2017年11月21日 (火)

東芝6000億円増資のハテナ

東芝が6000億円の増資を発表した。

日経 11月19日 東芝、6000億円の増資決議 今期末の債務超過回避

東芝による発表は、次である。全部で83ページあるが、17ページから82ページまでは別紙2となっている割当予定先の概要である。

東芝 発表 11月19日 第三者割当による新株式の発行に関するお知らせ

発行する株式数は2,283百万株であり発行済み株数4,237百万株の53.88%に相当する。発行済み株数が一気に1.5倍以上になる。大量発行である。現在の株主は、どのように思うのだろうか?発行価格は262.8円であり、11月20日の終値275円の4.5%安である。

6000億円の資金使途は、ウェスチングハウス関係の保証債務の早期弁済である。そんなの意味あるの?そんなために株数を一気に50%以上増やすの?と思う。東芝は、為替変動リスクからの解放なんてことも言っているが、それ嘘でしょうと言いたい。円高になれば、ドル建て債務は減少するのである。為替については損も得もない。債務を早く支払うことの利益とは何であるのか不思議である。

50%以上の増資だから一般公募したら値崩れする。だから第三者割当にしたということと思う。さて、その第三者割当の相手先であるが、ほぼ全てがカリブ海の投資法人である。世界の胡散臭い投資マネーの場所である。従い、東芝発表の17ページから82ページまでの各ページには「その他の情報については、開示の同意が得られていないため、記載していません。」とある。東芝自身も完全には知らないのかも知れない。勘ぐれば、資金の出し手に資金が環流してしまうスキムだってあり得るのである。

少なくとも私にとっては、不可思議な増資である。理解できるとすれば、東芝メモリーが売却できなかった場合でも、純資産額が6000億円増加するわけで、本年3月末時点での2,757億円の債務超過は解消する。そうだとすると最高の後ろ向きの話である。最も、東芝メモリーの売却そのものが後ろ向きなのだからとなってしまうが。

このブルームバーグのニュースの最後はBNPパリバ証券のチーフクレジットアナリストの話として「中長期的には米液化天然ガス(LNG)事業で抱える最大約1兆円の損失発生リスクの具現化懸念もあり「決して安泰ではない」と述べた。」と書いている。経営者は、真面目に企業の再生・発展を考えるべきと思います。

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2017年6月23日 (金)

有価証券報告書を国に提出とは、馴染まない

このニュース:東芝 有価証券報告書提出延期 東証2部に降格の中で、NHKは「有価証券報告書を国に提出できないまま、今月末の提出期限が迫っていました。」という表現を使っている。

確かに、金融証券取引法24条には、「有価証券(上場されている有価証券)の発行者である会社は、・・・当該事業年度経過後3月以内・・に、内閣総理大臣に提出しなければならない。」となっている。

しかし、金融証券取引法25条は、次のようになっているのである。

第25条  内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる書類・・を、・・受理した日から当該各号に定める期間を経過する日・・・までの間、公衆の縦覧に供しなければならない。

四  有価証券報告書及びその添付書類並びにこれらの訂正報告書 5年

内閣総理大臣に提出することは義務であるが、同時に内閣総理大臣は有価証券報告書を誰もが閲覧できる状態にする義務を負っているのである。

投資者や債権者その他利害関係者のためのディスクロージャー制度としての手続きとして内閣総理大臣への提出となっているのである。

主役は国民、いやもっと広く世界中の利害関係者と考えるべきかも知れない。

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2017年6月 6日 (火)

東芝の監査委員会と監査法人

東芝に関しては、毎日のように様々な報道が為されている。例えば、次の東洋経済ONLINEの記事である。

東洋経済ONLINE 5月5日 東芝の監査法人、「PwCあらた」が一転継続へ

注目は、記事よりも、この記事に対するコメント欄の書込(ここ)である。監査委員会と会計監査人との関係についてのコメントがある。

会計監査人は2016年3月までは新日本であり、4月からはPwCあらたである。東芝は、指名委員会等設置会社であり、執行役の取締役以外に指名委員会、監査委員会、報酬委員会を構成し、委員となっている取締役が存在する。

