2026年5月 4日 (月)

日本企業は防衛産業から撤退傾向?

日本企業は防衛産業から撤退傾向と聞いて、私も驚いたのであるが、発言したのは日本維新の会の前原誠司で、5月3日のNHK日曜討論「憲法記念日特集 日本の安全保障と憲法」の中で番組開始から57分30秒付近である。

前原誠司のすぐ後に発言したのが、日本共産党の山添拓であった。58分30秒付近の発言であるが、山添拓は「三菱重工、IHI、川重も3年間で倍増している。」と発言。

前原と山添、どちらが正しいのやらと、SIPRI(スウェーデンのストックホルム国際平和研究所)のデータベースから2022年、23年、24年の兵器売上高(Arms Revenue)のグラフを1位と2位の三菱重工と川重について作成した。

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グラフは百万ドル単位となっており、5,000百万ドルは50億ドルで約8000億円である。ちなみに、日経が昨年12月2日に記事を掲載しており、ここにあります。 政治家の発言は、信用すると大変なことになる、大嘘発言があることを認識すべきと思いました。

このNHK日曜討論で、おもしろいと思った発言はれいわ新撰組の奥田ふみよの「今の日本は貧困だらけであり、貧困をほったらかして国は成り立たない。」との発言(57分頃)であり、憲法25条の重要性の指摘である。

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2026年4月29日 (水)

米・イラン紛争と日本への原油・LNG輸入

23年前の2003年のことだった。 米国と英国がイラクに攻め入った。 その理由は、イラクが大量破壊兵器を保有していると言う理由であった。 しかし、実際には大量破壊兵器はイラク国内に存在しなかった。

米・イラン紛争も、不明点多く、米・イスラエルによる不適切な武力行使である可能性あると思う。

1)日本の原油輸入

日本の2025年の原油輸入量は、貿易統計によれば137,175,857KLであった。最大の原油輸入元はアラブ首長国連邦(UAE)であり、次がサウジアラビア、クウェート、カタールそして5番目が米国であった。 この5国で132,859千KLとなり、全輸入量の約97%となる。 これを円グラフで表示すると図1のようになる。

Crude20264a

2025年の日本への原油原産国からの日本への輸入を考えると、クウェートとカタールについては、ペルシャ湾からホルムズ海峡を通過しての輸送となる

日本への最大供給元であるアラブ首長国連邦(UAE)からの原油輸入については、フジャイラ港(Fujairah - ここのクリックで港のGoogle Mapが開く)の原油積み出し設備から日本への積み出しの可能性はあるように思う。 実際に積み出し可能な量は、よく分からないが。 2番目のサウジアラビアからの原油輸入について、紅海のヤンブ港(Yanbu - ここのクリックで港のGoogle Mapが開く)からの積み出しも可能である。 実際に、どれだけの量が可能かは、UAEの原油フジャイラ港経由と同様よく分からない。

なお、原油輸送は軍事活動ではなくビジネス活動であり、保険の付保が前提となる。 そして、リスクの高い水域を通過する貨物や船舶の保険料は、相当上がると思う。 正常なビジネスが活発となるためには、米国・イランが無意味な戦争をやめることが本質である。 米・イスラエルのイラン攻撃において、ウラン濃縮を問題にするなら、査察をして実態を明らかにし、世界に情報公開するのが正しい対処である。 核不拡散条約(NPT)にすら参加しておらず、そのくせ核兵器を保有しているイスラエルには何の発言権はないと考えるし、他国侵略の正当性はないと考える。

図1にあるように、2025年におけるUAEとサウジアラビアの2国からの原油輸入量は113,175KLであり、82.7%がこの2国からである。

なお、日本の原油輸入量について、図2のように、減少傾向になっていることを付け加えておく。

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2)日本のLNG輸入

原油同様、2025年のLNGの輸入に関してグラフを作成した。 図3を参照ください。

Crude2026b_20260429173401

2025年のLNG輸入についてはオーストラリアからが25,811千トンで全体の38%であり、2番目のマレーシアが14%で、3番目のロシアを含め他の国は全て10%以下である。 中東依存は、カタールとオマーンの2国のみ。 両国合計で10%弱。 ペルシア湾・ホルムズ海峡依存については、オマーンはペルシア湾には面しておらず、ペルシア湾・ホルムズ海峡依存はカタールからの3,417千トン(5%)である。

3)米・イラン紛争による日本への原油・LNG輸入への影響

原油・石油に関しては、市場での価格決定要素が大きく、基本的には市場が決定すると言える。まずは、代表的指標であるOPECのReference  Baket Priceの2025年12月以降の価格チャートを図4として掲げる。

