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2008年2月 4日 (月)

JT冷凍ギョーザとインサイダー取引

2月2日の読売新聞ですが、次の記事がありました。

JT株、ギョーザ事件公表2日前に急落…証取委が調査

農薬が、どの段階でギョーザの中に入ってしまったのかは、調査の結果を待たざるを得ず、その結果によって、批判も可能だと思うことから、このインサイダー取引を考えてみます。

1) JT株の動き

最近3ヶ月間のJT株の株価と出来高を示すYahooチャートは、次の通りです。

Jtchart20080201

JT株価も、他の株と同様の値動きをしていると思うのですが、念のため、日経平均と比較したのが、次のチャートです。

Jtchart20080201comp

青がJT株で赤が日経平均ですから、1月21日以降の動きがJT株と日経平均で違いがあると言えば、あるように思えます。1月21日(月)以降のチャートを大きくしてみました。

Jtchart2008121

2) インサイダー取引の可能性は?

出来高は、1月28日と31日で大きく、それぞれ52,602株と81,172株でした。株価の始値と終値を比べると、28日が28,000円安で、31日が36,000円高でした。一方、出来事を、時系列に並べると次のようになります。

12月28日 千葉市の母子2人中毒症状発生
1月4日 千葉市の中毒に関する情報がJTに伝わる。
1月5日 高砂市の3人中毒症状発生
1月7日 高砂市の中毒に関する情報がJTに伝わる。
1月22日 市川市の5人中毒症状発生
1月30日 JTが市販用・業務用合わせて23品目の自主回収を発表

1月22日の市川市の中毒症状が28日の段階で、特定の関係者で知ることができる人物が存在するかどうかです。この1月30日 朝日新聞 「最初の被害」から1カ月、公表遅れる ギョーザ中毒を読むと、「殺人未遂容疑で捜査を始めたのは1月23日、ギョーザからメタミドホスが検出されたとする鑑定結果を得たのは29日だった。」とあり、29日のある時点においては、JTの関係者で事態をほぼ把握できていた人たちはいたと思います。しかし、28日で、どうであったかは、残念ながら私としては何も言えない状態です。

JT株の売買を金額で把握すると、28日が300億円で、31日が450億円です。通常は1日2万株の出来高ぐらいですから、150億円位です。だから、28日と31日は確かに通常よりは取引が多かったのです。

上場株式は電子制度になり、上場株式の所得税の利点を得るためには、身分証明書を提出して証券会社に売買委託をする必要があることから、今や架空名義はほとんどないであろうと思うのです。だから、強制捜査の権限をもった機関がインサイダー取引があったのかどうかを、調査して結果を報告すべきであると思いました。

証券市場の健全な発展のために、疑わしい場合には、調査をし、その結果を報告することが当然と思います。

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