。

NHKには倫理がないと思います。BRCの決定文によると、NHKの説明は「テレビ放送では、新たな情報やニュース素材が入ってきた場合、後の放送で当初の放送とは異なった扱いをすることは通常行われていることであって、政治家二人の談話は、「ニュース7」の放送後に入ってきたものであり、これを受けて本件放送を構成したことは通常の編集判断であって、これによって公平性に問題を生じるようなものではない。」と言っているようですが、私は、この言葉は犯罪者の言葉を感じます。

2) BRCが判断したこと

BRCの決定文から抜き出すと、以下の文章に代表されると思います。

裁判の相手方であった申立人らの見解に何ら触れることなく、自らの解釈だけを伝え、さらに介入が疑われた二人の政治家のコメントだけを放送したことは、被申立人自身が掲げる上記の自主的規範に照らしても、本件放送において申立人らに対し公平・公正な取扱いを欠き、放送倫理違反があったといわざるを得ない。

3) 政治家2人の介入

NHKは政治介入がなかったと言っているが、介入という言葉の定義をせずに議論しても無駄なだけ。実は、NHKの日本語は言語明瞭意味不明のことが多いと思っています。例えば、国という言葉をよく使っていますが、私は普通は政府という言葉に置き換えて理解しているが、そうでない場合もある。公共放送という訳の分からない言葉もよく使っておられます。

そこで、政治家の介入ですが、私の3月21日のブログに書いたように、放送総局長他が安倍晋三と面談したのが2001年1月29日午後でした。そして、翌30日の出来事は、番組制作局長が、NHK会長室において、会長と本件番組について話し合った後、放送総局長室を訪れ、放送総局長とともに再度修正された台本を読み合わせて検討した上、教養部長に対し「自民党は甘くなかったわよ。」と発言した後、元兵士と元慰安婦女性2人の証言シーン等3分の削除を指示した。

そして、通常の44分より短いETV2000の40分版の番組を完成させたのです。これが、高裁が認定した事実です。最高裁の判決は6月12日です。気になりますね。

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2008年5月29日 (木)

カニカニ詐欺の電話を受けました

1) カニカニ詐欺の電話

驚きました。まさかです。本日、カニカニ詐欺の電話がかかってきました。

「北海道のえりも岬の近くですが。北海道の新鮮な海産物が今大漁なんです。海産物はお好きでしょう・・・・」というようなことを言っていました。そして、電話の音には、市場であるかのような威勢の良い声が入っていました。しばらく、返答をしないで、そのまま聞き流していると自然に電話が切れて終わりました。

これだけは、未だカニカニ詐欺とは決められないので、電話の通信記録に残った相手先の電話番号011-330-0044に電話を掛けてみると呼び出し音のみで応答がありません。そして、数時間経過して電話をすると「お掛けになった電話番号は現在使われておりません。または、・・・・」とのテープ音が流れました。

当然受けた時から変な電話でした。カニカニ詐欺の証拠を捕らえようかとも思いましたが、個人でできることには限界があり、相手の電話番号を残せたのみです。多分、決定的証拠を相手も出さなかったと思います。言葉尻を捕まえて、売りつける作戦であり、危険と判断すれば、相手も電話を切ったと思います。住所と名前を聞いて、宅急便で送りつけ、生ものだから解約できないとして、お金を取る手段と思いますから。

カニカニ詐欺に関する記事としては、この5月29日 @niftyニュースAERA 2008年6月2日号 現地取材「3千円のクズガニが1万2千円」 カニカニ商法中身スカスカがあります。

2) 消費者庁

福田内閣メールマガジン(第32号 2008/05/22)には、「消費者を守る新しい組織である「消費者庁」を、できるだけ早期につくりあげます。」と書いてあります。消費者庁設置を求める意見書としては、この2008年2月15日付け日本弁護士連合会の「消費者庁」の創設を求める意見書があります。

日弁連の意見書10ページ目には、「3 消費者行政機構の現状と問題点」として、以下のようなことが書かれています。

(1)わが国の消費者行政は、多数省庁が業界を行政上の取締法規によって監督することによって行われている。・・・・消費者被害の防止よりも企業の被る損失や企業活動への悪影響を懸念し、規制権限を適切に行使しない事態が消費者被害を深刻にしてきた。さらに、複数の省庁に係る重大あるいは複雑な問題の場合には、総合的な対策の企画・立案が必要となるが、そのような権限のある機関がなく、迅速に適切な対応をとることができず、問題が深刻化する。

(2)消費者政策の企画立案は、内閣府が担当している。しかし、この事務は、分担管理事務とされており(内閣府設置法4条3項36号)、・・・・端的に言えば、関係省庁の意に反した立案はできないのである。これに対して、・・・横断的な企画調整機能を担う内閣補助事務(同法3条1項、4条1項・2項))に関しては、特命担当大臣の関係行政機関の長に対する資料提出・説明要求・勧告・勧告に基づく措置の報告要求・勧告事項に関する内閣総理大臣への意見具申などの権限が付与されている(同法12条)。しかし、消費者問題のなかで内閣補助義務と位置付けられているのは、「食品の安全性の確保を図るための環境の総合的な整備に関する事項」(同法4条1項16号)「食育の推進を図るための基本的な施策に関する事項」(同項17号)などに限られている。・・・・・・

でも消費者庁ができるのだろうか福田さん!というのが今の政治の現状でしょうか?この共同47ニュース 5月16日 消費者庁に20法令移管 閣僚折衝へ政府原案には、「いずれの法令も関係省庁の権限の源泉だけに「霞が関」は徹底抗戦の構えで、首相が最終段階で指導力を発揮できるかが焦点になる。」と書いてあります。

