2017年2月12日 (日)

東芝が中国原発で損失拡大も驚く必要なし

日経BPに次の記事があったが、これも当然のことであり、驚くべきことではないと思う。

日経BP 2月10日 東芝内部資料で判明、中国でも原発建設3年遅れ 受注から9年、着工から7年経過しても稼働は「ゼロ」

東芝子会社WHが今般問題になっている米S&Wとともに、中国国家原子力発電技術公司(SNPTC)などから受注した「AP1000」型原子炉設備4基の建設工事完成が遅れているとのこと。記事中の表によれば、最も早い三門1号機は2013年11月完成予定だったとのこと。最も遅い海陽2号機でも2015年3月であったとのこと。

一番遅い海陽2号機も契約2007年7月で、着工2010年6月であったとのこと。東日本大震災の前であり、安全設計の見直しは、当然あり得る。それに伴う工期延長もあったと思う。延長があったとしても、建設地点は決まっていたわけで、長くて数年であると思う。契約金額の増額は、どうだろうか、ケチで厳しいことが有名な中国であり、工期延長期間との駆け引きで決まっただろうと思う。いずれにせよ、工事の元請けや業者に甘い結果にはなっていないと思う。

何故、これほどまでに東芝はと思うわけであるが、2月7日のブログ 東芝と原子力の今後と同じで、次の世界の建設中の原子力発電所を見れば一目瞭然である。中国の原発に手を出したくなる。WHを買った東芝なら、社長でさえ、この時点では中国の原発は止めろなんて言えない。

Worldnuclear20172c

日本の2基、2,653MWは電源開発が建設中の大間原子力発電所(青森県下北郡大間町)です。

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2017年2月 7日 (火)

東芝と原子力の今後

東芝の原子力に関してDiamond onlineに次の記事があった。

Diamond online 2月6日 瀬戸際の東芝を襲う4つの更なる「時限爆弾」

東芝の原子力設備他の事業について、様々な視点で解説した興味ある記事でした。

東芝の原子力設備事業について、書いてみたい。

1) 何故東芝は、それほどまでに原子力ビジネスにこだわるのか

東芝は原子力発電の設備製造・建設を行っている会社である。新規設備の建設がなければ、市場は小さくなり、事業は縮小する。この一般原則は、必ずしも原子力ビジネスには当てはまらない。

日本で原子力発電を行っているのは、日本原電を含め10社である。次の図は、2015年度の10社合計の原子力発電コストである。

Japanesenuclear20162a_2

2015年度において稼働していた原発は関西電力高浜の短期期間稼働と九州電力川内のみであった。発電量も日本全体の1%足らずの9.4TWh。ところが、コストは10社の有価証券報告書の数字を足しあげると1兆3千億円近くになる。このうち設備メーカが関係する修繕費が大きく、関与度合いが大きいと思われる委託費も加えると非常に多くなる。

車であれば、コストで大きな割合を占めるのは、燃料費であるが、全く異なる。多くの原発が稼働していた2010年度以前の原発コストも含めてその推移を示したのが次である。

Japanesenuclear20172b

修繕費は、稼働した時の方が多い。しかし、稼働停止中もそれなりの金額である。2015年度では2166億円であった。原発保守サービスのマーケットとは、安定した大規模マーケットである。

2) 世界の原発マーケット

世界中には、どれだけの原発があり、どれほどの発電をしているかを示したのが次の表である。

Worldnuclear20172a

世界を眺めると相当な数の原発が存在する。原発とは、高度な技術かどうかは、兎も角としても、高度な安全性を要求される設備である。安全基準も改正され、常に高度な基準を満たさないと運転できない。原子力機器メーカが常にビジネスを継続できるマーケットが存在する。最新の高度な技術を保有し続けることができたなら、良いビジネスを継続できる。

3) 世界中の原発の大部分はPWR

次の表は、世界中の原発の原子炉をタイプ別に分類した表である。

Worldnuclear20172b

PWR(加圧水型原子炉)とはWesting Houseが当初潜水艦の推進動力用として開発した原子炉である。東芝はGEと組んでいた結果、BWRであった。しかし、WHを取得した結果、PWRのビジネスに入っていく事が可能になった。日本のPWRは三菱重工が供給した結果、やはり修繕関係は三菱重工となるが、米国ではWHが強い。

