2022年7月 3日 (日)

原子力発電をどう考えるべきか

1)最高裁6月17日判決

最高裁は、6月17日に東京電力福島第1原発事故の避難者らに対して国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を認めなかった。

判決文は、ここここにありますが、国会賠償とは、どのような場合に認められるのか、考えさせられる。1条1項の条文は「公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは」となっており、曖昧である。福島第1原発の被害者補償は、政府が東京電力に資金を供与し、その資金で避難者・被害者補償を行うという方法が採られている。裁判で争っても、被害者が東電に加えて国からも賠償金を受け取れるとは考えにくいと思う。金額が十分かという金額面については、別次元のこととする。

菅野博之裁判官は、補足意見として次の様に述べておられる部分がある。

私は、基本的には、原子力発電は、リスクもあるものの、エネルギー政策、科学技術振興政策等のため必要なものとして、国を挙げて推進したものであって、各電力会社は、いわばその国策に従い、関係法令(「原子力基本法」、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」、「電気事業法」、「発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令」等)の下、発電用原子炉の設置の許可を受け、国の定める諸基準に従って原子力発電所を建設し、発電用原子炉を維持していたのであるから、本件事故のような大規模な災害が生じた場合は、電力会社以上に国がその結果を引き受けるべきであり、本来は、国が、過失の有無等に関係なく、被害者の救済における最大の責任を担うべきと考える。国策として、法令の下で原子力発電事業が行われてきた以上、これによる大規模災害については、被害者となってしまった特定の人達にのみ負担をしわ寄せするのではなく、損失補償の考え方に準じ、国が補償の任を担うべきであり、それは結局、電力の受益者であって国の実体をなす我々国民が広く補償を分担することになると考える。
だからこそ、これに近い仕組みとして、原子力損害の賠償に関する法律が設けられており、原子力損害については、・・・

私もこのような考えである。原子力発電所とは原爆の兄弟・姉妹である。核分裂という全く同じ物理現象を利用する。核分裂とは熱エネルギーと放射線を発する放射性物質を生み出す。極めて危険であり、人に有害な反応である。しかし、莫大なエネルギーが取り出せることから、核分裂反応をうまくコントロールし、放射性物質を閉じ込めることができれば魅力的というか、莫大な富をもたらす可能性がある。

原子力発電所を建設し、運転して、電力を得るかどうかは、人間が決めれば良い。危険として、やめるのか。やるなら、どのようにしてコントロールしつつやるのかである。やるばあいは、規制について強制力を持ってやらねば恐ろしい。有効な法の下で実施する必要があると考えれば、法を制定できる国単位での実施しかないだろうと思う。

2)原発に関する最近の国際動向

世界的な温室効果ガス排出削減への動きに加えて、ロシアによるウクライナ侵略以後高まったオイル・ガス供給不安により原発建設が脚光を浴びつつあると思っている。日本であまり報道されなかったと思うが、岸田総理がロンドンで5月5日に行った基調講演で、原発について次の様に述べている部分がある。(首相官邸のこのページ

「喫緊の課題である気候変動問題に加え、世界全体でのエネルギーの脱ロシアに貢献するためにも、再エネに加え、安全を確保した原子炉の有効活用を図ります。」

原発の世界的な見直し動向に対して、日本がどうしてもしなければいけないことがあると思う。それは、福島第一原発で放射性物質の拡散を防ぐことができなかったのかである。津波で非常用電源が壊れた。しかし、緊急で電源を準備できなかったのかである。もし、かくかくしかじかのことを実施していれば、シナリオは、どう変わっていたのか。折角福島原発事故による放射性物質拡散を経験したのである。日本しか実施できない研究であると思う。

3)参議院選挙での各党の原発政策

参議院選挙での各党の原発政策を見てみた結果である。

自由民主党

政策パンフレット

“脱炭素”を成長の起爆剤にする(13ページ)

安全が確認された原子力の最大限の活用を図ります。

立憲民主党

政策を知る

環境・エネルギー

原子力発電所の新増設は認めません。廃炉作業を国の管理下に置いて実施する体制を構築します。

公明党

マニフェスト2022

経済の成長と雇用・所得の拡大(33ページ)

原子力発電に関する取り組みについては、国民の理解と協力を得ることが大前提であり、説明会などを通じた情報提供・公開の徹底等を図りつつ、国が責任を持って進めます。

日本維新の会

日本維新の会維新八策1.基本政策2021

原子力政策(22ページ)

小型高速炉など次世代原子炉の研究を強化・継続します。

日本共産党

2022年参議院選挙政策

(4)気候危機の打開――原発即時ゼロ、石炭火力からの撤退。純国産の再エネ(14ページ)

即時原発ゼロ、石炭火力からの計画的撤退をすすめ、2030年度に原発と石炭火力の発電量はゼロとします。

国民民主党

政策パンフレット

4 自分の国は自分で守る(12ページ)