3) 消費者行政

消費者基本法があるんですよねと言いたい。消費者基本法第2条1項と第24条を書きます。

2条1項 消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策(以下「消費者政策」という。)の推進は、国民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な生活環境が確保される中で、消費者の安全が確保され、商品及び役務について消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保され、消費者に対し必要な情報及び教育の機会が提供され、消費者の意見が消費者政策に反映され、並びに消費者に被害が生じた場合には適切かつ迅速に救済されることが消費者の権利であることを尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。

24条 国及び地方公共団体は、消費者政策の推進につき、総合的見地に立つた行政組織の整備及び行政運営の改善に努めなければならない。

消費者基本法に従って政府が行政を実行していないので、問題が起きているのかなと思いました。少なくとも事故や被害発生等に関する広報活動は積極的にすべきであり、法令移管がなくとも消費者のために活動を行う組織を政府の中に作って、活動しながら改善をしていかないと進まないと思いました。

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2008年5月24日 (土)

日米の経済比較

5月16日に内閣府経済社会総合研究所から2008年第1四半期のGDP速報(1次速報値)が発表され、約半月前の4月30日に米商務省(US Department of Commerce)から米国GDP第1四半期の速報値(GROSS DOMESTIC PRODUCT: FIRST QUARTER 2008 (ADVANCE))が発表されています。

1) 日本の景気は良いのか?

5月16日の新聞報道ですが、以下の様なのがありました。(毎日は社説です。)

読売 日本経済成長加速→1~3月期GDP、年率換算で3・3%
朝日 1~3月期GDP、年率3.3%増 3四半期連続プラス
毎日 社説:GDP成長率 景気、物価両にらみの時だ
日経 2008年度の実質成長率1.3%に・NEEDS予測

おそらくは、読売の記事にある「米国経済の減速などの影響で、今後も順調な成長が続くかどうかは不透明」との見方をされておられる人が多いのではと思います。

4月30日の米国GDPについての報道を掲げておきます。

日経 5月1日 1―3月の米実質GDP、0.6%成長――住宅や消費の不振続く

2) 日米比較

2003年からの5年間についての日米GDPの伸び率、即ち経済成長率のグラフを書いてみました。

Gdp200805

2008年第1四半期の前期比GDP成長率(年率換算)は、日本が3.3%、米国が0.6%なので、これだけだと日本が断然良いと感じるのですが、グラフに書いてみると異なった姿が見えてきます。直前の四半期と比べた場合は、季節調整を行っても3月と期間が短いので、調整しきれないのではと私は思います。

上のグラフで波線で現したカーブが、前年同期比でこちらの方が、安定したカーブになっています。前年同期比を2008年第1四半期で日米比較をすると、日本が1.1%で、米国が2.5%です。日本は、サブプライムで騒いでいる米国より悪いのです。そこで、次が2003年第1四半期を100として書いた実質GDPの推移グラフです。

Gdp2008051_2 

やはり、日本経済の方が、問題が多いのではと感じてしまいます。

3) 民間住宅投資

米国ではサブプライムローン問題が大変であると報道されています。確かに、金融関係では大幅な人減らしとボーナスカットが実施されています。そして、住宅関連の建設を初め、住宅設備関係も不況です。しかし、これもグラフを書いてみると少し異なった絵が浮かんできます。

Gdpresidential200805

サブプライムローン問題が表面化したのは、2007年7月28日のエントリー株価・為替・金利の動向で書いたように、2007年7月中旬です。上のグラフからすれば、2007年7月中旬は米国の住宅投資が2003年初めの水準に落っこちてきた頃です。しかし、米国では2006年に入った頃から、住宅投資は減少を始めていたのです。言ってみれば、その頃から新規住宅金融が減少をしていたのであり、サブプライムローン問題の端緒が始まっていた。

日本は、住宅を見ても米国より事態が悪いように思えます。2007年に入っての落ち込みは姉歯ショックでしょうか?そんな単純なものではなく、個人の収入が伸びないことから住宅投資も長年伸びてこなかった可能性があると思います。

4) 家計最終消費支出

個人の支出である家計最終消費支出がどうであったのか伸び率を見たのが次のグラフです。更に、2003年第1四半期の支出を100として書いた推移グラフをその下に掲げます。

Gdp200805houseconsr

Gdp200805housecurv

上のグラフは平均を示しているのであり、貧困層と富裕層で異なるかも知れません。むしろグラフを書いてみると、昨年の初め頃まで言われていたいざなぎ超える好景気と言うのが嘘であったような気がしました。欺されていたのでしょうか?

サブプライムローン問題なんて、実はたいしたことはないのではと思うのです。むしろ、食料価格やエネルギー価格、その他資源価格の高騰の方が、本当は経済に与える影響が大きいのだと思います。そして、影響力を考えた場合、石油メジャーに代表されるように米国は石油・ガス価格の高騰はマイナスのみに働くのではないのです。食料についても同じで、全て日本経済の方が不利であると思います。

スイスの有力ビジネススクールIMDが「2008年世界競争力年鑑」を発表しましたが、日本は22位です。1位米国、2位シンガポール、3位香港と続き、アジアの国で日本より順位が高いのは台湾13位、中国17位、マレーシア19位です。日経の5月15日の記事日本の競争力22位に上昇・08年、スイスのビジネス校調べがあります。又、順位表は、ここにあります。

日本経済は、多くの問題を抱えている。何も解決していないとの気がしています。例えば、本日は、このあたりにして、時間がかかるかも知れませんが、これから先に書き続けたいと思います。

最後に、日米のGDP速報が記載されているWebを書いておきます。

日本:http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/toukei.html#qe
米国:http://www.bea.gov/national/index.htm#gdp

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