2018年8月 2日 (木)

ダム決壊の可能性

7月25日のこのブログで野村ダムは、ダム決壊を防ぐために放流したのではないことを書いた。一方、7月23日にラオスでダムが決壊し、死亡者・行方不明者も発生し、多くの人々が被害にあうという事件があった。

日経 7月25日 ラオスのダム決壊、19人死亡 3千人以上が救援待ち

1) ダムは決壊するか

人間が作った物である以上は、壊れて不思議ではない。一方、野村ダムのようなコンクリートダムは、決壊の可能性はまずないと思って良い。では、決壊可能性があるダムはと言うと、フィルダムと称するロックフィルダムのようなダムで、ダム堰堤を越えて水が流れれば、水流がダム本体を壊し、ダム決壊が生じる。そのため、フィルダムの場合は、満水位をダム堤頂より下げてダム堰堤から越流しないように安全性を高める設計としている。

次の表は、利根川上流域に位置するロックフィルダムの奈良俣ダムとコンクリートダムの矢木沢ダムの比較である。奈良俣ダムは堤頂より8m低い位置を洪水満水位としており、これ以上高い水位では貯水ができず、水は洪水吐ゲートを乗りこえ越流する設計となっている。矢木沢ダムも余水吐水路がダムの横に位置する特殊な設計であるが、洪水満水位は堤頂より1.5m低いだけである。

ダム名奈良俣ダム矢木沢ダム
ダム形式 ロックフィルダム コンクリートアーチダム
ダム頂高(堤頂標高) 158m(896m) 131m(856m)
最高水位 150m(888m) 129.5m(854.5m)
最低水位   62m(800m)   71.5m(796.5m)
有効貯水容量 85,000,000m3 175,800,000m3
湛水面積    2.0km2    5.1km2
有効貯水容量 85,000,000m3 175,800,000m3
集水面積    95.4km2    167.4km2

更に例を出すと、鬼怒川上流の五十里ダム(コンクリート重力ダム)の場合は、ダム堤頂594mに対してそれより3m低い591mが洪水満水面である。黒部第四ダムの場合は、特別な洪水吐ゲートはなく、湖面が1,448mより高くなると水が自然越流する設計である。

なお、フィルダムでも農業用水用のため池で川の土手と同じような構造のアースダムがある。アースダムでも管理が行き届いていれば問題ないが、場合によっては崩れる可能性もあり、万一越流したら決壊する。なお、どのようなダムでも、管理者はダムの変形が生じていないか常時測量を行い、危険防止に努めている。

2) ラオスのダム事故

悲しい事件であるが、プロジェクトは410MWの Xe Pian-Xe Nam Noy水力発電プロジェクトであり、発電する電力の90%はタイへの売電目的であり10%はラオス電力公社へ販売する。韓国企業・タイ企業・ラオス企業が出資する民間水力発電事業である。総工費は約10.2億米ドルで、完成予定は2018年11月であった。(参考ここ他)建設されているダムはXe Pian(セピアン)ダムとXe Nam Noy(セナムノイ)ダムの2つであり、それぞれ有効貯水量は23百万m3と885百万m3である。Xe Pianダムの水をXe Nam Noyダムに流し込み、Xe Nam Noyダムが位置する反対側から14km水を引きこんで、732mの水圧鉄管で落として落差630mを得て発電するのである。なお、Xe Pianダムは高さ47m、Xe Nam Noyダムは75.5mで湛水面積は2.7km2と45.8km2である。Xe Nam Noyダムは、有効貯水容量で矢木沢ダムの約5倍であるが湛水面積では約9倍である。

そこで決壊したダムであるが、このReuterの記事は,高さ16m、長さ770mのサドルダムD(補助ダム)と報じている。環境評価影響報告書は、3-13ページの”3.3.6 Saddle Dams"にXe Nam Noyダムには、貯水地の西側に3つのアースダムによるサドルダムが必要であると記載されている。

Xe Nam Noyダムの補助アースダムが崩壊したと考えられる。又、このプロジェクトの位置は北緯15度、東経106.6度付近のカンボジア国境から50km程度北へ入った地点である。参考地図としてはこの地図があるが、相当複雑である。Xe Nam Noyの水は北に流れ、東に曲がってXe Kong Riverとなる。一方、崩壊したと考えられるアースダムの水は、西に流れるXe Pian Riverに流れ込んだ。本来の水でないXe Nam Noyの水が流れたのである。

