2024年5月14日 (火)

IMF統計での一人あたり日本GDP第34位に思うこと

IMFは毎年4月と10月に経済統計(World Economic Outlook)を発表している。 2024年4月の発表文はこのページであり、そのデータは、同ページのリンク先からpdfで見たり、Excelやcsvでダウンロードすることも可能である。

1 IMF World Economic Outlook (April 2024)による各国の一人あたりGDP

長期間の各国GDPを比較することにより見えてくるものがあると期待して、1990年からの35年間について各国の一人あたりGDP(米ドル換算)を図1として表示した。 数字はIMFの統計数値であり、各国の名目GDPを米ドル為替レートで米ドル換算し、人口で除しているとIMFは説明している。

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(図はクリックで拡大表示されます。)

図内右に掲示している凡例の各国名は2023年における一人あたりGDP金額の大きい順から並べてあります。

1995年頃において、日本はルクセンブルグ、スイスに次いで第3位であったのです。 そこで、1985年からの順位表を作成した。 それが、表1です。 なお、2010年までは5年ごとの順位表で、2010年以後は毎年の順位表とし、2024年の順位はIMFの予測値による順位です。(クリックで拡大)

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2000年当時、日本の一人あたりGDPは世界第2位であった。 2005年以後は14位から18位程度の位置であったが、2013年から2021年頃は24位から27位となった。 しかし、2022年からは33位、34位と随分後順位となり、2024年は台湾、韓国より後ろの38位と予想されている。

2 対内直接投資の残高

対内直接投資とは、外国から日本に対する投資であり、外国人にとっての日本の魅力度の結果が日本の対内直接投資と言える。 IMF統計データから作成した各国の対内直接投資残高(Inward Direct Investment Position)が図2である。 図1のGDP比較と同じく、図中右の凡例は金額順の表示としている。 日本の外国からの直接投資受入残高は2022年で30位、2,250億米ドルとなっている。

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日本はイスラエルより外国からの投資受入残高は少なく、アジアでも、中国、シンガポール、香港やタイ、韓国より小さな金額しか外国からは投資が、なされておらず、魅力のない国としての評価を受けているようである。

図3は、金額ではなく、対内直接投資残高(外国からの投資受入額残高)をGDPに対するの比(パーセント)で表示している。

Fdioecd2024b

日本の対内直接投資受入残高はGDP比5.33%であり、48位となっている。 なお、最大受入国ルクセンブルグは1460%であり、第2位のオランダ275%とアイルランド264%の3国は図の範囲外上方である。 

日本の5.33%は、アジアの諸国比べても、韓国13.79%(2021年の数字)や中国19.46%、インド14.73%より低い。 米国43.16%や英国88.55%には遠く及ばず、フランス32.22%やドイツ26.76%よりも大きく離れている。 資源埋蔵国の場合は、資源開発に関係・関連する外国からの投資が生じる。 インドネシアの20%も資源開発関連が含まれていると考える。

3 日本のGDP推移

1980年以後における日本の名目GDPの推移を示したのが図4である。 単位は兆円(左目盛り)と米ドルに換算した兆米ドル表示(右目盛り)である。 

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図4を見ると、1992年に名目GDPは500兆円に達し、20年以上を経過して、今やっと600兆円に達しようとしている。 1992年はバブル絶頂期が1989年であるとすれば、崩壊が進みかけた頃である。 当時、景気対策の一環として、日銀は公定歩合を1991年7月に6%から5.5%に引き下げ、以後順次引き下げを行い、1993年には1.75%としている。 しかし、公定歩合引き下げによる景気刺激策は、図4からすればその効果は限定的であったように見える。

更に、ドル・ベースで見ると、1995年頃にピークがあり、その後2011-12年頃に6兆ドルを超えたが、この20年間低迷を続けている。

4 GDPと対内直接投資

国際間の投資とは、冷酷なものである。 投資先の国に魅力がなければ、投資をしない。 大きなリターンが期待できれば、投資をするが、リスクが大きいと判断されればしないか、投資規模を縮小する。 1980年からの対内直接投資残高を図4のGDPグラフに付け加えたのが図5である。 (2004年以前については、対内直接投資残高の数値を示した統計資料が把握できなかったので省略した。)

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また図4のドル・ベースのGDP推移を見ても、日本へのドル・ベースでの投資リターンには相当のリスクがあるように思える。 投資資金は米ドルでの調達とは限らないが、国際的な金融・資金マーケットにおける投資とリターンについて、自国の都合や論理は通用しない。

5 経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)における対内直接投資

2024年度は取りまとめ中であり、2023年6月16日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023」は、ここにある。 その7ページに次の様な文章があるので紹介をする。