Opecprice20264_20260429180601

2026年1月2日には59.69ドルであったのが、3月19日は146.05ドル(1月2日値の2.45倍)となり、4月28日では109.44ドル(1月2日値の1.83倍)である。 

次に図5、図6、図7として、国別内訳を示した2025年1月から2026年2月までの毎月の原油輸入量、産油国毎に示した毎月の原油輸入量ならびにリットルあたりで示した輸入価格のチャートを掲げる。

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1バレルは159L(リットル)として換算できる。1バレルが100ドルで、ドル・円が160円であれば、100ドルx160円/ドル÷159L=100.6円/Lとなる。

原油同様に、LNGについて、国別内訳を示した2025年1月から2026年2月までの毎月のLNG輸入量、産油国毎に示した毎月のLNG輸入量ならびにkgあたりの輸入価格を図8、図9、図10として示したLNG関係のチャートを掲げる。

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米国・イスラエルがイランを空爆したのが2月28日であり、通関統計は2月分までしか公表されていないので、現時点において紛争の影響を述べることはできないが、以上を現時点のデータとして発表致します。

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2026年4月25日 (土)

カナデビア問題の本質は何であるのか

単純なようで、実は複雑怪奇に思える事って、ありますね。

この4月22日の日経記事「溶接不良2万8000カ所、カナデビアに再製作費請求 大阪・淀川橋梁 」です。

すぐに思ったことは、オリエンタル白石や日本橋梁やカナデビア(旧日立造船)とは、日本における橋梁の制作・架橋においての中心的企業であり、このような企業の製作物や施行物件に欠陥があるなら、日本の社会資本・インフラ設備を安心して利用できなくなる懸念です。 

埼玉県八潮市での流域下水道管陥没事故も、通常では考えられないような事故であり、管路に関連する設計、ルート、構造、メンテの容易さ、観視方法等様々な視点での見直しが必要と考える。

問題となっている大阪・淀川橋梁とは阪神電鉄なんば線の淀川に架かる鉄道橋である。 日経記事のもとなっているオリエンタル白石の発表は、ここ(1)にあります。

実は、カナデビアが2025年11月6日に発表した「当社向島⼯場における不適切⾏為について」という文書がここ(2) にあり、「向島工場での橋梁等の製作における不適切行為 中間報告書」という報告書が添付されている。 この報告書を読んだところ、溶接資格を取得していない者による溶接作業の実施等があったことを報告しているが、次のような記述もある。

4)結論 (18ページ目)

製作中の未塗装品、塗装済み品、および引き渡し前の各段階において、資本関係のない第三者検査会社による客観的かつ詳細な外観確認を実施した。 その結果、無資格作業者が担当したすみ肉溶接部は、いずれの段階においても、有資格者が施工した箇所と比較して外観・形状に有意な差は認められなかった。 この検証結果および、溶接外観に不良があった場合でも補修により所定の性能が 確保されることから、当該溶接部を含む構造物の品質に問題はなく、安全性に関 しても経過観察を実施することで影響はないと判断している。

ところが、ここ(2)の文書では、

対象となる溶接部を調査した結果、当該公表内容における「資格不備」以外に起因する要求品質を満足しない溶接欠陥が多数確認されたことから、再製作・再架設を行うこととなりました。

と書いてある。

(2)の文書には

本件に伴い発生する再製作・再架設の費用等について、現時点での総額は約50億円を見込んでおります。

と記載されている。

コンクリートや鉄構造物が信頼できない場合の恐ろしさとは恐怖だと思う。

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2026年2月27日 (金)

3万3990円のギフト券

これ(朝日新聞のページ) が3万3990円だそうです。

贈り主の個人名が書いてある。 ごく普通のお祝いである。 この朝日の記事首相の事務所秘書が、当選した自民党議員の国会内の事務所を訪ねて配って回ったと伝えている。

315人に配り1000万円を越えるとのこと。 この人、お金持ちなんだなと思ったが、どうやら政治資金から支出したようだ。 最も、この人の場合、個人でないなら政治資金しかないわけで、そうなると税金(政党助成金)もその原資になっているはず。 政治資金は、個人や政治団体が好きなように使えて当然と考える。 しかし、税金を原資とする補助金等は、その使途は厳密でなければならない。

今回のケースから言えることは、政党助成金を廃止することである。

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2026年2月 6日 (金)

日本の衰退を加速する2026衆院選挙

無茶苦茶な2026衆議院選挙と言えるのではと、思っています。

その理由は、ほぼ全ての党が、多少の差はあっても、食品消費税の廃止や消費税率引き下げを唱えている。 しかし、この政策は減税による政府の収入減と財政支出の増大という赤字政策であり、バラマキ選挙である。

