2020年5月27日 (水)

ANAとJALの今後

先が見通せない状態であるが、少し先ぐらいは、どうかとANAホールディングスと日本航空の2020年3月末の貸借対照表を決算短信による発表で比較してみた。

Anajlbs20205cc

一つ前のブログで旅客収入の比較をした。ANAがJALの1.2倍以上あり、ANAの方が資産がJALより大きくて当然であるが、それより少しANAが大きい。しかし、資産の資金源を示す負債と資本を見るとANAとJALには少し差がある。JALは負債が少なく、利益剰余金等が大きいのである。そこで、2012年3月期からの収入額と利益の額ならびに税額をグラフにして比較した。

Anajl20205d

収入額は左目盛りで利益や税額は右軸である。ANAの収入額は航空事業収入のみを使ったグラフであり、JALの収入額は連結営業収益額である。利益や税は連結損益計算書からである。収入額はANAとJALで大きな差はない。気がつくのは、JALは利益が大きくても税額は少ないのである。それは、表にして比較すると次の様になり、歴然としている。

Anajl20205e

JALが会社更生法の更生手続き開始の申し立てをしたのが2010年1月である。同年11月更生計画が認可された。12月に資本を全額減資。企業再生支援機構から3500億円の出資を受け、金融機関からは5215億円の債権放棄を受けた。2011年3月に終了する期間の財務諸表は探しても見つからず、2012年3月期からの比較としている。

9年間を合計するとANAの航空事業収入は13.8兆円。JALは12.0兆円でほぼ同じ。しかし、税引き前利益に相当する税金等調整前純利益はANAは9214億円。これに対して、JALは1兆5057億円。この差が生まれたのは、JALが会社更生手続きの期間に於いて資産を評価替えして減額したから、減価償却負担が低くなってしまったからである。9年間の税額を比較するとANAは3321億円。これに対してJALは1079億円であり、直近の2020年3月期の391億円を除外すると8年間で688億円であり、税前利益の5%にも満たない、

5215億円の債権放棄を受けた結果、利子負担はなくなり、借入金返済も不要となった。債務免除益を計上するが、これは会社更生法による更正手続きで税務上は益金不算入の扱いである。一方で、資産を無理矢理評価替えして損金を発生させたが、この損金は税務上の繰越欠損金の扱いとなった。そして、2020年3月期に一人前にJALが税金を払うようになったのは、この繰越欠損金の期限が来たからである。2019年3月期のJAL有価証券報告書で税効果会計に関して「評価性引当額が168,893百万円減少しております。この減少の主な内容は、提出会社において、会社更生に起因する繰越欠損金の期限が到来したことにより、税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額が減少 ・・・・ 」とあります。

税金を少なくすること。一見すると良いことに思えるが、実は政府の税収が少なくなること。JALの金融機関からの5215億円の債権放棄も結果として、金融機関は損金を計上し、その分税金が少なくなった。JALの会社更生法による再建とは、国民の税金をたっぷり使った再建であったのである。仮に、JALがANAが払っている税と同じ税率で税額を計算すると4000億円も節税したことになる。これに金融機関の分も加えると5000億円以上の国民負担によるJAL再生であった。今から考えても、恐ろしい独裁政権が日本に生まれた時期である。税の無駄使いをなくすとか言って政権についたのだが。

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2020年5月26日 (火)

コロナによる影響大きい航空輸送業

新型コロナウイルス対策による緊急事態制限が北海道、東京、埼玉、千葉、神奈川の5都道県を含め全面解除となった。(日経ニュース 5月25日

新型コロナウイルスは消滅したのではなく、全面解除になっても、クラスター感染が発生する可能性は依然ある。航空輸送業界は、新型コロナウィルスにより利用客が激変した事業であった。2020年4月の旅客輸送実績がANAホールディングスと日本航空から暫定値であるが発表されたので、グラフに書いてみた。

Anajltrans20205a

2020年1月までは、ANAもJALも輸送旅客数は通常であった。しかし、2月に70%-80%に減少した後、3月には例年の30%-40%に落ち込み、4月は5%-10%という水準に落ち込んだ。この落ち込みは国際線、国内線ほぼ同じである。

ちなみに、日本航空とANAホールディングスの決算説明会資料に書かれている売上高をグラフ化したのが次の図である。国際旅客収入と国内旅客収入は、日本航空とANAホールディングスそれぞれ国際4,762億円と6,139億円であった。国内5,146億円と6,799億円である。Anajlrev20205b  

