2026年10月 7日 (水)

日航機御巣鷹山墜落(その3)企業ガバナンス

日航機御巣鷹山墜落に関してその1 、その2 と書いたのですが、企業ガバナンスの観点も忘れてはならないとして、今回は「その3」を書くことにした。 なお、日本航空株式会社(以下「日航」と略す)について、私は乗客として搭乗したことはあるが、日航の企業統治に関してそれほど多くを知っているわけではなく、推定・推察が入らざるを得ないことを申し上げます。 論じたいことは、企業ガバナンスに関してであり、全ての企業に共通であり、実は日航のガバナンスとは日本企業のガバナンスに距通する点が多くあると認識します。

1)日航とは

日航とは、日本国内線の民間定期航空輸送事業を行う会社として1951年に株式会社として設立された。 日本の航空関係の産業・事業は終戦の結果、 禁止され、航空輸送部門の再出発として日航は発足した。 但し、現日航は、1951年に設立されたこの会社ではなく、1953年8月に制定された日本航空株式会社法により設立された株式会社(新日航)なのである。 新日航の設立に伴い、旧日航は新日航に営業権を譲渡し、旧日航株主は新日航の株式を取得した。

終戦からの復興が関係する複雑怪奇に思える歴史であり、航空輸送政策も関係している。 新日航は、自社のためだけに制定された日本航空株式会社法(日航法)により、優遇を受けた面はあるが、同時に縛られた面も多かった。 日航法は国際線事業を日航の事業に含めた。 代表取締役の選任、社債募集や長期借入、航空機等の譲渡や担保提供は大臣認可となった。 設立時の資本金は20億円で、政府出資10億円と旧日航株主10億円である。

日航法は、航空政策を定めた法でもある。 即ち、航空輸送は政府と民間出資による株式会社の新日航が展開し、政府はそれを支援するとともに、行政面での管理を行い、重要事項に関しての許諾を行う。 日本は、1945年9月に連合国と降伏文書に調印、1951年サンフランシスコ平和条約に調印、そして1956年12月に国連加盟を果たした。 日本は、その復興過程において、世界に門戸を開き、世界貿易による発展を目指した。 当時の国際航空輸送では、航空機の相互乗り入れが互いのナショナル・フラッグ会社による実施の場合があった。 日航は、国際線航空輸送を実施するナショナル・フラッグ会社となり、同時に政府もこれを支援し、利用・活用した。

1980年代になり国鉄、電電公社の民営化とともに、日航の民営化が検討、実施されていった。 日航法は1987年11月に廃止され、政府保有株式も1988年3月までに売却され、日航は通常の民間企業となった。 

2) 1978年6月2日大阪空港しりもち事故修理に関するガバナンスを考える

2-1) 事故修理

事故の修理箇所は、9月15日のブログで、事故報告書にあった次の図を示したが、①から⑮で示した部分(黒太線箇所)が損傷部分であり、修理を要したのである。

Jl747ja8119a

その内容は、次の通りである。 (事故報告書245ぺーじより)

Jl747ja8119d

事故発生は6月2日であった。 6月10日に日航はボーイングと修理契約を締結した。 仮修理と整備の後、6月15日に大阪より羽田に空輸し、6月17日より日航の格納庫内で修理が実施され、7月11日に終了し、12日に修理検査完了となった。

Wingimage

上図が機体のイメージであり、重心位置は、主翼の浮力中心より前方にあり、水平尾翼は下方向に機体尾部を押し下げている状態で飛行している。 水平尾翼の後端部分は昇降舵(Elevator)であり、機体の上昇度、下降度を制御している。 更には、乱気流を通過する際には、上下垂直方向の安定飛行での役割は大きく、上下に大きな力を受ける。

一番上に掲げた図は、大阪空港しりもち事故で損傷を受けた部分を太線で示した図であり、水平・垂直尾翼がある機体最後部の下側外板やフレームが損傷したことが分かる。

2-2)ボーイングによる修理

飛行機の後部は機体の安定的飛行並びに制御・操縦に極めて重要であり、しかも大きな外力を受ける部分である。 ボーイングによる修理以外に考えられない。 修理契約は、ボーイングが出した条件を全て受け入れざるを得なかったと思う。 一方、6月2日事故発生で、6月10日に修理契約の締結、6月15日羽田への空輸、6月17日より修理開始というのは、事故発生から修理開始まで半月(15日間)であり、急すぎないかと言う疑問である。

2-3)ガバナンス疑問A

事故から半月で修理開始は、急ぎすぎていて、日航のガバナンスは大丈夫だったのか? 事故から8日後に修理契約を締結しているが、ボーイングは、契約前に損傷箇所を調査し、修理の内容や方法を検討した上で、日航に見積もりを提出したはずである。8日間で、できたとしか考えようがないが、私のような素人には、損傷箇所の調査だけで、大阪か羽田に出張してきたボーイング専門家が損傷箇所の調査、場合によっては出張者と本社との意見交換、修理方法の立案等多くの作業や検討が必要と思う。 8日間というのは、相当無理をしたスケジュールではなかったかと思う。

もし、日航が無理に修理を急がせたならばという、禁じられた疑問が浮かんでくる。 当時、全日空は海外便はチャーターのみであり、ロッキードL1011の運行開始は4年前の1974年であった。 全日空の初海外便グアムは1986年であり、全日空がアメリカン航空と業務提携をしたのも1986年である。 全日空との競争は余り関係なかったのかも知れないが、国内トップの航空会社としての誇りや自尊心を保っておきたかった心情は日航関係者にはあったと思う。 事故機が長期間運航できない状態を一刻も早く脱したいというのが会社のトップを含め全員の気持ちであったと思う。 それは、事故修理に関係した社員に大きなプレッシャーを与えたと思う。 少々のことは、見逃しても、早く修理を終えて、運航再開を目指す。

どのような企業にも共通する課題であり、潜在的リスクであると思う。 他社のことと笑って済ませられない

2-3)ガバナンス疑問B

機体強度を確保するための外板やフレーム等の損傷部修理については注意を払ったが、圧力隔壁についてはそれほど重要視しなかった可能性である。 なお、事故調査報告書には、圧力隔壁に関して次の記述がある。

Jl747ja8119e

L18接続部とは隔壁下半分の航空機尾部から見て左側であり、この部分が寸足らずであることが判明し、継ぎ板を追加挿入して間に合わせようという対策案が提案されたとの記載である。 この提案は2列リベットでの補修であったが実際の修理は1列リベットとなり、御巣鷹山墜落になる圧力隔壁破裂となってしまった。 但し、1列リベットでも、実際に1.3気圧ほどの規定値に客室を加圧して空気漏れを調べる検査が7月9日に実施されており、検査合格であった。