法令に基づく安全基準を満たした原子力発電所は再稼働するとともに、次世代炉等へのリプレース(建て替え)を行います。

原子力についての政策のみで投票先を決める人は少ないと思う。また、原発なんて、政治家が口を出してはいけない分野であるとも思う。しかし、法律の関与なしの野放し状態で進めることはできない。原子力とはプロメテウスの火である。なくなりはしないのだろうな。そう考えると、バカには関与させたくない。これからの政治・民主主義においては、正しい意見を尊重する議員を選出すると同時に、そのような人を育て、且つ役所や企業に於いても、そのような人が活躍する社会を築いていかねばならないと思う。

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2021年11月30日 (火)

ペシャワール会の中村哲さん殺害の理由

中村哲氏は1946年福岡県生まれで九州大学医学部卒業の医師。国内の病院勤務を経て、1984年パキスタンのペシャワールでのミッション病院ハンセン病棟に赴任し、パキスタン人やアフガン難民のハンセン病治療、また難民キャンプでのアフガン難民の一般診療に携わり、1989年よりアフガニスタンにも活動を拡げ、さらには水の重要性から飲料水・灌漑用井戸事業を始められ、2003年から農村復興のための農業用水利事業も手がけられた。途上国支援の援助活動家として絶賛されるべき活動をされていた。そんな中村哲氏が2019年12月4日に殺害されて2年近くとなる。

朝日新聞が次の記事を掲載していた。

朝日 11月29日 中村哲さん殺害、1カ月前に察知 首謀者や襲撃方法、警察は態勢不備 元州知事が証言

有料記事部分であると思うが、紙の記事で続く部分を読むと次の文章がある。

Photo_20211130004701

中村氏の灌漑事業がパキスタンに流れ込む川の上流での事業であることから下流では減水の懸念があり、そのことが殺害の原因となっている可能性がある複雑さを述べている。

Jalalabad

上の地図で中央の赤丸が中村氏が殺害されたアフガニスタンのナンガルハル州ジャララーバードである。そのすぐ右上の青点が灌漑事業のプロジェクト地点である。地図の下中央で南に流れるのがインダス川である。また、ジャララーバードはアフガニスタンであるが、パキスタンとの国境に極めて近いことも分かる。

中村氏が携わった灌漑事業において取水をしているのはクナール川であり、ジャララーバードを流れるカブール川にジャララーバード から約8km下流で合流し、パキスタンに流れる。そしてインダス川となる。但し、中村氏の灌漑事業が、どれほどパキスタンでの河川水減少につながったかは調査しないと分からない。ほとんど影響はないと思う。なお、 降水量の少ない地域である。アフガニスタンのカブールで年間300mm程度。パキスタンのペシャワールで500mm程度である。例え、一滴でも水が少なくなれば、盗まれたとの感覚になってしまうことはあり得る。

水は貴重である。上流で取水しても、下流への配慮は必要である。下流での水害を防止するために上流でダムを建設することもある。ダムを含め河川関係の土木その他の設備は多くの配慮を必要とする。中村氏はクナール川の取水設備として、 福岡県朝倉市の山田堰を参考として、山田堰のような取水堰を建設された。環境に優しい、すばらしい農業取水堰である。参考世界が注目、水を治める江戸の知恵 福岡・山田堰(日経電子版)

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2021年11月11日 (木)

夫婦別姓

11月10日に特別国会が召集され岸田氏が総理大臣に指名され、衆議院自民絶対安定多数と言う国会がはじまった。夫婦別姓に関する立法がどうなるかも、この岸田政権の一つの注目点と思う。

1) 選択的夫婦別姓へと法改正に進むのか

岸田内閣の期間中の立法となるかは、不明であるが、立法の方向に進んで行くと思う。理由は、10月18日の日本記者クラブでの9党首討論会で、司会者からの「来年の通常国会に選択的夫婦別姓法案を提出することについて賛成者は挙手を御願いします。」との要請に対して、与野党の9党首の中で岸田氏以外の8党首は手を上げたのである。(これに関するHuffpostの記事はここ また日本記者クラブの9党党首討論会 会見リポート にあるYouTube会見動画では開始から1時間55分経過したあたり )

9党首のうちN党以外の党は10月31日の衆議院選挙で議席を獲得したのであり、また自民党内においても河野太郎氏や野田聖子氏のように夫婦別姓導入賛成者もいる。党有志議員連盟に岸田氏自身名前を連ねたことがある。来年の通常国会での立法は不明であるが、来年の参議院選の動きによっては、選択的夫婦別姓の立法が進むと思う。まさか、参議院選で10月18日の9党首討論会から違った方向に各党は転換しないだろうから、参議院選での各党間の論争にも興味がわく。

2) 2021年6月23日最高裁大法廷の判断

最高裁の判断はここ にあり、全49ページの最高裁の判決としては非常に長い。もっとも、2ページの後半以降は補足意見、意見、反対意見が述べられているのであり、興味深い内容である。以下は、私の拙い纏めであり、最高裁の文書を読んで頂きたいと思う。