アースダム崩壊の場合もその前兆があったと思われる。豪雨で手の打ちようがなかったとの話もある。アースダムを採用する事が適切であったのかも問われなければならない。そもそも、ダムの現場は高原である。400世帯以上の約2000人の移転が必要であった。ダムにより発電した電力の90%は外国に行く。電力輸出は良いが、それがラオスの人々の恩恵に繫がり、環境影響は最小である事が必要である。このような事故を起こす事は許されない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月17日 (土)

東芝の未来(続き)

IT関係、AIやIoT、ICT全て含めてですが、その将来は、私たちの生活や、大きく言えば経済活動を含めて様々な分野で、大きな影響をあたえる可能性があると思います。東芝メモリーが売却されれば、売却後の会社の経営陣の経営方針で経営が為されるわけで、おそらく日本の国益なんてほとんど無視されることになると思います。勿論、日本の国益なんて、たいそうな言葉は使いたくありません。経済は、国境を越えた存在です。甘い夢で会社は経営できないし、東芝が何故破綻の近くに至ったのかと言えば、原子力を夢のエネルギーとなりうる存在であり、それに会社の将来を賭ける価値があるとの経営判断だったからと思います。

IT関係の将来について、軍事利用があり得る。知らされていないだけで、既に、相当進んでいるのだろうと思います。兵器だけではなく、情報システムの破壊や混乱を引き起こす方法も考えられるはずです。

ITの軍事利用について世界で一番進んでいるのは米国でしょう。その次の第2位は、もしかしたら中国だと思います。半導体なんて使い方によっては、様々な目的に使われ、軍事転用を不可能にすることなんてできない。精密誘導爆弾に半導体は欠かせないでしょう。しかし、非常に小さい半導体素子でも、AIに利用可能なものが販売されている時代と理解しています。

そう考えた時、東芝メモリーが東芝子会社という日本の企業であり続けてくれた方が、日本のITや半導体技術の発展、日本人IT技術者の活躍、日本の産業発展、日本の安全保障等で、外国資本に売却されるよりは、良いのではと思いました。

果たして、東芝メモリー売却破綻の可能性について直前のブログで書きましたが、この東芝6000億円増資のハテナで書いた、6000億円増資の結果の新たな株主の意向は、どうなのだろうかです。東芝の2017年12月5日現在の発行済み株式数は65億2千万株です。6000億円増資による発行株式数は22億8千万株であり、35%です。この新規株主の動向、それ以外の株主の動向によっては、東芝メモリー売却が今後どうなるか不明な部分は多いと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月15日 (木)

東芝の未来

東芝は2月14日に2017年第3四半期決算を発表した。この会社、どうなるのだろうかと思います。この決算発表は、次のページからダウンロードできます。

東芝 決算短信・決算公告 2017年度  第3四半期決算(9か月累計)(連結)

発表された決算にあるセグメント情報は次の通りです。

Toshiba20182a

ストレージ&デバイスソリューション部門は、売上で全体の24%-25%ですが、営業利益では92%-99%です。グラフでは、次の通りです。

Toshiba20182b

東芝は、本当に半導体部門を売却するのでしょうか?半導体部門こそ、このストレージ&デバイスソリューション部門の中心であります。東芝から半導体部門を取っ払えば、利益を生み出す事業は残らないはず。

私は、東芝株を持っていませんが、株主なら、半導体部門の売却なんて、絶対反対です。さあ、これから先、どうなるのでしょうか?半導体部門の売却についての契約内容がどうなっているか不明ですが、東芝が「止めた」と言えば、巨額の違約金を要求されるのでしょうね。

そう考えると、やはりお先真っ暗感が漂う。しかし、そんな時こそ、経営者には真の経営手腕が問われるのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月 6日 (土)

年頭挨拶での日本公認会計士協会会長の指摘

日本公認会計士協会会長の年頭挨拶には、興味ある指摘が含まれていると思った。

日本公認会計士協会会長ご挨拶

1. ブロック・チェーンへの準備

「1.公認会計士監査の信頼回復と向上に向けて」の最後の部分で、次のように述べておられる。

今後の将来像としては、最近よくいわれる「ブロック・チェーン」によって、財務データのそのものの在り方が変わるのではないかと言われています。そのような変化を受けて、公認会計士が信頼性を付与する監査はどのようになっていくのかも考えておく必要があると思っています。

