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2007年6月26日 (火)

ブルドッグソースの買収防衛策に思う

24日の株主総会で、ブルドックソースの新株予約権無償割当てに関する事項が2/3以上の賛成により承認され、日経 6月24日 ブルドック株主総会、買収防衛策を可決・スティールに対抗のように買収防衛策が可決されたと報道がありました。このブログにおいても少し書いてみます。

なお、ブルドックソースの新株予約権無償割当てに関する6月24日の発表文はここ(pdf)にあります。

1) 株式投資

「貯蓄より投資」という言葉があります。日本では、一般個人の資金運用において貯蓄の割合が高く、株式投資等の割合が低く、正常な経済発展には投資の割合を現在よりは大きくし貯蓄と投資のバランスを少し変えた方がよいとの考えです。ところで、株式投資を行うに当たっては、上場株式に投資することになるわけで、その理由は、証券市場で自己の判断により直ちに売却して現金化できるからです。この現金化とは、誰かが、その株式を購入しており、その購入代金が自分に払われたことです。

即ち、株式の譲渡が自由であるからこそ、株式を保有しても、簡単に現金化できると言えます。さて、ブルドックソースの今回の新株予約権無償割当ては、TOBを行っているスティール・パートナーズについては無償割り当てを行うと同時に、その新株予約権をブルドックソースが23億円強で買い戻すわけで、会社の都合で株主を選択して良いのだろうかであります。勿論、株主が企業に対して好ましくないことを働いたのであれば、あるいは働くことが合理的によそうされるのであれば、話は変わると思いますが。

上場会社は、公開会社であり株式の譲渡に取締役会等の承認を必要とする非公開会社ではないから、新株予約権についても固有名詞による名指しで、権利行使を制限することが許されるのであろうかと疑問を持ってしまいます。だからこそ、取締役会の決議ではなく、株主総会の2/3多数決の特別決議を行ったのでしょうが、どのようになるのでしょうか?

2) スティール・パートナーズ

読売ウィークリー4月1日号はスティール・パートナーズをスティール・パートナーズの正体として解説しています。スティール・パートナーズ自信も、TOBの開始公告で「本公開買付けに基づく買付けは、あくまでも、証券売買による利益を得ることを目的としてするものであります。」と述べており、スティール・パートナーズのTOBの目的は株式売買益であると思います。そこで、前に戻るわけですが、株式売買益を得ようとTOBを行う株主は冷遇されるとなれば、これで良いのだろうかと思ってしまうのです。

もし、スティール・パートナーズでなかったとして、今回の買収防衛策なるものが、承認されたのであろうかと思うのです。外資のハゲタカファンド・・・・と、イメージのみで反応しているのだとしたら、間違った方向に進まないかと心配です。

3) 敵対的買収

マスコミは、敵対的買収という言葉が好きなようで、私は、この言葉は好きではありません。経営者が有能で、善人でと、そんな単純に思えないからです。他人をけ落として出世街道を上ってこられた方も中にはおられるはずです。無意識のうちに、そうなってしまった人や、出世するたびに取り巻きがイエスマンが多くなり正常な判断ができなくなってしまう人もいるとの話があります。敵対的買収とは、取締役会が言っていることです。従い、この言葉にごまかされてはいけないと思います。

敵対的でない友好的買収を考えてみればよいのですが、友好的買収はインサイダー取引と紙一重とも言えます。MBO(Management Buy Out)なんて、友好的買収の典型でありますが、問題がないわけではありません。MBOを行い、不採算部門を閉鎖し、優良部門を高値売却なんてこともMBOだったら効率よくできてしまいます。

Bausch & Lombが36.7億ドルでWarburg PincusというPrivate Equityにより買収という話があります。この買収について、取締役会は賛成していることから、友好的買収であるのですが、買収の結果CEOのRonald L. Zarellaは、40百万ドル(今なら50億円でしょうか)のgolden parachute(役員退職慰労金とでも言えばよいのでしょうか)を受け取るというのです。このブログにありました。その他記事はREUTER等にもあります。

話を元に戻せば、ブルドックソースとスティール・パートナーズのTOBに関してはまだ法廷闘争が残っており、今後も楽しませてくれると思います。

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