バラマキ選挙の結果がどうなるか、政府の信用喪失であり、結果として産業の衰退へと向かっていく。 企業も国民も、個々人や各企業により差はあるが、全体の平均でカウントすると、所得の減少になる。 多分、富裕層の一部は裕福になっても、貧困層の割合は増加するし、平均においても貧しくなる。

そのような懸念に対する警告の様な記事が東洋経済ONLINEにあった。(会員登録が必要ですが、無料で簡単に登録可能です。)

「高市大勝」でいよいよ危うい「国を売るチキンゲーム」/国の信用を売り続ければ最後は国家のシンボル「円」が暴落、猛烈な輸入インフレが到来

また、「消費税12%」という検索語で検索すると、多くの記事やSNSが出てくる。 政党や候補者の言葉が信じられないからだろうか? 選挙後に判明すると言えるが。

バラマキ選挙となっていることの原因は政党・政治団体や候補者に主因があるとしても、国民の政治に対する姿勢や選挙制度等にも関係があると思う。 今回の衆議院選の次の国政選挙は2028年の参議院選挙である。 どうなるのかな?

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2026年2月 3日 (火)

2月11日衆院選挙への対応

ほぼ全ての候補者と政党が、同じような公約を掲げる2026年2月11日の衆議院議員選挙は、選挙後に生じるであろう混乱の世界がまぶたに浮かぶ感がある。

思い浮かぶのは、民主党政権が生まれた2009年8月の衆議院議員選挙である。 民主党は、選挙公約(マニフェスト)で、2010年度から2023年度への4年間で家計で使えるお金を毎年7.1兆円から16.8兆円(合計49.7兆円)増やし、税金無駄づかいを削減して平成25年度には16.8兆円の政府支出を削減すると述べていた。 選挙で得票を得ることが正義であり、選挙民を欺すことは許されるとの考えでいたのではと私なんかは思ってしまうのである。

嘘をついて欺すことが当然とか、正義とかとして、許されるような世の中にしては駄目である。 許されないものは、許されないとして、投票したいと思うが、投票相手がいなくなってしまう。

もう一つのイヤな選挙と思うことは、2月8日を選挙日とする選挙である。 1月23日官報号外にあるように憲法7条により解散された。 憲法7条とは「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」であり、閣議で今回の解散は決定されたのである。 内閣が自分の都合を優先して選挙を実施しているのである。 そんな横暴な内閣を支持するわけにはいかない。 やはり反対票を投じたいと思うが、ほぼ全員が食品消費税の廃止を称えており、投票相手がいない状態である。

現時点において報道各社は自民党の優勢を伝えている。 自民党が単独過半数を得た場合には、どうなるのだろうか? 維新との連合は解消されるように思う。 自民党の議員さん達は一枚岩ではなく、様々な意見の方々が結成している政党が自民党であり、財源問題から食品消費税廃止に反対する人たちも存在すると思っている。 高市内閣は、選挙がなければ長期政権となった可能性があると思うが、選挙結果により短命内閣となる可能性もあるのかなと思った。

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2026年1月30日 (金)

消費税減税について私より厳しい意見がある

また日経新聞の記事ですが、

日経1月29日 食品消費税ゼロ「経済にマイナス」88% 学者調査、財政悪化を懸念

食料品の消費税率をゼロにするのは、日本経済にとってマイナスかプラスかについて、「そう思わない」または「全くそう思わない」が88%だった。 正直な答えと思う。

日本が破滅に向かって、ひたすら突っ走っているように私も思います。 10年後は、ほんの一握りの人数のお金持ちと、10%-20%位の中流階級の人々。 でも、中流階級も贅沢なんてできない。 月に1,2度の家族で外食が楽しめる程度。 大部分の人は、毎日の生活を過ごすのが精一杯で、豊かさには縁遠い。

そんな悪夢がよぎります。

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2026年1月22日 (木)

消費税減税に反対!!

1月20日の日経社説を紹介します。

[日経1月20日社説]消費税減税ポピュリズムに未来は託せぬ

1989年に消費税が始まったときは、所得税も法人税も今より税率は高かった。 日経は「もし8%の軽減税率をゼロにすれば地方分も合わせ税収は年5兆円ほど減る。」と述べているが、令和8年度一般会計予算案では税収が83.7兆円なので、5兆円減少すると78.7兆円と6%の減少となる。

国債発行額は29.6兆円から34.6兆円へと大量発行することにつながり、長期金利は上昇する。 円安は進み、1ドル200円時代がやってくるのかな? もしも、200円になると物価は今より27%高くなる。 日経の社説にも「約50人の経済学者を対象に昨年5月に実施した「エコノミクスパネル」でも消費税減税は「不適切」との回答が85%にのぼる。」とあるが、私と同じような考えの人が学者には多いようだ。