何故1列リベットとなってしまったのか不明であるが、あえて理由を考えれば、隔壁修理は6月26日に実施された補修であり、急いで修理を済ませることを日航が要請した可能性はないだろうかと思ってしまう。 修理が完了すると、1列リベットでも外観はほぼ2列リベットに見える修理である。 あえて勘ぐれば、日航が短期間修理を要求し、ボーイング修理チームは、それに応えようとした。

この時の修理と同時に、日航はこの747SR-100型JA8119の5C整備(機体の第5回目の大規模メンテナンス)を実施している。 従い、ボーイング修理チームと同時に日航メンテナンス・スチームが作業をしていた。 1列リベットによる補修は、ボーイング修理チームのなかの一人だけが実施したのか、チーム内で共有されていたのか、また日航側の誰もこの補修の実態を把握していた可能性は、どうなのかという疑問である。

メーカー側とユーザー側の技術格差は大きいのであるが、日航もボーイングの修理作業を監視する権利はあったはず。 そこまで、修理契約で禁じてはいないはずである。 疑問は解けないが、日航の格納庫内で実施された修理である。 修理内容を把握し、疑問があれば問いただす権利を日航は持っていたと信じる。 1列リベットにせざるを得ない特別な理由が存在し、このことも日航は把握し、現場では承認していた可能性も全くないとは言い切れないと思う。 但し、この解明は現時点では不可能であり、将来の教訓とせざるを得ないが。

2-4)ガバナンス疑問C

企業ガバナンスの観点を考えてみたい。 トップ経営者を初め日航社員全員が利益追求にとらわれて、企業の意義という観点をおろそかにしてしまった面が、なかったかについてである。

年間飛行時間数を考えてみる。 B747SR-100JA-8119は、C整備を1984年12月5日完了しており、事故日の8月12日出発まで250日間の飛行時間は1700時間であった。 年間365日に換算すると2500時間に相当し、乗客・貨物輸送を行った営業飛行時間数は90%以上と思うが、90%と仮定して2250時間となる。 1時間あたりの収入について500席の65%を見込み、乗客単価を15,000円/時間として年間収入を考えると118億円となる。

年間収入118億円に要した費用として燃料費と乗務員の乗務手当を直接費用として金額を推定する。 B747SRの燃料消費量を14.5KL/時間として、2500時間で36,250KLの燃料消費となる。 1KLが35,000円であったとすれば、燃料費金額は年間12億7千万円となる。

運行乗務員の乗務手当を3人x1万円/時間で3万円/時間とし、客室乗務員の乗務手当を12人x5千円/時間で6万円/時間と想定する。 地上走行時間として10%を追加することとし、運行乗務員は2750時間で、客室乗務員は2500時間の90%x1.1倍を考えて2500時間で計算した。 この場合の運航乗務員手当は8250万円で客室乗務員の手当は1億5千万円となり、合計で2億3千万円となった。

結果、年間直接費用は燃料費12億7千万円と乗務員の乗務手当2億3千万円の合計15億円となった。 年間収入を考えると118億円に対する直接変動経費15億円であるなら、ボーイング747SRは年間100億円の収益を生み出してくれる旅客機である。 大阪空港しりもち事故のB747SR-100は少しでも早く運航を再開したいとの希望があって当然であるが、日航関係者にはトップ以下関係者全員に早急な運行再開に向けての強いプレッシャーが働いていたのではと思う。 その結果が、慎重さがあっても良い点に関しての慎重さが失われ、問題点の指摘は方針を覆すと見做すようなムードを醸し出し、企業トップに報告した方針は簡単には変更できないと言うような企業としてのガバナンスに問題があるような点はなかったのだろうかと思う。

大阪空港しりもち事故の1978年は、日本の航空輸送は45/47体制と呼ばれる日航・全日空・東亜での棲み分け体制であり、日航は日航法により設立された株式会社ではあるが、50%株主の政府は誰よりも権限が強かった。 圧力隔壁の1列リベット補修問題は、ボーイングの修理ミスとして片付けではならない航空機運用者・所有者の問題でもあると思うのである。

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2026年9月25日 (金)

日航機御巣鷹山墜落(その2)

9月15日にこのブログ 日航機御巣鷹山墜落から41年を書いたのですが、日本航空に関しては触れておらず、日本航空(日航)に関連する疑問を書いてみます。

1) 1978年6月22日大阪空港しりもち事故

日航ボーイング747SR-100(JA8119)は1978年6月2日15時に大阪空港で着陸(厳密には接地)したが飛び上がり460m飛んで、滑走路端から780m先に水平から13度機首を上げた状態で、機体尾部を滑走路にこすって着陸した(滑走路全長は3000m)。 重傷者2名と軽傷者23名を出し、機体を損傷した。 当時の風向きも風速も問題なし。 機体重量は210.8トンで、機体重心位置は17.7%MACであり、問題はなかった。

2) 大阪空港事故による機体修理

修理は羽田空港で行った。 大阪から羽田まで飛べたのである。 それなら、いっそのこと、シアトル・タコマのボーイングまで飛ばして、ボーイングで修理をできなかったかと思うが、どうなのだろう?

圧力隔壁を修理するにあたって寸足らずのスプライス・プレートを使ってしまった。 ボーイングの工場でなら材料はある。 しかし、羽田には寸足らずしかないということからかも知れないと思う。 予想以上に損傷が大きかったのではと思う。 6月15日に大阪から羽田に回送され、17日から修理が実施された。 損傷状態を測定し、修理方法の検討・決定、修理必要部材の手配が2日間でできたのであろうか?

シアトルから輸送しても10時間も要しない。 従い、問題はないという判断であったのだろうか? しかし、現実は不適切な隔壁修理を行い、520人の死亡事故を起こした。

また、ボーイングの修理ミスで片付けて良いのだろうかと思う。 所有者・運行者である日航の責任は、どうなのかと思う。 隔壁修理に関して日航は何をしていたのか? 隔壁は、通常は覆われて見えない位置にあるが、修理時は見れるし、修理の立ち会いを日航側は誰もしていなかったのだろうか?