一連の問題で、東芝監査委員会の委員となっている取締役は3名いるが、果たして何をしていたのか、何をしているのかと問いたださなくてはならない。監査委員3名は、全員社外取締役なのだが、委員長は元監査法人の執行社員であった公認会計士であり、残る2名のうちの1名も別の監査法人の元代表社員であり、証券取引等監視委員会委員を勤めた事がある人物。そして、もう一人は元検察官で最高裁判所判事にもなった人である。監査委員会の委員自らが全ての作業をする必要はない。調査他の職務を補助すべき使用人に業務を命じれば良いのである。そして、監査法人と密接な連絡を取り、監査法人の意見を聴取する必要がある。

問題ある会社の監査委員に就任している場合の株主や社会に対する責任は、それだけ重大であると考える。悪い奴らは、悪事を隠すために、さも立派な肩書きのあるこれぞ社会正義と看板を掲げる事ができる人物をお目付役に任命する。東芝問題って、複雑且つ大変ですね。

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2017年1月12日 (木)

東芝は債務超過ですか?原発の今後は

東芝が認識する損失額は日々拡大に向かっているようで、時事ドットコムは4000億円という数字を掲げていた。

時事ドットコム 1月11日 想定外の費用4000億円=米原発事業で膨らむ-東芝

私が12月29日に取り上げた時(このブログ)は、3000億円規模というような表現だったのですが、ついに4000億円の数字も聞かれるようになった。

東芝からは未だ発表がないので、何とも言えない面はある。しかし、相当のエビデンスを出さないと東芝発表は信じてもらえない。或いは、もっとすごいのは、その先を見通して、真実を述べていないとして、東芝の株式売却を進める投資家は出ると思う。WHにしろCB&Iにしろ、高給取りの技術者は働いているわけで、雇用の維持だけでも、相当のキャッシュフローが出て行く。借入金で捻出するとしても、銀行はすんなり貸すだろうかである。

勿論、東芝はつぶれない会社である。東芝がつぶれたら、福島第一原発の廃炉はおろか、他の原発の運転どころか、休止も、廃炉も困難となる。日立、三菱がいるではないかであるが、原子力分野の技術者が他の分野に転出したりして、総人数が減少したら、やばくなることがないか心配である。

運転休止から以降も数十年間(使用済み燃料の管理まで考えれば、数百年、数千年)も高度な技術を使って面倒を見なければならない原発は、民間会社ではなく、政府が全てを管理する社会主義体制でなければ、利用・推進できない発電方式のような気がする。もっともチェルノブイリはソ連時代の事故であり、そう考えると、人間の英知を超えた存在と認識するのが正しいように思えてくる。

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2017年1月 5日 (木)

東芝志賀会長の言うことにゃ

東芝会長の、日本電機工業会他が開催した年賀交歓会における記者団の質問に対するコメントではありますが、あさっての方向を向いての発言でして、支持したいとは思わせませんよね。

日経 1月5日 東芝会長、米原発事業の損失額「現段階で言えない」 

12月29日のブログでも書いたのですが、東芝がWH関連で問われているのは、CB&Iが手がけている米国ジョージア州のSouthern’s Vogtle 3、4号機の工事損失の問題ではなく、東芝が手がける原子力ビジネスの進め方である。幾ら損を出しても、原子力には未来があると、投資を拡大するのか、もはや損切りしてでもどこかに売却するのか、ある一定の方針の下で継続するのかである。

東芝は2006年にWHを54億米ドル(当時の円貨換算6210億円)で購入した。このWHにCB&Iを229百万米ドル(約250億円)で購入させた。東芝(の経営者)が問われている事は、世界の原子力をどのように展望しているか、そして、その展望の中で東芝はどのようなビジネス展開をしようとしているかである。

そんなこと賀詞交換会で記者に聞かれても、適当に返事をしてくしかないよと言う所でしょうが、「真剣に検討中」とかうまい言葉がなかったのかと思う。最も新聞記事も発言の全内容を伝えているわけではなく、もっと真摯な答えをされたのかも知れないですが。

