2017年1月19日 (木)

地方自治体の運営には住民参加が必要

次の記事は、小池百合子都知事が豊洲市場の他にも取り組んでいる都立広尾病院移転問題について書いている週刊朝日の記事である。

週刊朝日 1月18日(Niftyニュース)【本誌スクープ】広尾病院移転白紙撤回の裏

記事の内容で驚いたのは、次の部分である。

 15年6月にみずほ情報総研が都の依頼で作成した調査報告では、現地での改築が強く推されていた。だが、7カ月後に別の設計事務所が都の依頼で作成したもう一つの報告書は、一転して移転を推奨。都議会で広尾病院の問題を追及する斉藤あつし都議(都議会民進党)がこう語る。

地方自治体の多くは人材不足であり専門家はあまりいない。従い、外部の専門家に依頼して計画の検討や立案を行う。しかし、民間企業とは異なり、支出は地方公務員の腹が痛まない金である。効果についても、同様でそれほど関係はない。一方で、首長は「俺は選挙で選ばれた」とのことで、自己主張が強い。これを悪用するのが、民間のシンクタンクや設計事務所他である。黒を白と、発注者の意向を汲んで書くのである。勿論、赤裸々に誰かの思惑を書くわけではない。しかし、将来予測なんて絶対的な数字はない。鉛筆をなめる事ができる分野である。鉛筆なめなめをうまくすればよいのである。このような結果が、週刊朝日が述べているみずほ情報総研の調査報告と別の設計事務所が作成したもう一つの報告書で正反対となる理由である。

地方自治体とはガバナンスが効かない組織である。従い、税金は最低限しか使わせず、住民が自ら管理する仕組みに変えていくべきと考える。

都立広尾病院移転問題についても、まず一番最初に考えるべき課題は、民間病院とすることでは駄目なのかである。広尾病院は、東京都心の港区の病院である。仮に広尾病院に、東京都として持たせなければならないファンクションがあり、その部分が民間で無理というなら、その部分についてのみ補助金を考えるという案があっても良いはずである。悪い人たちが巣くう地方自治体にしてはならず、改善が必要である。地方自治体の予算は、どしどし削減していくべきと考える。

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2017年1月18日 (水)

トランプ政権はオバマケアに代わる制度を導入できるだろうか

トランプ次期米大統領は、オバマケアに代わる、「全ての国民のための保険」制度の導入を目指すとしている。参考として、次のロイター記事。

ローター 15日 オバマケア代替案、全ての国民向けの保険に=トランプ氏

言う事だけなら、何でもできる。元々の米国の医療制度、医療保険制度および妥協の末にオバマ大統領が導入した医療保険制度改革法(オバマケア)を知らないと偉そうな事は言えないのだが、次の記事は、私には米国の医療保険制度及びオバマケアについてうまく書いているように思えた。

Exciteニュース 1月17日 トランプ大統領で変わる米国の医療制度~ 「オバマケア」から「トランプケア」への移行はイバラの道

国民全体の医療と医療保険に係わる課題はあちらをつつけば、こちらに影響するとなる。複雑である。

ところで、医療と医療保険については、日本でも同じだと思う。よく言われるのが、肩車社会であり、収入に応じて医療保険・健康保険の保険料を支払う制度では、制度維持が困難になるのが目に見えているように思う。しかし、保険料が収入比例でない制度は国民が支持しないと思える。では、所得税のような所得額の累進料率が可能かと言えば、高所得者は保険に加入しない可能性が生まれる。累進課税が可能な税金の投入額比率を増加させるか、資産課税である相続税を増税することとなるのだろうか。あるいは後期高齢者医療の改訂のような医療と医療保険の制度改正も必要になると思う。簡単に結論が出るとは思えず、早めに議論を始めるべきと考える。

Kataguruma20171

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2017年1月12日 (木)

福島県広野町の高野病院長の死が問うもの

日経BPが次の記事を掲げていました。

日経BP 1月12日 常勤医不在の高野病院院長に36歳都内医師 被災地が浮き彫りにする地方医療の課題

1月11日の東京新聞の記事には次がありました。

東京新聞 1月11日 原発被災地の医療 病院長の死が問うもの

高野病院の高野院長の死が問いかけていることは多いと思うです。

1) 避難指示と個人の権利

福島県広野町(現在人口は5000人)はいわき市のすぐ北に位置し、町の北端が福島第一原発から丁度20kmである。町には広野発電所とそれに隣接してJビレッジがあり、事故後は福島第一原発事故対応の重要拠点となった。事故2日目の2011年3月13日に全町民に対して避難指示が発令され6月余り後の9月31日に緊急時避難準備区域の解除、1年経過して2012年3月31日に避難指示の解除となった町です。

