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2007年2月 1日 (木)

日興コーディアル上場廃止の可能性

1月30日付で日興コーディアルグループ特別調査委員会の報告書が出されました。このニュースと報告書を以下に掲げます。

・ 日経1月31日-日興、利益水増し「組織的」・調査委報告
・ 調査委員会の報告書

報告書を読みましたが、どのような粉飾を行ったのか(粉飾でないと当事者は言うかも知れませんが)は、この報告書でほぼ明らかです。但し、何故ベルシステム24を日興が2400億円もの資金を投入して取得したのかについては、調査の範囲に入っておらず依然として謎です。単純に考えれば、140億円ほど利益操作したかったと言うことになるのですが、資金を1500億円程(正確に計算していないので、感覚に近いですが)支出したわけであり、資金の支出には一方では必ずコストが関係します。140億円ほどの利益といったて、帳簿上の利益ですから、逆に税負担が出て、キャッシュフローはマイナスの可能性が高いのです。

特別調査委員会の報告書についての私のコメントは明日のブログで申し上げることとして、本日は一言だけにすると、「日興コーディアルの上場廃止の可能性」です。この可能性は以下のように多くの新聞等で報道されているのですが、私が上場廃止がありうると思うのは、監査法人の監査報告書が出ない可能性があると思うからです。

即ち、監査報告書は監査を行った財務諸表は正しいと独立した監査法人が述べることです。当然、ベルシステム24に関係する部分のみではなく、日興コーディアルグループの全てです。そして、問題の訂正すべき監査を行ったのは中央青山監査法人(現在は名称変更で「みすず監査法人」)ですが、今回監査を行うのは中央青山監査法人から抜け出た会計士が7月1日に設立した「あらた監査法人」です。嘗て、中央青山で日興の監査をしておられた会計士が、今回のあらた監査法人による監査メンバーに入っておられるのかどうか知っていませんが、複雑な関係です。(報告書によれば、当時中央青山監査法人はストラクチャーを知った上で、NPIが保有するEB債についての評価益を当期利益とすることについて会計上問題がないとしたとのことです。)

朝日-日興CGはストップ安気配、調査委報告受け上場廃止懸念強まる
東京-不正体質浮き彫り 上場廃止強まる
日経-日興コーデ、売り気配がストップ安まで低下――売買成立せず

私は、一旦上場廃止になることが中途半端に上場を継続するより、良いだろうと思うのです。上場廃止となっても、再び上場すれば良いのですから。市場の信頼、一般投資家の信頼というのが、上場企業の最も大切としなければならないことです。変に誤魔化すような体質を残して、上場継続するより、信頼される企業として出直した方が、よいと思います。

明日、特別調査委員会の報告書についてのコメントを書きます。

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