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2026年9月15日 (火)

日航機御巣鷹山墜落から41年

日航機御巣鷹山墜落から41年が経過しました。

NHKクローズアップは8月26日に「なぜ真相は埋もれたのか 〜日航機墜落41年の新証言〜」を放送していました。 (番組のページはここ です. なお、NHKワンでの配信は終了済み。 こちらのNHKの16:40息子はなぜ… 母親が問い続ける“事故の真相” もほぼ同様の内容と思います。)

NHKの放送では、事故調査報告書が裁判で証拠として扱われることの懸念から証言が得られず、真相究明が困難・不可能に陥り、その結果として、日本においては事故の再発防止の構築困難な面があると、520人が犠牲となった41年前の日航機墜落事故を取り上げて語られていた。 遺族から「二度と同じような事故を起こさないで欲しい。 真相を解明して欲しい。 自分たちと同じ境遇の人を生まないで欲しい。」というような遺族の声は、どのような事故でも聞かれると思います。 どこまで事故原因が解明・究明されたのか、十分な再発防止対策は講じられ、同様な事故発生の確率は充分下げられたかについて以下で考えてみたいと思います。

1) 事故調査報告書

昭和62年6月19日に運輸省航空事故調査委員会より事故調査報告書が公表されており、このページの「ファイル一覧」をクリックすると、日航機ボーイング式747SR-100型JA8119 群馬県多野郡上野村の山中へ昭和60年8月12日に墜落した事故の調査報告書の11分冊へのLink集が開き、読むことができます。

事故原因については、報告書の第4分冊128ページに次のように書いてあります。

4.2  原因
本事故は、事故機の後部圧力隔壁が損壊し、引き続いて尾部胴体・垂直尾翼・操縦系統の 損壊が生じ、飛行性の低下と主操縦機能の喪失をきたしたために生じたものと推定される。
飛行中に後部圧力隔壁が損壊したのは、同隔壁ウェブ接続部で進展していた疲労亀裂によ って同隔壁の強度が低下し、飛行中の客室与圧に耐えられなくなったことによるものと推定 される。
疲労亀裂の発生、進展は、昭和53年に行われた同隔壁の不適切な修理に起因しており、そ れが同隔壁の損壊に至るまでに進展したことには同亀裂が点検整備で発見されなかったこと も関与しているものと推定される。

2) NHKクローズアップ現代の指摘

クローズアップ現代も別タイトルの「息子はなぜ… 母親が問い続ける“事故の真相」も同じですが、圧力隔壁の修理不具合があったことを指摘しています。

NHKは、事故調査の責任者として、事故直後にボーイング社から墜落現場に派遣されていたジョン・パーヴィスさん(現89歳)の発言として次のことを報じていました。

「3回目の調査のときだったでしょうか。ホテルに戻った夜の10時ごろだったと思いますが、互いの調査記録を比較しました。そこで、チームの構造担当者が何かに気づいて、図面を描いて私に説明してくれました。
そして(本社のある)シアトルに連絡を取り、私たちが発見したことを報告することにしたのです」

「圧力隔壁の縁の近くに生じていた亀裂の入り方が、正しく修理されていたら起こりえないものでした。これにより、圧力隔壁に調査を集中できたのです」

「技術者による修理方法の誤解だったと思います。あくまで推測に過ぎません。修理を計画した担当者とだけは2回話しましたが、修理自体については話しませんでした。残念ながらそれ以上は分かりません。 自分の担当は墜落事故の調査で、修理ミスが起きた理由までは分からなかった 。」

「私は調査で得たことを報告しました。特に日航機の事故を教訓として、圧力隔壁自体が大幅に強化され、修理手順も全面的に見直されました」

圧力隔壁の修理ミスについてNHKが示していたスケッチは次図です。 左は正常。 右は、日航機747SR-100型JA8119の隔壁に対して1978年になされていた修理。 ボーイングから修理のために日本へ輸送した隔壁を、修理の際にわざわざ切断してリベット締めして接合しているとのジョン・パーヴィスさんによる説明。

隔壁箇所では機体の下方向への楕円変形が実際には思った以上に大きかったので、予定通りの隔壁修理を実施した場合、隔壁と構造材である機体外板に歪みや内部応力を与える事が懸念され、より安全な解決策として隔壁修理での接合方法の変更で対応した可能性もあるのではないかと思う。

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3) 大阪空港しりもち事故での修理

事故が発生したのは、1978年6月2日15時であった。 14時18分羽田を離陸、14時58分に大阪城の東2km地点を通過し、15時01分に大阪空港滑走路の接地点標識付近に一旦接地した後、浮上し、この第1接地地点から460m先に機体後部の胴体を滑走路に接触し着陸した(しりもち着陸)。 このときの風は、風速秒速7.6mで、着陸機に対して前方左50度から吹いてくる向かい風であった。

この事故において、乗客において重傷2名、軽傷23名が発生した。 事故機の後部は、次図での黒太線部分に損傷があった。 赤で示したのは、圧力隔壁である。 事故機は大阪空港で日航により仮整備・修理が行われ、6月15日に羽田に回送された。6月10日には、日航とボーイングの間で修理契約が締結され、部材の交換・修理等をボーイングが羽田の日航格納庫内で実施することとなった。 修理に対する基本的な考え方は、損壊した主要構造部材は新造機と同一の部材に交換し、その結合も新造機と同一の結合方法とすることであった。 修理は6月17日から実施され、飛行試験を含め7月11日に完了した。

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圧力隔壁の修理作業においては、ジャッキ支持で機体重量を支える等を行い、圧力隔壁下半分を取り外した。 新しい圧力隔壁下半分と取り替え、リベットで接合するにあたり、検査で隔壁左側部分ではリベット孔周辺マージンが規定値より不足することが判明した。 結果、合わせ面に1枚の板をはさむこととした(次図を参照ください)。 この板は、取り外した圧力隔壁を切断し製作された。

(この部分の説明は事故報告書からです。)

Jl747ja8119b

上の図は、2)で記載したNHKの解説図と同じように思えるが、そもそも、しりもち事故による機体の変形は想定より大きかったのかもしれないと想像する。

4)離陸、事故、御巣鷹山激突まで

御巣鷹山への激突までをふり返ってみたいと思います。 事故機(JL123便)は1985年8月12日18時04分に羽田空港18番スポットから地上滑走を開始し、18時12分滑走路を離陸した。 離陸後12分経過した18時24分35秒頃「ドーン」というような音とともに飛行の継続に重大な影響をおよぼす異常事態が発生した。 この事態とは、圧力隔壁が客室与圧空気により後方に吹き上げられ開口、APU(補助発電機)本体を含む胴体尾部構造の一部の 破壊•脱落を起こし、垂直尾翼内に流れ込み、方向舵の脱落、および4系統の方向舵操縦系統油圧配管すべての破断を引き落こした。 この間、数秒程度と推定されている。 この破損により方向舵・昇降舵による操縦機能、水平安定板のトリム変更機能は発生直後に失われたと推定されている。 操縦室を含む客室与圧も数秒間で失われた。

