2017年3月26日 (日)

忖度のススメ

忖度(そんたく)という言葉が、本来の意味から転化して変な意味で使われてマスコミを賑わせている。

例えば3月25日の日経記事の次の安倍首相の発言である。

忖度(そんたく)していないことは明らかだ

安倍首相夫人昭恵氏は、森友学園や籠池氏に便宜供与や利益供与をしていないことは明白であるとの意味で使っている。

忖度を辞書で引くと、「他人の心をおしはかること」とある。

福沢諭吉が書いた「学問の独立」という文書がある。青空文庫ではここにあり、この中で忖度という言葉については次のように使っている。

・・・その原因とは何ぞや。学生にして学問社会に身を寄すべきの地位なきもの、すなわちこれなり。その実例はこれを他に求むるを

須たず、あるいは論者の中にもその身を寄する地位を失わざらんがために説を左し、また、その地位を得たるがために主義を右したることもあらん。これを得て右したる者は、これを失えば、また左すべし。何ぞ現在の左右を論ずるに足らんや。自身にしてかくの如し。他人もまたかくの如くなるべし。伐柯其則不遠、自心をもって他人を忖度すべし。

最期の漢文部分の「伐柯其則不遠」は「えをきるそののりとおからず」と読むのであるが、枝を切るにあたり、その方法は遠い道のりではない(簡単である。)との意味であり、この後に、「自心をもって他人を忖度すべし。」となり、自分の心を理解する事により他人の心も理解できるのであるとの意味に私は捉える。

忖度とは悪い事ではない。良い事である。政治家初めあらゆる者は、忖度をして真に社会が求めるものをつくっていかねばならない。賄賂とは無関係の言葉を歪めて使うのは好きではない。

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2017年1月19日 (木)

地方自治体の運営には住民参加が必要

次の記事は、小池百合子都知事が豊洲市場の他にも取り組んでいる都立広尾病院移転問題について書いている週刊朝日の記事である。

週刊朝日 1月18日(Niftyニュース)【本誌スクープ】広尾病院移転白紙撤回の裏

記事の内容で驚いたのは、次の部分である。

 15年6月にみずほ情報総研が都の依頼で作成した調査報告では、現地での改築が強く推されていた。だが、7カ月後に別の設計事務所が都の依頼で作成したもう一つの報告書は、一転して移転を推奨。都議会で広尾病院の問題を追及する斉藤あつし都議(都議会民進党)がこう語る。

地方自治体の多くは人材不足であり専門家はあまりいない。従い、外部の専門家に依頼して計画の検討や立案を行う。しかし、民間企業とは異なり、支出は地方公務員の腹が痛まない金である。効果についても、同様でそれほど関係はない。一方で、首長は「俺は選挙で選ばれた」とのことで、自己主張が強い。これを悪用するのが、民間のシンクタンクや設計事務所他である。黒を白と、発注者の意向を汲んで書くのである。勿論、赤裸々に誰かの思惑を書くわけではない。しかし、将来予測なんて絶対的な数字はない。鉛筆をなめる事ができる分野である。鉛筆なめなめをうまくすればよいのである。このような結果が、週刊朝日が述べているみずほ情報総研の調査報告と別の設計事務所が作成したもう一つの報告書で正反対となる理由である。

地方自治体とはガバナンスが効かない組織である。従い、税金は最低限しか使わせず、住民が自ら管理する仕組みに変えていくべきと考える。

都立広尾病院移転問題についても、まず一番最初に考えるべき課題は、民間病院とすることでは駄目なのかである。広尾病院は、東京都心の港区の病院である。仮に広尾病院に、東京都として持たせなければならないファンクションがあり、その部分が民間で無理というなら、その部分についてのみ補助金を考えるという案があっても良いはずである。悪い人たちが巣くう地方自治体にしてはならず、改善が必要である。地方自治体の予算は、どしどし削減していくべきと考える。