国内旅客収入が半分になったとすれば、減収額はANA3400億円、JAL2500億円である。国際旅客収入の落ち込みは、更に大きいと思う。もし、2020年3月期の30%になったとしたなら、減収額はANA4300億円でJALは3300億円である。国内と国際の双方の合計では減収額はANA7700億円。JAL5800億円である。

果たして、どうなるのだろうか。パンデミックが終われば、必ず元に戻るのである。それまでの間、どのようにして凌ぐのかである。

 

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2019年10月15日 (火)

関西電力経営幹部金銭受領問題と原子力発電

関西電力経営幹部を含む20人が、3月死去している福井県高浜町の元助役から2006~18年に約3億2千万円相当の金品を受け取っていた。この産経記事(10月2日) によると、受領最高額は鈴木聡常務執行役員で1億2367万円、次いで豊松秀己元副社長の1億1057万円となる。明らかに、常識を越えた金額であり、通常の交友関係ではないと言える。

1) 関電で金銭等を受領したのは全て原子力関係者

贈与したのは、関西電力高浜原発(826MWx2基と870MWx2基の合計3,392MW)が存在する地元高浜町の元助役なので、その贈与理由は原子力発電所であるはず。

2) 原子力発電のコスト

原子力発電とは、金のかかる設備です。単に、存在するだけで、費用が発生するのです。発電が終了し、廃棄するのに、費用が掛かり、その廃棄物処理には、廃棄方法すら不明な部分があり、いくら発生するか分からないという厄介者であります。そんな訳の分からない費用ではあるが、財務諸表では相対的な妥当性と言わざるを得ないが、原発を保有している各社は原子力発電のコストを発表しており、次の表の通りです。

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日本全体で年間1兆4千億円という金額です。発電をしているかどうかと余り関係がなく、変動費が少なく、固定費がほとんど言う構造です。次のグラフを見てください。2014年度は、日本における原子力発電の発電量はゼロでしたが、費用は1兆5千億円以上が計上されています。

Nuclear201910b

原子力発電費用の内訳として何が計上されているかを関西電力の2018年度の資料から書いたのが次のグラフです。

Nuclear201910c

3) 原発の地元に落ちるお金

関西電力の2018年度の費用から、考えると諸税163億円のうちの固定資産税63億円、修繕費424億円のうちの地元企業分、委託費246億円のうちの地元企業分が地元に落ちるお金です。関西電力の原発は、美浜、大飯、高浜であり3箇所の合計は6,578MW。うち半分強の3,392MWが高浜町にある。高浜町の地元企業に直接・間接に流れゆくお金がいくらかは分からないが、相当の金額になると思える。そして、原子力関係の物品や人件費は、一般向けより相当単価が高いのです。危険手当的な部分もある。放射線漏れのような事故があってはならないので高品質が求められる。作業員や技術者の年間放射線被曝量の規定があるから現場就労時間に制限があること等による。しかも、上で示したように、発電しているかどうかに拘わらず、変動が少ない。

もし、地元業者がうまく電力会社を取り込むことが出来れば、安定した収入と利益が得られることとなる。食い込む先は、原発に関わる主要人物・部門で良いのです。ここに、この関電金品受領事件の一つの原因があると私は思います。

4) 電力会社(原発発電会社)の都合 

日本原電は、東京電力、関西電力のような電力会社が90%以上の株式を保有する会社であるが、それ以外は全て一部上場の株式会社である。上場している会社の義務として社会的責任もあるが、一つ明白なのは、利益を計上することがある。赤字部門があっても良いが、その場合は、その原因を説明し、黒字にする展望を示すのが経営者の義務と言える。

この株式会社の原則を原発発電部門に当てはめると、経費はほぼ一定なのだから、発電して、例え利益計上できなくとも、収益を増加させ赤字幅を減少させることである。そうなると、経営者にとって、避けるべき事態は、反対運動が起こり、発電できなくなることである。

そんな利害関係に陥った関電原子力会計の幹部と地元のボスであった高浜町の元助役だったのだろうと想像するのです。互いに、「おまえの会社には発注を止めるぞ」とか「反対運動に火を付けるぞ」と言えたとしても、言うことが出来ない関係だっただろう。