・・・ 海外からヒト、モノ、カネ、アイデアを積極的に呼び込むことで我が国全体の投資を拡大させ、イノベーション力を高め、我が国の更なる経済成長につなげていくことが重要である。 対内直接投資残高を2030年に100兆円とする目標の早期実現を目指し、半導体等の戦略分野  ・・・

2030年の100兆円実現の前倒をめざすとの宣言である。 2022年末では29.9兆円であった(図5)。

6 真の問題は赤字国債

図4に示したように日本のGDPはバブルが崩壊した1990年以降停滞している。 GDP停滞の原因と赤字国債発行が関係している可能性を考えるため、図6を作成した。 国債の発行を継続し、2007年の時点で発行残高がGDPを越えた。

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外国に投資するのは、その国に魅力があり、かつリスクが低いと判断されるからであり、悪材料が少ないことが望ましい。 国債とは政府の借金である。 国債償還の財源は、その国の税金であり、国債残高が大きいことは、将来の増税が予想される。 投資をする際には、投資先国の税制や税率を調査する。 投資リスク要因としては、将来の増税の可能性も対象となる。 いずれにせよ、政府債務が大きいことは、投資先の国としてのマイナス材料である。 同じ条件なら政府財政の健全な国を選ぶ。

7 国別の国債残高を比較

国債残高を金額で比較しても良いが、その国のGDPの額と対比して政府財政・債務の健全性の指標が得られる。 GDPは、その国で産出した付加価値の総額故、債務返済資金の源泉であり、返済能力であるとも言える。 日本の国債残高のGDP比のカーブを図6に加えたのが図7である。

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図8は、政府債務残高をGDP比のパーセントで表示してのOECD諸国の比較である。

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OECD統計は、国債残高ではなく政府債務という言葉を使用しており、図6や図7における国債発行残高より範囲が広い。 その為、GDPとの比率に於いても大きくなっている。 しかし、OECD統計は比較対象国について同一基準で作成・報告している。 日本の債務・国債発行残高は飛び抜けて大きいのである。 

8 雑感

国債発行残高は1000兆円を越えているが、逆に言えば、これまでに1000兆円の支出をしてきたわけで、その負担を今後・将来の世代が背負うことになる。

国債は固定金利であり、現状発行残高の50%以上を日銀が保有しており関係ないと思うかも知れない。 しかし、日銀の負債で一番大きいのは一般銀行の日銀への当座預金である。 もし、円の金利が上昇したなら、新規国債の利払いが大きくなるのだが、インパクトとしては一般銀行の預金者の利息や日銀金利の上昇になるのであり、日銀にとっては資産(貸付サイド)741兆円のうち587兆円が国債という状態で、どうなるのやらと思う。 日銀が倒産するわけはないが、かと言って、日銀当座預金を現状で保持すれば、一般銀行へ大きすぎる負担が生じると考える。 金利が上昇した状態で国債を売却すれば、国債額面割れで日銀に損失が発生。 いずれにせよ、円の信用力が落ちると思う。 誰も投資しない国・日本になる可能性があると思う。 もっとも、そんな状態になると、新規国債は発行できない。 しかし、国債の償還と利払いは続く。 将来、多額の税金を国債の利払いと償還に充当せねばならず、その分実質支出できる政府財源は少ない。

そんな悪夢をよそに、令和6年度の一人あたり4万円(所得税と住民税の合計)の特別定額減税をする税法改正が成立した。 対象者を8千万人とすると総額3.2兆円となるが、こんなばらまきは、許されるのかと思う。 ばらまき税制改正と同時に28.9兆円の赤字国債発行を決めているのであり、本来は赤字国債の発行額を減少する歳入予算とすべきである。 防衛費にしても令和6年度は5117億円を建設国債でまかなうとした。 建設国債は、本ブログ記事に於いては、カウントしていない。 矛盾だらけの予算を組み、支離滅裂な説明を行うことは信用失墜になる。

今の日本の政治はポピュリズムの罠に陥っているように思う。 コロナ給付金なんて所得に関係なく10万円支給とか酷い仕組みだった。 もっと遡れば、政府の無駄使い削減で財政再建が可能であるとウソを言ったり、どの政党も増税は口にしない。 でも、小さな政府とも言わず、大盤振る舞いの政府の政策を全政党が訴えている(競争している?)と思う。

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2024年5月 3日 (金)