多数意見
民法750条の「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」が憲法24条に違反して無効であるといえないとした。夫婦の氏についてどのような制度を採るのかは立法の政策課題として相当であり国会で論ぜられ,判断されるべき事柄であり、夫婦同氏制を定める現行法の規定が憲法24条に違反して無効であるか否かという問題は次元が異なる。

深山卓也,岡村和美,長嶺安政裁判官の補足意見
選択的夫婦別氏制の採否を含む夫婦の氏に関する法制度については,子の氏や戸籍の編製等を規律する関連制度を含め,これを国民的議論,すなわち民主主義的なプロセスに委ねることによって合理的な仕組みの在り方を幅広く検討して決めるようにすることこそ,事の性格にふさわしい解決というべきであり国会において,この問題をめぐる国民の様々な意見や社会の状況の変化等を十分に踏まえた真摯な議論がされることを期待するものである。

三浦守裁判官 の意見
法が夫婦別氏の選択肢を設けていないことは,憲法24条に違反すると考える。違憲の問題があるとしても,夫婦別氏の選択肢を設けるには,子の氏に関する規律をも踏まえ,戸籍編製の在り方という制度の基本を見直す必要がある。
その上で,夫婦の氏に関する当事者の選択を確認して戸籍事務を行うため,届書の記載事項を定めるとともに,その届出に基づいて行うべき戸籍事務(同法13条,14条,16条等参照)等について定める必要がある。国会においては,速やかに,これらを含む法制度全体について必要な立法措置が講じられなければならない。こうした措置が講じられていない以上,民法上等の関連規定の内容及び性質という点からみても,法制度全体としてみても,法の定めがないまま,解釈によって,夫婦別氏の選択肢に関する規範が存在するということはできない。従い、抗告人らの申立てを却下すべきものとした原審の判断は,結論において是認することができる。

夫婦別氏の選択肢を設けていないことは,憲法24条に違反すると考える理由は、

1. 氏名は,社会的にみれば,個人を他人から識別し特定する機能を有するものであるが,同時に,その個人からみれば,人が個人として尊重される基礎であり,婚姻の際に氏を改めることは,個人の特定,識別の阻害により,その前後を通じた信用や評価を著しく損なうだけでなく,個人の人格の象徴を喪失する感情をもたらすなど,重大な不利益を生じさせ得ることは明らかである。したがって,婚姻の際に婚姻前の氏を維持することに係る利益は,それが憲法上の権利として保障されるか否かの点は措くとしても,個人の重要な人格的利益ということができる。
2. 憲法24条2項の「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」は立法に当たり,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚すべきものとして,その裁量の限界を画しており,憲法上の権利として保障される人格権を不当に侵害する立法措置等を講ずることは許されない。
3. 民法750条の「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」とする規定は婚姻の際にその氏を定めることを前提とし、他に選択肢を設けていない。婚姻の際に氏の変更を望まない当事者にとって,その氏の維持に係る人格的利益を放棄しなければ婚姻をすることができないことは,法制度の内容に意に沿わないところがあるか否かの問題ではなく,重要な法的利益を失うか否かの問題である。これは,婚姻をするかどうかについての自由な意思決定を制約するといわざるを得ない。
4 夫婦同氏制についての趣旨,目的には,疑問がある。
* 婚姻及び家族に関する法制度は,多様化する現実社会から離れ,およそ例外を許さないことの合理的な根拠を説明することが難しくなっているといわざるを得ない。
* 同一の氏を称することにより家族の一員であることを実感する意義や家族の一体性を考慮するにしても,このような実感等は,何よりも,種々の困難を伴う日常生活の中で,相互の信頼とそれぞれの努力の積み重ねによって獲得されるところが大きいと考えられ,各家族の実情に応じ,その構成員の意思に委ねることができ,むしろそれがふさわしい性質のものであって,家族の在り方の多様化を前提に,夫婦同氏制の例外をおよそ許さないことの合理性を説明し得るものではない。
* 婚姻という個人の幸福追求に関し重要な意義を有する意思決定について,二人のうち一人が,重要な人格的利益を放棄することを要件として,その例外を許さないことは,個人の尊厳の要請に照らし,自由な意思決定に対し実質的な制約を課すものといわざるを得ない。
夫婦同氏制は,現実の問題として,明らかに女性に不利益を与える効果を伴っており,両性の実質的平等という点で著しい不均衡が生じている。婚姻の際に氏の変更を望まない女性にとって,婚姻の自由の制約は,より強制に近い負担となっているといわざるを得ない。
国際的な動向をみると,昭和60年に我が国も批准した「女子差別撤廃条約」は,締約国に対し,いわゆる間接差別を含め,女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃を義務付け,自由かつ完全な合意のみにより婚姻をする同一の権利並びに姓を選択する権利を含む夫及び妻の同一の個人的権利について,女性に対する差別の撤廃を義務付けている(16条1項(b),(g))。そして,女子差別撤廃委員会は,我が国の定期報告に関する最終見解において,繰り返し,女性が婚姻前の姓を使用し続けられるように法律の規定を改正することを勧告している。現民法制定の昭和22年当時は,夫婦が同一の姓を称する制度を定める国も少なくなかったが,現在,同条約に加盟する国で,夫婦に同一の姓を義務付ける制度を採っている国は,我が国のほかには見当たらない。(ブログ主による注:外務省によれば、締約国数189。)