次図が事故調査報告書にある飛行経路図であり、異常事態が発生したのは赤丸で示した地点付近と推定されています。

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事故報告書によると、異常事態発生時の高度24,000ft(約7,000m)で、外気圧は5.7psi(0.39気圧)であり、客室は14.36psi(0.98気圧)に与圧されていた。B747-100航空機の貨物室も含めた与圧区画の総容積は約1,500m3であり、圧力差8.66psi(0.59気圧)で、数秒間のうちに1,000m3位の機内空気が機外に流出した。 結果、18時24分35秒頃から事故機は操縦・コントロール不能となり、18時56分30秒頃墜落した。

5)事故を受けての安全対策

米国国家運輸安全委員会(NTSB-National Transportation Safety Board)は、事故から4ヶ月近く経過した1985年12月5日に、次のような安全勧告(Safety Recommendations)を発行した。 文書はここにあります。 内容の主要と思う部分を紹介します。

”Therefore, to preclude the possibility of future occurrences of such conditions, the National Transportation Safety Board recommends that the Federal Aviation Administration:”(従い、今後このような事態が発生する危険性を未然に防ぐため、国家運輸安全委員会は連邦航空局に対し、以下のことを勧告する。)

Require the manufacturer to modify the design of the Boeing 747 a empennage so that in the event that a significant pressure buildup occurs in the normally unpressurized empennage, the structural integrity of the stabilizers and their respective control surfaces will be protected against catastrophic failure, and to incorporate associated modifications on all Boeing 747 airplanes.

(製造業者に対し、通常は加圧状態にない尾翼部に著しい圧力上昇が生じた場合でも、安定板およびそれぞれの操舵面の構造的完全性が壊滅的な破損から保護されるよう、ボーイング747の尾翼部の設計を変更することを義務付け、かつ、すべてのボーイング747航空機に関連する変更を施すことを義務付ける。)

Require the manufacturer to modify the design of the Boeing 747 hydraulic systems so that in the event a significant pressure buildup occurs in the normally unpressurized empennage, the integrity of all four hydraulic systems will not be impaired, and to incorporate associated modifications on all Boeing 747 airplanes.

(製造業者に対し、通常は加圧状態にない尾翼部で著しい圧力上昇が発生した場合でも、4系統ある油圧システムのすべてに健全性が損なわれないよう、ボーイング747の油圧システムの設計を変更すること、およびすべてのボーイング747航空機に関連する変更を施すことを義務付ける。)

Reevaluate the design of the Boeing 747 and 767 aft pressure bulkheads by requiring Boeing to analyze and test further the bulkhead to demonstrate the validity of the fail-safe "flapping" failure mode.

(ボーイング747および767の後部圧力隔壁の設計を再評価し、フェイルセーフ型の「フラッピング」損傷モードでの有効性を実証するため、ボーイング社に対し、当該隔壁のさらなる解析および試験を義務付ける。)

”all Boeing 747 airplanes”との言葉が使用されている。 このallと言う意味は、今後製造する747機ではなく過去に生産した747機を含めた全ての747機の意味と理解するのです。 

日本で、この事故に関する事故調査報告書が出されたのは事故から1年10月後の1987年6月であった。 米国で国家運輸安全委員会が、事故の結果を受けて勧告を出したのは事故から4月足らず。 ボーイング747という米国の主要最先端製品であるジェット機に欠陥があることは国策としても許せない。 そんなこともあって、米国政府も取り組んだのだと思う。 御巣鷹山事故を受けて、飛行機に改良はなされているのであり、現在の飛行機にも事故の経験は生かされていると考える。

6)事故調査と航空機の改良

事故調査がNTSBの1985年12月5日付け勧告につながり、米国連邦航空局(FAA-Federal Aviation Administration)は改修・点検命令(AD-Airworthiness Directoves、1986年4月のAD-86-08-02やAD-85-22-12他)を発行した。 また、ボーイングは1986年4月以後関連するSerice Bulletinを発行した。 いずれも、日本で事故調査委員会の報告書が発行される以前である。

設備や機械の安全性は、事故のフィードバックにより確保される。 いや、保たれるのである。 安全を考慮して、設計・製作・組立・検査・運転が行われていても、思いもよらぬ所に危険性があり、場合によっては重大な事故が発生する。 航空機製造国である米国であるからこそ、素早い対応であったのであろうか? ボーイング747が世界で運航され、購入され続けるためには、安全性が確保されていなければならない。 もっとも、安全性確保については報告書を待たずして、より安全と考えられる対策を講じることは可能である。

1996年7月17日ニューヨークJFKを午後8時19分に離陸したTWA800便は8時30分過ぎロングアイランドの南の高度4600m付近で爆発、墜落し、230名の乗客乗員全員が死亡した。 NTSBの事故報告書は2000年8月23日に発行されており、原因は主翼中央の燃料タンクにおける燃料と空気の混合ガスの爆発とされた。 NTSBがTWA800便事故を受けての最初の安全勧告が出されたのは1996年12月13日であり、報告書の結論を待つまでもなく考え得る対応は実施するという進め方と理解するし、正しいと考える。 

事故が犯罪行為により引き起こされているとの確証が高くない限りは、警察は捜査よりも現場の保全や保安を考えるべきである。 日航機墜落事故の原因に関わっているのは不適切な圧力隔壁の修理であるが、隔壁修理を実施したのは、ボーイング従業員である。 何故不適切と思える修理をしたのか、どのような事情があったのかは聞けていない。 米国に帰国した場合には、日本の捜査権は及ぼせない。 また、米国では調査への協力見返りとして起訴や賠償をしないことを条件とすることが可能と理解する。 安易な隔壁修理が何故実施されたのか、その理由を知りたいが、知る手段は存在しない。 機体強度には関係しない部材であるからと言う理由からか。

私の知っている米国は・米国人は合理性を重視した人たちである。 でも、今の大統領のようなトンデモ人間もいるんだなと思う。 でも、それを日本にあてはめれば、同じようか?