4) 東芝のWH購入は凶 or 吉

大金をはたいてでもWHを買った理由はおわかり頂けたと思います。しかし、ビジネスとは、そんなたやすい事ではない。マーケットは思ったように動かないのが常である。WH購入とは、東芝の手にも余る、屋台骨まで影響を与えかねない大きな買い物とも言える。

しかし、現時点で勝負がついたわけではない。もしかしたら東芝に将来大きな利益をもたらすかも知れないし、耐えきれなくて手放さざるを得ないかも知れない。誰にも分からないことと思います。

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2017年1月30日 (月)

三菱MRJは大丈夫なのか

三菱重工業が主体となって開発している70~90席クラスの小型ジェット旅客機MRJの量産初号機の引き渡し予定を、現在の2018年半ばから、2020年半ばに変更すると発表された。

三菱重工 プレスリリース 1月23日

このプレスリリースに別添としてあるこのMRJ事業の推進についてを読むと、「今後20年:機数で約2倍、年率4%の成長」とか明るい見通しが書いてあるが、大丈夫なのかと思う。それは、市場規模の事であって、MRJの販売見込みは異なるのではとの疑問を持つ。

MRJの製造事業を開始する時のプレスリリースはこれ(2008年3月28日)であった。今回は5度目の延期であり、この1月23日に日経記事は「開発費は数千億円規模に上っている」と書いている。

初飛行時のプレスリリースはこれであり、2015年11月11日であった。この時は「2017年第2四半期の量産初号機納入を目指す」と述べていたのであり、3年間も遅れる事となる。その原因について1月23日のプレスリリースは「部装備品の配置変更等と電気配線全体の最新安全性適合基準を満たす設計へ変更」と述べている。即ち、安全性が不十分であることによる改良と理解する。

旅客機は、極めて高い安全性を要求される。自分の基準ではない、世界の基準である。一方で、安全基準とは思想が入る技術基準である。世界の安全基準や安全基準を作り出すビジネスの世界にどれだけ三菱重工は精通していたのだろうか、しているのだろうかと疑問を抱く。客船の大赤字は、三菱重工が客船という船を知らなかったから生じたと理解する。同じような事が、旅客機についても言えると思うのである。旅客機ビジネスには、もっと厳しい可能性もある。競合する機体・機種よりも性能が良くて、価格が安くなければ売れないからである。200席のボーイング737で9500万ドル程度のようである。80席のMRJなら3800万ドル程度なのだろうかと思う。78席のボンバルディアCRJ700が2500万ドル程度との話もあり、MRJもこれくらいの価格でないと駄目かも知れない。

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2016年12月29日 (木)

やはり話題は年末も東芝だった

一旦踏みはずれると、どんどんと行ってしまう。そう思えてしまう東芝の数千億円損失事件です。

東芝プレスリリース 12月27日 CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について

日経 12月28日 東芝に厳しい視線「減損3000億円規模」の見方も 

東芝の2016年9月30日における株主資本合計は3632億円なので、2017年3月末には債務超過に近くになるかもと予想される。

株価チャートを見ると次の通りである。

Toshiba201612aToshiba201612b

株価は奈落の底へと向かっている雰囲気もある。

何が原因なのだろうと考えると、やはり原子力に対する過度の投資判断と考える。原子力はCO2排出がなく、コントロールがうまくできれば、低コストでクリーンなエネルギーが得られる。そして、コントロールの部分こそ、技術であり、東芝はこの技術に賭けたと言える。WHとは原子力潜水艦の動力を原子力に置き換える事に成功した会社である。

原子力をコントロールすると言葉で言うのは簡単である。しかし、技術とは人間があみだしたものである。神ではない故、不完全である。ビジネス用語で言うなら、リスクがある。しかも、原子力に関するリスクは確立を低くする事ができても、ゼロにはできず、発生すると損害額・被害額・賠償額は膨大である。