5) 今後の日本の原子力発電の仕組み

原子力発電の仕組み、すなわち、組織や法の問題です。上場株式会社という制度に優れた点は多い。しかし、固定費が大半であり、運転・発電するには、余りにも多くのことが関係する。放射線漏れを起こしてはならないと要求しても、人間がすることに100%はない。しかし、100%に近づけるべく、また万一事故が起こっても被害を許容範囲に食い止めるような技術的・社会的・法的な仕組みをつくることは出来ると思う。それが、許容範囲になっているかどうかを判断する仕組みをつくることも重要である。そのようなことを考えると、やはり現状の上場株式会社による原子力発電事業は無理だと思う。

一つ思うのは、公社のような組織だろうか。但し、既存の公社の制度ではダメである。多くの専門化等が集まり、公開の場で議論をし問題点を洗い出し、修正し、仕組みを練り上げて作っていくのである。そんな、苦労をしていかないと、日本のエネルギー政策・原子力政策はできあがらないと思う。原子力政策と述べたが、その中には原子力をエネルギー供給の選択肢から外すことも含まれる。そのような検討を実施するための資金は存在するのである。何もしなくても、現状年間1兆4千億円の支出が存在する。しかも、この状態が今後とも何10年間と継続するのである、この一部から捻出すれば良く、単に支出を継続するより、効果が期待できる。

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2019年9月 9日 (月)

間もなくキャッシュレス・消費者還元事業が始まるが

消費税の引き上げは10月1日からであり、どう考えるべきか、いろいろあると思います。

1)そもそもどのようなことか

2019年10月1日から2020年6月30日までの間に、このマークCashless20199s が掲げてあるお店でキャッシュレス決済で支払いをすると5%又は2%が消費者に還元されるという制度です。「キャッシュレス決済」とは クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済など、一般的な購買に繰り返し利用できる電子的な決済手段です。5%の対象となるか2%の対象となるかは、そもそも買い物をするお店が中小規模事業者でなければならず、小売業の場合は資本金5千万円以下又は従業員50人以下となる。通常は5%が適用されるが、フランチャイズの場合は2%の適用です。例えば、コンビニのほとんどは中小規模事業者であるが、フランチャイズなので2%の適用となる。小売りの物品販売業者のみならず、レストランの飲食代やホテルでの宿泊費も対象です。また、Amazonや楽天のようなネットショップでも出店者が登録企業であれば、適用されます。

2)還元方法
「キャッシュレス決済」を提供する決済事業者によるポイント還元がほとんどだと思いますが、FamilyMartはこのように 2%即時還元と発表しており、レシートが2%減額されて発行されるようです。

3)どうなるか
やはり、キャッシュレス決済が広まると予想するのです。適用を受けようとする事業者は加盟店登録を申請し、登録されると店舗情報がスマホの地図情報にも表示される。おそらく、この情報は、還元事業が終了する2020年6月30日移行も続くと予想します。店舗同士の競争も起こるだろうし、キャッシュレス決済業者間の競争も進むと予想します。そして、この 5%又は2%の消費者還元の財資は政府補助金であり、税金です。不正がないようにと監視がされるし、されねばならない。当然、政府の監視は続くし、脱税の監視、マネーロンダリングの監視にも有効利用されるだろうと思います。

 

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2019年1月14日 (月)

日産・ルノーは、どうなるのかなと思う

日産が、次の発表をしていたが、日産・ルノーの企業グループは、どうなるのだろうと思う次第です。

日産ニュースルーム 2019年01月11日 本日の起訴について

冒頭の部分で、「・・・・・起訴されました。これに先立ち、当社は、カルロス・ゴーン元会長について、同法違反で東京地方検察庁に刑事告訴いたしました。」と言っており、1月8日の東京地裁での勾留理由開示手続きの場で、身の潔白を訴えたゴーン元会長の発言と完全に相反する。

裁判で、ゴーン元会長は、無実を主張する。日産は、このような発表をしたわけで、裁判では有罪の証拠を提出するのだと思う。

単なる、ゴーン元会長の刑事責任・民事責任にとどまらず、日産が会社として刑事告訴をする人物をなぜ会社の最高責任者・代表者として就任していることを認めていたのかが問われるように思うが、どうなのだろうか?