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2026年9月 2日 (水)

長期金利は年3%が、更にそれ以上に上昇が確実と思える

次のニュースがありました。 (日経 9月1日)

長期金利3%、政府・企業に選別迫る 「規律ある投資」必要

このページは、2000年以後の長期金利の推移を表した内閣府のチャートです。

また、この日経記事 米財務長官「日本が円高につながる措置を」 日銀の利上げに期待 金融政策 は、「日本政府や日銀が円高につながる措置を講じると信じている」と語った。そして、金融市場が利上げを織り込んでいるとして、日本側の判断に期待を示したと報じています。

長期金利は、これから更に上昇すると思います。 都心で億ション購入のため1億円の住宅ローンを組む場合、金利1%上昇は利息年間100万円のインパクトですから、パワーカップルであっても家計のやりくりは厳しいはず。 企業の設備投資も同様ですが、中小企業の場合は、1年から数年程度の一括返済で返済時は、返済時の金利市場の利率を適用して新規借入をすることが、多く行われている。

なお、長期金利のみならず短期金利も同様と予想する。 では、不動産(特に億ション)価格は、余り下がらないと思う。 外国人が投資する場合は、円金利より不動産価格の変動の方が関心事であり、不動産価格はドルベースで考えるはずで、円安はチャンスとなる。 賃貸住宅も、家賃は上昇するはず。 何故なら大家・家主の利息負担が増加し、それを転嫁することとなるから。

物価一般もインフレ率の上昇が予想される。 こんな円安で物価が安定するのは、考えられないと思う。

食品消費税減税は、どうするのだろうか? 混乱・波乱に巻き込まれて終わるように思う。 事業者は8%から1%へと7%の価格引き下げができないと私は予想する。食品の場合、農家を初めSupply Chainには零細企業が多い。 8%から1%への値下げには簡単に適応・応じられないと思う。 食料品消費税1%が始まったとたん、大混乱が生じると思う。 消費者は値下がり幅が7%に達していないと憤る。 事業者は、10%、1%という不思議な税率に惑わされる。 食品を輸送して、その消費税は10%で、販売すると1%である。 仕入れ税額控除が適切に実施されれば、問題は無いはずだが、本当にそんなにすっきり行くだろうか?

なお、金利水準の上昇を押さえることは、政策的にもできないと考える。 何故なら、低利息の円を売って、ドルやユーロを買う選択を招くからである。 これ以上の円安は、インフレで日本で生活するには、相当厳しくなると考えるのである。

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2026年8月24日 (月)

GDPを考える

内閣府は8月17日に4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値を発表した。 日経記事は次の通り。

4〜6月の実質GDP年率1.1%増 3四半期連続プラス

経済財政担当大臣談話はここにあり、「全体としてプラス成長となった。景気は基調として緩やかな回復が続いていると考えている。」というような基調であり、順調に推移というトーンを感じる。 しかし、本当にそうであるのか考えてみたい。

1) 2000年以降のGDP推移

今回発表があった2026年第2四半期までの実質季節調整系列のGDPの2000年第1四半期からの25年間の推移のチャートを作成してみました。 図1です。

Gdp20268a_20260820011201

2009年頃と2020年頃に大きな落ち込みがあり、2009年の前四半期比マイナス16%はリーマンショックによるものです。 2020年のマイナス25%とそれに続いての反発的なプラス21%は新型コロナウィルスの影響からの落ち込みとその反動です。 2000年と現在との25年余りの期間における実質GDPの成長率は年率に換算すると0.69%であります。

2) GDP支出項目別の伸び率

2026年第2四半期実質季節調整系列のGDP(支出:Expenditures Approach)の項目別円チャートが次の図2です。

Gdp20268b

GDP(Expenditure Approach:支出からの算出)による計算で一番大きな要素となる項目は民間最終消費支出であり51%、次が政府最終消費支出の21%で、3番目が民間企業設備の18%で、この3項目の合計で90.8%になる。 2000年度からの長期間を対象としたのが図3です。

Gdp20268c

金額が大きい3項目について2000年度の支出額を1として2025年度までの推移を表示したのが図4です。

Gdp20268d

実質GDP支出アプローチにおいて、2025年度の支出額は、2000年度との比較で、 政府最終消費支出が1.44倍、民間企業設備が1.27倍、民間最終消費支出が1.13倍です。 年率平均にすると1.5%、0.9%、0.5%になります。

3) 政府最終消費支出とは

政府最終消費支出とは、政府及び地方政府そして社会保障・保険機関等が提供するサービスに対する支出であり、 政府予算からの支出項目、地方政府予算からの支出項目、そして医療費のように医療保険制度による医療給付等がある。 2024年度の内訳項目は、図5および図5-1を参照ください。

Gdp20268e

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2024年度の場合、金額で31%強を占めるのが社会保証基金の保健である。 次いで大きな金額は地方政府の教育費用で3番目は社会保証基金の社会保護費用であり、ともに10%強を占め、3項目で50%以上を占めている。

政府最終消費支出(実質ベース)は、図4で示したように2000年から2025年にかけて1.44倍になった。 全GDP支出項目の中での割合でも2000年において16.9%であったのが、2025年には20.6%となった。

政府の最終消費支出で金額が大きい項目として、防衛、地方政府では一般公共サービス、経済業務、教育、社会保護、保険料も財源となっている社会保証基金では保健と社会保護である。 これらを2005年度を1として増加率をチャートにしたのが図6である。

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図4で、政府最終消費支出が民間最終消費支出や民間企業設備より増加割合が高いことを示した。 図4では政府最終消費支出が2024年度1.43である。 図6においては、2024年度1.89など非常に伸びが大きい項目もある。

GDPを支えているのは、個人消費ではなく、税金や保険料と考えるべき点もあるのではと思う。

4) 今回発表されたGDPについての評価

冒頭において、今回の四半期GDP発表に関しての経済財政担当大臣談話として緩やかな回復が続いているとの発表へのLinkも記載した。 しかし、この4-6月期を直前の1-3月期と比較すると民間最終消費支出では年率換算マイナス0.1%である。 民間最終消費支出が前期比マイナスの状態において、緩やかな回復と表現することは適切なのかと疑問を抱く。 今回の四半期GDPが前四半期1.1%のプラスになっているのは、政府最終消費支出が年率換算6.7%のプラスとなり、GDP全体を1.1%プラスに押し上げたのである。

2023年、4年、5年と2026年第1・第2四半期のGDP実質季節調整系列の民間最終消費支出と政府最終消費支出の前期からの伸び率(年率換算)を図7としてチャートにしてみた。 政府最終消費支出の伸び率が民間最終消費支出の伸び率より大きいのである。 それらは、年率0.3%と1.2%である。 チャートを描いて感じられたが、基本的な部分から再構築を計らねばならないように思う。 老朽化対策が不可欠かな? 