東芝は原子力の未来について、自社の見解を述べる必要があると私は考えます。三菱重工や日立製作所も同じように原子力産業に係わっているが、WHへの投資という巨額投資をしている東芝は株主他への説明義務があると思います。なお、東芝、WH、CB&Iに関する記事で次のWall Stree Journalの記事はよくまとまっていると思いました。

WSJ Dec 26, 2016 Toshiba Shares Plunge Further Over Problems at Nuclear-Power Subsidiary

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2015年7月22日 (水)

東芝の問題

東芝の粉飾事件は、日を追う毎に、問題が膨らんできているような気がする。時事ドットコムは、米国における東芝株の株価急落に起因する損失についての裁判について報道している。

時事ドットコム 7月22日 東芝に賠償請求=集団訴訟に発展も-米

米国の法廷での裁判であり、私は、陪審員制と理解します。陪審員制の場合、情状による判断が入りやすく、弱者救済に向かうことが多いと聞いたこともあり、東芝にとっては、厳しい判決となりうるように思う。

しかし、東芝は、何故こんなバカな粉飾をしてしまったのだろうと不思議に思う。日経は7月21日に、東芝、不適切会計問題を読み解くという記事を出しているが、社長の指示でそんな簡単に社員が粉飾決算に手を染めるのだろうかと疑問に思う。義侠心が多い社員もいる。最も、上の意向を汲んで行動する人もいるだろうが逆に社会的正義感が強い人もいる。社内監査部門もあるし、社内制度・組織では不正が生じないようガバナンスが働くようになっていると思う。そう考えると、社長が犯人ではなく、社員・就業者全員が一丸となって粉飾をしたのではとさえ思ってしまう。そうなると、会計監査人新日本監査法人は、どうなのだろうか?会社法423条の役員等の株式会社に対する損害賠償責任には会計監査人も含まれている。日本で、株主代表訴訟が提起された場合には、新日本監査法人が含まれる可能性もあると思う。

ところで、ウェスチングハウス(WH)は、どうなのだろうか?東芝の有価証券報告書(2014年3月期)を見ると、WHの全部の持分は東芝エナジーホールディングス(米国)が保有し、この87%を東芝が保有しているとの記載がある。東芝がWHの67%を買収したのは英BNFLからで2006年。(この東芝発表2006年2月6日には、54億ドル(約6,210億円、115円/ドルで換算)で契約を締結とある。但し、54億ドルは、米ショー・グループ(20%)、カザフスタンの国営原子力事業会社カザトムプロム(10%)と日本IHI(3%)の合計である可能性はある。2011年のWH20%持分追加取得はこの東芝発表2011年9月6日であり、米ショー・グループから。金額はこの日経2015年7月22日によれば、1250億円であるが、東芝の発表にもショーのプットオプション行使の決定とあり、ショーが6,210億円の20%で東芝に売却するオプションを保有していたと想定される。

そこで東芝のWH取得の投資額を考えると、6,210億円の87%である5,400億円と想定される。2014年3月末連結財務諸表におけるWHの資産は259億円が計上されており、のれんは全社合計で5800億円計上されている。東芝は米国基準で財務諸表を作成しており、のれんは規則的な償却の対象ではなく、5,400億円がほぼそのまま資産計上されている可能性はある。

どうなのだろうか?原発に明るい未来は考えられるのだろうか?特にWHの加圧型軽水炉の将来は、どうなのだろうか?仮にWHの持分を東芝が売却しようとして買い手が現れるのだろうか?米国政府・米議会や米国民にしてみれば、変な相手先への売却を認めないはずである。東芝のWH投資は更に混迷を深める問題である。

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2015年3月24日 (火)

日本風力開発のMBO

日本風力開発がMBOを発表した。

日経 3月23日 日本風力開発、MBOで非公開化へ 1株580円でTOB

会社発表はここ

会社発表は、日本風力開発の文書が24ページ、JWDホールディングスの文書が.24ページであり、相当の量である。(JWDホールディングスとはベインキャピタルと日本風力開発社長の塚脇氏が先月2015年2月に設立した会社で、公開買付者である。)