医師不足につながる直美って、知らなかった

「直美」とは「なおみ」と読むのではなく、「ちょくび」と読み、医師が研修を終えて、ただちに美容医療に従事するすることを指すというのである。

次の日本ビジネスプレスのJBpressからの記事です。

美容医療の世界に転じる専門医の増加は何を意味しているのか?形骸化し始めた日本の専門医制度 - 2024.5.3(金) 星 良孝

何故美容医療の医師になる人が多いのかは、記事に何度も書かれているが、例えば記事5ページの「一般の民間病院で勤続5年~10年の場合、月に103万8012円」が、美容医療の医師だと「待遇4000万円」「年収2億円も夢ではない」という求人の誘い文句になると言う。 試しにGoogleで「美容医療医師求人」として検索してみると「美容経験者特に優遇 最低年収4,000万円」なんて求人広告が出てくる。

つい最近のニュースで、「人口減で地方自治体の存続が厳しく、2040年には半数消滅の恐れがある(例えばこの日経のニュース )」なんてあった。 人口減地域での病院・医療提供体制をどう維持していくのかという問題に取り組んでいかなければならない。 人口減地域は、高齢化が進んでおり、高齢者が多い。 しかし、医療提供従事者の年齢構成は、バランスが取れて、存続可能な状態であって欲しい。 現実は理想通りに行かず、人口減地域では医療体制の維持の困難度が進むように思う。

これに直美現象が加わったら、どうなるのだろうと思う。 美容医療から一般の医療医師に復帰するのは、容易ではない。 美容医療は公的保険が適用されない自由診療の世界である。 根底にあるのは、公的医療保険制度における医師に対する診療報酬が低すぎるという問題があると考える。 

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2024年5月 1日 (水)

SNS型投資詐欺で7億円

持っている人は、持っているのだと思わせるニュースでもあると思った。

日経 4月24日 著名人なりすまし投資詐欺、7億円被害 茨城の70歳女性

茨城県の女性会社役員(70)が、昨年11月から今年4月までの間に、合計約7億円を貯蓄から引き出して、だまし取られたと、茨城県警が発表したとのニュース。 有名人をかたるLINEのアカウントで勧誘され、女性は貯蓄から引き出して振り込むなどしたとのこと。 計6億9千万円で44回になるようだ。

LINEが利用されたとのことであるが、著名人に成りすましたLINEアカウントを開設した実際の人間(犯人)や、銀行振り込みであれば、振り込んだ先の口座名義人(犯人)等も判明するはずである。 しかし、LINEアカウントや銀行口座の名義人が犯行の首謀者や犯罪利益・収益の実質的享受者とは限らない。 首謀者は裏に隠れ、逃げ通そうとすると思う。

ネット上の情報で発信者の本人確認をするのは、情報開示請求の手続き等を踏まねばならず、簡単ではない。 そのことから犯罪に利用される。 君子危うきに近寄らずであり、賢ければ、信頼しうる情報かどうかも判断がつくはずである。 うまい投資話など、あるわけがないのである。

この70歳の女性は、7億円保有していた、いや7億円以上は保有していた。 あるいは、自由になる金を7億円以上持っていたのである。 会社役員となっているので、会社の金かも知れないし、夫に先立たれて相続した金かも知れない。 いずれにせよ、一般の人が手にできる金額をはるかに越えている。 そんな高額財産保有者のリストは投資詐欺犯罪者の間に広まっている可能性もある。 

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2024年4月29日 (月)

NHKプロジェクトXとは、

NHKプロジェクトXって、都合の良い部分を取り出して、つなぎ合わせて、物語を作っているという印象であるが、4月27日放送の「厳冬 黒四ダムに挑む~断崖絶壁の輸送作戦~」を見て、過去の放送分であるが、益々そう思えた。

評価とは、本来単純なものではない。様々な分析を加えて評価できる。 評価とは異なるが、番組では昭和38年完成と言っていた。 竣工式を行ったのが1963年(昭和38年)6月5日なので、完成時期を昭和38年と表現するのは正しい。 しかし、竣工式とは単なる式典である。

発電を開始したのは1961年1月15日であった。 大町トンネルの工事では破砕帯に遭遇しトンネル貫通が10ヶ月遅れたが、工事関係者は、発電開始時期を当初計画から2ヶ月半の遅れに止めたのである。 3号機は1962年8月1日運転開始。 また、ダムを満水位まで貯水したのは、1967年であった。 アーチダム(ドームダム)であり、水位上昇に伴うダムや基礎岩盤の変位・変形の精密測定を行いつつ水位を上昇させたのである。

プロジェクトXの手法は部分のみを取り上げて絶賛する。 木を見て森を見ない的な発想と思う。 将来に向けた発想は、そのような部分的フォーカスではない、グローバル的な大きな視野が必要であると私は考えるのだが。