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2026年8月 8日 (土)

間違っている教育

次の朝日新聞の記事の記事に反発してです。

政治を議論、ためらう高校 実施は3割弱、「中立性」懸念 18歳選挙権10年

高校時代とは、頭も柔らかく、頭脳も精神も大きく伸びる時代であると私は思っている。 議論すべきは、政治のみではない。 あらゆる事について議論すべきであり、ためらってはならない。 議論することをためらった人は、成長できないし、生きていくことを、自分の人生を、真の意味で謳歌できないであろう。

政治なんて一番議論しやすいテーマ、主題、題材である。 異なる意見の人の主張を聞く。 自分の意見を説得力を持って主張する。 人間社会で生きていく上で重要なことだし、社会が発展するためには重要なことである。 議論ができない人は、競争社会において勝ち残れないだろうと思うし、議論のない社会は衰退すると思う。

日本社会が衰退しているのは、こんな所に原因があったのだろうか?

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2026年8月 7日 (金)

税制混乱期の始まり

昨日は、政府が食品消費税1%を閣議決定したとのニュースがあった。 (参考:首相官邸のWebページ 日経新聞の記事 )

どのような閣議決定をしたのかは、この『「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針 』 です。

実は、私には、この制度導入の基本方針の閣議決定を読んでも、よく分からない。 2027年度と2028年度は食料品消費税1%を実施し、2年経過しした2029年度から給付付き税額控除を実施するなら、2029年3月には関係する法は制定されている必要がある。 2年半でできるようには思えない。

給付付き税額控除を実施するなら、所得税の確定申告をした場合には、給付を受けることができるという確定申告と給付を結びつけ制度を単純化すべきと考える。 税務署に行かずとも、マイナンバーカードを利用して電子申告するようにすれば良い。 全員が確定申告するのだから、「年収の壁」なんて存在しない。 そんな単純な制度が望ましい。 基本方針の閣議決定を読んで、うまくいくとは思えないのである。 この日経の社説2026年8月5日 「消費税減税の強行は将来に禍根を残す」のように失敗をする負の遺産を残す閣議決定であると考える。

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2026年8月 5日 (水)

イオンモール熊本ガス爆発での気になるニュース

次の朝日新聞のニュースで気になることが書いてありました。

イオンモール熊本、避難や爆発時の状況は 「中に戻っていい」証言も 2026年8月4日 12時17分更新

イオンモール熊本での爆発事故では、7人の死亡が確認され、全員がテナント(専門店)の従業員の女性だったと報じています。

気になる部分を抜き出すと、

モールの出入り口付近で無線でやり取りする店側の人が「従業員の方のみ、貴重品がある方は取りに行ってください。他の人は帰ってください」と呼び掛けていたという。

17:30ごろ

避難誘導者と書かれたビブスを着た人に『中に入って片付けや荷物をとりにいっていい』と言われた。片付けや車の鍵を取りに戻った人たちを見た」

17:50ごろ 爆発発生

記事の内容が、どれだけ正確かは今後の検証によらざるを得ないが、 記事は、イオンモール熊本の保安責任者ではないかも知れないが、保安に携わっている人が建物内部への立ち入りを認めたと伝えている。

異なる内容の記事は、『TBS NEWS DIG 7月29日 イオン吉田昭夫社長「死亡した方が、なぜ1時間館内にいたか我々としては認識しておりません」会見で避難状況を説明』 でイオン吉田昭夫社長は次のように説明している。

ただし、社内ルールとしては、一旦避難をした者は館内に入らないというのが我々のマニュアルのルールになっております。

なお、LPGに関しては、

基本的にショッピングセンターは全てガスを使います。 ・・・飲食店、もしくは館内空調も含めたガス設備というのは、使っておるわけですが、熊本はLPGを使ったということであります。・・・・熊本については、2005年に開店をしておりますので、そのときから使っております。

マニュアルとして書面になっているから、あるいは何度も訓練をしているからという理由は言い訳になっても対策にはならない。 万全と思っても、抜け落ちることはあり得る。 今回のイオンモール熊本のガス爆発にてついては、将来の事故対策・事故防止のために綿密な調査をして欲しい。 決して、イオンモールのみの問題ではない。 例えば、多くのテナントが入ったショッピングモールでは情報伝達や指揮・命令・コミュニケーション手段は、やはり旧来の百貨店・デパートと同一の基準ではないと考える。

セキュリティとは、社会や世の中の変化に伴い、進化していかねばならない。 イオンモール熊本ガス爆発は、現在の日本社会に対する貴重な教訓を与えてくれていると考える。

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2026年7月31日 (金)

イオンモール熊本ガス爆発の原因調査

イオンモール熊本でガス爆発が発生し、その原因調査は重要と考える。 現在までに報道されていることを総合すると、ガス爆発が発生したと考えて良いように思う。 LPGは、主成分がプロパンとブタンであり、容積比濃度で2.1~9.5%の場合、爆発の危険性があるとされている。

イオンモール熊本においても、ガス検出器は随所に設置されており、設定値を超えれば、警告を発し、緊急遮断弁等で供給を遮断し、安全を確保するように設計、施行されていたと考える。 また、このNHKニュースのように、「ガスのような異臭を感じた」と話をした従業員の方がおられたとの報道もある。

イオンモール熊本は、LPGを空調設備に利用していた。 当然、LPGタンクには大元の緊急遮断弁が設置されており、地震で揺れを感知した際には、供給停止が計られるようになっていたはず。 今回、作動しなかったのではと思うし、もし、作動はしたが、遮断できなかったのであれば、その事態も重大であり、いずれにせよ、調査が待たれる。

また、イオンモール熊本のみの問題ではなく、LPG、都市ガス、天然ガス、LNGあるいは水素を利用する設備やプラントに共通する問題であると考える。

参考まで、GoogleStreetViewで見つけたイオンモール熊本のLPGタンクの写真です。

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この日経ビジネスの記事 2026.7.30 イオンモール熊本爆発なぜ 専門家「焦点はガス遮断装置」 問われる管理体制 には、LPGタンク(これ)
が写真の正面に映っています。 

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2026年7月28日 (火)

普通の感覚を越えた非常識事件「はてな」

この読売新聞の記事 にあるように、「株式会社はてな」は、4月20日と21日の2日間で11億8千万円の資金が騙し取られた事件の調査報告書を公表した。 ここ にあります。

調査報告書を読んで、11億8千万円を見ず知らずの口座にオンラインバンキングで送金するなんて、あり得ないことでしょうと思う。 売上高38億円、2025年7月の預金残高20億円の会社が、詐欺グループの指示で12億円を送金するのです。