避難指示は、立ち入り制限や禁止あるいは撤退命令と比較すると緩やかな市町村長の指示と理解するが、やはりほぼ全ての人がそれに従うし、避難指示の期間中は広野町役場もいわき市内に移転していた。ちなみに、広野町のこのWebによれば、2011年9月1日当時に広野町に残っていた人は275人(事故時の人口を5500人とすると5%)である。

避難と言っても、高齢者や弱者にとって、体育館のような避難所に行くのは大変である。まして入院中の患者にとっては、避難なんてしたくないはずである。そう考えると、高野病院長は自らも広野町に留まることを選択し、患者に寄り添う事を決断したのだから、もしかしたら、勝手な言い分になるが、医師冥利を選んだのだと思う。1億総活躍社会の最先端であったのでしょうか?

2) 小さな髙野病院

髙野病院は、精神科・神経内科・内科・消化器内科を診療科目とする精神科病床53床(16室)、その他の病床65床(16室)とする2階建ての小さな病院です。経営的には、極めて厳しいはずです。隣接して花ぶさ苑という特別養護老人ホーム(入所定員36名)がある。

しかし、広野町の人口を5000人と比較して考えると、1000人当たり精神病床10.6、その他病床15となる。これを東京都と比べると東京都は1000人当たり精神病床1.94、療養病床と一般病床合計で8.14であり、広野町の半分近く(54.3%)である(2007年10月1日データ)。1000人当たり療養病床と一般病床合計で最も高い都道府県大分県で12.7、大都市・中核都市データと比較すると高知市が24.49と非常に高いが、高知市の場合は療養病床10.94と特異な状況にある。

地方の医療は、どうあるべきなのか、何が求められているのか、それは医療だけの問題ではないと思います。消費税増税もできず、医療も福祉も切り捨てていく方向に向かいつつあるように思える。高齢者と地方は切り捨てざるを得ない時代になって行きつつある。

最低限、死守すべきは何であるか、切り捨てる際に代わって提供するものは何であるかを考えていく必要があると思う。

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2016年12月 1日 (木)

柳原病院の医師のわいせつ行為に関する変な裁判

8月2日のブログ で書いた事件ですが、11月30日に第1回の公判があった。

日経 11月30日 手術後にわいせつ行為、被告の医師が無罪主張 東京地裁

私も8月2日のブログで書いたが、このブログ の主張のように検察の行為はけしからんことです。無罪の人、そして証拠隠滅も考えられないのに、8月25日の逮捕以来約3カ月以上の勾留を続ける。人権に反する事です。

マスコミの多くは、検察の主張をそのまま伝えているが、江川紹子さんは、裁判を傍聴されたのだと思いますが、検察官の証拠開示のあり方が問われる~準強制わいせつ罪に問われた医師の初公判を書いておられ、「証拠開示を巡る検察の対応は、お粗末に過ぎるのではないか」と言っておられる。

根拠のない事で、こんなことをすれば、医療機関や医師は乳ガン患者の治療を敬遠せざるを得なくなる。本来は、全身麻酔によりガンの部位を完全に撤去すべきが、警察に捕まり3月以上も入れられる。乳ガンの治療はしてあげたいが、逮捕されるなら、敬遠する。そんな事態を想起させる事件です。

さて、この患者ですが、2CH情報によれば、小松詩乃と言われている(Wikiはここ )。探すとこんなの があったりする。小松詩乃はブログを書いており、5月13日にはここ で「10日の13時半から全身麻酔で手術し、6センチのしこりちゃん摘出」と報告している。

この事件、2CH風に考えると、小松詩乃の所属事務所が更なる収益増をねらって、警察に無理矢理告訴したと想像される。その可能性は、どうですか?売り出したい芸能人は、事務所に言われるまま、何でもする。芸能事務所なんて、医療がどうなろうが、社会がどうなろうが、関係ないという考えで行動している。

もし、所属事務所の作戦であったなら、実は小松詩乃も被害者となる。本当は、乳ガン手術で無事ガンが摘出され、心配が少なくなったなら、色々な事に感謝して幸せになれるのに。

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2016年9月 1日 (木)

ワクチン接種には効果あり

「ワクチン接種には効果あり」は当然のことと考えるが、そうでもない報道が多いのが、子宮頸ガンのワクチンについてです。名古屋市の姿勢やNHKの報道に関して6月29日にこのブログを書きました。