私にとって日本風力開発について記憶が鮮明なのは、やはり粉飾決算である。金融庁から実態のない風力発電機販売斡旋取引に係る売上を計上して10億円以上の粉飾をし、課徴金金3億9,969万円の納付命令を受けた。(ここに金融庁の2014年8月29日の発表がある。)粉飾決算の時期は、2009年3月期のことである。この粉飾決算を行った財務諸表を元に2009年9月に新株予約権付社債30億円を発行し、2009年11月17日に3000株を1株236,345円で発行し8億円弱を手に入れ、更に2010年1月29日に新株予約権も発行した。

但し、日本風力開発は粉飾決算を認めておらず、2014年9月26日に東京地裁に取消訴訟を提起している。すごい会社である。

2013年9月に1株を100株に分割する株式分割を行っていることから2009年11月発行の1株236,345円は、分割後の株数で換算すると2363円である。保有していれば、これを580円で売って、1783円の損となる。投資額が最終的に25%となるバカな投資をしたこととなる。参考に、日本風力開発の2005年からの10年間の株価チャートは次である。

Nihonfuryokukaihatsu20153

会社のMBOの発表には、在庫として保有する蓄電池売却が急務であると書かれている。しかし、粉飾決算の会社の言うことであり、信じられないし、実際に蓄電池を保有しているとしても少額なはずである。或いは、相当の多量であった場合は、新規建設中の案件用である。もっとも、日本風力開発は建設中の案件はないと有価証券報告書にも書いている。しかし、貸借対照表には建設仮勘定が計上されており2014年12月末で70億円となっている。

見方によっては、倒産間違いなし。MBOをやって生き残る戦略なのかも知れないと思う。多分従業員はほぼ全員解雇なのだと思う。太陽光もそうであるが、風力も従業員は基本的にゼロでも済むやくざ課業である。問題ある企業は、投資家から誤魔化して資金調達ができなくなった時は、MBOを選択する。その結果は徹底したコスト削減に向かうはずである。そして借入金の返済猶予を求める可能性が高いと思う。日本風力開発の場合は、2014年12月末で264億円の借入金がある。どうなるのだろうか?基本的には広い意味での放漫経営が原因と推定するが、株主から集めた金が累計203億円。一方、580円のMBO価格で計算すると97億円となる。株式投資とはだましあいの世界なのだろうか?そうだと思って、投資先については自ら十分な分析をすることが重要で、ムードや雰囲気で投資をしないことである。

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2013年12月23日 (月)

年末年始の株価予測?

2013年末から2014年初頭の株価の動きは、どうなるのでしょうか?

株式売却益の税金が2014年から現行の10%から20%へと増税となる影響があり得ます。参考として、次の日経の「投資の知恵袋」の説明が詳細にわたっているので、掲げます。

日経 12月19日 株の年内売却は得か損か 税優遇、25日約定まで

2013年末で経過措置としての10%特例税率適用が終了するのです。但し、上場株式等の譲渡が12月31日までに行われた場合であり、決済と譲渡が同時なので、約定日ではなく、日経の説明のように、12月25日までに売買が市場で成立する必要がある。市場を通さずに知人間の相対取引等は、初めからこの10%の特例税率の対象外です。適用条文は、租税特別措置法の平成20年4月30日附則第43条です。(厳密には、同日の地方税法もあります。)

1) 税金の参考計算

取得購入時が百万円であたっとして、売却価格が150万円から200万円であった場合の、税引き後の手取金額を計算したのが次の表です。

Stocktax201312a

実際には委託手数料が経費となり税額が少し減少すると共に、手取額も手数料分少なくなる。又、復興特別税もかかる。

節税方法としては、24日と25日の2日間の勝負ですが、売却して直ちに購入すれば、新規購入額が次の所得価格となるので20%税率の対象額は小さくなる。更なる値上がりを期待して保有する場合(通常はそうでしょうが)は、一旦売却の方が賢いこととなる。但し、同額で再取得できるかは不明です。

逆に多くの人が節税目的で売りをかけて市場では売りが多くなれば当然値下がりする。大暴落が発生する可能性もあります。朝から市場閉鎖まで一本調子で下がるとすれば、逆に安値で取得できるのでチャンスかも知れない。又、100万円まで非課税のNISAに乗り換えれば、税の上ではもっとも賢い選択となります。

もしかしたら、24・25日は大波乱の株式相場かも知れません。逆に、26日以降新年は、売りが少ない相場展開になる気がします。そうなると、値上がりでしょうか?