黒部ダムに関しては、今のところシリーズで7本のブログを書いたので、興味のある方は読んで頂ければと思います。

黒部ダム(7)黒部の太陽のウソ・ホント
黒部ダム(6)日本のダム順位
黒部ダム(5)水力発電
黒部ダム(4)どうしてあの場所に?位置選定の理由
黒部ダム(3)環境影響
黒部ダム(2)環境影響評価
黒部ダム(1)観光放水始まる

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2024年4月 4日 (木)

小林製薬の「紅麹」問題

小林製薬の「紅麹」に関しては、現在のところ、死亡者数5人とのことである。 

しかし、この問題に関して最も驚いたのは、次の日経ビジネスで報じられている「海外向けについては厳しい品質管理が適用されており「ロットごとにシトリニンの分析を実施していた」(記事の最後の文末部分)との記述である。

日経ビジネス 4月4日 小林製薬「紅麹」問題、機能性表示食品制度の怪 海外向けでは厳しい品質管理

日本の消費者を馬鹿にしたような記述であるが、そうなるに至った原因が当然ある。

小林製薬が健康被害を発表したのは、3月22日のこのニュースリリースである。 「機能性表示食品」という事業者の責任で特定の保健の目的が期待できるとする食品である。 だから、この消費者庁の措置命令発表のような景品表示法違反の事態が発生する。 政府・政府機関・第三者による検査・審査がないわけで、ウソのつき放題と思える。 

2013年当時、安倍晋三首相時代に規制改革の一環として「世界で一番企業が活躍しやすい国の実現」と言うことで制度が創設された。 しかし、問題を安倍晋三の責任として片付けても解決にはならない。 現状、日本は安全に対する規格が緩いのである。 口に入れる物について規制を緩くしては本末転倒になると思えるが、日本では特定分野の産業を有利にし、それを規制改革・経済発展への貢献と称されることがある。 関係者のみが利益を得るのであるが、大々的に宣伝されると、そうなのかと思ってしまう。 関係者には政治家や当該事業に直接・間接に関係する人達も含まれるので単純ではないが。

なお、安全についての本質は日本も海外も同じである。 「海外向けの紅麹原料は、ロットごとにシトリニンの分析を実施」は、何故かと言えば、その国の法律がそのような検査を義務づけ、そうしないと流通販売ができなかったからのはずである。 日本も主権国家であり、日本でもロットごとの分析を求めることは可能である。 そんな法律をつくれば良いだけである。 主権者たる国民が求めれば簡単に制定できる。 そう考えると、結局は我々自身のことである。 自分が自分の健康に責任をもつ。 勿論、自然界にも毒キノコはあるのであるが、サプリメントに依存せず、食事で生活するのが本来の姿であり、健康に過ごす方法だと思う。

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2024年3月30日 (土)

こども子育て支援金を医療保険でまかなうのは筋が違う

どう考えてもおかしい、子ども家庭庁です。

こども家庭庁 令和6年3月29日 子ども・子育て支援金制度における給付と拠出の試算について

NHKのニュースはここにあります。

病気になったときのために、被用者保険である協会けんぽ、健保組合、共済組合の健康保険や国民健康保険そして後期高齢者医療保険に全員が加入しています。 自分や、扶養している家族が病気になった場合に医療費がこれらの医療保険でカバーできるからであり、この制度を信頼・支持しているからです。

医療保険料を支払って、それが医療費に回らないなんて、私は納得が行かない。 子ども・子育て支援に反対するのではありません。 子ども・子育て支援は重要です。 その財源は、税金から支払うべきです。 上に掲げた子ども家庭庁の試算書の5ページと6ページに医療保険で徴収する金額が記載されており、1兆円徴収しようと言うことです。

1兆円を国民から徴収しても、それが日本の現在や将来に役に立つなら、それで良い。 しかし、国民を騙すことは許されない。 1兆円支出の詳細な内訳を国民に説明することは、先ずは重要である。

そして、1兆円と言わずに、一人平均450円なんて、月額で示す。 雇用主から徴収する金額も除外している。

財源は所得税増税で賄うべきです。 医療保険料の徴収は、高所得者については、医療費支出とのバランスから上限を設けざるを得ず、しかも収入額に対して一定の料率となる。 所得税のように累進税率が適用されない。 岸田内閣は、増税を推進すべきです。

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2024年3月 3日 (日)

大阪万博2億円トイレについて

引き続き2億円トイレについて、書きます。 この3月1日の朝日新聞の記事には「「高すぎる」との批判が出ている会場内の「2億円トイレ」について、政府が外部有識者に対し積算根拠を説明し、妥当との考えを示した。」とある。

外部有識者とは、誰であるのか、固有名詞が示されていない。 もしかしたらこのリストの人達かなと思うが、建築の専門家はおらず、価格の妥当性を判断する能力はない人達である。 勿論、外部の専門家に独立した意見を表明してもらい、報告書を書いてもらって判断することはできる。 その場合は、その報告書を公開願えれば良いのである。 