宮崎裕子、宇賀克也裁判官 の反対意見

憲法24条1項の「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」に違反する民法や戸籍法の規定は憲法適合性を欠くのであり、「夫は夫の氏,妻は妻の氏を称する」旨を記載し届けられた婚姻届も受理されるべきである。

1 民法によって定められた婚姻制度上の婚姻は,憲法適合性を欠く制約を除外した内容でなければならないと考える。夫婦同氏を婚姻届の受理要件とすることは、この制約に該当する。
2 氏を構成要素の一つとする氏名(名前)が有する高度の個人識別機能の一側面として,当該個人自身においても,その者の人間としての人格的,自律的な営みによって確立される人格の同定機能を果たす結果,アイデンティティの象徴となり人格の一部になっていることを指すものであり、人格権に含まれるもの個人の尊重,個人の尊厳の基盤を成す個人の人格の一内容に関わる権利であるから,憲法13条により保障されるものと考えられる。この権利を本人の自由な意思による同意なく法律によって喪失させることは,公共の福祉による制限として正当性があるといえない限り,この権利に対する不当な侵害に当たる。
3 夫婦同氏制を定める民法750条を含む本件各規定を,当事者双方が生来の氏を変更しないことを希望する場合に適用して単一の氏の記載(夫婦同氏)があることを婚姻届の受理要件とし,もって夫婦同氏を婚姻成立の要件とすることは,当事者の婚姻をするについての意思決定に対する不当な国家介入に当たる。個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した法律とはいえず,立法裁量を逸脱しており,違憲といわざるを得ない。
4 国会においては,全ての国民が婚姻をするについて自由かつ平等な意思決定をすることができるよう確保し,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した法律の規定とすべく,本件各規定を改正するとともに,別氏を希望する夫婦についても,子の利益を確保し,適切な公証機能を確保するために,関連規定の改正を速やかに行うことが求められる。

草野耕一裁判官の反対意見

夫婦同氏制を定めた民法や戸籍法の規定は憲法24条に違反するといわざるを得ないがゆえに,婚姻届の受理を命ずるべきであると考える。その理由は,以下のとおりである。
1 選択的夫婦別氏制の導入によって向上する福利が同制度の導入によって減少する福利よりもはるかに大きいことが明白であれば,当該制度を導入しないことは余りにも個人の尊厳をないがしろにする所為であり,立法裁量の範囲を超え合理性を欠いているといわざるを得ず,憲法24条に違反すると断ずべきである。
2 選択的夫婦別氏制の導入によって向上する国民の福利と,それによって減少する国民の福利とを分析し,衡量すると;
* 慣れ親しんできた氏に対して強い愛着を抱く者は社会に多数いるものと思われる。これらの者にとっては,たとえ婚姻のためといえども氏の変更を強制されることは少なからぬ福利の減少となるであろう。氏の継続的使用を阻まれることが社会生活を営む上で福利の減少をもたらすことは明白であり,共働き化や晩婚化が進む今日において一層深刻な問題となっている。
* 夫婦で同一の氏を称することにより家族の一体感を共有することは福利の向上をもたらす可能性が高い。しかし、選択的夫婦別氏制を導入したとしても夫婦同氏を選択する夫婦も少なからず輩出されるはずであり,夫婦別氏を選択するのは,氏を同じくすることで得られる福利の向上よりも減少の方が大きいと考える夫婦だけであろう。選択的夫婦別氏制を採用することによって婚姻両当事者の福利の総和が増大することはあっても減少することはあり得ないはずである
* 夫婦別氏を選択した夫婦の間に生まれる子の福利に関して,子は,親とは別の人格を有する法主体であるにもかかわらず,親が別氏とすることを選択したことによって生ずる帰結を自らの同意なく受け入れなければならなくなる。親の一方が氏を異にすることが,子にとって家族の一体感の減少など一定の福利の減少をもたらすことは否定し難い事実であろう。しかしながら,夫婦別氏とすることが子にもたらす福利の減少の多くは,夫婦同氏が社会のスタンダード(標準)となっていることを前提とするものである。選択的夫婦別氏制が導入され氏を異にする夫婦が世に多数輩出されるようになれば,夫婦別氏とすることが子の福利に及ぼす影響はかなりの程度減少するに違いない。
* 夫婦が同氏となれば,氏を変えない婚姻当事者の親族は,相手方婚姻当事者と新たに氏を共有することによって同人との間の一体感を強化することができる。しかしながら,夫婦同氏とすることは,氏を変更する婚姻当事者がその者の親族との間に育んできた一体感を減少させる機能もあり,そうである以上,選択的夫婦別氏制の導入が婚姻両当事者の親族の福利の総和を減少させるとは到底いえない。
* 夫婦同氏制が長きにわたって維持されてきた制度であることから,夫婦同氏を我が国の「麗しき慣習」として残したいと感じている人々は存在する。しかしながら,選択的夫婦別氏制を導入したからといって夫婦を同氏とする伝統が廃れるとは限らない。もし多くの国民が夫婦を同氏とすることが我が国の麗しき慣習であると考えるのであれば,今後ともその伝統は存続する可能性が高い。伝統的文化が今後どのような消長を来すのかは最終的には社会のダイナミズムがもたらす帰結に委ねられるべきであり,その存続を法の力で強制することは,我が国の憲法秩序にかなう営みとはいい難い。
* 選択的夫婦別氏制の実施を円滑に行うためには戸籍法の規定に改正を加えることが必要であり,その内容については法技術的に詰めるべき部分が残されている。しかしながら,選択的夫婦別氏制の導入に伴い改正がされたとしても,戸籍制度が国民の福利のために果たしている諸機能に支障が生ずることはないであろう。
3 選択的夫婦別氏制を導入することによって向上する国民の福利は,同制度を導入することによって減少する国民の福利よりもはるかに大きいことが明白であり,かつ,減少するいかなる福利も人権又はこれに準ずる利益とはいえない。そうである以上,選択的夫婦別氏制を導入しないことは,余りにも個人の尊厳をないがしろにする所為であり,もはや国会の立法裁量の範囲を超えるほどに合理性を欠いているといわざるを得ない。