ところで、食料品を消費税の対象から外すとは、どのような意味なのだろうか。 スーパーで売っている食料品が8%値引きとなり8%安くなるのだろうか? 農家の多くは年間売上高が1千万円以下であるが、このような小規模農家は食料品消費税非課税には無関係である。 しかし、農機具、燃料、肥料、ビニールハウス等は消費税10%の対象である。

一方、食料品を医療と同じように非課税品目とする方法があります。 この場合、消費者の購買時のみ非課税なので、消費税は全て事業者の負担になります。 非課税品目とした場合、小売り事業者が消費税の実質負担者となり、小売り事業者が販売コストに要した消費税を小売値に反映することとなります。 それは、変だと思われるかも知れませんが、現実に医療は、そうなっている。 食料品も医療も重要なのですが、医療の財源は国民が公平に負担する医療保険です。 食料品には贅沢・高級な品物もあります。 高級食材については消費税は対象外となり、医療費には消費税が入っているという状態は、納得がいかないのである。

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2026年1月11日 (日)

1月23日の通常国会召集日に衆議院解散なんて、ありなの?

1月23日召集の通常国会冒頭での衆院解散なんて、私からすると「国民を馬鹿にするんじゃないよ!}という感覚なのであるが、高市首相にすれば「当然ありだよ!」という感覚なのだろう。

この首相官邸のWebページは、通常国会 について毎年1回1月中に召集されます。・・・常会の会期は、150日間と定められています。・・」と説明している。

国会法は、第2条で「常会は、毎年一月中に召集するのを常例とする。」との定めであり、第10条で「常会の会期は、百五十日間とする。」と定めている。

冒頭解散は、憲法第7条の「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」の第3項「衆議院を解散すること。 」による衆議院解散となるわけで、私には暴挙と思える。

前回の衆議院選挙2024年10月から1年3月と言う短期間しかおいておらず、任期の3分の1が経過したのみ。 総理大臣就任は2025年10月からであったので、3月を経過する時期。 自分の権力・勢力の維持・拡大を目的として、税金を使って実施する意味のない総選挙には反対する。

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2026年1月 7日 (水)

米国のベネズエラ襲撃

1月3日カラカス時間午前2時(日本時間3日午後3時)に、米国軍はベネズエラの首都カラカスを襲撃し、マドゥロ大統領を連れ去った。 問題がある国はいくつかあると思うが、他国が軍隊を侵攻させ、その国の元首を連れ去る事件には驚いた。

中南米諸国は、米国の裏庭である(であった)との感覚を受けることがある。 今回の襲撃は、米国は欧州諸国の対外政策に干渉しないが、一方で中南米に対する欧州からの干渉に反対するというモンロー米大統領(在職1817~25年)のモンロー主義や、セオドア・ルーズヴェルト大統領(在職1901~10年)の棍棒外交("Speak softly and carry a big stick")を思い起こさせる。

日本政府は、どうすべきであるか。 国連憲章等に基づく国際的ルールによる解決を訴えるべきと考える。 襲撃・拉致して裁判で裁くことを許すなら、何をしても正当になってしまう。 当然の従うべきルールは存在するのであり、ルールの遵守こそ平和のバックボーンと考える。 武力の保有・行使より、国際的ルールを遵守した発展が重要と考える。 次のような中日新聞の社説もありました。

日本政府は「黙認」するな ベネズエラ攻撃

ところで、米国はベネズエラ以外にも同様な武力襲撃を他国に実行するであろうか?

このBBCの記事は米国による武力襲撃の可能性がある国として次の国々をあげていました。

グリーンランド
コロンビア
イラン
メキシコ
キューバ

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2025年12月 7日 (日)

ハル・ノートと真珠湾攻撃

1941年12月8日の真珠湾攻撃により、米国との太平洋戦争は始まった。

東条内閣は1941年10月18日に成立し、東条英機氏が総理大臣に、外務大臣に東郷茂徳氏が就任した。 米国との交渉については、それまで首都ワシントンで交渉にあたっていた野村大使に加えて、来栖大使を派遣することを決定。 来栖大使は11月5日追浜から海軍機で台北に、台北から船で香港へと。 香港からは、パンアメリカン航空の大型飛行艇「クリッパー」(参考 このページ )でサンフランシスコに飛んだ。 「クリッパー」に来栖大使が座席を確保できたのは、米国政府の助力があったからであり、米国政府も戦争回避の意欲があったと考える。 来栖大使はサンフランシスコからニューヨークのラガーディア空港に11月15日到着し、野村大使の出迎えを受けた。