と言うことで、探してみると、万博予算執行監視委員会というのがあり、3月1日にこの委員会で経済産業省商務・サービスグループが大阪万博のトイレについて説明した資料がここにありました。 2億円トイレを受注したのは、日本土木建設(株)と(株)東建設です。 もう一つトイレ5というのが予定価格1.9億円となっているが、まだ落札者は決まっていない。

経済産業省商務・サービスグループの説明は、一般的な公衆トイレの単価が約74万円であり、2億円トイレは単価では70万円と58万円であり高くないとしている。 大阪万博は2025年4月中旬から10月中旬までの6月間であり、そんな高価なトイレが必要なのかと思う。 6月間のトイレなら、災害時に被災地へ移動させることができるトイレを開発したら良いと考える。 移動ではなく、移設が容易であるトイレでも良いのである。

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2024年2月29日 (木)

トイレに2億円とか10億円も支出するの

トイレに2億円とか10億円も支出するって、やはりすごいと思いました。

スポーツ報知 2月21日 万博2億円トイレ「高額とは言えない」五輪前設置の東京・千代田区の公衆トイレは1か所3700万円

これに関して検索すると、政治家は高くない発言しているニュースが出てくる (参考読売 、 日経 )。 さらに検索するとこの神戸新聞の記事があり、「2カ所がそれぞれ約2億円で契約されたという」とのこと、1か所で2億円!!大阪万博は中止して、大阪市と大阪府から国民に万博費用を返済してほしいと思う。

常軌を逸していると思うが、選挙に勝てば、何をしてもよいのかと問いかける。

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2024年2月27日 (火)

医師・看護師・医療従事者によるストライキ

次のニュースがありました。

NHKニュース 2月26日 国立病院 “春闘の交渉次第で全国一斉のストライキへ” 全医労

今、賃上げ要求をしないと禍根を残すと思います。 1月30日の岸田総理による国会本会議での施政方針演説 にも、次の言葉があります。

四 経済
「経済の再生」が岸田政権の最大の使命である。もう一度この場でお誓いいたします。経済、とりわけ、賃上げが今まさに喫緊の課題として求められています。

(物価高に負けない賃上げ)
全就業者の十四%を占める医療や福祉分野の幅広い現場で働く方々に対して、物価高に負けない「賃上げ」を確実に実現してまいります。

2月6日のこのブログ記事 で、賃金や国内投資は低迷の状態にあり、賃金水準は実質的に見て30年間横ばいと他の先進国と比して低迷が続き、 国内設備投資も海外設備投資と比して大きく伸び悩み、大企業を中心とした高水準の企業収益や、 中小企業における守りの経営という状態が見受けられるという指摘を紹介した。 この打破には、賃上げは重要であり、発注者、受注者、元請け・下請け、経営者・労働者等全ての関係者が対等な関係で市場価格が形成されることが発展を生み出す。

全日本国立医療労働組合(全医労)のストライキはNHKニュースによれば「始業開始後1時間、それぞれの病院の門前で行われる予定で、参加は各病院で数人程度にとどめるため、通常の診療などに支障は出ない見通しだということです。」とあり、実施されても医療サービスの提供にほとんど影響を与えないと思う。 しかし、ストライキには労働組合法第5条2項8号による組合員又は代議員の直接無記名投票の過半数による決定が必要であり、いわゆるスト権が成立したことについて、使用者は重く受け止め対応する必要がある。

ヤマト運輸、アマゾン、パタゴニア 1人でも異議唱える個人労組の力という日経ビジネスの記事もありました。

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2024年2月17日 (土)

ガソリン代の政府補助延長なんてバカの見本と思う

次の様なニュースがあるが、困ったことである。 ポピュリズムは国を滅ぼす元凶になりうる。

kyodo 2月16日 ガソリン代補助延長へ 夏まで視野、家計支援

税金の無駄使いの最たるものである。 この制度、政府は「燃料油価格激変緩和対策事業」と呼んでおり、小売ガソリン価格が1リットル168円を超えると超過額の60%を補助し、185円を超えると185円以上は全額補助するというメチャメチャな補助金である。

補助金が支払われる相手は、石油元売り業者と輸入業者であり、対象となるのはガソリン、軽油、灯油、重油、航空機燃料の5種類である。 この補助金の総額は、月に1千億円、年間1兆2千億円程度になるように思う。 計算根拠は、5種類の石油製品の月間販売量を2千万KLと仮定し、補助金を1リットル5円と想定した場合である。

直前のブログ(これ )で、日本経済を一人あたりのGDPで世界の国々と比較すれば、悲惨な状況であると書いた。 こんなバカな補助金は即刻中止すべきである。 当然のことながらガソリン税トリガー価格制も同じである。 原油価格・石油製品価格の上昇は、世界市場の結果である。 原油価格上昇には、エネルギー利用・消費に関する省エネを含め、技術革新等で対処すべきである。 本質を把握し、将来を見据えた対応をしないと、いよいよ沈み行く船になると考える。

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日本経済深刻なのでは?