「ブロック・チェーン」が、会計とどう関係するか、会計にどのように利用されるか現状よく分からない部分が多いが、資産管理、金融、決済、IoT、サプライチェーン、保険、医療、カーシェアリング、個人売買等で利用される可能性が指摘されている。仮想通貨は、バブルが崩壊すると、マイナーな趣味の世界になるかも知れない。しかし、ブロック・チェーンの技術は消滅するわけではない。ブロック・チェーンは、中央管理型のITシステムではないことから、無停止であり、全員による情報共有がなされ、トレーサビリティーがあり、改竄不可能であり、低コストと言われている。金融の世界、会計の世界に大きな変化をもたらすと思う。一方、ブロックチェーンが信頼性を失った場合、あるいはブロックチェーンを利用したシステムに欠陥があった場合は、企業や社会が受けるダメージは大きい。会計専門家が適切に関わって欲しいと考える。

2. AIと会計士業務

「3.国際性、多様性を担える人材の確保と公認会計士の魅力向上」の中で、次のように述べておられる。

確かに、テクノロジーの進化により、私どもの業務も変わっていきますが、AIに取って代わられるのではなく、公認会計士は、AIの活用により、経営者との議論や、専門家としての判断業務に集中していくべきと思っています。

会計士のある部分の業務はAIに取って代わられると思う。AIは、自分でデータ分析を行い、判断をする。AI碁やAI将棋は打つ手をAIが考えて決めているのである。しかし、AIの碁や将棋は、その一手を何故選んだのかを説明はしてくれない。碁、将棋の世界なので勝ちと負けが重要であり、何故と問いかける事ではなく、そのAIに勝負で勝つAIを開発する事が全てと言える。一方、我々の社会は、勝ち負けの判断は難しい。一旦は、負ける事により、勝つ事もある。AIを正しく利用し、活用する事が重要である。当然、会計に限った事ではない。AIを利用・活用するためには、我々は多くの知識を身につけ、正しい判断ができるようにならなければならない。教育・研究が益々重要となる。

多くの会計事務所はコンサル業務も手がけている。その業務にはIT、ICT、IoT、AIの関連も含まれている。会計事務所はBig Fourと呼ばれる4大事務所が圧倒的な力を持っている。IT分野も多額の研究開発費を支出できる4大事務所が当面は勝ち続けるのだろうと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月21日 (火)

東芝6000億円増資のハテナ

東芝が6000億円の増資を発表した。

日経 11月19日 東芝、6000億円の増資決議 今期末の債務超過回避

東芝による発表は、次である。全部で83ページあるが、17ページから82ページまでは別紙2となっている割当予定先の概要である。

東芝 発表 11月19日 第三者割当による新株式の発行に関するお知らせ

発行する株式数は2,283百万株であり発行済み株数4,237百万株の53.88%に相当する。発行済み株数が一気に1.5倍以上になる。大量発行である。現在の株主は、どのように思うのだろうか?発行価格は262.8円であり、11月20日の終値275円の4.5%安である。

6000億円の資金使途は、ウェスチングハウス関係の保証債務の早期弁済である。そんなの意味あるの?そんなために株数を一気に50%以上増やすの?と思う。東芝は、為替変動リスクからの解放なんてことも言っているが、それ嘘でしょうと言いたい。円高になれば、ドル建て債務は減少するのである。為替については損も得もない。債務を早く支払うことの利益とは何であるのか不思議である。

50%以上の増資だから一般公募したら値崩れする。だから第三者割当にしたということと思う。さて、その第三者割当の相手先であるが、ほぼ全てがカリブ海の投資法人である。世界の胡散臭い投資マネーの場所である。従い、東芝発表の17ページから82ページまでの各ページには「その他の情報については、開示の同意が得られていないため、記載していません。」とある。東芝自身も完全には知らないのかも知れない。勘ぐれば、資金の出し手に資金が環流してしまうスキムだってあり得るのである。

少なくとも私にとっては、不可思議な増資である。理解できるとすれば、東芝メモリーが売却できなかった場合でも、純資産額が6000億円増加するわけで、本年3月末時点での2,757億円の債務超過は解消する。そうだとすると最高の後ろ向きの話である。最も、東芝メモリーの売却そのものが後ろ向きなのだからとなってしまうが。

このブルームバーグのニュースの最後はBNPパリバ証券のチーフクレジットアナリストの話として「中長期的には米液化天然ガス(LNG)事業で抱える最大約1兆円の損失発生リスクの具現化懸念もあり「決して安泰ではない」と述べた。」と書いている。経営者は、真面目に企業の再生・発展を考えるべきと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 6日 (金)