3) 歴史

江戸時代において武士や公家以外の農民や町民(工・商)は、名字を持つことを公式には許されなかった。人口割合では90%が農・工・商であったので、90%の人は名字がなかった。では、名字があった武士はどうであったかというと、女性は結婚しても実家の姓を名乗っていた。

明治になり、1870(明治3)年9月19日に太政官布告第608号「平民苗字許可令」が公布され、名字(氏)の使用が許可されることとなった(参考 )。そして、1875(明治8)年2月13日に苗字の使用を義務づける「苗字必称義務令」という太政官布告を出し、すべての国民に苗字を名乗ることを義務づけました。(参考 )そして、明治8年11月9日の内務省の伺いに対して明治9年3月17日に太政官指令として婚姻後も出生時の使うようと次の様に 回答している。

「伺いの件につき、婦女は嫁しても、なお出生時の氏を用いるべきである。」(これ  国会図書館デジタルコレクション 法令全書. 明治9年 1453ページ

1898年(明治31年)の法律第9号により民法(第四編)が交付され、これが旧民法と呼ばれている民法である。(国立公文書館のWebはここ )家という考え方を基礎としており、家と家長という概念を用いている。

732条 戸主の親族にして其の家にある者及び其の配偶者はこれを家族とす。
746条 戸主及び家族は其の家の氏を称す。

婚姻の結果、夫の家に入り、その家の氏を名乗ることが法律で決められたのである。

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しかし、考えれば、今でも、そんな風習が残っている雰囲気はある。結婚式の看板に〇〇家 ✕✕家結婚式場と書いてあったり、結婚式の式辞で来賓より「〇〇家✕✕家のご親族の皆様に心よりお慶び申し上げます」なんてのが、あったりする。憲法24条は、どうなっているのかと思ってしまう。

1947年に新民法が成立した。旧民法の時代は49年しかなかった。新民法成立から74年経過している。ところが、たった49年しか施行されなかった旧民法の考え方を、日本の伝統であると考えてしまう人がいるが、それは誤解である。

4)  旧姓の使用

現在は、国の行政機関、地方公共団体、民間企業等ほとんどの団体で、職員等から申し出があった場合、旧姓の使用を認めている。しかし、職場での呼称等幾つかのケースについてである。正式文書は、本名でなければならない。源泉徴収票は新姓となり、印鑑証明が必要な書類も当然で、戸籍名=住民票名(新姓)である。銀行口座の名義もこの全国銀行協会 の説明のように、旧姓のままで放置しておくと不都合なことが生じる恐れもある。

マイナンバーカードや住民票、運転免許証は旧姓併記が可能であるが、併記であり、新姓が記載されるのであり、手続きは必要である。医師免許に関しては、免許証の書換義務がないので、旧姓のままでも良いが、保育士、介護福祉士は名義変更が必要。

基本的には、契約に関すること、銀行預金・証券に関すること、税金に関することは、戸籍名と一致していないとならない。マネーロンダリングや脱税そして不正取引のチェックにおいて抜け穴を生じさせる恐れがあれば、そのための配慮は必要である。悪事をする行為者は、思いつかないこともする。取り締まる仕組みが複雑化し社会的な負担が増加する場合は、その負担と便益の比較での判断が重要である。