2月15日内閣府より2023年10-12月期の四半期GDP速報値が発表された。 内閣府の発表はここにあります。

既に発表されている1-9月の間の3四半期分のGDPを合計すると2023年1年間のGDPが計算され、その結果は591兆4821億円になり、ドイツに抜かれ世界第4位になったと報道された。 日経記事「名目GDP、ドイツに抜かれ4位 23年4兆2106億ドル」はここにあります。

1) 比較対象国を広げてみると

対象国を拡大し15カ国で米ドル換算した名目GDPを比較してみました。 なお、数値はIMF World Economic Outlookからです。 2022年以降はIMFによる予測値です。(図1のみならず図2、図3についても)

Worldgdp20241a_20240217021301

米国と中国が抜きんでており、3位から15位が分かり辛いので、3位から15位の部分を拡大して図2を作成しました。

Worldgdp20241b

日本は、2022年に落ち込んで、その後は幾分かは回復・上昇に転じたが勢いは、それほどでもないという感じに思えます。

2) 一人あたりGDP

重要なのは、一人あたりのGDPであるとの考えで、世界34カ国の一人あたりGDPの2020年以後の推移と2022以後の予測値です。

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2023年で日本は34位で$33,950なのです。 アジアのトップはシンガポール$87,884です。 ドイツは$52,824で日本の1.5倍です。 成長する世界の中で、低迷を続けているように思えます。 新型コロナ・ウィルスの影響を受けて、活動を自粛、結果世界の成長から取り残されている。 そんなことは、ないのか、じっくりと考えてみたいと思います。

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2024年2月14日 (水)

朝日新聞の再エネ記事タイトルに驚いた

朝日新聞2月10日号の一面で、この記事タイトルで表示するとは、クリック数で稼ぐSNSと同じようだ。 大新聞とは思えないと感じた。 その記事とタイトルとは、これです。

Asahi20240210

1) 無駄になっているわけではない

発電していない。 電気は生み出されていない。 生産して、生産物が捨てられているわけではないのです。 そもそも全量買取制度において、マーケット変動に関係なく生産した全量が買い取られ、代金が支払われることは、長期契約とは言え、市場経済原則に反すると誰もが考える。

全量を買い取らず、生産量を落とし、目一杯の生産をさせずに、少ない量を引き取り、引き取った分の代金しか払われないかと言えば、引き取っても販売先がないからです。 工場を建設して、完成後の市場変化により計画した量の生産ができないことはあることです。 それを他人のせいにしても、落語の話みたいと思う。

2) 資源エネルギー庁の説明

資源エネルギー庁の説明は、ここにあります。 発電制御とは電力の安定供給が目的です。 停電等供給停止を発生させず、契約した電圧と周波数でユーザーに電気・電力を供給することは重要です。 需要イコール供給となるようにコントロールするのですが、需要はコントロールの対象とせず、供給を需要に合わるようコントロールするのです。 再エネ発電のみならず、あらゆる電気発生装置・機器が発電制御の対象です。 但し、装置・機器の安全確保も重要であり、例えば原発は日本では出力一定の運転を行っており、発電制御の対象外です。

電線を流れる電気は貯蔵されないので、需給バランスの崩れは、電圧と周波数の不安定につながるのですが、それがユーザー内を含め電力供給網の多くの場所に設置された安全装置を働かせてスイッチの遮断、ひいてはその結果によってシーケンス的に生じる更に多くの安全装置の遮断につながる可能性があります。 

電力広域的運用機関(ホームページはここ )が、電気事業法により設立・運営されており、電気事業に係る電気の需給の状況の監視、電気の安定供給のために必要な供給能力の確保の促進等の業務を行っている。 その結果、電気供給に関する公正な監視がなされ、安定供給が維持されていると考えます。

3) 太陽光の発電制御の実際

実際の九州地方における太陽光発電の出力制御を見てみる。 なお、出力制御とは、あらゆる発電機器・装置でなされており、電気回路・システムの安全な運用には欠かせないのである。 原子力発電は、出力変動を生じさせずに運転しているが、一定出力をキープすることにより安全を確保しようとする考え方です。