2) 2013年の株式相場

2013年の日経平均株価チャートを作成しました。通常のチャートに加え、右目盛りを使って米ドル換算の日経平均も描きました。

Stocktax201312b

2013年年明けの日経平均株価は10600円ぐらいでスタートし、12月20日は15870円で終了しました。もし、この平均株価で年明けに購入し、年末に売却していれば5270円の売却益であり、このあたりを上の1)の計算の参考例としました。

米ドルのチャートを加えたのは、これが外人投資家の日本株評価になるからです。円高に振れれば、株価が一定でも米ドル換算は上昇するので、利益です。逆に円安に振れれば損失となるのですが、2013年は輸出企業の利益回復により株価上昇の方が大きく、外人投資家にとってもHappy Yearだっただろうと思います。これが続くのかどうか、もう一つのチャートを見てみます。

3) 米ドル為替

次のチャートは、2013年の米ドル為替レートです。

Stocktax201312c

株価チャートと極めて似ています。輸出企業が先導した2013年の株式市況であったと言える気がします。アベノミクスと関係ないと言えるし、アベノミクスの結果円安相場の基調が生まれて株価が上がったとも言える気がします。

これ以上の円安為替があり得るのかと言えば、1年半程前の2012年8月頃は1米ドルが80円を下回る円高であったのであり105円は30%以上の円安であり、これ以上の円安はなく、逆に円高に振れ始めれば、円高の進行もあり得ると思う。そうなると株価暴落もあり得るのではと思います。

以上、すべて無責任な市況評価ですので、投資判断(売りも買いも)は自分の責任で実施ください。なお、チャートは、正確なデータに基づいていますので、参考にしても構いません。

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2013年12月11日 (水)

雪国まいたけの有価証券報告書虚偽記載は課徴金2250万円

雪国まいたけの有価証券報告書虚偽記載について証券取引等監視委員会の課徴金納付命令勧告は2250万円であった。

日経 12月10日 雪国まいたけに課徴金2250万円 監視委が勧告

証券取引等監視委員会の発表は、ここにあります。

証券取引等監視委員会の発表の「3.課徴金の額の計算」に2250万円の課徴金の計算内訳が書いてあります。13億円の虚偽記載に対して、課徴金は2250万円です。少ないと見るか、訴訟もあり得るかも知れず、課徴金のみで済む訳でもなく又支払いが不可能な額を徴収することもできず、よく分かりません。

当第2四半期連結会計期間の第2四半期報告書は、虚偽記載を訂正済みの正しい財務諸表を雪国まいたけは発表しています。その報告書によれば、2013年9月末の連結純資産額は4億2400万円です。しかし、株主が払い込んだ実質の資本(資本金と資本剰余金の合計から自己株式を差し引いた金額)は23億5300万円です。これに累積損失である利益剰余金のマイナス15億1400万円を差し引くと2億3100万円になります。13億円の虚偽記載は、この会社を評価するにあたり、誤解をあたえる金額であったと思います。

11月6日に雪国まいたけ事件から学ぶべきことを書いたことから、今回の証券取引等監視委員会の課徴金納付命令勧告について少し書きました。

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2013年6月 5日 (水)

再生可能エネルギーの証券化

再生可能エネルギー発電に関する証券に投資をしないかと勧誘する電話を受けた。電話では、金融庁の名前を出したりして、もっともそうに説明をし、最後には○○県の方限定で特別に募集をしているとか言っていた。

それ以上は、相手は語らなかったのであるが、MRIの投資で、巨額資産消失により損失を被っておられる方が現実におられるわけで、再生可能エネルギー証券投資で同じように投資に失敗する人が出ないとも限らず、念のため、思うことを書いてみたい。

1) 証券化とは?