東条内閣は甲案および乙案の2案を日米国交調整に関する方策として11月5日の御前会議にで決定した。 甲案は、11月7日にハル国務長官に提出された。 乙案は、米側が甲案に対して著しい難色を示し、妥結不可能な際に局面打開策として提示するとされた案である。 乙案は、11月20日野村大使、来栖大使がハル国務長官を訪問し提出した。

ハル・ノート(文書のタイトルはUnited Staes Note to Japan November 26,1941 である)は、日本の野村大使・来栖大使が1941年11月26日に米国首都ワシントンで受領。 そして、12月7日(現地時間)午後2時20分にワシントンでハル長官に交渉打ち切りの文書を手交した。 午後2時20分とは、真珠湾攻撃の1時間20分後のことであった。 タイピストは使うなと外務省から指示があった。 

ハル・ノートの全文は、参考として例えばここにあります。 なお、ブログ主による日本語参考訳は以下です。


1941年11月26日 ハルノート 参考日本語訳

訳者 秋月貞造

アメリカ合衆国政府及び日本政府の代表者は、過去数ヶ月にわたり、平和、法と秩序、並びに国家間の公正な取引の原則に基づき、可能な限り太平洋全域に関する諸問題の解決を図ることを目的として、非公式かつ予備的な協議を続けてきた。これらの原則には、すべての国家の領土保全及び主権の不可侵の原則、他国の内政不干渉の原則、商業上の機会及び待遇の平等を含む平等の原則、並びに紛争の予防及び平和的解決、並びに平和的方法及び過程による国際状況の改善のために国際協力及び調停に依拠する原則が含まれる。

我々の協議においては、太平洋全域を包括する平和的解決の基礎をなす一般原則に関して、一定の進展があったと信じている。最近、日本全権大使は、日本政府が太平洋地域の包括的かつ平和的解決に向けた対話を継続することを望んでいること、また、太平洋における平和的解決を目指す対話が続行され、暫定合意に向けての好ましい雰囲気の醸成が有益である旨を表明した。11月20日、日本全権は国務長官に対し、日本政府と米国政府がそれぞれ講じるべき暫定措置に関する提案を伝達した。これらの措置は、上記に示した目的を達成するためであると了解する。

アメリカ合衆国政府は、太平洋地域の平和と安定の促進及び維持に貢献することを切に願い、太平洋全域における広範な平和計画の策定に向け、日本政府との協議を継続することを切に望んでいる。日本全権が11月20日に提示した提案は、米国政府の見解では、互いの政府が遵守を表明しており考慮中である包括的解決の一部の基本原則と矛盾する点が含まれていると考える。米国政府は、この提案による合意では、太平洋地域における法と秩序と正義に基づく平和の確保という最終目標の達成にはならないと考えており、互いの更なる努力が必要であり、既に述べたように基本原則の現実的適用についての互いの見解の相違を埋めていく努力が必要と提案する。

この目的を念頭に、合衆国政府は日本政府の検討のために、太平洋全域を包括する広範かつ簡素な解決案を提案する。これは、今後の協議の中で実現されるべきと米国政府が考える計画の一つの具体例としての提示である。

本案に示された計画は、1941年6月21日付の米国案と9月25日付の日本案との隔たりを埋めるべく、太平洋地域における包括的解決に向けての基本的重要事項に対して新たなアプローチを試みるものである。本計画は、我々が協議して合意した基本原則の現実的適用に関する規定が含まれており、これこそが正しい国際関係の唯一の基盤となるのである。この方法により、両国政府間の意見の一致に向けた進展が促進すると期待する。

 厳重機密、暫定事項、無拘束

1941年11月26日

 日米基本合意の骨子

第1章

政策共同声明(案)

アメリカ合衆国政府及び日本国政府は、ともに太平洋の平和を追求するものとして、両国の国家政策が太平洋全域における恒久かつ広範な平和の追求にあり、同地域においていかなる領土的野心も有せず、他国を威嚇する意図も近隣諸国に対して積極的に軍事力を行使する意図も有しないことを確約する。従い、両国はその国家政策において、相互及びその他全ての政府との関係の基盤として以下の基本原則を積極的に支持し、これを積極的に適用することを確約する:

  1. すべての国家の領土保全及び主権の不可侵の原則
  2. 他国の内政不干渉の原則
  3. 商業上の機会及び待遇の平等を含む平等の原則
  4. 国際的協力及び国際紛争の予防及び平和的調停による解決、並びに平和的方法及び条件による国際状況の改善の原則

日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、慢性的な政治不安の解消、経済崩壊の再発防止、並びに平和の基盤を構築するため、相互的及び他国・他国民との経済関係において、以下の原則を積極的に支持し、実際に適用することに合意した。

