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2007年12月12日 (水)

IHIと東証

東証は昨日、IHIを監理ポストに指定しました。日経ニュース、東証発表及びIHIの発表を掲げておきます。

日経 12月11日 東証、IHI株を監理ポストに割り当て
東証 12月11日発表 監理ポストの指定について -(株)IHI-
IHI 12月11日発表 当社株式の監理ポスト指定について

やはり、非常に驚きです。例えば、次のニュースなどは、冷静だと思うし、プラント・ビジネスなんて、そんな世界だと思うからです。

日経 12月11日 IHI株、日経平均構成銘柄に当面維持
日本経済新聞社と日本経済新聞デジタルメディアは、11日に監理ポスト入りしたIHI株について、日経平均株価の構成銘柄として当面維持すると発表した。東京証券取引所の審査動向を見て、対応を決定する。日経株価指数300および日経500種平均株価も同様に対応する。

東証が監理ポストに指定した理由は、以下としております。

有価証券上場規程施行規則第605条第1項第14号(上場会社が有価証券上場規程第601条第11号a前段に該当すると認められる相当の事由があると当取引所が認める場合)に該当するため

その有価証券上場規程施行規則第605条第1項第14号とは、次の文章です。

第605条 当取引所は、上場株券等が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該上場株券等を規程第610条に規定する監理銘柄に指定することができる。・・途中省略・・
(14) 上場会社が規程第601条第11号a前段又は同号b前段(規程第602条第1項第1号、同条第2項第3号、規程第603条第6号、規程第604条第1項第2号又は同条第2項第1号による場合を含む。)に該当する場合(これらに該当すると認められる相当の事由があると当取引所が認める場合を含む。)。ただし、・・省略・・・

有価証券上場規程第601条第11号a前段
(11) 虚偽記載又は不適正意見等
次のa又はbに該当する場合
a 上場会社が有価証券報告書等に虚偽記載を行い、かつ、その影響が重大であると当取引所が認める場合

運用次第で、過年度の修正をしたら、何でもありみたいな恐ろしい規定だなと思ってしまいます。だって、今回のことについてIHIは、9月に既に発表済みであったんですよ。

IHI 9月28日発表 業績予想の修正に関するお知らせ
IHI 9月28日発表 過年度決算発表訂正の可能性に関するお知らせ

上記に対して、昨日IHIが発表したのが、次の発表でした。

IHI 12月11日発表 業績予想の修正および過年度訂正に関する調査状況について

この中で、「これに併せて,平成19 年3 月期にかかる訂正有価証券報告書および訂正半期報告書についても会計監査人の監査を経て提出いたします。」と言っております。訂正をすると自ら言うと虚偽記載をしていたとなるのなら、少し大げさすぎるように思います。

本日、IHIは、平成19年3月期の過年度決算の訂正と平成20年3月期の業績予想の修正を発表しました。
IHI 12月12日発表 業績予想の修正および過年度決算の訂正に関する調査結果ならびに当社の対応方針のご報告
IHI 12月12日発表 業績予想の修正に関するお知らせ

で、判りつらいので、連結業績について比較表を作りました。

平成20年3月期通期予想 連結売上高     営業利益    経常利益
当初発表  1兆2300億円       400億円      300億円
9月28日修正  1兆3200億円    ▲170億円   ▲270億円
12月12日修正  1兆3200億円    ▲150億円   ▲250億円

平成19年3月期 連結売上高     営業利益   経常利益
決算額   1兆2349億円       246億円     215億円
9月28日修正     発表せず      ▲34億円   発表せず
12月12日修正   1兆2210億円      ▲56億円    ▲87億円

私にとって天文学的数字ではありますが、9月に発表したときと昨日・本日の数字とほとんど変わらないではないかと思えます。過年度の業績修正を行うことも9月に発表していましたから。営業利益は平成20年3月が20億円改善して、平成19年の結果は22億円損失が増加しているから合計で2億円損失の増加となりますが、誤差範囲に思えます。

そして、本日IHIは、次の2つの調査報告書を公表しました。

社外調査委員会の調査報告書
社内調査委員会の調査報告書

私も、これら調査報告書は、これから読むところですが、IHIの対応は、監理ポストにはいるほど、そんなに悪いのだろうかと思うのです。船場吉兆とは、違うと思うのです。一罰百戒でしょうか。プラントビジネスなんて仕様書の読み方で対象物が違うというか、そもそも規定することが簡単ではありませんから。

でも、巨額の損失が発生することについてIHIは重く受け止めるべきであり、結果として当然資金調達コストも高くなる。しかし、整理ポストとなると、市場からの調達はほとんど閉ざされてしまうのではないかと。同じように1兆円を超えているここここの会社も次は自分の身かと怖がっておられるのではないかと思って。何故なら、IHIは、良いですよ。江東区の土地を売れば、大丈夫ですから。売却する資産がある会社は強いのです。

でも一つだけ、私にも整理がつかない部分があります。平成19年3月期にIHIは、次のことをしているのです。

平成18年10月1日 石川島汎用機サービス株式会社の完全子会社化のための株式交換で4,133千株発行
平成19年1月26日 公募による募集株式発行 143,000千株 発行価格391円
平成19年2月26日 第三者割当による募集株式発行 21,450千株 発行価格375.04円

投資家にとってどうだったか。プラントビジネスには、損失金額がグレイの工事は生じうるのですが。しかし、どう考えても、上場廃止となると理不尽だなと。もしかすると、IHI株は、この結果下がった株価で買うべきで推奨株ではないかと。

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