もう一つの観点は米国社会である。米国社会では、責任者・原因者の損害賠償・現状復帰義務をとことんまで追究する。そして、そのような責任や義務についての仕組みが社会を発展させる原動力になっていると考える。だから、スリーマイル島事故後には、全ての新規原発建設が中止となった。Too Large Risksであると、事業者が中止を決定したのである。日本は、社会主義国であるようで、役人と政治家が密室で原発推進を決定し、それを上場企業である電力会社に建設させ運転させる。そして事故発生の全責任は電力会社であるとの法律までつくる。免責が保証された日本の原発市場でビジネスをしてきた東芝が米国や世界でビジネスをできるとは思えない。ところが、日本のビジネス感覚で世界に、こともあろうか、原発で出て行った。

CB&Iであるが、東芝が興味を持ったのはStone&Webster(SW)である。SWは、Engineering会社であり、ゼネコンである。WHとSWが東芝の傘の下で、米国で原発の設計・機器供給から建設まで全てできる。このことの付加価値を東芝はねらった。しかし、現実は甘くはない。SWも技術者がいて価値がある。技術者が離散すれば、価値ゼロである。一方、仕事もなく、原子力技術者に高給を払い続ける事は難しい。CB&Iが、更に東芝の足を引っ張る可能性もある。

2016年8月29日の日経ビジネスの有料記事であるが、原発失敗が生んだ負の連鎖 東芝、1兆円リスクの震源地(記事はここ)があった。フリーポートLNGプロジェクトに嵌っていると言うのだ。米国のLNG事業は、日本とは全く異なるビジネスであり、プロジェクトである。この2016年8月15日の電気新聞の記事も東芝がフリーポートLNGを年間220万トン引き取る約束をしていると報道している。220万トンとは、金額では1000億円規模である。これが、半額になったり、3倍ぐらいの価格になったりと激しい値動きをするのである。日経ビジネスの1兆円リスクと言うのもデマとして片付けられないのような内容である。

これから東芝は、どうなるのだろうかと思う。

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2016年12月19日 (月)

銀行に関する本 2冊

『住友銀行秘史』という本が、最近話題になったりしており、読んでみました。

 

『住友銀行秘史』の最終章は、「しかし・・・・・。私は湧き上がってくる無力感を抑えようもなかった。」で終わるのですが、私自身、読み終わって、同じような気分になってしまいました。この最終章の後に、エピローグが続くのですが、それも次の終わり方です。

Sumitomokunishige

上の地位に昇ろうとして権謀術数を尽くす。果たして、それで幸福なのか、冷えた目で見れば、幸せの尺度も忘れた餓鬼状態と思える。住銀から行ったイトマン河村社長も表面的な業績数字を出すために、伊藤寿永光の手にかかり、インチキ不動産投資にのめり込む。1990年頃と言うべきか、もっとそれ以前の時代も含めてであるが、バブルに沸いた人たちや企業がいた。その中で、住友銀行はどうだったのかと考えるには良い本と思う。では、他の銀行や企業はと言えば、残念ながら、それほど私はよく知らず、何も言えません。

逆に銀行関係の本で読んで楽しくなったのは、次の本でした。

 

地方銀行、信用金庫、信用組合のことが書かれていますが、物的担保の価値が融資を決めるのではなく、企業の借り入れ能力(成長性)を見極めて、支援することでないと、地方経済は消滅するとの観点からの本です。なかなかおもしろく、読んでいて、こちらは気分が良くなります。そうですよね。企業の本当の魅力は将来の成長です。MicrosoftやGoogleのような企業が何故日本では生まれないのか、考えてみると良いのかも知れません。

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2016年11月13日 (日)

280億円で販売して390億円の損失となったマンション

横浜市都筑区のマンション「パークシティLaLa横浜」のことですが、次のニュースがあった。

日経 11月11日 傾斜マンション建て替え390億円 三井不、負担配分は先送り

390億円が建て替え費用と言う事で、損失額は関連費用を含めれば、400億円以上にはなるはずで、10%程度の費用が立て替え費用以外に発生するとなると430億円程度と見込まれる。全額を三井不動産が負担するわけではなく、三井住友建設や日立ハイテクノロジーズ、旭化成建材等にも負担を求めていく。しかし、立て替えに伴う費用をマンション購入者に請求できない。記事には「住民への慰謝料や仮住まい費用を含む」と書いてある事から、管理組合と三井不動産との間では既に書面による合意もできていると了解する。

このマンションの合計705戸をいくらで販売したかであるが、このWebには「販売価格は3500万円から4000万円だったとの事」とあり1戸の平均価格を4000万円とすると合計282億円となり3500万円とすると250億円となる。従い、高くても総額280億円以下の販売収入であっただろうと推定する。