  1. 国際商業関係における非差別の原則
  2. 国際経済協力の原則と過度な国家主義となる極端な貿易制限の廃止
  3. すべての国による原材料供給への自由アクセス(差別的アクセスの禁止)
  4. 国際商品協定の運用に関する消費国及び消費者の利益を完全に保護する原則
  5. すべての国々の基盤産業及び持続的発展の資金支援を行う国際金融制度及び機関の設立を行い、かつ、すべての国の福祉と調和した貿易に必要な支払いを可能とする原則の確立

第2章

米日政府の今後の実施事項

米国政府および日本政府は次の要領での実施を提案する。

  1. 米国および日本政府は、大英帝国、中国、日本、オランダ、ソビエト連邦、タイ、及びアメリカ合衆国の多国間相互不可侵条約の締結に最大限の尽力を行う。
  2. 両国政府は、アメリカ、イギリス、中国、日本、オランダおよびタイの各国政府間で、フランス領インドシナの領土保全を尊重することを誓約し、また、インドシナの領土保全に対する脅威が発生した場合、当該脅威に対応するために必要かつ適切と見なされる措置を講じる目的で、即座に協議に入ることとなる協定を締結するよう尽力する。この協定は、同時に、協定の締約国である各国政府が、インドシナとの貿易または経済関係において優遇措置を求めず、受け入れず、また各締約国がフランス領インドシナとの貿易及び商業において平等待遇となるよう、その影響力を行使することを規定する。
  3. 日本政府は中国及びインドシナから全ての陸軍、海軍、警察力を撤収することとする。 
  4. 合衆国政府および日本国政府は、臨時首都を重慶(Chungking)に置く中華民国の国民政府以外のいかなる中国の政府または政権も、軍事的、政治的、経済的に支援をしない。
  5.  両政府は、中国の国際共同租界および租借地における権利、ならびに1901年の北京議定書(義和団事件に関する最終議定書)に基づく権利を含め、治外法権的権利をイギリスおよびその他の政府が放棄することについて、これらの政府の合意を得るよう努める。
  6. アメリカ合衆国政府及び日本国政府は、アメリカ合衆国が生糸を非関税品目とすることを含め、相互の最恵国待遇及び両国による貿易障壁の削減に基づき、日米間の貿易協定の締結に向けた交渉を開始する。
  7. アメリカ合衆国政府及び日本国政府は、それぞれ、米国内における日本資金の凍結規制及び日本国内における米国資金の凍結規制を解除する。
  8. 両政府は、ドルと円の交換レート安定化計画に見合った十分な資金を割り当てて、計画に合意するであろう。その資金は、半分を日本が、残り半分を合衆国が供給するものとする。
  9. 両政府は、いずれかの政府が第三国または複数の第三国と締結したいかなる協定も、太平洋地域全体における平和の確立と維持という本協定の根本目的と矛盾するように解釈されないことに合意するであろう。
  10. 両政府は、その影響力を用いて、他の政府に対し、本協定に定められた基本的かつ政治的・経済的原則を遵守し、かつこれを実践的に適用させるよう働きかける。

ハル・ノートを読んで、これで交渉を本格化できる糸口(チャンス)と私は思うのである。 米国は、日本軍の1941年7月の南部仏印(ベトナム)進駐に伴い8月1日より日本への石油輸出を禁止した。 ハル・ノートの第2章 米日政府の今後の実施事項には6.として貿易協定の締結に向けた交渉を開始の記載がある。どうなるかは、不明であるが、交渉できる可能性は存在すると思う。 対立が全てではない。

なお、11月20日に米側に提出された乙案では、ベトナムからの日本軍撤兵について以下のように記載されていたのである。

The Government of Japan declares that it is prepared to remove the Japanese troops now stationed in the southern part of Frence Indo-China to the northern part of the said territory upon the conclusion of the present agreement.

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2025年11月27日 (木)

企業の国内設備投資に8%減税と言うが、人気集めで、中身なしではないのか

高市首相の政策は、人気を集めて、支持拡大を目論んでいるだけで、本質の解決や将来展望が薄いと私は感じているが、次の企業の国内設備投資に8%減税と言うのも、思いつきだけの政策と思う。

読売 11/25 企業の国内設備投資に8%減税、トランプ関税影響企業には優遇15%…政府が税制改正で検討

設備投資額の8%を法人税額の税額控除にするとの案。 100億円の投資をすれば、法人税が8億円減額になるという訳だが、このケースでは、法人税を8億円納付するに相当する税引き前利益を計上していることが前提となる。 税率が23.2%なら年間35億円以上の税引き前利益を計上している法人でないと恩恵にあずかれない。