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首相に衆議院を解散する権限があることでよいのか

衆院解散・総選挙が常時と言っていいほど話題になる。例えば、

日経 1月17日 衆院選と改憲、「18年末同日投票」はあるか 編集委員 清水真人

明文化されていないとしても、無効とまでは言えない。しかし、首相が使いマスコミがフォローする首相の専権事項とするこの解散権とは、問題が多いと思う。首相は、他の大臣を任命し、その任命した大臣と共に内閣を組織する。行政権は内閣に属することから、行政の長は首相である。

行政の長である首相が立法機関である衆議院の解散権を持つのは、アンバランスというか、不自然というか、権力がありすぎと思うからである。憲法69条は、衆議院で不信任の決議案の可決の際の衆議院解散について記述しており、衆議院が解散されるのは、衆議院の決議によるのが自然な形であると考える。

1月19日の日経BPの次の記事であるが、同じような考えと同感を覚えた。

日経BP 1月19日 改憲の論点2:歯止めなき衆院解散権の是非 内閣の解散権は「国民のため」にある 神田 憲行

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2017年1月18日 (水)

トランプ政権はオバマケアに代わる制度を導入できるだろうか

トランプ次期米大統領は、オバマケアに代わる、「全ての国民のための保険」制度の導入を目指すとしている。参考として、次のロイター記事。

ローター 15日 オバマケア代替案、全ての国民向けの保険に=トランプ氏

言う事だけなら、何でもできる。元々の米国の医療制度、医療保険制度および妥協の末にオバマ大統領が導入した医療保険制度改革法(オバマケア)を知らないと偉そうな事は言えないのだが、次の記事は、私には米国の医療保険制度及びオバマケアについてうまく書いているように思えた。

Exciteニュース 1月17日 トランプ大統領で変わる米国の医療制度~ 「オバマケア」から「トランプケア」への移行はイバラの道

国民全体の医療と医療保険に係わる課題はあちらをつつけば、こちらに影響するとなる。複雑である。

ところで、医療と医療保険については、日本でも同じだと思う。よく言われるのが、肩車社会であり、収入に応じて医療保険・健康保険の保険料を支払う制度では、制度維持が困難になるのが目に見えているように思う。しかし、保険料が収入比例でない制度は国民が支持しないと思える。では、所得税のような所得額の累進料率が可能かと言えば、高所得者は保険に加入しない可能性が生まれる。累進課税が可能な税金の投入額比率を増加させるか、資産課税である相続税を増税することとなるのだろうか。あるいは後期高齢者医療の改訂のような医療と医療保険の制度改正も必要になると思う。簡単に結論が出るとは思えず、早めに議論を始めるべきと考える。

Kataguruma20171

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2016年12月15日 (木)

滑走路無しで辺野古に移転を実施する

米海兵隊の辺野古への移転のための埋め立て承認の県知事による取り消しは認められないとした福岡高裁の結論が、20日に予定されている最高裁判決により確定する見通しであるとのニュースが12日にあった。

朝日 12月12日 辺野古埋め立て、沖縄県の敗訴確定へ 最高裁弁論開かず

13日の夜に、普天間飛行場に所属する米海兵隊のオスプレイが名護市の海岸に不時着水し大破する事故があった。

朝日 12月14日 オスプレイ、空中給油中にプロペラ損傷 「最善の決断」

この12月14日の朝日の記事には、次の記述がある。

ニコルソン氏によると、事故機は沖縄本島の東方約30キロ付近を飛行しながら空中給油機から給油を受ける際、給油ホースが切れてオスプレイのプロペラが損傷した。機体は不安定な状態になり、普天間への帰還を試みたが、パイロットの判断で、目的地を、市街地に囲まれた普天間ではなく、東海岸沿いのキャンプ・シュワブ(名護市)に変更した。しかし、たどりつけず、午後9時半ごろ不時着水を試みたという。

沖縄本島の東30km付近での空中給油の訓練中の事故で、普天間への帰還は市街地上空を飛ぶ事になり、危険性があるので、キャンプ・シュワブへの帰還を目指して飛行したが、残念ながら名護市安部付近へ不時着水となった。下の地図で右の半島が安部崎であり、左の半島がキャンプ・シュワブ(辺野古)である。それぞれ岬の先と先の間の距離は4.4kmである。