株式や社債のみならず何でも証券化は可能である。例えば、MRI事件もこの47ニュース 5月30日 MRI社長を詐欺容疑で刑事告訴 巨額資産消失疑惑にも、「MRIは診療報酬を保険会社などに請求できる権利を債権化した金融商品への出資を募っていた。」とある。詳細は、私もつかんでいないが、多分手が込んだ手法で素人が騙されやすいスキームを使っていたのだろうと想像する。

金融商品になじみがない人にとっては、デリバティブと聞けば、恐ろしそうという印象を受けると思う。しかし、××の権利を証券化した安全な投資ですと説明されれば、安心してしまうかも知れない。金融商品とは、納得できなければ、投資をしてはいけないモノです。そして、一旦投資(購入)をしてしまうと中途解約・中途売却はできないのが通常と思うべきです。株式が売却できるのは、証券取引所に上場しているからです。

2) 誰が証券化して売るか?

金融の常識はこうです。儲かる投資なら、誰にも売らないか、高く売りつける。あるいは、あるプロジェクトを仕組んで立ち上げたとするなら、それを細分化し、その中で、自分は低リスクで高収益を得られる部分を取り、高リスクで低収益となる部分は他人に売るのです。一つのプロジェクトで低収益部分を多く作れば、高収益部分のリターンはめちゃ大きくなる。

そのようにして作ったハイリスク・低収益部分の投資を歩合給でセールスマンを使って、やたらめったら電話を掛けさせて売りまくるのです。不況下なら、セールスマンを雇うことは簡単だし、やばいことをしていると気がつかれても、核心部分は教えないし、ぶら下がったニンジン目指して走るセールスマンなわけです。

再生可能エネルギーで、そのようなことは可能かと言えば。メンテナンス契約をする会社を作って、そこで高利益を手にすることが考えられる。まして、再生可能エネルギーなんて脚光を浴びているわけで、自然エネルギーなんて訳の分からない言葉を発している人もおり、セールスで騙すのは、容易な分野と思う。

3) 再生可能エネルギーの未来は明るいか?

もしかして明るいかも知れない。しかし、50年以上先のことかも知れないし、それ以上要するかも知れない。

少なくとも、今は開発段階、試験段階です。「そんなことはない。現実に太陽光発電に投資をし、洋上風力も出てきている。」と仰る方もおられるはずです。では、電気料金の請求書を見てください。そこには、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」との項目が書かれています。現在は、0.35円/kWhですが、これに更に太陽光発電促進付加金(電力会社により異なり、0.02円/kWh~0.09/kWh)です。太陽光発電促進付加金は、2015年3月で終了するが、終了しても再生可能エネルギー発電促進賦課金は、現在より高くなることは間違いがなく、毎年値上げが続くと予想される。発電促進賦課金は、この3月までは0.22円/kWhであった。2014年3月には0.35円/kWhから更に値上げ確実です。

なぜ、再生可能エネルギーの電力は高いかと言えば、業者の言いなりの価格で購入することを政府は2012年に決定してしまったからです。未だ、それらの設備は全量稼働しておらず、稼働すればするほど電気代を高くして、業者への支払に充当する制度だからです。少し前までは、太陽光は、住宅用を高くしていたが、買電可能な電力は家庭で消費した余剰分という考え方であった。ところが、現在同一価格で、且つ全量販売される。そして、一旦設置された再生可能エネルギー発電設備は稼働可能な限りフル稼働となる。一旦、契約すると販売電力価格は10年間固定である。

私は、再生可能エネルギーの利用について賛成する。しかし、適度な調和を保って、推進すべきである。未来の技術であり、上手に利用できるようになって本格的に利用できるのである。但し、現状でも大きな無理はなく利用できる場合もあると思う。その場合は、発電しても許容範囲と言えるコストに収まるはずである。

2003年4月以降の認定分については、少し買い取り価格は下がった。太陽光の場合では、40円プラス消費税等から36円プラス消費税等へと。しかし、促進付加金は上昇を続けるのであり、どこかで消費者からと産業ユーザーから不満が出てくる可能性がある。従い、現段階で予想される再生可能エネルギーの投資収益の期待が今後とも継続するかは不明であると思う。

再生可能エネルギーへの投資勧誘について今回書いたのですが、投資勧誘を電話で受けた際は、相手の身元がはっきりしない場合、いくら甘い言葉をささやかれても、オレオレ詐欺の同類項だと思った方が間違いがないと私は思います。

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