読売の記事には「税額控除の対象となるのは、投資に対する利益率が15%超の設備投資計画」とあるが、100億円の投資で15億円が利益になるなんて、そんな投資があるならば、税優遇がなくても皆投資するはず。 17の戦略分野とは、この「成長戦略の検討課題」の2ページ目に「1.「危機管理投資」、「成長投資」の戦略分野」に記載ある17項目と理解する。 しかし、中身は何だろうと思う。 造船なんて、成長があるとは思えないし、フュージョンエネルギーなんて、水爆でもつくろうとするのかと思います。 水爆開発をするなら広範囲の国民的合意は欠かせないし、軽々しく首相が言うことではない。 水爆問題は、IAEAが最適かどうかは別にして、多国が集まった国際的な協力で実施すべきである。

読売の記事は「企業の国内投資を後押しするため」とあり、そのような政策なのだと思う。 しかし、国内だけで完結する投資はないと思う。 例えば、米国や中国の半導体や技術を取り入れない投資は失敗に終わる気がする。 産業はグローバル化している。 世界をどう結ぶかが、成功・不成功を分ける時代になっていると考える。 そのような中で、国粋主義で産業・経済をすすめてはならない。

いずれにせよ、国家社会主義には、私は反対します。 日本以外も含めた競争原理に基づいた自由な社会こそが人類発展への寄与であり、国家はそのような自由な活動・競争による発展に寄与する基盤を提供することを使命とすべきです。

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2025年11月16日 (日)

高市発言と中国の反発

高市発言をめぐって中国の反発は大きいと思うが、日本の問題としての視点から考えてみる。

1) 高市発言とは

11月7日の衆議院予算委員会で立憲民主党岡田克也委員の質問に対する高市総理の答弁であり、衆議院ビデオライブラリーでは5:30から5:55頃までの質疑応答にある。 内容としては、「台湾有事の際、民間船舶を動員した海上封鎖であれば存立危機事態には当たらない。」しかし「戦艦を使って、武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースだ。」と言ったような高市首相の答弁である。

2) 存立危機事態とは

存立危機事態とは、「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」という法律の言葉であり、2条4項で「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。」と定義されている。

存立危機事態となった場合、自衛隊出動の可能性がある。

3) 日本における高市発言への反応は?

中国側の反応は報道されても国内の反応はあまり報道されていないと思えるのだが。 

そこで、どうどうと高市発言に対する批判を述べた記事(社説)を紹介する。

沖縄タイムス 社説 首相 台湾有事前のめり 参戦を軽々しく語るな

琉球新報 社説 「存立危機事態」発言 衝突回避の外交に徹せよ

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2025年11月13日 (木)

原子力潜水艦

韓国の原子力潜水艦に関して、次の日経ビジネスの記事があり増した。

日経ビジネス 11.12 元自衛艦隊司令官に聞く「韓国に原子力潜水艦は必要か」

私は、この記事を読んで、極めてまじめで冷静な意見と思いました。 日本も原子力潜水艦を保有すべきか、電気自動車EVの時代なのだから、現在の電池式の潜水艦で十分じゃないかと考えます。

参考として、日米の潜水艦の一覧表を作成してみました。

Submarine202511a_20251112191101

1) 原子力を潜水艦の動力源とすることの困難さ

上の表の米国原潜で一番大きなオハイオ級で幅は12.8mである。極めて狭い中に、原子炉を搭載し、ミサイルを含め武器も積み込み、高度な電子機器を搭載している。 日本の原子力発電所は、出力一定運転であるが、潜水艦は港に寄港すれば、運転を落とすし、また潜行・浮上を含め自信が移動し、動く兵器である。

太平洋、大西洋、その他世界の海を支配する意欲がなければ、原子力潜水艦など不要と思う。

2) 原子力潜水艦は金食い虫

建造にも維持にも廃棄にもメチャクチャな金額を要する。 そんなところに金を捨てるのは、税金の無駄遣い。 防衛費GDP比2%とか3.5%なんて数字が言われている。 何故必要か、何に必要か、増税を国民は納得・支持するのかという根本問題を置き去りにしての議論は避けるべきである。 平和の維持には、防衛力強化より重要なことがあると認識すべきであり、今の日本は、そのような状態と私は認識している。

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2025年11月 8日 (土)