法に基づかない旧姓の使用は解決に結びつく事項は少ない。根本的な解決にはならないと考える。

5) 私の考え

夫婦別姓に考えを巡らせると、愛、結婚、自由、基本的人権について思考を展開さざるを得なくなった。旧民法で謳われた家制度にノスタルジーを感じ、家制度による家長支配での家族が正しい姿と思い、選択的夫婦別姓に反対する人も存在する。思えば、戦後の高度成長の基盤には旧民法の家制度が少し変形された新民法の新家制度があったのかも知れない。

しかし、今や新民法の新家制度も維持することには無理がある。 祖父母との同居はまれであり、老人夫婦・老人単身世帯、共働き、家庭外保育が一般化している。旧家制度の観点では悪い現象なのかも知れない。しかし、悪いことではない。自らの意思とは限らないが、幸福追求のためには変化し、対応していかないとならない。そこに旧家制度の価値観で話をされると、バカと言いたくなる。

日本の社会をよりよくするためには、選択的夫婦別姓はどうしても必要であり、早期に法改正がなされることを望む。

(時間があれば、2で掲げた最高裁の決定文書を読まれることをお勧めします。)

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2021年7月11日 (日)

山林、傾斜地は気を付けねばならない

熱海の土砂崩れは、多くの問題点を浮き彫りにしている。今後のための多面的な分析が欠かせない。今回参考にしたのは、次の朝日新聞の記事です。(Web版は会員記事であるが、会員でなくても登録で読める。)

朝日 7月10日 盛り土、見過ごされた危険 県「耐えられない工法」 熱海の現場、高さ県条例の3倍超

この朝日の記事には「122戸もの住居が被害を被った。」とありこのNHK7月10日のニュース では 「完全に破壊されたり流出したりした建物は47棟とみられる」とある。死亡・行方不明社の数は9人と19人でしょうか(この7月10日NHKニュース )。

大きな被害を引き起こした責任は誰にあるのでしょうか。またこの7月6日NHKニュース では、 河合弘之弁護士がインタビューに答えて、「崩れた場所については傾斜で段になった畑だと認識していたものの、盛り土があることや崩れる危険性については認識していなかった」なんて通用するのでしょうか?そもそもいったい誰が、所有者なのかも明確に報道されていない。7月6日NHK報道は河合弘之弁護士は所有者の代理人であり、所有者は 個人とのこと。しかし、7月10日朝日新聞の記事は、「建設会社を傘下に持つ東京都内の持ち株会社のオーナーが取得し、現在まで所有し続けている。」とある。弁護士が嘘をついているのか、確認もせずに発言しているのか、朝日新聞の取材能力が低いのか、真相は不明である。

土砂崩れで大被害を発生させていても、逃げっぱなしの土地所有者である。明確に言えることは、土地所有者には損害賠償責任があるということである。即ち、傾斜地に関しては崩落の危険性を認識し、所有者は常にその対策を実施すべきである。前所有者が問題ないと述べるなら、土地購入にあたり、特約も付して契約締結すべきである。社会の構成員として個人も企業も他人の財産を尊重すべきです。憲法29条「財産権は、これを侵してはならない。」は重要と考えます。

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2021年7月 7日 (水)

熱海市土石流発生起点所有者責任

熱海市土石流発生の直接的原因は大降雨であった。起因となったと思われる不適切な土地造成が行われたと思われる地点の所有者代理人は、次のTBSニュースによれば「造成地とは知らずに土地を購入していて、その後に行った周辺開発も崩落の原因ではない」と発言している。

TBSニュース 7月6日 「造成地と知らずに土地を購入」、熱海 土石流

この代理人河合弘之弁護士のインタビュー動画が、NHK報道(これ )ではあった。所有者は地元熱海市の男性とのことだが「崩れた場所については傾斜で段になった畑だと認識していたものの、盛り土があることや崩れる危険性については認識していなかった」なんて主張が通るのかしらと思う。多くの死者や行方不明者を出し、多大な財産を壊した。責任賠償が問われなければならない。

TBSニュースによれば、太陽光発電設備の所有者も同じと言うことである。Google Earthに2011年の写真があった。ピンクの線で囲った部分が土石流発生起点である。

Izuyama2021a

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2021年6月22日 (火)

日本社会はガラパゴス経済

ガラパゴス経済とは、うまい表現かなと思った。次の日経記事からです。


日経 6月22日 世界一律価格、日本に押し寄せる ネトフリ13%値上げ 安いニッポン・ガラパゴスの転機(1)