東芝の名前を耳にすると、またねと思う

次の東芝の発表です。

東芝 2017年10月3日発表 カザトプロム社からのウェスチングハウス社出資持ち分の取得について

今更、驚く事はないのでしょうが、そんな約束をカザトプロム社としていたなんて、株主を初め関係者に発表していたのだろうかと思うのである。東芝がWH株式取得時の発表は次であったのであり、そんなことには触れていないからである。

東芝 2006年2月6日発表 ウェスチングハウス社株式取得による原子力事業の強化について

今回の東芝発表には、もう一点あり。価値のないWH出資持ち分を取得するわけで、購入する590億円の代価は損失になる。それを東芝の発表には、646億円の悪化影響が生じる予定ですが、2017年度連結業績見通しに織り込み済みとなっている。

ます、カザトプロム社が東芝に売却するオプションを持っていたなら、行使される可能性が高いとの判断で、ずっと前に損失を見込んでおく必要があったと思うが、また粉飾をしたのかと思う。PWCあらたも新日本も、カザトプロム社のオプションについて知らされていなかったという事なのでしょうか?

東芝のことについて、半導体のことがニュースで取り上げられていることが多いが、本質はディスクローズが必要であった会社の資産(権利)・負債(義務)について重要な点で、ディスクローズされていなかったことであると私は考えている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月26日 (火)

「でりしゃす」全店閉店で「ゼンショーH」は、沈黙で良いのか

本日9月27日に斎藤様から(株) ゼンショーホールディングスによる発表は為されていると書込を頂きました。(この発表について)

当然の事として、ブログを書くに際しては、正確を期すため、その会社の発表等をチェックしています。そして、このブログを書き始める時点に於いては、当該発表は見あたりませんでした。日付を見ると9月26日となっており、私がブログを書き始めた後の発表ではないかと思います。

不正確な記事は削除するのですが、このような会社の発表時期とブログ執筆時期による微妙な差が発生した事を記録するため、本ブログ記事は削除せずに残す事とします。その上で、読者の方が考えていただければと思います。ご意見等、コメント欄に書き込みいただければ、幸甚です。

今回のO157問題は、8月5日~7日に製造され8月7日、8日に販売されたポテトサラダで発生したと見られるという報道でした。O157の感染原因特定は未だされていないと理解しますが、会社の発表は9月26日であったというのは、私には釈然しない所があります。

-----------------------------------------------------------

O157感染問題を引き起こした総菜店「でりしゃす」を運営するのは、フレッシュコーポレーション(群馬県太田市)であり、全17店閉鎖に関する日経ニュースと会社発表は次の通りである。

日経 9月20日 O157問題 「でりしゃす」全17店を閉店

9月20日 (株)フレッシュコーポレーション発表 「デリシャス」全店閉鎖のお知らせ

フレッシュコーポレーション(群馬県太田市)なる会社であるが、資本金4億8千6百万円の(株) ゼンショーホールディングスが全株を保有する完全子会社である。(同社のホームページはここ

しかし、(株) ゼンショーホールディングスのブランド一覧(このページ)を見ても、フレッシュコーポレーションの名前はない。フレッシュコーポレーションは会社名であり、フレッシュコーポレーションが手がけているフジマート、アバンセ、マルシェの名前があるのであろう。以前は「でりしゃす」も載せられていたようである。閉店をした結果として、ブランドとして掲載しておく必要はないとして削除したのかも知れない。一方、有価証券報告書には子会社としてフレッシュコーポレーションの名前はある。

(株) ゼンショーホールディングスのプレスリリースを見るに「でりしゃす」の名前もフレッシュコーポレーションの名前も見あたらない。O-157に関する発表もない。不祥事と認識している故に、隠し通そうとしているのではないかと疑いを持つがどうだろうか?(株) ゼンショーホールディングスの株主や取引先の中にも、「でりしゃす」を運営していたフレッシュコーポレーションが、ゼンショーホールディングスの子会社である事を認識していない人もいるのではと思う。

<追記>

上記を書いてから、(株) ゼンショーホールディングスの株主構成が気になり、2017年3月期の有価証券報告書を見ると代表取締役兼社長兼CEO小川堅太郎及び、二親等以内の血族が議決権を保有している(株)日本クリエイトなる会社が34.29%の株式を保有していると記載がある。小川堅太郎氏及びその親族2名の取締役の保有株6.33%を加えると40.62%が小川堅太郎氏の同族支配会社である。だから、こんなことも可能なのかと思うのですが・・・・・世間の目には、どう映るんでしょうか?