リニア中央新幹線の今後の見通し

リニア中央新幹線の品川ー名古屋間の工事費総額が11兆円になるとJR東海が発表したとのニュースがあった。

リニア中央新幹線、総工事費11兆円に 難工事・物価高で4兆円増

JR東日本10月29日の発表はここにあります。

建設費が高騰している現状、驚くべきことではないが、将来がどうなるかの不安は覚える。 思うところを、書いてみます。

1) JR東海について

JR鉄道会社は貨物鉄道会社1社と旅客鉄道会社6社がある。 旅客鉄道会社6社の各社2023年3月期運輸収入は大きい順から JR東日本1兆4317億円、JR東海1兆0699億円、JR西日本6954億円、JR九州1214億円、JR北海道585億円、JR四国177億円であった。その総合計は3兆3940億円であり、総合計に対するパーセントで割合を示すと、JR東日本42.2%、JR東海31.5%、JR西日本20.5%、JR九州3.6%、JR北海道1.7%、JR四国0.5%であった。

JR東海の2025年3月期の決算短信補足資料によれば、営業収益1兆8318億円のうち1兆4325億円が運輸収入であり、このうち1兆3312億円が新幹線であり、在来線は1012億円であった。 すなわち、運輸収入の93%は東海道新幹線による収入であった。

2025年3月31日の貸借対照表を図示したのが次図である。

Jrtoukai202511a

中央新幹線借入金が3兆円負債に計上されており、これが鉄道運輸機構JRTTから中央新幹線建設資金としてJR東海が借り入れた資金である。 建設仮勘定が2兆2118億円計上されており、この大部分は中央新幹線の建設工事への支出累計と考えられる。 3兆円の借入額から工事のために支出されていない金額はJRTT借入金信託として管理保全がなされていると了解する。

2) 中央新幹線の工事

中央新幹線(品川・名古屋間)は、2014年10月17日に工事実施計画が認可された。 国土交通省の当時の発表はここにあります。 2014年発表当時の車両費を含む総工事費は、5兆5235億円であった。 2025年10月に、これが11兆円になっているわけで、ずさんと言えるかどうか、その評価は別にして、総工事費予算の推移は、表1の通りです。

Jrtoukai202511b

当初予算から5兆5千億円増加して11兆円になっており、工事予算は11年で倍増です。

3) 中央新幹線の運賃予想

JR東日本10月29日の発表はここの3ページ目に「2035年開業(仮置き)とした場合」に「名古屋開業翌年度の開業による増収額は約700億円と見積もっています。」と記載されている。 2025年3月期のJR東日本の運輸収入1兆4325億円であったので、700億円は4.9%に相当する。 11兆円の工事費で収入増は4.9%の700億円では、採算が取れず、これで良いのだろうかと思ってしまうが、本当はどうなのだろうか?

JR東海の売上高、純利益、純資産額をJR東日本と比較してみたのが次の表2です。

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JR東海はJR東日本と比較して、営業収益(旅客運賃収入)は少ないが、経営指数において優良です。 それは、東海道新幹線という金の卵を有しているからです。

一方、冒頭の1)において「営業収益1兆8318億円のうち1兆4325億円が運輸収入で、このうち1兆3312億円が新幹線」と述べた。 中央新幹線と東海道新幹線は競合関係にあり、中央新幹線を利用する人は東海道新幹線を利用しない。 中央新幹線の増収は東海道新幹線の減収となるはずである。 増収と減収の結果として、700億円の増収と見込んだと考えると5.25%増収に相当し、妥当な予測のような気がする。

そして、コスト増について、現在の連結経常利益6500億円が650億円に減少するとの予測を、中央新幹線のコスト増の結果とすれば、このコスト増は5850億円に相当する。 11兆円が、投資総額とすれば、5850億円は5.3%である。 中央新幹線が開業すれば、東海道新幹線の運転本数はある程度減少し、東海道新幹線の運行経費も減少し、中央と東海の2つの新幹線の合計では、運行経費増加額6000億円は妥当かも知れないと思う。

4) 雑感

分析をすれば、決定的な結論や、方向性が得られるのではと思ったが、そこまでの結論は得られなかった。 中央新幹線の年間経費6000億円は、JR東海の2025年3月期の鉄道事業営業費8449億円の約70%であり、問題視するまでの必要はないように思えた。 超伝導磁気浮上鉄道に関しても、山梨実験線において開発や検証がなされてきており、営業線に必要な技術開発は完了したと評価されていると認識するし、費用についてもある程度の見通しの範囲内であると想像する。

赤字体質の国鉄を救済するのが、国鉄民営化政策であり、7社への分割となった。 国鉄民営化において超伝導磁気浮上鉄道の実現は、稼ぎ頭の東海道新幹線の事業を遂行するJR東海が継承することとなった。 財政余力あるJR東海が中央新幹線という巨大インフラ事業を完成する任務を負っており、成功させて欲しいと思う。 成功の鍵は、適切な情報開示であると考えるのである。

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