奈良大淀病院の裁判
ここ2回奈良の妊婦救急車搬送事件についてエントリーを書いたので、マスコミ報道が取り上げていた奈良大淀病院の事件に関する裁判について書くこととします。
1) 裁判
本年5月23日に奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、19の病院に転院を断られた後に死亡した高崎実香さんの夫晋輔さん他が大淀町と担当医に損害賠償を求めた訴訟を提起しています。私も5月2日のエントリー大淀病院事件の現状についてと6月26日のエントリー大淀病院に対する民事訴訟の弁論始まるで少し書きました。
私は、この裁判については、被告である医療側を全面的に支持します。正しいことを行って、損害賠償が問題となる社会を望まず、社会正義の通る社会にしたいからです。なお、奈良県(のみとは限らないのが現状と認識しますが)の周産期医療や救急医療には、問題があると思っています。その原因・問題の本質はもっと別の所にあり、単純ではない複雑な問題であると思います。医師や病院を叩いて良い結果が得られるとは思いません。
2) 第2回公判と裁判記録
第2回公判が8月29日に大阪地裁でありました。この裁判の傍聴に行かれた僻地の産科医さんは、奈良大淀病院の裁判傍聴にいってきました!とブログを書いておられます。そて、僻地の産科医さんは「残念ながら裁判官のおっしゃることも、弁護士の方のおっしゃることもぼそぼそしていて聞取りにくかった。」ということで、大阪地裁に裁判記録の閲覧をされて、再び大淀裁判、裁判記録の閲覧情報というこのブログを書かれました。
僻地の産科医さんの閲覧情報によれば、
a) 国立循環器センター(国循)の医師は病理解剖を勧めたが、患者の遺族は「このまま引き取らせてほしい」と回答を行い、病理解剖はされていない。でも、訴訟を起こしました。死因の究明を行うことを拒否して、その上で、医師を訴える変な理屈と感じます。CTは、結局撮影していないんですね、「国循到着:脳血管撮影の余裕なし、直ちに開頭手術」とのことですから。
b) 「被告から原告への釈明(?)要求」の内容を僻地の産科医さんが書いておられますが、これを読むと、被告は何を根拠に訴訟を起こしているのかと思います。嫌がらせでしょうか?
僻地の産科医さんの閲覧情報として、ブログに書かれたことを読んでいただければ、よく分かります。
Dr. Iさんのブログ2006年10月26日の奈良の産科医、詳細1や2006年10月30日の奈良の産科医 詳細2そして一部削除した経緯を書いておられる2007年5月1日のの大淀病院事件、ネットで詳細に2は、訴訟提起前に書かれておられることですが、医師からの観点がよく書かれていると思います。
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