オンラインバンキングで送金をしたのは、経理部長H氏で、中途入社後1年半の勤務。 2026年1月までは5月間休職の時期あり。 経理部には他に5人のメンバーがいるが、全員中途入社で、株式会社はてなでの勤務は1年とかも含め全員短期間 。

詐欺グループは、4月20日朝H氏の私用モバイルに警察を語って電話をし、大規模な資金洗浄グループの捜査を進めていることへの協力依頼を行うとともに、H氏自身に資金洗浄への関与疑いがあり逮捕・拘留となるため出頭が必要であることなどを告げた。 そして、H氏は詐欺グループへのオンラインバンキングによる送金を4月20日と21日に行った。 詳細は、調査報告書に書かれています。

「はてな」詐欺事件は、本当に変な事件である。 警察を名乗る電話があって、それを信じる人は、いないと思うが、ひっかかる人もいるのである。 一方、振込先の銀行口座等は記録に残っている。 詐欺グループは、当然直ちに、その口座から預金を引き出し、移動したはず。 海外ではないかと思うが、どうだろうか? どのような犯罪グループか気になるところであるが、警察からの発表は未だ無いようである。

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2026年7月26日 (日)

「副首都」構想関連法成立の今後

「副首都」構想関連法(国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律)が7月24日に成立し、大阪が副首都と決定しているわけではないと言うが、実態はNHKニュース 7月25日 維新 「副首都」大阪府指定に向けて準備加速を確認 のとおり、日本維新の会の連中は税金を大阪に集中させるぞと、強気の構えであります。

他の地方は、使える財源が減少し、地方都市は苦しみだけの状態になることを危惧します。

法案の採決前には与党の勢力が過半数に届かないことから、与党は苦労しているというような報道もあったわけだが、実際は賛成123、反対121で簡単に決まってしまった。 ここに参議院の投票結果があります。

投票結果を見ると、賛成は自民は2名欠席で99、維新の会19、チームみらい2、無所属3の合計123であります。 無所属3の内訳は、NHKから国民を守る党の齊藤健一郎、首班指名選挙で高市早苗に投票した平山佐知子、実質自民党である望月良男の3名です。

反対を投じたのは、立憲民主、国民民主、公明、共産、れいわ、日本保守、沖縄の風、社民と無所属2です。 無所属で反対したのは副議長を理由に無所属となっている福山哲郎と2019年愛媛県選挙区で立憲民主党他の推薦を受けて当選したながえ孝子である。 これを見ると、投票前から、結果は分かっているように思います。

第221回国会とは、おそろしい国会だと思います。 内閣提出法案は、すべて成立したのですから。 多数を背景に力づくで推しまくる。 異常な事態と感じます。 参考として、西田亮介氏がYahooニュースに書いておられる賛成123対反対121の意味──副首都法案を成立させた「与党外の5票」とチームみらいの責任 も興味ある内容であり、紹介させて頂きます。

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2026年7月23日 (木)

日本は社会主義国になったの?

日本は、社会主義国になったのかと思いました。 各社の報道にもあるように、政府は7月21日に閣議で「日本成長戦略」と「経済財政運営と改革の基本方針2026について」の2つの決定した。 閣議決定された文書はここ(75ページ)とここ(42ページ)にあります。

日本が官邸を長とした一大企業であり、長である官邸が事業方針を立案し、日本成長戦略として発表した。 今や政府は、日本成長戦略に沿って税金を投入し、法令を改革していき、日本の成長を実現すると決意表明していると読めてしまう。 日本は、社会主義国であり、首相は独裁的権限を有するように思えてしまう。 そんなの絶対失敗するよ。 国民は、大多数の貧困層と一部の富裕層に2分されてしまうと思えてしまう。

時事通信に370兆円投資、官主導に危うさ 「勝ち筋」見極め、失敗多く―成長戦略 と言う記事が掲載されていますが、問題点を正しくついていると思います。

次のチャートは、2024年2月から現在まで約2年半のドル/円為替レートと10年長期金利の推移です。

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金利は上昇している。 しかし、為替は円安に。 何かおかしいですよね。 金利が上昇すれば、その通貨は高くなる。 しかし、今目の前に起こっている現象は、金利の上昇と通貨安。 そんなことが起これば、国民は貧乏になる。

円安為替相場により物価は上昇する。 賃金は、米ドル換算すれば円安で、だんだん低くなる。 高価格の新築マンションを購入した人は、たちまちローン返済に窮する懸念が出てくる。 そんな世の中を望んではいないはずです。 赤字国債を発行して政府が投資をする。 しかし、投資に失敗すると、その付けや負債は国民にかえってくる。 日本成長戦略の恐ろしさと思います。

日本を社会主義ではなく、国民が自由に考え、自由に生き方を選択し、自由に生きる。 そんな自由社会を作り上げていくべきと考えます。

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2026年7月21日 (火)

最近の株価の動き

投資に関するブログではないので、株価のことは、基本書かないのですが、少し気になりましたので。

例として、日経(7月17日)には、このような「日経平均に「売られすぎ」サイン 25日移動平均の下方乖離率が7%に」という記事が掲載されていました。 間違いはないのですが、日経平均のみで考えてしまうと誤ってしまう恐れがあると指摘したいのです。 次が、2026年初めからの日経平均とTOPIXのチャートです。

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当然、似たようなチャートになるのですが、気をつけて見ると、日経平均では1月はじめ40,000円だったのが、7月17日頃は65,000円と1.6倍強になっている。 TOPIXでは、1月はじめ2,900だったのが、7月17日頃は 4,000程度で1.38倍です。

もっと分かりやすいチャートとしてローソク足ではなく、2026年1月以後週末の終値を100として日経平均とTOPIXを折れ線で同一のチャートに描いたのが次の図1です。

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2026年4月から日経平均とTOPIXの動きが異なっていることが読み取れます。 どちらも東証プライム市場の株価平均であるが、日経平均が対象としているのは225社であり、TOPIXは1641社であり、この差が図1の平均株価の差であります。 代表的な株を対象とする場合と、より幅広く代表銘柄を選定しての平均の差であります。

次に同じチャートに、同じ手法で、キオクシアホールディングスの株価を追加したのが次の図2です。

Stockchart20267b

これ何?と言うチャートです。 キオクシアホールディングスの株価を追いかけておられる方々は、充分ご存じのはず。 6月末近くには日経平均が72,000を越えたこともありましたが、株価全体が上がったと言うより、IT関連の株価上昇がその背景にあると分析します。

平均も単純ではなく、様々なニュースや報道の実態を捉えることの重要性を感じます。

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2026年7月20日 (月)