日米でのiPhone 12 Pro Max 512ギガバイトの販売価格を月収金額との比率で表すと日本45%に対して米国25%になるとある。日米2019年の平均月収は記事に37万円と5500ドルとある。iPhone 12 Pro Max 512ギガバイトの販売価格はAppleのWebを探せば分かる。日本では165,880円(ここ )、米国では1,399ドル(ここ )であり、日経記事の通り日本45%と米国25%となった。


Appleの価格が適正かどうかは難しいところであるが、日経記事が指摘している「日本では賃金が伸びていない」は事実である。日本マーケットをどう考えるかより、Appleにとっては世界戦略が重要であり、日本は世界の中の一部である。


日経記事は『消費も伸び悩み企業収益も低迷する悪循環が続いている。連合の神津里季生会長は「今の構造のままだと、社会全体での賃上げは難しい」ともらす。』と述べている。その通りと思う。是正に向けての改善ができていない。3号被保険者制度がなくならない。その結果、主婦の低賃金パート労働が存続し、全体の賃金水準の伸びを抑えている。放置している結果は、力の強い者が大きな配分を得る結果となる。努力した結果として報われるのは悪いことではない。しかし、合理的な制度となっており、公正な状態を実現できているかどうかは、常に見直しが必要である。


世界に取り残されてもつまらない。 日本社会・日本経済がガラパゴス化していないかを常に検証し続けつつ発展するようにすることは重要である。

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2021年6月20日 (日)

2020年合計特殊出生率1.34が示す日本の今後

日経が次の記事を掲げていました。

日経 6月18日 「出生率1.8」1割が達成 144市町村、子育てに安心感

合計特殊出生率とは女性が一生の間に生む子どもの数の推計であり2.0で人口増減なしである。合計特殊出生率1.8の意味は、2020年5月29日の閣議決定による政府の少子化社会対策大綱(ここ 参照 )に「希望出生率」として掲げられた数字である。

日経の記事タイトルを読むと、頭が少しゆらいでしまう。子育てに安心感を持てるのは1割の市町村にしか過ぎないと言う意味と思うが、うっかりすると逆に読んでしまう。1990年以後の合計特殊出生率の動きをグラフにすると次であり、2020年の数字は下がっているのである。

Birthrate20216a

日経の記事に都道府県別の出生率の表があるが、有料部分なので、厚生労働省のデータ(令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況 ここ )から作成した表を次に掲げておく。47都道府県では、沖縄のみが1.86と1.8を上回った。

Birthrate20216b 

主要国との比較では、次の様になる。韓国は1を下回っている。急激な人口減が始まるのであり、産業を維持し、社会を維持するには移民をうまく受け入れる政策が不可欠だと思う。日本も出生率1.8を目指して恋愛・出産・育児・子育て・教育が楽しく実施できる環境を整備することは重要と考ええる。しかし、同時に移民受入政策も検討すべき時期に入っていると考える。

Birthrate20216c

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2021年4月10日 (土)

福島第一原発の処理水は海洋放出へ

政府は、福島第一原発のトリチウムを含む処理水を海洋放出する方針を固めたとのことである。

日経 4月9日 福島第1原発の処理水、海洋放出の方針 政府

決定を先送りして解決する問題ではなく、海洋放出以外の選択は馬鹿げたことだと思う。

3月15日のブログ(ここ )の中で、国内外の原子力施設からのトリチウム年間放出量国内の原子力発電所からのトリチウム海洋放出量 のグラフを掲げたように、原発からはトリチウムの海洋放出や空中放出は行われているのであり、今回の方針が初となるのではない。おそらく、海洋放出する量は福島第一原発の従来からの放出管理目標値である年間22兆ベクレルとするのであろうか。

年間22兆ベクレルの放出で考えても、次のグラフのように処理をするには28年を要する計算となった。貯蔵量が少なくなれば、ゼロとはならないが、リスクは低くなる。

Fukushima3h20213a

処理水の将来量は、よく分からないが、放出する22兆ベクレルより大きければ、追いつかない。但し、トリチウムが崩壊してヘリウムになる分の減少はある。22兆ベクレルは従来からの放出管理目標値を適用した数値であるが、それでも加圧水型原発(PWR)からのトリチウム原発より遙かに小さい。大飯原発なんかだったら、その数十倍の量のようである。福島の魚に対する影響はないとしか言いようがないのかな。

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2021年3月28日 (日)

石巻市立大川小学校の悲劇を繰り返さない (その2)

石巻市立大川小学校の悲劇を繰り返さない (その1)とは、2011年の津波から3月が経過する頃に書いた次のブログです。

2011年6月 5日 石巻市立大川小学校の悲劇を繰り返さない

2011年3月11日に大川小学校を襲った津波では、児童は108名中74名が、教員は13名中10名が死亡という死亡率なんて考えたくないが69%-77%が死んだ悲しい事故があった。2011年6月5日にブログを書いた当時から、避難は可能であり、全員が助かったはずとの思いであった。児童23人の遺族は、市と県に損害賠償を求め、2016年10月第一審仙台地裁、第二審仙台高裁で遺族側が勝訴。市と県は上告したが、最高裁は2020年10月10日上告を棄却し、高裁の判決が確定した。日経の記事はここ にあります。仙台高裁の判決文はここ にあります。