日産・ルノーの企業グループって、どのような企業グループなのかしらと思ってしまうが、どうなのかな?マイナスイメージが大きくなってしまったというか、極論で言えば、内部で誰か権力を握ったら、どうにでもなるガバナンスが低い会社とまでならないだろうか?実際の所は、私なんかよく知りません。

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2018年12月21日 (金)

カルロス・ゴーンの特別背任容疑再逮捕

カルロス・ゴーンは会社法による特別背任容疑で再逮捕された。

日経 12月21日 ゴーン元会長を特別背任容疑で再逮捕 東京地検

ゴーン氏は、これまで、有価証券報告書の虚偽記載で逮捕されていた。有価証券報告書は会社が発行するものであり、日産も問われる。しかし、特別背任となると、日産はカルロス・ゴーンに騙された被害者となる。

日経は、ゴーン元会長の資産管理会社による新生銀行との通貨取引に関するスワップ契約の損失を含むすべての権利を日産に移転させることで約18億5000万円の評価損を負担する義務を日産に負わせたと報道している。更には、日産に移転した契約を資産管理会社に再移転する際に尽力した人物が経営する会社の預金口座に、09年6月~12年3月、4回にわたり日産子会社の預金口座から計1470万米ドルを振り込み入金させた疑いとある。

バレないように、相当複雑な操作をしていたと思われる。そんな複雑な仕組みを編み出したのは09年6月~12年3月、4回にわたって日産子会社から15億円強の報酬を受け取った会社の支配者だと思う。会社の登記住所はタックスヘイブンで、登記上の代表者は別人とか、相当巧妙に仕組まれているだろうと想像する。送金をした日産子会社も、日本法人ではない可能性がある。

一方、日産の社員で、全貌は把握できていないが、変な取引があると認識していた人はいたと思うのである。

カルロス・ゴーンと日産は、絶好の研究対象かも知れない。会社のガバナンスと会社トップによる犯罪についてです。報道以上のことは知らないが、日産のガバナンスはトップの犯罪に対して機能しなかった。それは何故か?どうすれば、機能するのかを考えることは重要である。

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2018年12月12日 (水)

産業革新投資機構(JIC)の不思議

理解に苦しむ会社であります。2018年9月25日に株式会社産業革新機構が「投資」という言葉を入れて商号変更して発足した株式会社である。

商号変更は、2017年6月に公布された産業競争力強化法の改正によりなされたのであるが、経産省の法改正については次の説明があった。

株式会社産業革新機構の 組織・運営の見直し

 長期・大規模の成長投資を中心に、引き続 きリスクマネー供給を行えるよう措置。
・ 投資機能の強化
- 「産業革新投資機構」に名称変更
- 明確なミッション設定
  政府が「投資基準」を策定。第四次産業 革命の社会実装等ミッション明確化。 
- 投資に適したガバナンスの実現 
投資機関の役割の明確化や事後評価の 徹底等により、適切な規律と現場での迅速・柔軟な意思決定を両立。

・ 期限の見直し(平成45年度まで)
(既存投資案件は期限を延長せず分けて管理)

・政府が株式の1/2以上を保有し、出資を主たる業務とする会社の株式を機構が保有できる規定等を設ける。

お役所的な文章であるが、投資基準は政府が策定と書いてある。ガバナンスの強化ともあり、では、何故民間出身の役員8名全員が辞任することに至ったのか不可解である。そう思っていると、来年度のJICに関する予算要求(1600億円)をすべて取り下げるとのニュースがあった。

日経 12月11日 革新投資機構の予算要求取り下げ、民間出身役員の総退陣受け 経産相

これで、JICは何もできなくなったのかと言うと、そうではない。JICの財務諸表は未だ発表されていないが、名称変更前の革新機構の2018年3月末の純資産は9646億円であり、年間純利益2201億円を計上している。出資先にはジャパンディスプレイもある。2018年3月末短期借入金が1978億円あるが、この全額について政府の債務保証を受けており、政府の持ち株割合は95.33%である。

政府が大株主で借入金全額の保障もしている。そんな会社の経営・運営が経産省の承認なくしてできるはずがない。最も、その前に、産業競争力強化のためのベンチャー投資に政府が関わるべきなのかという大命題がある。国民の税金をリスクにさらすことができるのかである。ベンチャー投資はしなければならない。しかし、それは政府が税金を使ってする仕事ではない。来年度の政府予算はゼロとすることについて私は支持する。

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2018年12月10日 (月)

日産自動車の今後の株価

日産のゴーン元会長とグレッグ・ケリー元代表取締役、そして法人としての日産が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で起訴されたと報じられた。

日経 12月10日 ゴーン元会長らを起訴・再逮捕 地検、日産も起訴

日産の株価は、12月10日の終値945.0円であったが、今後どうなるのでしょうか?