国債に関してのつづき

東洋経済オンラインに野口 悠紀雄氏が次のように書いておられる(この記事 )。

長期金利の上昇と円安の進行は、単なる市場の一時的な変動ではない。それは、日本経済に対する市場の警告である。財政への信頼を取り戻し、成長力を高める政策へ転換しなければ、金利上昇と円安はさらに進み、物価上昇と生活不安を強めることになるだろう。

直前のブログで日本の国債発行残高の多さを述べましたが、IMFのWEO Apr 2026のデータから米国、フランス、英国、ドイツ、韓国についてGDPと政府債務の比較のチャートを作ってみました。

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2000年以後の期間について米国、英国、ドイツとの比較チャートを作りました。2030年までのとしていますが、IMFによる予測値も含まれています。

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他国は、うまくコントロールしているように思えます。

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2026年7月18日 (土)

日本の国債は誰が保有しているのか

6月26日のブログ のブログで日本のGDPは世界第4位であり、それが2029年にはインドと英国が4位、5位となり、日本は第6位となる予想がIMF WEO2026に記載されていること、また6月19日のブログ のブログで一人あたりGDPは2025年において世界第38位であることを書きました。

日本の経済力は何故これほどまでに落ちてきているのか、真摯にその原因を分析し、豊かな社会、豊かな日本をつくり出す努力をすべきと考えます。 次の図(Figure 2.14)はOECDの報告書からであり、左が日本への直接投資、右が日本からの直接投資です。 直接投資とは、証券市場による株式等の投資ではなく、事業目的等で日本株等を取得する投資です。 日本への直接投資が小さいことは、日本に投資する魅力が無いと言えます。

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1) 日本国債発行者(政府)のバランスシート

国債は企業の場合では、債券(社債)であり、信用力を測る重要な評価基準の一つは、その企業のバランスシートです。 そこで、日本政府のバランスシートを図示したのが、図1です。 

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図1の政府バランスシートは、負債が資産の3倍あることを示しています。 日本銀行(日銀)の資金循環統計からの作成です。 なお、資金循環統計は、対象を金融資産と金融負債に限定していること、そして評価は時価評価としていることがあります。 有形固定資産は対象外です。


(参考)時価評価について

国債は、時価も額面額も同一ではないかとの疑問を持たれる方が、おられるかも知れません。 しかし、債券は市場金利により取引額は変動するのです。 例えば利率1%で1年後満期の額面100の債券を保有していれば満期の1年後に101を受けとる。 もし、市場利率が2%であるなら、額面100は1年後に102であり、101が満期払いであれば、約1%Discountされた99でしか取引が成立せず、99が時価となります。

財務省の債務管理レポート2026によれば、2026年3月末の国債残高は普通国債1136.7兆円で財投債93.7兆円なので合計1230.4兆円。 これを日銀資金循環統計による時価評価では933兆円となっています。 金利が上昇した場合には、債券の時価は下落し、満期までの期間が長い国債の場合は時価評価による下落幅は大きくなります。

国債及び財投債の債務が933兆円と、借入金と国庫短期証券を足し併せると、その負債合計は1,122兆円となります。2026年度の政府一般会計税収予算が83.7兆円で、歳出予算は122.3兆円、そして国債発行歳入予算が29.6兆円です。 国債の未償還残高は、2026年度末には更に増加するわけで、このような不健全な状況を続けていると、政府の一部機能不全、政策実施の一部不履行にもつながることを危惧します。

なお、政府は対外証券投資として162兆円を保有しています。 この売却可能性を考えるため、この投資対象について調べました。 米財務省のデータでは2026年3月時点で、外国投資家による米国国債の保有高は、日本からが一番多く、1,191billion dollars(1ドル160円換算で190兆円です。 2番目は英国からが148兆円、3番目は中国からの104兆円、4番目ケイマン島から73兆円、5番目ベルギーから72兆円となっています。 銀行や生保等も米国債を保有していると思いますが、日本政府の対外証券投資のうち米国債の割合は相当多いであろうと思います。 国債保有者ごとの数字は対外発表されていない。 しかし、日本政府も米国政府も実際の金額は認識している訳で、簡単に売却することはできないと思います。

2) 国債の保有者

2026年3月末における日本の国債・財投債の保有者について日銀資金循環統計から抜き出したのが、次の表1であり、これを円グラフで表したのが図2です。

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2026年3月末においては、国債の48%を日銀が保有しています。 他の国との比較資料として財務省の「債務管理レリポート2026」108ページに図2-42として次の「国債等保有者別内訳」というチャートがありました。

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フランスの中央銀行保有分は非公表とのことですが、日本44.2%(表2では47.9%)、米国13.7%、イギリス16.4%、ドイツ24.9%ということで、日本は中央銀行が保有している国債が多いと言える。 日本のように、中央銀行(日銀)が半分も保有しているのは、正常ではないと考えます。

3) 2000年以後の国債発行残高と保有者

2000年以後の国債発行残高とその保有者別を図3としてチャートを作成しました。

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国債残高は2000年以後伸びているが、2012年頃からは日銀の保有額の伸びが著しいことが認識できます。 2010年以後について日銀と日銀以外の保有割合のチャートを図4として作成しました。

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図4において、2011年頃から2017年頃の期間に日銀が保有する国債が急増しているのは、日銀の通貨政策の結果であると考えます。 2010年当時の総裁は白川正明、2013年からは黒田東彦、2023年からは植田和男です。 この間の総理大臣は、2011年9月まで菅 直人、2012年12月まで野田 佳彦、2012年12月から2020年9月まで安倍晋三、2020年9月から菅義偉、2021年10月から岸田文雄、2024年10月から石破茂、2025年10月から高市早苗です。

同じ2010年からの期間について米ドルの外国為替レートをチャートにしたのが、次の図5です。

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中央銀行の国債保有率が多い、言い換えれば、実質的に中央銀行が買い支え、通貨が過剰に流通している国は、外国人にとっては投資魅力が無い国である。 結果、冒頭に掲げた外国からの直接投資が極めて少ない国、日本になっていると考えます。 日本にどのような産業があるかと考えても、魅力があり、将来に夢がある産業は、私にはあまり浮かんできません。 昔のソ連のように思います。 偉大な産業はあるが、世界基準と比べてどうか、また将来の発展性についても疑問に思うことが多かった。 それは、産業についてのみならず、人々の生活水準についても限界があるのではとの疑問です。

日本が一つの国としてだけで存在するのではない。 世界の中で存在するのである。 このことを忘れずに、政策を考えるべきと言うのが私の信念です。

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