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月23日 (日)

東芝に対する株主の訴訟1172億円

次の東芝の発表です。

東芝の発表 7月20日 当社に対する損害賠償請求訴訟の提起に関するお知らせ

日経ニュースは次の通りです。

日経 7月20日 東芝への損害賠償請求、計1172億円に 海外機関投資家など

株主代表訴訟ではなく、東芝が不適切な会計報告をしたことにより損害を被ったとする損害賠償請求です。

すごいものです。普通なら、あのミスは、もしかしたらあり得ると感じることがあるが、今回の東芝問題はWHの高値買収失敗を隠し通そうとし、闇から闇へと嘘を突き通したように感じる。同情なんかは、あまり起こらず、バカな経営者を選ぶと、こんな惨めな姿になると思わせてしまう。経営者たる者は、嘘でごまかす事は止めましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月13日 (木)

東芝をめぐる朝日の報道他

先ずは、その朝日の報道とは次です。

朝日 7月13日 東芝監査、意見「不表明」へ 有価証券報告書、3月期も

この朝日の記事を読むと、東芝もここまで来たかと思わせるのですが、東芝の発表と日経の記事は次の通りです。

東芝 IRニュース 7月13日 監査手続に関する一部報道について

日経 7月13日 東芝、監査法人が意見不表明との一部報道「事実はない」

実際にどうなるかは私には分かりません。朝日の報道は、然るべきニュースソースからの情報に基づいて書いているのでしょうが、8月10日までには未だ1月近くあり、そこまで踏み込んだ記事を書いて良いのだろうかと思ってしまいます。下手をすると、何流新聞の憶測記事と変わらなくなる気がします。

それからすると、次の週刊現代の記事の方が、監査という観点ではなく、東芝の現状や今後について述べており、ずっとおもしろいと思いました。

現代イスミダ 7月12日 死にかけの東芝でこれから起きること 知られざる「1兆円規模」のリスクが…

半導体事業を売却して、立て直すなんて、私には全く理解できないです。単に、売却で当面の銭を得るが、将来性は無くなるわけで、単なる上場維持の愚作でしかないと思うからです。現代イスミダの記事にも次のようにあります。

可能性のある事業を切り出してしまったらカスしか残らない。本来であればカスを先に切って、いいものだけを残すのが経営再建の常套手段ですが、いまやっているのはその逆。

又、LNG事業やWH関係も、大損失の危険性を内蔵しており、この会社どうなるのかと思います。

たとえば北米で手掛けているLNG(液化天然ガス)事業やウラン関連事業などが、近い将来に巨額の損失に化ける可能性は高い。特にLNG案件は最大1兆円規模の損失リスクがあり、WH級になりかねない。

原発1基を作るのに3兆円もかかると言われていますが、これからその請求書が東芝に回ってくる可能性があるわけです。払わないと突っぱねれば、それこそ訴訟ラッシュになるでしょう。

米国でのビジネスは厳しいです。あらゆる手段を使って、損失を防ごう、取り戻そうと、相手は動きます。法に書いていなければ、可能性があることを意味し、すごい論理を弁護士が考え出したりします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 6日 (火)

東芝の監査委員会と監査法人

東芝に関しては、毎日のように様々な報道が為されている。例えば、次の東洋経済ONLINEの記事である。

東洋経済ONLINE 5月5日 東芝の監査法人、「PwCあらた」が一転継続へ

注目は、記事よりも、この記事に対するコメント欄の書込(ここ)である。監査委員会と会計監査人との関係についてのコメントがある。

会計監査人は2016年3月までは新日本であり、4月からはPwCあらたである。東芝は、指名委員会等設置会社であり、執行役の取締役以外に指名委員会、監査委員会、報酬委員会を構成し、委員となっている取締役が存在する。

一連の問題で、東芝監査委員会の委員となっている取締役は3名いるが、果たして何をしていたのか、何をしているのかと問いたださなくてはならない。監査委員3名は、全員社外取締役なのだが、委員長は元監査法人の執行社員であった公認会計士であり、残る2名のうちの1名も別の監査法人の元代表社員であり、証券取引等監視委員会委員を勤めた事がある人物。そして、もう一人は元検察官で最高裁判所判事にもなった人である。監査委員会の委員自らが全ての作業をする必要はない。調査他の職務を補助すべき使用人に業務を命じれば良いのである。そして、監査法人と密接な連絡を取り、監査法人の意見を聴取する必要がある。

問題ある会社の監査委員に就任している場合の株主や社会に対する責任は、それだけ重大であると考える。悪い奴らは、悪事を隠すために、さも立派な肩書きのあるこれぞ社会正義と看板を掲げる事ができる人物をお目付役に任命する。東芝問題って、複雑且つ大変ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