読売新聞がYoiDr.で、子宮頸ガンのワクチンについて至極まともな記事(専門家による投稿記事)を掲載していますので、紹介します。

YomiDr. 8月29日 【子宮頸がんワクチン特集】HPVワクチンをめぐる最近の動向 第1弾 妊産婦や子宮頸がん患者を診る立場から 新潟大学大学院医歯学総合研究科産科婦人科学教授 榎本隆之

YomiDr. 8月31日 【子宮頸がんワクチン特集】ワクチンで防げる悲劇を見過ごしていいの? 第2弾 子どもにワクチンを打つ小児科医の立場から 長崎大学小児科学教室主任教授(感染症学) 森内浩幸

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2016年8月27日 (土)

わいせつ容疑で医師を逮捕とは驚き

この事件については驚きました。

日経 8月25日 手術後、女性患者にわいせつ容疑 医師を逮捕

何に対して驚いたかは、当然警察(警視庁)に対してです。

柳原病院は次の「警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する」を出しており、これを読むと警察の無茶苦茶さが分かります。

警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する

訴えた女性患者(30代)の供述では、全身麻酔による手術後35分以内の出来事と言う。人にもよるかも知れないが、全身麻酔による手術後のせん妄状態で、幻覚や錯覚が織り交ざった状態が続いていて当然である。

この事件の証拠は女性患者(30代)による供述のみだが、女性が信頼できる人格の人であったとしても、全身麻酔による手術後35分以内の出来事についての供述を使用できるのでしょうか。

次に犯行現場は満床在室の4人部屋で、手術後の経過観察に看護師が頻回に訪床していたと言うのです。そんな所でわいせつ行為なんて無理でしょと、普通の人なら考えるし、本当に実行したら看護師にすぐにばれてしまう。まさか、看護師も同室の患者もグルだなんてあり得ないよね。

医療は信頼がベースである。警察による逮捕は、この医師やこの病院の他の医師、看護士、職員、患者やその家族、そして他の医療関係者や患者にまで不審や不安を与えかねず、確たる証拠もなく逮捕することには、私も強く抗議をします。

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オプジーボでの死亡例

7月15日以降このブログこのブログこのブログこのブログと何度も書いたのですが、次のようなニュースもあったので、書き留めておきます。

日経 8月27日 オプジーボに想定外の問題 適正使用を警告

ほとんど効果がないと分かっていても、少しでも期待できるのなら、人に迷惑を掛けるわけではない。保険を使わず、全額自分が払うのだから、失敗しても悔いはないとオプジーボによる治療を選択したのではと思います。

日本の医療保険制度に関しては、ここにあるように制度の廃止や医療のビジネス化といった大胆な改革を提唱しておられる方もおられます。私は、日本の医療保険制度は維持すべきと考えていますが、人口の高齢化や高額医薬品を含め医療費の増大があり、持続可能な状態を構築していかないといずれ崩壊する危険性があると思っている。

薬剤費のみで年間3500万円となるオプジーボは、日本の医療制度や医療保険制度を考えていく上での参考情報であると考えます。

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2016年8月 8日 (月)

日本の国際化

2016年1月~6月の国際収支状況は経常収支が10兆6256億円の黒字であった。前年同期の2015年1月~6月と比較して2兆5,317億円の黒字幅拡大である。

日経 8月8日 経常黒字、9年ぶり高水準 上期10.6兆円 

財務省による発表はここにあります。

一つの大きな原因は原油とLNGの金額ベースでの輸入減少であり、2015年1月~6月比較で1兆6,009億円[▲38.2%]と1兆4,454億円[▲46.4%]の減少であった。燃料関連で約3兆円輸入額が減少し、貿易収支全体では3754億円の輸入超から2兆3,540億円の輸出超となった。差は2兆7,294億円であり、この原因の大部分は原油とLNGの輸入金額の減少であった。なお、数量ベースでは、前年同期比原油3.2%増、LNG5.3%減である。

2016年1月~6月の国際経常収支の黒字10兆6256億円のうち貿易収支は2兆3,540億円であり、黒字の大部分は貿易収支ではなく、第一次所得収支9兆6,129億円である。第一次所得収支とは子会社やJVからの受取・支払の利子・配当金等や証券・債券投資等に係わる受取・支払の利子・配当金等です。貿易収支は2011年から赤字ですが、第一次所得収支は2004年から年間10兆円を超える黒字が続いている。日本の国際化と言うべきかグローバリゼーションと言うべきか、日本及び世界の国際化と相互依存は進んでいると私は考える。そして、そのような中での日本と世界の成長戦略を考えるべきである。