ゴーンとケリーの二人の犯罪として終わらせることはできない。そうであるなら、他の取締役は何をしていたかと問わざるを得ない。もし、二人だけの犯罪であるなら、知能犯二人が組んで実行した結果となり、他の取締役や会社は被害者となるのだが、そんなことが通るのだろうか?そうだとしても、取締役の間で地位の上下はないのであり、他の取締役はボーとしていたどうしようもない人たちであるとなる。そうなると、ボーとしていて職務を果たさなかったことが罪に問われねばならない。

有価証券報告書の虚偽記載があるなら、日産は虚偽のない正しい有価証券報告書を公表せねばならないが、出されていない。日産は信用を失ったのである。その信用はますます落ちている。起訴されたのだから、通常なら、それを認めるか、反論して争うかであるが、ダンマリである。こんなのあり?と思う。関係者は、どう見るのかな。東証は、どうするのかな、訂正版を出さないことについて、ただ放置するのでしょうか?

次に日産とルノーの関係となるが、どうするのだろうか?提携を強めるとしても、破綻させるとしても、どちらも日産にとって良いことはないと思える。提携を強めることは、ルノーの発言権を認めることで、ルノーが日産の利益を持って行く。そんなのルノーの資本を受け入れた時から決まっていることだが、日産の人たちや車のユーザーはそれで良いのかな?ルノーとの関係が破綻とまで行かなくとも弱くなれば、トヨタ・ホンダの力が増すように思う。

色々考えると、不透明な事件であるのですが、いよいよすっきりとはしない。日産の株価は、今後更に落ちていくような気がするが、どうなのだろうか?

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2018年8月 2日 (木)

ダム決壊の可能性

7月25日のこのブログで野村ダムは、ダム決壊を防ぐために放流したのではないことを書いた。一方、7月23日にラオスでダムが決壊し、死亡者・行方不明者も発生し、多くの人々が被害にあうという事件があった。

日経 7月25日 ラオスのダム決壊、19人死亡 3千人以上が救援待ち

1) ダムは決壊するか

人間が作った物である以上は、壊れて不思議ではない。一方、野村ダムのようなコンクリートダムは、決壊の可能性はまずないと思って良い。では、決壊可能性があるダムはと言うと、フィルダムと称するロックフィルダムのようなダムで、ダム堰堤を越えて水が流れれば、水流がダム本体を壊し、ダム決壊が生じる。そのため、フィルダムの場合は、満水位をダム堤頂より下げてダム堰堤から越流しないように安全性を高める設計としている。

次の表は、利根川上流域に位置するロックフィルダムの奈良俣ダムとコンクリートダムの矢木沢ダムの比較である。奈良俣ダムは堤頂より8m低い位置を洪水満水位としており、これ以上高い水位では貯水ができず、水は洪水吐ゲートを乗りこえ越流する設計となっている。矢木沢ダムも余水吐水路がダムの横に位置する特殊な設計であるが、洪水満水位は堤頂より1.5m低いだけである。

ダム名奈良俣ダム矢木沢ダム
ダム形式 ロックフィルダム コンクリートアーチダム
ダム頂高(堤頂標高) 158m(896m) 131m(856m)
最高水位 150m(888m) 129.5m(854.5m)
最低水位   62m(800m)   71.5m(796.5m)
有効貯水容量 85,000,000m3 175,800,000m3
湛水面積    2.0km2    5.1km2
有効貯水容量 85,000,000m3 175,800,000m3
集水面積    95.4km2    167.4km2

更に例を出すと、鬼怒川上流の五十里ダム(コンクリート重力ダム)の場合は、ダム堤頂594mに対してそれより3m低い591mが洪水満水面である。黒部第四ダムの場合は、特別な洪水吐ゲートはなく、湖面が1,448mより高くなると水が自然越流する設計である。

なお、フィルダムでも農業用水用のため池で川の土手と同じような構造のアースダムがある。アースダムでも管理が行き届いていれば問題ないが、場合によっては崩れる可能性もあり、万一越流したら決壊する。なお、どのようなダムでも、管理者はダムの変形が生じていないか常時測量を行い、危険防止に努めている。