具体的に九州における電力供給・発電制御を見てみる。 2023年においては、4月9日は太陽光発電が発電制御により抑えられた日であった。 この日の九州地方の時間毎の電力供給は次図であった。

Kyushu2023p1

2023年4月9日の12時の需要は7,409MWであった。 これに対して、太陽光の発電供給力はこの時刻において9,782MWであったと想定されるが、実際にはその発電供給は3,934MWに制御された。 結果、差の5,849MWは発電されなかった想定電力と考えられる。 上図に於いて、黒線が需要であり、赤線が太陽光の想定発電量である。9時から15時までは、太陽光を抑制なしで発電したなら、需要の黒線を9時から15時に於いては上回る。

なお、需要が7,409MWであったとしても、揚水発電の揚水(ポンプアップ)運転を行って需要を増加させることは可能であり、同様に他の系統に電力供給を行って実質的需要(発電必要量)を大きくすることができる。 4月9日12時の揚水動力は1,406MWであり、中国地方系統への供給は1,308MWであった。上図において揚水動力は赤で、他系統への送受電は緑で示し、電力消費になっている場合は、ゼロよし下のマイナス表示とし、電力供給となっている場合はプラス表示としている。

別の例として、1日における太陽光発電がほとんど抑制されなかった日の電力供給・発電制御を見てみる。 2023年6月19日がそれ例で、次図の電力供給であった。

Kyushu2023p2

上の2つの図で抑制しなかった場合の太陽光発電は、大きな差は見られない。 4月9日と6月19日との最大の異なる点は電力需要にある。 4月9日と6月19日の需要量は、187,262MWhと235,201MWhであり、ピーク需要は8,908MWと12,044MWであった。

なお、年間を通じた場合、太陽光発電はどのようなになるか、2023年における九州地方での太陽光発電の毎日の発電量と抑制量は次図のようになった。

Kyushu2023p3

太陽光発電の場合、雨天日の場合は、ほとんど発電せず、日により発電量の差は大きい。 4月、5月は晴天なら発電量は多いが、暖冷房需要は少なく電力需要も小さい。 結果、太陽光発電は出力抑制が必要となる。

そもそも、太陽光発電設備が九州地方に多く、過密状態にあると言える。 次表は、資源エネルギー庁のWebページ(ここ )の特別措置法における再生可能エネルギー発電設備の導入量統計(2023年9月末時点)を地方毎の太陽光発電導入容量と地方の2023年発電量で示している。 なお、導入容量が都道府県単位であり、必ずしも電力系統事業者毎の需要量の地域とは一致しない。 しかし、九州地方については、導入量統計と需要量での地域に差は無い。

Kyushu2023p4

(A)/(B)が九州が11以上であり、他地域より大きい。 その結果が、太陽光発電の発電抑制となっているのである。 どのような場合でも、設備に投資をする場合は、その生産物のマーケットを考えるわけで、九州地方における太陽光発電の発電抑制は予測されたこととも言える。 

本項における情報のほとんどは、電力広域的運用機関の系統情報サービス・でんき予報・広域予備率Web公表システムからです。

4) その他

パリ協定は、世界共通の目標であり温室効果ガスの排出量を削減し1.5℃に気温上昇を抑える努力をすべきです。 この目標の達成には市場の仕組みの構築も重要と考えます。 例えば、九州地方で安い電気が得られるなら、電気がガソリンより格安なら、九州地方は電気自動車がよく売れる。 電気自動車の充電料金が日にちと時間により高くなったり、安くなったりと言うのはどうでしょうか? それともグリーン水素でしょうか? 大規模太陽光発電設備の近くには水を電気分解して水素を生産する設備を建設する。 マイナスの電力価格が導入されれば、電力消費が金を生み出す。 賢い仕組みを考え出すことこそ、将来の夢を実現する方法と思う。

次の日経記事は会員限定となっているが、考えなくてはいけない問題である。

日経 2月6日 太陽光発電「終活」に難題 2030年代、廃棄費足りぬ恐れ

様々なことを考えることは重要です。 冒頭の朝日の記事のように無駄で終わっては悲しいことです。

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2024年2月 6日 (火)

自民党の税制改正大綱の分析になるほどと思った

国会での税制改正審議が、間もなく始まるが、2023年12月14日に自民党が発表した令和6年度税制改正大綱 (pdfはpdfはこちら )には、なるほどと思う分析の記載がある。