医療ツーリズムなんて、しっくりとこないことを言っていた政治家がいたと思う。医療ツーリズムの前に、日本の医療の国際化が必要であると思う。そんな思いで、読んだのが次のSYNODOSの記事である。

SYNODOS 2016.08.04 医療通訳はだれのため?――在日外国人の健康格差、現実に即した医療体制とは

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2016年8月 1日 (月)

群馬大病院医療事故調査報告書

群馬大医学部附属病院の医療事故調査委員会が最終報告書を提出しました。

日経 7月30日 遺族参加で医療安全改革を 群馬大病院問題で調査委

報告書は群馬大学のこのWebからダウンロード可能です。

私は、この報告書は多面的に検証がされており優れていると思った。純医学的な見地からのみならず、幅広い視点での検証がなされている。

問題となっている男性医師(退職)の話として「息者が紹介元の内科等で他の選択肢についての説明を受けたうえで、手術のために来院したと、認識していた。また、男性医師は、「手術をしないという選択肢を示すことは、患者が『見捨てられた』と感じて落胆したり、・・・」との部分は、患者の方に、そのような対応があっても不思議ではないと思う。

報告書は毎日24時頃に帰宅していた超多忙な男性医師が一人で対応し、組織化されたチーム医療になっていなかったことを指摘している。群馬大での手術数は1993年から2012年の間に2倍となっている。このような不十分な医療体制が問題である。

このあたりは、患者から見ると、どうなのだろうか?群馬県における唯一の大学医学部附属病院として70年の歴史を誇り、医学部生の教育、臨床のみならず、研究活動、高度医療、先進医療にも積極的に取り組み、北関東で最高峰のレベルの医療施設として位置付けられてきた病院である。群大病院の患者の9割近くは他の医療機関からの紹介による。

男性医師個人の問題として捉えると解決策を誤ると思う。そして、群馬大附属病院のみの問題とすることも適切ではない。多くの病院で同種・同様の問題があり得る。更には、群馬大附属病院が最後の砦であるとして最先端・最高峰レベルの医療の提供を受けることができるという医療体制が成立していたとするなら、日本の医療体制のあり方までの検討が必要であると思う。誰も適切な医療を受けることができる体制を構築・維持することの努力は必要である。

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2016年7月21日 (木)

オプジーボ関連その4

オプジーボに関連して、何度か書いた関連です。現状の一つの方向です。

日経 7月21日 「高額な新薬」適正投与へ指針 厚労省、医療費を抑制  病院や医師に要件

オプジーボについては、指針を出し、満たさない場合は公的医療保険を適用しない方針とのことで、現状の制度で運用可能です。但し、2016年度末までに方針をまとめ、適用は早くて2017年度中とのことです。

参考ですが、オプジーボが承認されたのは、2014年9月であった。当時の適応症は、既存治療に抵抗性となった悪性黒色腫で、薬価は20mg150,200円、100mg729,848円。体重1kg当たり2mgを3週間間隔の投与であった。これが、2015年12月に肺癌に適応拡大となり、肺癌に対する用法・用量は体重1kg当たり3mgを2週間隔投与となった。60kg体重で計算すると、体重1kg当たり2mgを3週間間隔の場合は年間1530万円であり、肺癌で体重1kg当たり3mgを2週間隔の場合は年間3470万円となる。肺癌適用で薬剤費は2倍以上になった。(参考:この日経メディカルの記事

イレッサという肺癌に対する分子標的薬があり、患者遺族が製薬会社と国に損害賠償訴訟をしたことがあった。この裁判の弁護団のWebが現在でも存在し、第一審大阪地裁の判決文がここにあり、そのV-79ページに次の記載がある。

イレッサの販売が開始された平成14年7月16日以降の推定投与数は、同月末までに約820人、同年8月末までに1960人、同年9月末までに9600人、同年10月末までに1万5000人、同年11月末までに1万8100人、同年12月末までに2万900人、平成15年4月22日時点では約2万8300人であった。

イレッサもオプジーボも効果がある時は、画期的も言える結果が得られる。だからこそ、うまくつきあう方法を見いだす必要がある。なお、裁判は、この2013年4月12日の日経記事の通り、損害賠償は認められなかった。又、参考として、イレッサに関して私が過去に書いたブログには、これこれこれがあります。

肺癌にならないようにする一番の方法は禁煙です。

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