この地図を航空写真に切り替えてキャンプ・シュワブを拡大して見ると分かるが、グラウンドは存在するが、多くの建物がある。この状態でオスプレイが緊急着陸ではあるが、着陸できるなら埋め立てして滑走路を作る必然性はないと考える。

なお、キャンプ・シュワブは国道329の南側全てに広がっており結構大きな敷地である。埋め立てせずに普天間から移転するとしても、現在の建物のほとんどは取り壊して、海兵隊用の基地に作り直す必要がある。しかし、それでも埋め立てして滑走路を作るより良いはずである。ちなみに、GoogleMapで距離測定をすると、キャンプ・シュワブの端から端までの最大長さは1,500mある。

日本政府としては、普天間問題の解決に向けた初段階として、キャンプ・シュワブの埋め立て滑走路を取りやめた移設を米国に要請すべきであると考える。沖縄県との法廷闘争はなじまず、国民から賛同が得られる案を推進すべきである。

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2016年11月12日 (土)

リニア新幹線 無意味な資産を残す可能性

次のようなニュースがあった。

日経 11月11日 リニア融資へ改正法成立 全線開業、最大8年前倒し

政府が、鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じて、JR東海に2016年度と17年度に1.5兆円ずつ計3兆円をリニア中央新幹線の建設資金として貸し付けることが国会で決まった。(国交省の説明はここにある。)しかし、成立した法律の中に3兆円という文言はない。この財務省の説明のように予算の中で処理されていくのである。

3兆円の税金が使われるかも知れないのに、こんな軽い乗りで良いのだろうか?JR東海の純利益は2016年3月期3287億円、連結純利益3310億円の会社である。しかも収入の90%以上は東海道新幹線からである。11年後の2027年に品川―名古屋間が完成して誰がこんなリニア新幹線を利用するのだろうかと思う。もの珍しさに1度ぐらい乗る人はいるだろう。しかし、東京オリンピックがある2020年からは日本経済は大不況と言うより、貧困人口の増大に悩む国になっていると思う。

東京ー大阪間の建設費を9兆円として50年で償還すると年間1800億円となる。しかし、次の表のように維持運営費と設備更新費で年間4300億円を必要とする。合計6000億円であるが、この金額はJR東海の利益より大きい。もし現状の利益額を維持するなら6000億円の増収を計る必要がある。2016年度の収入は1兆7000億円なので、2兆3千億円と35%増加させねばならない。人口減社会で旅客輸送量は減少することを考える必要性を感じるのだが。

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民間上場企業であるJR東海が、リニア新幹線を自社の信用力や企業の力で自らの判断により投資を実施することで、事業実施に賛成しておられた方もおられると思う。政府融資の恐ろしさは、事業が失敗しても破綻とはならず、泥沼になってしまう恐れである。しかも今回は、国民には気がつかないうちに法律の改正(しかも補足部分での改正)が行われ、融資金額も3兆円で上限とされている訳でもなく、無限大の可能性もある。

まことおそろしにほんの政治であります。参議院の投票結果を見ると賛成は自民、民進、公明、維新、こころ、無所属で反対は共産、自由、社民、沖縄でした。国民による議論の場を奪った政治家たちでありました。

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2016年11月10日 (木)

トランプ大統領でどうなるアメリカ

泡沫候補が大統領になることとなった。どうなるかであるが、それほど大きな変化はないだろうと思うのである。

何故なら、米国は三権分立の国である。大統領は行政で大きな権力を持つ。しかし、立法の連邦上院と下院の議員はトランプ大統領を支持する必要はない。議員としての自分の義務を果たすのが使命である。民主党議員はトランプ大統領を支持しないだろうし、共和党議員だって支持しない場合の方が多いかも知れない。大統領が法案を出してきても、承認しない可能性は大いにある。

日本の場合は、国会で総理大臣を指名するので、必然的に総理は多数派の支持を受けるので、内閣提出法案は、可決・成立する可能性が高く、総理大臣独裁国家とまではいかないが、立法機関と行政機関は密接な関係にある。だから、「国は」なんて報道があったりする。可愛そうなもので、裁判所なんか無視されている日本と思ってしまう。