280億円で販売して390億円以上の損失となったわけで、すごいビジネスである。モノを作るということは、たやすい事ではなく、モノ作りで手を抜くと大損になる事を示している。サムスンは電池の発火・爆発で大変な事態に陥っており、電池・パソコン・スマホ以外の事業にも影響が出ていると思う。企業の力とは、表面的な数字のみならず、実質的な力を、少なくとも経営に携わる人たちはキチンと把握し、良い経営をする義務があると考えます。

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2016年10月16日 (日)

泥沼の豊洲市場移転問題

次から次へと新たな問題発生の報道があります。

日経 10月15日 豊洲市場、地下空間の空気に水銀 指針の7倍検出  専門家会議が初会合

また、こんな記事もありました。

この現状では、食品を扱う卸売市場の豊洲への移転は、当分実現しないだろうし、当分ではなく永遠の可能性もあるのではないかとさえ思う。

東京都中央卸売市場は、卸売市場法に基づき東京都により設置されている。運営にあたっては、業務の運営に関する中央卸売市場開設運営協議会がある。また、学識経験者、消費者団体、市場業界、都議会議員他により構成されている市場審議会があったり、附属機関、連絡調整会議、専門家会議がある。財政面では卸売市場業者が支払う使用料を収入とする独立採算を原則として運営されている。設備投資に関しては、企業債を発行しており、国庫補助金を受けての財源もある。

このような複雑な制度による仕組みが豊洲市場問題の背景にあると考える。独立採算原則であり、協議会や審議会他があるが、会社の場合における取締役会や社団、財団、NPO法人における理事会ならびに総会に相当する組織は存在せず、経営責任者は設置者である東京都であると考える。これは、東京都の責任ではなく、卸売市場法他日本における卸売市場の法・制度も関係していると考える。但し、土壌汚染問題については、従来から何度も指摘があったのも事実である。参考まで、次は2003年5月13日開催の第57回東京都売市場審議会議事録から矢田委員(中央区長)の発言の一部である。

・・・私はこれまで新市場移転に伴う七つの疑問、一年四カ月ほど前の前回もそうでしたけれども、七つの疑問につきまして質してきたわけでございます。すなわち、豊洲地区の土壌汚染です。・・・・・そこでまず、今最大の問題となっております豊洲地区の土壌汚染問題について質問したいと思うわけでございますが、この今の説明でも食品衛生上の良好な環境を維持するための施設構造、あるいは建物全体の温度管理など、衛生対策を充実させるのであるという考えが示されましたけれども、しかし、その前提としてやっぱり、この豊洲の敷地自体の土壌汚染が改良していなければならない、そういうふうに思うわけでございます。そういう意味におきまして、これまでの答弁にございましたような環境確保条例に基づき、環境局が東京ガスを指導しながら土壌改良に当たっているから問題ないといったこと、あるいは購入する際に確認するから心配ないということでは、この疑問はなかなか払拭できないわけでございます。・・・・

豊洲市場移転問題については、消費者を含む関係者の大多数による支持が得られる解決でないと、解決しないと思う。土地があるからでは駄目で、消費者にとって食の安全は高い関心事項である。

最後に総務省の地方公営企業年鑑から抜き出した東京都中央卸売市場の財務諸表(2014年度)を掲げておきます。建設仮勘定は豊洲が大部分と思うが、3000億円を超えています。一方、売上高は200億円弱で収支ほぼゼロです。どうやって、企業債を返済するのだろうか、所詮東京都の税金で返済してもらうことになるのだろうかと思ってしまいます。

Tokyotukijitoyosu201610

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2016年9月29日 (木)

都民を騙す2020年東京オリンピック

訳の分からない東京オリンピックです。

日経 9月29日 東京五輪・パラ、総費用3兆円超の恐れ 都調査チーム 

2015年12月19日の段階では、次の産経ニュースの様1兆8千億円であったのです。

産経ニュース 2015年12月19日 東京五輪費用、1兆8千億円 当初の6倍、大幅な公的資金投入避けられず 大会組織委試算

たったの9ヶ月と少ししか経過していないのですが。すごいインフレです。

2013年9月8日にIOC総会で2020年オリンピックの招致プレゼンが行われた。その時の、猪瀬知事のプレゼンです。

猪瀬直樹(東京都知事/招致委員会会長)