それは、10ページ目の中段辺りから始まる法人税に関する次の文章である。

 しかしながら、わが国においては、長引くデフレの中での「コストカット型「経済」の下で、 賃金や国内投資は低迷してきた。 賃金水準は実質的に見て30年間横ばいと他の先進国と比して低迷し、 国内設備投資も海外設備投資と比して大きく伸び悩んできた。 その結果、 労働の価値、 モノの価値、 企業の価値で見ても、いわゆる 「安いニッポン」 が指摘されるような事態に陥っている。 その一方で、 大企業を中心に企業収益が高水準にあったことや、 中小企業においても守りの経営が定着していたことなどを背景に、 足下、 企業の内部留保は555兆円と名目GDPに匹敵する水準まで増加しており、 企業が抱える現預金等も300兆円を超える水準に達している。こうした状況に鑑みれば、 令和4年度税制改正大綱において指摘した通り、近年の累次の法人税改革は意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ない。

企業の内部留保は555 兆円や企業が抱える現預金300兆円は、ほとんどが大企業に属するのであろうが、法人税は赤字企業に負担はない。 法人税は企業の利益から算出する課税標準を元にするのであり、合理的と考える。 税制が全てではないが、重要なファンクションであり、良い税制を追及することを緩めてはならない。

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企業・団体の政治献金の禁止は成立するだろうか

自民党の派閥パーティー券ノルマ超過分の販売議員への戻し・裏金化に関連して、企業・団体の政治献金の禁止が話題になっている。

次の表は、東京新聞の2月1日の記事「企業献金禁止を求める声に「論理の飛躍がある」 岸田首相が国会で野党の代表質問に従来の答弁繰り返し 」に掲載されていたこの表 によれば、6党の中では「企業団体の献金禁止」は賛成が、立民、維新、共産、国民の4党であり、反対又は消極的が公明と自民の2党になる。 (首相という部分は自民党の意見を首相が述べているとの理解で)

意見を持つのは個人であり、選挙権も被選挙権も個人のみである。 同じような意思や意見を持つ人が集まって団体を作ることがあるが、寄附や献金を団体がするのは変である。 営利企業が政治献金をするとすれば、やはり直接・間接を問わず何らかの利益を期待するからである。 株式会社だとすれば、利益を期待しない支出は、株主にとっては不正支出である。

もし、政治家や政党に対する寄付金・献金の支出者が外国人・外国企業だったら、どう考えるか。 上の表では、公明党は「企業団体の献金禁止」反対となっているが、企業・団体献金の禁止 公明党の佐藤氏が野党に理解との2月4日日経記事もあり、もしかしたら企業・団体の政治献金の禁止は成立するだろうかと思ってしまう。

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2024年2月 1日 (木)

働きがいがない日本?

日経ビジネスの1月29日に次の記事がありました。

125カ国で日本最低、どん底のエンゲージメント 上意下達に失望する若手

エンゲージメントとはEngagementのことですが、辞書を引けば、一番最初の意味は「婚約」だったりします。 何かに従事することをEngageと言うわけで、人にとって仕事に従事することは重要であり、充実した生き甲斐を感じられ、満足が得られる仕事ができれば幸福です。 そんなことで、私はEngagementをこの場合は、働きがいと訳します。

日経ビジネスの記事が述べている米ギャラップによる世界各国の従業員エンゲージメントの調査とはこのGallupのWebページ Employee Engagementにあります。 Gallupの報告から、幾つか比較グラフを作ってみました。

1) 最新結果(2020、21、22年調査)の気になる国との比較

次の図をご覧ください。

Gallupengagement20231

確かに、日本では満足している人の割合は低く、逆に大不満が結構多い。 日本、イタリア、韓国は似通っているように思えるが、満足している人の割合は韓国の方が多い。 ロシアは、どうだろうかと見ると、日本より働きがいを感じている人の割合は多いようです。 働きがいが感じられる国として、日経ビジネスには米国があげられていたが、私が気になったのは、インド、ブラジル、コスタリカです。 

2) 過去10年間での日米比較

過去の数字も気になるわけで、2010・11・12年からの数字を日・米で比較すべく次のグラフを作成しました。

Gallupengagement20232

10年間でそれほど大きな変化はないが、10年前日本では満足している人は7%であったが今は5%に下がっている。 一方、米国では満足している人は30%から34%へと増加している。 国際比較に於いては、国民の感情や感覚、気風等様々な要素も絡むことから、難しい面はある。 しかし、同じ国で、同じ調査方法により継続して得られた結果で、満足度が下がっていると言うことは、考え直すべきことがあると信じる。

3) 調査内容

Gallup調査は、その方法として合計12の質問を投げかけ、その集計結果で満足・不満・大不満に振り分けているが、質問内容とは次の様な事項であり、 働く人も働く場を提供する人も、法令やルール作りに携わる人も参考にして欲しいと思います。

Gallupengagement20233

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«これが本当なら、総務省って、やはりろくでもない役所だと思う