トランプ大統領が行政を握っても、立法はほとんど進まない、議会からの承認はほとんど得られない可能性がある。そうなると、米国の経済も社会も停滞する可能性がある。トランプ氏に投票したと思われる米国社会に不満を持つ人たちの不満は更に拡大する可能性が高いように思う。

4年後の大統領選は、どうなるのだろうか?トランプ氏が優秀なブレーンを抱き込んで、来年から4年間の仕事をしない限りは、トランプ氏再選はないように思う。しかし、批判と攻撃ばかりしていた人だから、ブレーンはトランプ氏をどうコントロールするのか、やはりそんな人はいないのか。

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2016年10月 8日 (土)

非常識が通用する白紙の領収書

極めて当然のことですが、この毎日新聞の社説もあまりにも当然のことを述べていて、おもしろくも何ともないと感じる。

毎日社説 10月8日 白紙の領収書 政治家の非常識に驚く

高市早苗総務相は国会で法律上の問題は生じないとの見解を示したってのは、この人達の法感覚と言うべきか、社会常識と言うべきか、そのようなものが抜けている人達だと思わせる。

法律を作ったり、大臣等政府高官として活躍するには、ふさわしくないと感じざるを得ない。

何故このような人々が議員となり政府高官になるかと言えば、利権にうまく絡む、利権の調整能力に優れているから、選挙で票を集め、議員になり政党内でも力を持つという関係である。勿論、選挙に強い人イコール問題ある人ではないし、選挙以外に良い方法があるわけではない。

しかし、改善は可能である。小選挙区制を廃止することと、国民自身の政治参加が増加する仕組みをつくることである。

ところで、今回の白紙領収書とは、政治団体が政治団体へ発行した領収書である。何のために、政治団体間で金銭のやりとりが必要なのか、マネーロンダリングをしているとさえ思える。

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2016年9月14日 (水)

民進党代表選挙に思う

民進党の代表選挙は、終盤にあり、9月15日ですが、盛り上がりが、私にはほとんど感じられない。

やはり不満に思うのは、小選挙区制である。衆議院のみならず、参議院も選挙区選挙は45選挙区中32が定数1の選挙区である。選挙は人気投票ではなく、立法機関の議員を選出し、国民が、内閣を間接的に選出する仕組みである。本来であれば、自分が国会議員として選出したい人に投票できるべきである。

ところが、小選挙区制であるが故に、政党に所属する候補者に投票することとなる。勿論、その場合でも、その候補者が自分の意中の人であればよい。しかし、政党の手続きを経て候補者となっている人は、必ずしもそうとは限らない。まして政党間の選挙協力で候補者が決まっている場合は、意欲をそがれる場合もある。

また、小選挙区制は被選挙権を制限してしまう。小選挙区制では、大政党に所属しないで国会議員になることが実質不可能であり、当初は大政党における丁稚奉公のような形から入いることで議員を目指す大道になってしまう。そのような道を完全に否定するわけではないが、ともすれば国民の方を向かないで、その政党の利害を優先する方向で動くことになりかねないし、そのような思考形態は良くない。

党員でないからでしょうか。民進党の代表選挙で感じたのは、距離感でもあります。

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2016年8月10日 (水)

どうしようもない民進党

室井佑月氏のこれ(室井佑月「印象操作、ではないの」〈週刊朝日〉 8月9日)を読んで、核心を突いているねと思いました。

マスコミの姿勢もそうだし、民進党もこれじゃ政党ではないと思う。こんな政党があってもよいのかも知れないが、思想や考えがばらばらの烏合の衆ではどうしようもない。2009年からの政権獲得時代も、国民を失望させたことの方が多かったように思う。

基本的な部分で不一致があるのに政党として活動することは、単なる権力欲としか思えない。国民と対話・議論をした上での政策を考えないのは、国民無視である。

室井佑月氏が思うとおりに書いておられたので、私もついつい書いてしまいました。

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