この裁判で、遺族側の代理人を務めた吉岡和弘弁護士のインタビュー記事『大川小訴訟で「組織的過失」を勝ち取った弁護士の戦い 〜弁護士が見た東日本大震災から10年〜』を弁護士ドットコムタイムズがここ に掲載された。助かったのは30%で、死亡したのは70%だが、運と不運か、いかなる原因であったか、何故という問が解明される必要がある。私は吉岡弁護士の説明を読んで、多くの疑問が解けた。

1)デタラメに作成されたマニュアルがあった

私の2011年のブログは大川小学校の校庭は海抜1m程度と書いたのですが、吉岡弁護士は1.1mと言っておられます。防災行政無線からは高さ10メートルの津波からの避難を指示する放送が流れていた。それなのに、海抜1.1mの校庭に非難するバカはいないと思うが、いたのである。

危機管理マニュアルでは「まず校庭に避難し、津波が発生するかどうかの様子を見ながら、近くの空き地や公園に避難する」と、山梨県の学校で使われていた危機管理マニュアルを参考に作成されていた。大川小学校の近くに空き地や公園なんてないのに。また、大川小学校は津波の避難場所に指定されていた。ここまでのデタラメがあって良いのだろうかと思う。

30%の助かった人は、校庭に止まらず非難した人達だった。

2)政治家は遺族の気持なんて無関心

2011年6月に行われた遺族への説明会で、当時の石巻市長は「(児童が亡くなったのは)自然災害における宿命」と発言したとのこと。2011年4月から2014年3月にかけて10回にわたり開催された説明会では、市や学校側はその場しのぎの対応をするばかりであった。津波ハザードマップの欠陥をさておいて、学校が避難場所に指定されていたことなどから、「津波は予見できなかった」と市と学校側は主張。

第一審判決の翌月11月22日の週刊女性PRIMEの記事『大川小津波裁判 納得できない勝訴「知りたいのは裏山に避難できなかった“理由”」』がここ にありますが、市長が控訴を提案し市議会では賛成討論がなしでも、可決。議員も市民の意見なんて聞く耳は残念ながら持っていない。市長に賛成して身の安全を計るんですね。

吉岡弁護士には敬服します。しかし、腐った市長、市議、市職員、教育関係者がほとんどなんだなと思います。せめて誰か、正義を目指して堂々と戦う政治家や公務員はいなかったのだろうかと思います。ハザードマップの誤りを訂正せず、それを元に計画したら無茶苦茶ですよね。

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2021年3月19日 (金)

同性婚は?

同性婚について札幌地裁の判決が3月17日にあった。

日経 3月17日 同性婚認めないのは違憲、賠償請求は棄却 札幌地裁

報道には裁判所は違憲と判断したが、原告が訴えた賠償請求は認めなかったと言うことで、頭が混乱する面がある。

判決文はないかと探すと、MarriageForAllJapanという一般社団法人があり(Home Pageはここ ) 、支援をしておられる。この法人の3月17日付けお知らせ「【歴史的判決】代表理事からのご挨拶」(ここ )のページ中に判決文のリンクがあり、判決文をあげておられる。興味ある方は、判決文を読んで頂くと良いと思います。

この判決文を読むと、結論部分の文章は次である。

本件規定は, 前記3(4)で説示した限度で憲法に違反するものとなっていたといえるものの,これを国家賠償法1条1項の適用の観点からみた場合には,憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反することが明白であるにもかかわらず国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたと評価することはできない。
したがって,本件規定を改廃していないことが,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないというべきである。

なお、「本件規定」とは、判決文2ページ目にあり、婚姻制度を定める民法及び戸籍法の諸規定が全体として異性間の婚姻(以下「異性婚」)のみを認めることとし,同性間の婚姻(以下「同性婚」)を認める規定を設けておらず,これら民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定を総称して「本件規定」と呼んでいる。

分かり辛いが、同性婚に関する制度がないことは憲法の規定に違反するが、ないことによる国家賠償を受けることはできないとしている。それでは、どうなるの?と言うわけで、 次の朝日の記事がおもしろいと思った。

朝日 3月17日 同性婚訴訟判決「画期的」「混乱つながる」 各党温度差

そして裁判を提起した原告は、国会に速やかな立法措置を促す必要があるとして、控訴の予定も明かしたと弁護士ドットコムニュースは伝えています。

弁護士ドットコムニュース 3月17日 同性婚訴訟、「立法措置促す」と原告側は控訴へ 違憲判決には「画期的判断」と高評価

結婚に関して、選択的夫婦別姓を、望んでいる人の数は、同性婚より多いはずです。何故、結婚したらどちらか一人は姓を変えねばならいのか、強制はおかしいと思います。

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