2) ラオスのダム事故

悲しい事件であるが、プロジェクトは410MWの Xe Pian-Xe Nam Noy水力発電プロジェクトであり、発電する電力の90%はタイへの売電目的であり10%はラオス電力公社へ販売する。韓国企業・タイ企業・ラオス企業が出資する民間水力発電事業である。総工費は約10.2億米ドルで、完成予定は2018年11月であった。(参考ここ他)建設されているダムはXe Pian(セピアン)ダムとXe Nam Noy(セナムノイ)ダムの2つであり、それぞれ有効貯水量は23百万m3と885百万m3である。Xe Pianダムの水をXe Nam Noyダムに流し込み、Xe Nam Noyダムが位置する反対側から14km水を引きこんで、732mの水圧鉄管で落として落差630mを得て発電するのである。なお、Xe Pianダムは高さ47m、Xe Nam Noyダムは75.5mで湛水面積は2.7km2と45.8km2である。Xe Nam Noyダムは、有効貯水容量で矢木沢ダムの約5倍であるが湛水面積では約9倍である。

そこで決壊したダムであるが、このReuterの記事は,高さ16m、長さ770mのサドルダムD(補助ダム)と報じている。環境評価影響報告書は、3-13ページの”3.3.6 Saddle Dams"にXe Nam Noyダムには、貯水地の西側に3つのアースダムによるサドルダムが必要であると記載されている。

Xe Nam Noyダムの補助アースダムが崩壊したと考えられる。又、このプロジェクトの位置は北緯15度、東経106.6度付近のカンボジア国境から50km程度北へ入った地点である。参考地図としてはこの地図があるが、相当複雑である。Xe Nam Noyの水は北に流れ、東に曲がってXe Kong Riverとなる。一方、崩壊したと考えられるアースダムの水は、西に流れるXe Pian Riverに流れ込んだ。本来の水でないXe Nam Noyの水が流れたのである。

アースダム崩壊の場合もその前兆があったと思われる。豪雨で手の打ちようがなかったとの話もある。アースダムを採用する事が適切であったのかも問われなければならない。そもそも、ダムの現場は高原である。400世帯以上の約2000人の移転が必要であった。ダムにより発電した電力の90%は外国に行く。電力輸出は良いが、それがラオスの人々の恩恵に繫がり、環境影響は最小である事が必要である。このような事故を起こす事は許されない。

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2018年2月17日 (土)

東芝の未来(続き)

IT関係、AIやIoT、ICT全て含めてですが、その将来は、私たちの生活や、大きく言えば経済活動を含めて様々な分野で、大きな影響をあたえる可能性があると思います。東芝メモリーが売却されれば、売却後の会社の経営陣の経営方針で経営が為されるわけで、おそらく日本の国益なんてほとんど無視されることになると思います。勿論、日本の国益なんて、たいそうな言葉は使いたくありません。経済は、国境を越えた存在です。甘い夢で会社は経営できないし、東芝が何故破綻の近くに至ったのかと言えば、原子力を夢のエネルギーとなりうる存在であり、それに会社の将来を賭ける価値があるとの経営判断だったからと思います。

IT関係の将来について、軍事利用があり得る。知らされていないだけで、既に、相当進んでいるのだろうと思います。兵器だけではなく、情報システムの破壊や混乱を引き起こす方法も考えられるはずです。

ITの軍事利用について世界で一番進んでいるのは米国でしょう。その次の第2位は、もしかしたら中国だと思います。半導体なんて使い方によっては、様々な目的に使われ、軍事転用を不可能にすることなんてできない。精密誘導爆弾に半導体は欠かせないでしょう。しかし、非常に小さい半導体素子でも、AIに利用可能なものが販売されている時代と理解しています。

そう考えた時、東芝メモリーが東芝子会社という日本の企業であり続けてくれた方が、日本のITや半導体技術の発展、日本人IT技術者の活躍、日本の産業発展、日本の安全保障等で、外国資本に売却されるよりは、良いのではと思いました。

果たして、東芝メモリー売却破綻の可能性について直前のブログで書きましたが、この東芝6000億円増資のハテナで書いた、6000億円増資の結果の新たな株主の意向は、どうなのだろうかです。東芝の2017年12月5日現在の発行済み株式数は65億2千万株です。6000億円増資による発行株式数は22億8千万株であり、35%です。この新規株主の動向、それ以外の株主の動向によっては、東芝メモリー売却が今後どうなるか不明な部分は多いと思いました。

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