「45億米ドルもの大会開催準備基金がそれを可能にします。 」とかの話があり、これを聞くと資金は既に全て手当済みと思ってしまいます。45億米ドルとは4500億円であり、東京都民も税負担は無いと思っていたはず。まさか、IOCでの知事発言にそんな嘘があるなんて思わないはずです。

NHKニュースでは資金カットに競技団体が難色を示しているようなことも伝えていた。東京都民はどのような判断を下すのだろうか。日本国民の税金は投入して欲しくない。主催者は東京都であると言うことを貫いて欲しい。やるなら都税だけの追加負担。

猪瀬知事発言等から、私は既存の施設利用が主体と理解していた。建設が必要な施設は仮設施設にして、4500億円を目指すのが本筋であると考えるし、少なくとも昨年末の1兆8千億円よりは大幅な削減努力が為されているのだと思っていた。見直し反対を訴える競技団体については、やはり募金活動をして、自分たちの競技用の施設については、自分たちの募金で建設するように動くべきと考える。そうでなければ、既存設備で実施すればよい。

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2016年8月31日 (水)

税のごまかしを試みる悪徳中小企業経営者

財産額の多い悪徳中小企業経営者は税をごまかそうとするのだなと思わせる報道でした。

 産経 8月29日 自社株の相続めぐり銀行が中小企業経営者へ提案の節税策、国税がNO! 追徴課税などを受け国提訴が相次ぐ… 

税は正しく納付して社会に貢献することが重要である。しかし、悪徳経営者になってしまうと、社会的な貢献という考えを失い、悪あがきをするのだという風に思わせる。

そもそも持ち株会社を設立して組織改編をすると税逃れをすることができるなんて、あってはならないことである。それが許されるなら、持つ者と待たざる者の格差が拡大するだけである。格差社会の解決を目指すからには、このような悪徳中小企業経営者は絶対に許してはならない。

持ち株会社にしようと子会社を設立しようと、経済活動は自由である。自由な経済活動を税の上で縛ってはならない。税は、公平であり、経済活動を阻害してはならない。一方、合理性がないにも拘わらず、持ち株会社を設立したり、組織再編をしても、不都合なことや不便なことが出てくるし、また経費増になってしまう。悪徳馬鹿中小企業経営者には、そのようなことさえ理解できないのだろう。今回の話は、相続税のごまかしであり、死亡した後に相続人が言われたままに税申告をしたら税務署から更正処分受けたという話である。当然のことである。

土地を保有する個人が、相続税の節税のために、借入金でアパートを建設するという話がある。バランスシート上は資産と負債が同額分膨らむだけで、純資産額に変動はない。しかし、相続税評価上は、負債は実金額であり、資産には評価がつきまとい、その結果、相続税の計算上の資産・負債額は圧縮されるとの期待である。しかし、負債には利払いがあり、アパートには維持費・管理費が必要である。人口減少社会において安定した賃貸料を確保できる見通しは立ちにくい。需要が見込めないアパートは不良資産となる。下手をすると、儲けたのは建設会社と銀行だけになりかねない。

悪徳中小企業経営者の話も、ずるができるのではと期待してやっているのだろうが、一方で悪行を重ねて築いた財産故に、最後まで悪を貫き通したいのだろうかと思わせる。

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2016年8月10日 (水)

これも杭問題なんでしょうか?大林組at San Fransisco

次のニュースです。

Bloomberg 8月9日 大林組株3年ぶり大幅下落、米子会社施工の米高層ビル地盤沈下

記事に大林組は「契約に従い適切に施工されていることを発注者との間で確認した」と述べているとあり、施工上の問題はないのかも知れません。

こちらのBloombergの英語記事を読むと、大林組が2007年に株式を取得する前のウェブコーが2005年にこの沈下している60階と11階のツイン・タワー・マンションを建設したとある。建設前に地盤調査をしているはずであり、原因は何なのでしょうね。

Bloombergの英語記事には日本語記事にはない恐ろしい記述がある。大林組の最大の株主は6.3%を保有するGPIFである。GPIFについてはこのブログを参照下さい。

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